- 更新日 : 2025年2月27日
申告分離課税とは?総合課税との違いや2つの分離課税について解説
所得の合計金額に課税する総合課税とは別に、特定の所得に対してそれぞれ単独の計算式で課税をしていくのが分離課税です。この分離課税の中にも天引きの源泉分離課税と確定申告が必要な申告分離課税があります。この申告分離課税について確認してみましょう。
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総合課税と分離課税の違い
総合課税とは、所得を合算した総所得金額に課税する方法で、サラリーマンの給与所得やアパートなどの賃貸経営者の不動産家賃収入、個人事業主の事業所得などがあります。
それに対し、分離課税とは他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算する方法です。分離課税の対象は、不動産売却による所得や銀行預金の利子所得、株の売却による所得等が該当します。これは相続した土地が値上がりして生じた利益や退職金など、一時に大きな金額が手に入った時、その金額を通常の課税所得とは切り離して計算をすることで、他の所得にも高い税率が適用されないようにする制度です。
源泉分離課税
源泉分離課税は支払われる時点で所得税分が引かれているので、ご自身で納税手続きをする必要がなく、確定申告時も申告不要です。源泉分離課税の対象となる主な所得は下記です。
(1) 利子所得に該当する利子等(総合課税の対象となるものを除く)
(2) 特定目的信託のうち、社債的受益権の収益の分配に係る配当
(3) 私募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る配当
(4) 懸賞金付預貯金等の懸賞金等
(5) 次の金融類似商品の補てん金等
イ 定期積金の給付補てん金
ロ 銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補てん金
ハ 一定の抵当証券の利息
ニ 貴金属などの売戻し条件付売買の利益
ホ 外貨建預貯金で、その元本と利子をあらかじめ定められた利率により円又は他の外国通貨に換算して支払うこととされている一定の換算差益
ヘ 保険期間が5年以下などの一時払養老保険や一時払損害保険等の差益
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申告分離課税
次に挙げる所得に対しては申告分離課税の対象となるため、確定申告が必要です。
また上場株式配当所得は、総合課税か申告分離課税かを選べます。
参考:No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|国税庁、No.2240 申告分離課税制度|国税庁
申告分離課税所得と所得税の計算方法
次に、申告分離課税の計算方法を解説します。
株式譲渡所得
譲渡収入から取得費と譲渡費用を差し引いたものが譲渡所得となり、他の所得とは分けて税金の計算をする申告分離課税となります。
また、先物取引の場合は、その取引にかかる事業所得の金額、譲渡所得の金額、そして雑所得の金額を合算したものを雑所得等の金額とします。
雑所得×15%を所得税、雑所得×5%を地方税、さらに平成25年から平成49年までは所得税額の2.1%が復興特別所得税として納める必要があります。
参考:No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例|国税庁
不動産譲渡による譲渡所得
不動産譲渡による所得に対する税額は、譲渡するまでに保有していた期間が5年を超えるかどうかで「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」とに分かれます。また、一定の条件を満たしたものに関しては税率が軽減されるものもあります。さらに、不動産譲渡においても、それぞれ所得税額の2.1%の復興特別所得税が加算されます。
土地建物を譲渡した場合における、譲渡所得に対する税率は次の通りです。
- 所有期間が5年を超えるものを譲渡した場合は所得金額の15%が所得税、5%が住民税となります。
- 所有期間が5年を超えるものを国などに譲渡した場合や交換譲渡、優良住宅建設や宅地造成のための譲渡は2000万円以下に対し10%が所得税で4%が住民税となり、それを超える部分は15%が所得税、5%が住民税となります。
- 所有期間10年を超える自宅用の土地建物を譲渡した場合6000万までの部分は10%が所得税で4%が住民税となり、それを超える部分は15%が所得税、5%が住民税となります。
- 所有期間が5年以下の土地建物を譲渡した場合の短期譲渡所得は30%が所得税で9%が住民税、国などに対する譲渡や交換譲渡は15%が所得税、5%が住民税となります。
- 山林所得の税額計算は課税山林所得金額の1/5に総合課税の税率をかけて算出した金額を5倍にします。これは5分5乗方式による計算です。
譲渡所得の計算は大変複雑であり、各種特例を受けるための要件の確認は慎重に行う必要があります。
特例を受けることができるかどうかは、税務署もしくは税理士に事前に相談しておくようにしましょう。
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よくある質問
総合課税と分離課税の違いは?
総合課税は所得を合算した総所得金額に課税する方法であるのに対し、分離課税は他の所得金額と合計せず分離して税額を計算する方法です。詳しくはこちらをご覧ください。
源泉分離課税の対象となる所得の例は?
利子所得に該当する利子等、特定目的信託のうち社債的受益権の収益の分配に係る配当などです。詳しくはこちらをご覧ください。
申告分離課税の対象となる所得の例は?
株式の譲渡所得、不動産売却による譲渡所得、先物取引による雑所得などです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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