- 更新日 : 2025年2月13日
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)とは?無料テンプレート・書き方
在職証明書とは、会社に在籍していることや、在籍していたことを証明するための書類のことです。勤労証明書や就業証明書、雇用証明書など、さまざまな名称で呼ばれています。本記事では、在職証明書の概要や必要となるケース、記載項目や作成時の注意点などを解説します。
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目次
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)とは?
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)はどういったケースで必要?
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)への記載項目
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)を作成する際の注意点
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)のフォーマットに決まりはある?
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)を発行する手続き・流れ【従業員と雇用主が行うこと】
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)に発行義務はある?
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)を従業員自身で作ることはできる?
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)の発行理由を会社に伝える必要はある?
- 在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)の書き方や発行手順を確認しておこう
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)とは?
在職証明書とは、会社に在職中であることや、在職していたことを証明する書類のことです。基本的に、在籍または退職した会社の人事課から発行されます。会社によってさまざまな名称で呼ばれます。
就業証明書
就業証明書は、会社への在籍状況や勤務状況を証明する書類のことです。在職証明書と同じ書類を表します。
就労証明書
就労証明書も、自分がその会社で働いていることを証明する書類を意味します。呼び方が異なるだけで、在職証明書と同じ書類です。
雇用証明書
雇用証明書も在職証明書と同様に、会社への在籍や退職を証明する書類のことです。「在職証明書」「就業証明書」「就労証明書」など、地域や会社によって使われる名称が異なりますが、すべて同一の書類を表します。
在職証明書と退職証明書の違い
在職証明書と退職証明書の違いは、主に以下のとおりです。
- 必要とされる場面
- 会社の発行義務
在職証明書は保育園の入園時や住宅の審査などで提出を求められる一方で、退職証明書が必要になるのは、転職時や国民年金・国民健康保険の加入手続きをする時、ハローワークで失業保険の手続きをする時などです。このように、必要な場面が異なります。なお、転職時には、退職証明書と在職証明書のいずれかを求められることがあります。
また、会社には在職証明書の発行義務はありません。しかし、会社によって作成することによるデメリットは特にないため、ほとんどの会社は応じているのが実態です。
一方、退職証明書は、労働基準法第22条の規定によって、従業員に求められた場合に発行義務が生じます。ただし、退職証明書は在籍している事実と勤務時間や業務内容を証明する書類であるため、発行できるのは退職後2年間であることに注意しましょう。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)はどういったケースで必要?
在職証明書は、以下のようなケースで必要です。
- 子どもが保育園や保育所・学童に入園を申請する時
- 認可外保育園の場合
- 転職を行う時
- 賃貸物件や住宅ローンの審査
- 公務員の転職の際にも必要?
- 外国人労働者がビザを申請・更新手続きを行う時
在職証明書が必要となる、それぞれのケースを解説します。
子どもが保育園や保育所・学童に入園を申請する時
在職証明書は、保育園や保育所、学童に子どもの入園を申請する際に必要です。これらの施設に保護者の就労を理由に子どもを預ける場合、保護者の就労を証明する必要があるためです。
すでに通園していても、毎年提出が求められます。自治体によって基準は異なるものの、子どもを預けるために必要な勤務時間の基準を超えているかどうかをチェックされます。
認可外保育園の場合
保育園であれば、無条件に在職証明書が必要というわけではありません。認可外保育園の場合、基本的に保育理由を問われず、それぞれの施設の入園基準を満たせば子どもを預けられることにより、保護者の就労を証明する必要がないためです。
転職を行う時
転職時も、在職証明書が必要となることがあります。内定が出たタイミングで、内定先の会社から就労証明書を求められるケースなどです。内定先の会社が、提出した履歴書の内容を照合するためなどに使用します。
賃貸物件や住宅ローンの審査
賃貸物件や住宅ローンの審査などでも、在職証明書が必要になるケースが多くみられます。「本当に勤務しているか」「安定した収入があるか」を確認し、賃貸物件であれば毎月の家賃が、住宅ローンの利用であれば返済ができるかどうかを調べるためです。
ただし、勤務年数は健康保険証で、収入は源泉徴収票や課税証明書などでも確認できます。そのため、必ず在籍証明書が必要になるわけではありません。
公務員の転職の際にも必要?
公務員の転職の際にも、在職証明書が必要になるケースがあります。公募による公務員の中途採用において、応募条件に「一般企業に5年以上在職していた」などがある場合などです。その他、職歴の詳細を確認する手段としても活用されることがあります。
外国人労働者がビザを申請・更新手続きを行う時
在日外国人がビザを申請・更新手続きをする際に、在職証明書が必要になることも少なくありません。例えば、就労ビザや永住ビザの取得において、在職証明書が必要になります。正確には「就労資格証明書」という名称で扱われます。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)への記載項目
ここからは、在職証明書への記載項目について、それぞれのポイントを解説します。
氏名・性別
就労を証明する必要のある従業員の氏名と、そのふりがなを記入します。
生年月日
就労を証明する必要のある、従業員の生年月日を記入する欄です。
住所
就労を証明する必要のある、従業員の住所を記入します。
現職の採用年月日
就労を証明する必要のある従業員が、現職で採用された年月日を記入します。
現職での雇用期間
従業員の雇用期間が無期の場合は雇用開始日のみを、有期の場合はその期間を記入しましょう。
雇用形態
正社員・パート・アルバイト・派遣社員・契約社員などの雇用形態を記入します。
ジョブ・仕事内容・役職
就労を証明する従業員の仕事内容や役職を記入する欄です。
就労形態
就労の形態を記入します。「固定時間制」「変形労働時間制」「フレックスタイム制」「シフト制・交代勤務制」などのうち、あてはまるものを選択してください。
勤務日数・就労の時間帯
固定勤務の場合、日々の勤務時間が決められた従業員について、就労する曜日を選択し、休憩時間を含めた1日の就労時間および1週間あたりの就労時間を記入します。
給与・年収
例えば、月給制の場合は「基本給+固定」の金額を記載してください。直近の給与支払実績は実際に支給された金額が該当するため、残業手当などの変動する手当額も含めて記載します。
会社の印鑑・押印欄
在職証明書の右上に記載の、会社の代表者名の右に押印します。
参考:保育の必要性の認定の際に用いる就労証明書の標準的様式について|内閣府
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)を作成する際の注意点
在職証明書を作成する際に注意点として挙げられるのは、以下の3点です。
- 退職した従業員の場合も、在職時の情報を記載する(住所など)
- 情報漏洩のリスクには十分注意する
- 外資系への転職など、英文の証明書が必要かどうかを予め把握しておく
それぞれの内容について解説します。
退職した従業員の場合も、在職時の情報を記載する(住所など)
退職した従業員であっても、在職時の情報を記載しなければなりません。例えば、在職時と現在では就労を証明する本人の住所が異なっている場合は、現在の住所ではなく在職時の住所を記載しましょう。住所以外にも、退職後に結婚などの理由により名字が変わっているケースにおいても注意が必要です。
情報漏洩のリスクには十分注意する
情報漏洩のリスクには、十分に注意しましょう。在職証明書には、個人情報が細かく記載されています。個人情報が漏洩してしまうと、会社の顧客情報管理やセキュリティ体制への不信感につながるでしょう。在職証明書を置きっぱなしにしない、安全な場所に保管するといったことが大切です。
外資系への転職など、英文の証明書が必要かどうかをあらかじめ把握しておく
外資系会社に転職する場合、英文の証明書を求められることがあります。社内に英文のフォーマットがない場合は、在職証明書を交付する従業員に、必要な項目などを確認しておくことが求められます。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)のフォーマットに決まりはある?
ここからは、ケース別の在職証明書のフォーマットについて解説します。
転職時に必要な在職証明書
そもそも、在職証明書は公的な書類ではないため、決められたフォーマットはありません。依頼元が求めている項目に従うのが原則です。
転職時であれば、転職先の会社が求めている内容を網羅した在職証明書を提出する必要があります。なぜなら、依頼元は確認すべき項目があるために在職証明書を求めており、その目的を果たす証明書でなければ、意味がないためです。
保育園入園の際に必要な在職証明書
認可保育園や認定こども園への入園や更新のタイミングでも、在職証明書が求められます。名称は「就労状況確認書」「就労証明書」など、各自治体で異なりますが、証明が求められる内容はほぼ同じです。
保育園などで在職証明書を必要とする理由は、「保育の必要性」を判断するためです。保育の必要性が高い保護者の子どもを優先的に入園させる仕組みであるため、就労状況が明確に証明できる書類が求められます。
フォーマットは自治体で指定されることが多く、就労の証明が必要な本人が自治体の窓口に取りに行くか、自治体のホームページからダウンロードして用意し、 勤務先の人事部や総務部が作成します。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)を発行する手続き・流れ【従業員と雇用主が行うこと】
在職証明書を発行する手続きの流れは、以下のとおりです。従業員と雇用主が行う必要があることや注意点を、それぞれみていきましょう。
【従業員】① 提出先に必要な項目・情報を確認する
勤め先の会社に在職証明書の作成を依頼する前に、証明を必要とする従業員本人が、必要な記載項目を確認しておきます。後になって必要な項目が漏れていることがわかった場合、再度勤め先に作成を依頼しなければならなくなり、二度手間です。漏れのない勤労証明書を作成するために、必ず細かく確認しておくように心がけましょう。
【従業員】➁ 人事・総務部門へ発行を依頼する
従業員は、現在の勤め先の会社の人事・総務部門に、在職証明書の発行を依頼します。依頼する担当者の負荷を少しでも減らすために、伝える内容などをあらかじめ整理しておき、伝え忘れや間違いがないように準備しておきましょう。
【雇用主】③ 在職証明書を発行する
証明を必要とする従業員の勤め先の人事・総務部門などが、在職証明書を作成します。作成した証明書について、従業員の勤務時間や勤務日数に誤りがないか、きちんと確認しておきましょう。その他、誤字脱字や記入漏れがないかどうかも確認をする必要があります。
【従業員】④ 提出先へ提出を行う
勤め先に在職証明書を作成してもらったら、従業員自身で提出先へ提出します。締切日から3ヶ月より前に発行した証明書は無効になることがあるため、準備する時期に気をつけましょう。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)に発行義務はある?
会社には、在職証明書の発行義務はありません。そのため、作成を拒否することも可能です。しかし、会社が在職証明書を発行することによる特段のデメリットもないため、作成を依頼されたら、多くの会社が応じているのが実態です。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)を従業員自身で作ることはできる?
勤労証明書を従業員自身で作成したとしても、証明書としては使えません。勤め先の代表者などの押印が必要であり、押印がなければ会社に在籍している証明としての意味を持たないためです。在職証明書は、従業員の勤め先会社の人事部や総務部の担当者が作成することが基本です。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)の発行理由を会社に伝える必要はある?
従業員が勤め先の会社に在職証明書の作成を依頼する際、発行の理由を伝える義務はありません。しかし、会社にも在職証明書を発行する義務はないため、理由を伝えずに作成の依頼をしてきた従業員に対して、対応しなかったとしても問題はありません。
発行理由を伝える義務はないとはいえ、お互いにスムーズにやり取りをするために、従業員側も理由を伝えることが望ましいと考えられます。なお、会社によっては在職証明書を発行申請書に「利用目的」の欄を設けていることもあります。
在職証明書(勤労証明書・在籍証明書)の書き方や発行手順を確認しておこう
在職証明書とは、会社に在職している、あるいは在職していたことを証明する書類のことで、基本的に会社の人事課から発行します。会社や地域によって、在籍証明書や就業証明書、就労証明書など、さまざまな名称で呼ばれています。
会社には在職証明書の発行義務はありませんが、作成することによるデメリットは特にないため、従業員から依頼があった際にはスムーズに対応するのが望ましいでしょう。
勤労証明書(在籍証明書)の作成にあたっては、テンプレートを活用することもおすすめです。必要に応じ、以下のテンプレートをご利用ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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