• 作成日 : 2026年5月7日

採用理由書とは?作成するケース・記載項目・記載例を解説

Point採用理由書は、いつ・なぜ必要になるのでしょうか?

採用理由書は、外国人採用時に企業が採用理由や業務内容を入管へ補足説明する文書です。

  • 作成義務は原則ない
  • 採用理由や担当業務を補いたい場合に使う
  • 自由書式で作成できる

採用理由書は必須ではないですが、新卒採用、経歴と業務の関連が伝わりにくい場合、事業内容や採用の必要性を補足したい場合は、提出すると審査が進みやすくなります。

採用理由書は、外国人を採用する際の在留資格申請で、企業側の採用理由や担当業務を補足するために用いられる文書です。名前は聞いたことがあっても、何を書くのか、必ず必要なのか、どんな場面で作成するのかが分かりにくいと感じる方は少なくありません。

この記事では、採用理由書の基本的な意味から、作成するケース、記載内容、審査で見られやすいポイントなどを解説します。

採用理由書とは?

採用理由書は、外国人雇用に関する在留申請で、受入企業が採用の背景や担当業務を補足説明する文書です。申請書や雇用契約書だけでは伝わりにくい事情を補い、在留資格に合う活動か、記載内容に不自然な点がないかを審査側に伝える役割を持ちます。

採用理由書は受入企業の採用背景と職務内容を補う説明資料

採用理由書は、受入企業が「なぜその外国人を採用するのか」「どのような業務を任せるのか」を文章で補う資料です。就労系の在留手続では、申請人が従事する活動が在留資格の範囲に収まるかが見られるため、企業側の説明文書として機能します。たとえば「技術・人文知識・国際業務」では、専門性を要する業務かどうかが審査対象になるため、職務の中身を具体化する意味があります。

参考:在留資格「技術・人文知識・国際業務」|出入国在留管理庁

「雇用理由書」「理由書」と意味がほぼ同じ

「採用理由書」「雇用理由書」「理由書」は、実務上ほぼ近い意味で使われることがあります。ただし、企業が作る文書は採用の必要性、配置の妥当性、担当業務の内容を説明する色合いが強く、本人が作る理由書は応募経緯や経歴との整合を補う文書として扱われやすい点が異なります。名称よりも、誰が何を説明する文書かを分けて理解するほうが実務では正確です。

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採用理由書の目的・作成者・提出先・提出方法は?

採用理由書は、外国人を受け入れる企業が、採用の背景と担当業務の妥当性を審査側へ伝えるために作る文書です。就労系の在留資格では、従事予定の活動が資格の範囲に収まるかが見られるため、申請書類だけでは伝わりにくい事情を企業側の説明で補う役割があります。

【目的】採用の合理性と業務の適法性を一つの流れで示すこと

採用理由書は、なぜその人材が必要なのか、どの業務を任せるのか、その業務がどの在留資格に該当するのかを、一つの文章の流れで示すために作成します。出入国在留管理庁は、就労資格で行える活動内容を在留資格ごとに定めています。採用理由書があると、職務内容、本人の学歴や職歴、配置理由、雇用条件がばらばらの情報ではなく、筋道の通った説明として伝わりやすくなります。

つまり採用理由書は、雇用される外国人のために作る生活支援の文書というわけではなく、受入企業が自社の採用理由や職務内容の妥当性を入管へ説明するために作成する文書です。また、その説明が整うことで、結果として外国人本人の在留申請も進めやすくなると言えます。

【作成者】受入企業の担当者が会社の立場で作成する

採用理由書は、基本的に受入企業が作成する文書です。実務では人事、総務、採用担当者が下書きを整え、代表者名や会社名義で提出する形が一般的です。外部の行政書士が作成支援や内容確認を行うことはありますが、審査に対して説明責任を負う主体は企業側です。オンライン申請でも、採用予定の企業の職員が在留手続を行える仕組みが設けられており、企業が主体となって準備する運用と整合します。

【提出先】申請先の出入国在留管理署

採用理由書の提出先は、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請などを行う出入国在留管理局です。企業が外国人本人を採用する際は、ほかの申請書類や添付資料とあわせて、管轄の地方出入国在留管理局へ提出します。

申請の種類によって提出者は異なりますが、企業が所属機関として書類を準備し、本人申請や取次申請の中で提出される形が一般的です。オンライン申請の対象手続でも、所属機関の職員や取次者が申請主体となる運用があり、採用理由書も必要に応じてその申請書類の一部として扱われます。

【提出方法】窓口とオンラインが中心

採用理由書は、在留申請の添付資料として「窓口」または「在留申請オンラインシステム」で提出するのが基本です。在留資格認定証明書交付申請はオンライン申請が可能であり、また郵送提出は受け付けていない旨が明示されているためです。

オンライン申請で受け付け可能な手続として、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請などが挙げられています。オンラインの場合も、審査中に追加資料の提出依頼があればオンラインで追加提出できる運用が案内されています。

採用理由書の作成は義務?作成すべきケースは?

採用理由書は、外国人雇用の在留申請で常に必要となる書類ではありません。任意提出の文書ですが、審査で説明不足と判断された場合には追加提出を求められることもあるため、どの場面で作成しておくべきかを見極めることが大切です。

採用理由書の作成は義務ではない

採用理由書は、すべての在留申請で提出が義務づけられている書類ではありません。就労系の在留手続では、申請書、雇用契約書、会社資料などの基本書類を中心に審査が進み、採用理由書はそれらを補う説明資料として位置づけられます。入管法上、提出を義務付けられている書類ではありませんが、審査を経て許可を得るためには重要な書類といえます。新卒や実務経験が浅い外国人を採用するケース

新卒者や実務経験が浅い外国人を採用する場合は、採用理由書を付けたほうが伝わりやすくなることがあります。学歴や専攻内容はあっても、実務とのつながりが書類上だけでは見えにくいためです。このようなケースでは、どの部署でどの業務を担当し、大学や専門分野で学んだ内容がどう生かされるのかを説明すると、申請内容の理解を得やすくなります。

学歴や職歴と担当業務の関係が伝わりにくいケース

本人の学歴や職歴と、実際に従事する予定の業務との関係が見えにくい場合も、採用理由書の出番が増えます。審査では、在留資格に該当する活動かどうかが見られるため、経歴と職務の関連が弱く見えると確認事項が増えやすくなります。そこで、どの経験や知識がどの業務に結びつくのかを文章で補うことで、情報を一続きの説明として示しやすくなります。

会社の事業内容や採用の必要性を補足したいケース

会社の事業内容、配属部署の役割、その外国人を採用する必要性が申請書類だけでは伝わりにくい場合も、採用理由書を添付する効果があります。新設法人、小規模事業者、事業内容が専門的な会社では、会社資料だけでは採用の背景が十分に伝わらないことがあります。そのため、どの事業のために、なぜその人材が必要なのかを補足すると、審査官が全体像をつかみやすくなります。

義務ではなくても審査で追加提出を求められることがある

採用理由書は任意提出ですが、説明が不足していると判断された場合には、地方出入国在留管理官署から追加資料の提出依頼が行われることがあります。オンライン申請のQ&Aでも、追加資料の提出依頼があった場合に、電子データをオンラインで提出できることが案内されています。つまり、最初から必須ではなくても、審査の途中で必要になることはあります。説明不足が起こりそうな案件では、最初から準備しておくほうが手戻りを減らしやすいです。

採用理由書にフォーマットはある?

採用理由書には、出入国在留管理庁が一律に定めた統一様式は基本的にありません。就労系の在留申請では、所定の申請書や在留資格ごとの提出資料はありますが、採用理由書はそれらを補う任意の説明資料として扱われます。

採用理由書は自由書式で作成されることが多い

決まった書式がない以上、会社名、採用理由、担当業務、本人の学歴や職歴との関係、雇用条件を無理なく読める順にまとめる形が一般的です。もっとも、自由書式だから何を書いてもよいわけではなく、申請書や契約書と内容が食い違わないことが前提です。審査で説明不足があれば追加資料の提出を求められることもあるため、読みやすさと整合性を優先して作るのが適切です。

採用理由書の記載内容は?

採用理由書には、単に「採用したい」という結論を書くのではなく、会社情報、採用理由、担当業務、本人の学歴・職歴との関係、雇用条件などを一つの流れで示します。

順番は「会社」「本人」「業務」「条件」で並べると読みやすい

会社情報から入り、次に本人情報、採用理由、担当業務、雇用条件、結びの順に並べると読みやすくなります。審査官は限られた時間で、誰が、どの会社で、どの在留資格に当たる業務を行うのかを確認するため、情報の順番が整理されているだけでも理解しやすさが変わります。

採用理由書に記載すると分かりやすい項目一覧

採用理由書は法定様式ではないため自由記載ですが、審査で確認される論点に沿って整理したほうが通りやすい文書になります。

記載項目 何を書くか 審査官が見ているポイント
会社の基本情報 会社名、所在地、事業内容、設立時期、従業員数、主な取引や事業の概要 実体のある企業か、どの事業のための採用か
採用する外国人の情報 氏名、国籍、最終学歴、専攻、職歴、保有スキル、日本語力など 本人の経歴と予定業務に接点があるか
採用理由 なぜその人を採用するのか、日本人採用ではなくその人材を選んだ背景は何か 採用の合理性があるか、説明に不自然さがないか
配属部署と担当業務 所属部署名、日常業務、担当範囲、使用する知識や言語、裁量の範囲 在留資格に該当する専門業務か、単純作業中心ではないか
学歴・職歴との関連 専攻科目、実務経験、過去の担当業務と今回の職務のつながり 学歴または職歴が業務内容を裏づけているか
雇用条件 雇用形態、給与、勤務場所、勤務時間、契約期間、社会保険加入状況 日本人と同等以上の処遇か、就労条件に不自然な点がないか
配置の必要性 その部署でなぜ人材が必要か、事業上どの役割を担うのか 採用が名目だけではなく、実際の事業運営に沿っているか
添付資料との関係 契約書、会社案内、登記事項証明、卒業証明書、成績証明書、職歴証明などとの対応関係 他の提出資料と説明内容が矛盾していないか

採用理由書の記載例は?

以下は一例です。内容は架空ですので、事実に合わせて調整してください。

記載例

(記載例:採用理由書/雇用理由書)

宛先:〇〇地方出入国在留管理局 御中

作成日:20XX年X月X日

作成者:株式会社〇〇〇〇

所在地:〇〇県〇〇市〇〇

代表者:代表取締役 〇〇 〇〇

件名:採用理由書(在留資格〇〇に係る補足説明)

当社は〇〇を主業とし、国内〇〇社および海外〇〇社向けに〇〇サービスを提供しております。近年は海外顧客向け案件が増加し、〇〇語での要件整理と提案資料作成を含む業務量が増えています。

申請人〇〇〇〇氏には、配属予定の〇〇部において、海外顧客との折衝、〇〇語での資料作成、国内メンバーへの要件共有といった業務を担当してもらう予定です。これらの業務は、当社の売上に直結する案件運営に位置づきます。

採用に至った経緯として、当社は〇〇職の募集を行い選考を進めましたが、〇〇語での実務対応と〇〇分野の知識を併せ持つ人材の確保が難航しました。申請人は〇〇(学位・専攻・職歴等)を通じて〇〇分野の知識を有し、加えて〇〇語での実務経験(または実績)を有しているため、当社業務との適合性が高いと判断しました。

労働条件は、職位〇〇、月額報酬〇〇円、勤務先は当社〇〇事業所、業務内容は上記のとおりです。雇用条件は、当社の同等職務に従事する社員の処遇と整合する水準で設定しています。

以上の理由から、申請人を採用し当社業務に従事させる計画です。何卒ご審査のほどお願い申し上げます。

採用理由書を理解したうえで申請準備を進めよう

採用理由書は、外国人を雇用する企業が、採用の背景、担当業務、本人の学歴や職歴との関係を入管に説明するための補足資料です。作成は義務ではありませんが、業務内容や採用の合理性が伝わりにくい案件では、審査を補う文書として役立ちます。決まったフォーマットはないため、会社情報、採用理由、職務内容、雇用条件を整理し、申請書類との整合性を意識して作成することが大切です。

採用理由書の意味と書き方を押さえておくと、就労ビザ申請や在留資格手続をより進めやすくなるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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