• 作成日 : 2026年4月15日

福利厚生の利用率はどのくらい?目安・低下原因・改善ポイントを解説

Point福利厚生の利用率はどう読み取る?

福利厚生の利用率は制度ごとに目安が異なり、数値だけでなく制度の目的や対象者を踏まえて評価することが重要です。

  • 利用率は制度ごとに異なる
  • 計測式は「利用者÷対象者」
  • 改善は制度設計と運用の両面が必要

福利厚生の利用率の目安として、日常利用型の制度は30〜60%程度、育児・介護など対象者が限られる制度は10%前後でも一般的です。

福利厚生は、従業員の働きやすさや満足度を高める制度として多くの企業で導入されています。しかし、制度を整備していても実際に利用されていなければ、企業にとっても従業員にとっても十分な効果は得られません。

人事担当者にとって「福利厚生の利用率」は制度の実態を把握する重要な指標になります。

本記事では、福利厚生の利用率の目安や利用率が低下する原因、利用率を高める改善策などを解説します。

福利厚生の利用率の目安は?

福利厚生の利用率には一律の基準はなく、制度の性質によって目安は異なります。日常的に利用する制度は利用率が高くなる傾向があり、特定のライフイベントで利用する制度は利用率が低くなる傾向があります。

日常的に利用する福利厚生は30〜60%程度が目安

食事補助やレジャー支援などの日常的に利用しやすい福利厚生は、比較的高い利用率になる傾向があります。従業員が日常生活の中で利用しやすい制度ほど、利用率が上がりやすいためです。

社員食堂や食事補助、レクリエーション活動などは、利用率が30〜60%程度になるケースがあります。こうした制度は利用機会が多いため、利用率が極端に低い場合は、制度の認知不足や利用手続きの分かりにくさが影響している可能性があります。社内周知や申請方法の見直しによって、利用率が改善することもあります。

ライフイベント型の福利厚生は10%前後でも珍しくない

育児支援や介護支援など、特定の従業員だけが利用する制度は利用率が低くなりやすい特徴があります。対象となる従業員が限られるため、制度の重要性に比べて利用率の数値は低くなるためです。

育児休業の上乗せ制度や介護休業支援などは、利用率が10%未満になることも珍しくありません。このような制度は利用率だけで評価するのではなく、対象となる従業員が必要なときに利用できる状態になっているかを確認することが大切です。

福利厚生の利用率は制度の目的と合わせて評価する

福利厚生の利用率は、制度の目的と合わせて評価すると判断しやすくなります。福利厚生には、日常利用型の制度と、特定の状況で利用される制度があるためです。

自己啓発支援や健康診断補助などは中程度の利用率になることが多く、企業によって利用状況は異なります。利用率が低い場合でも、制度の対象者や利用機会を確認すると適切な水準である場合もあります。福利厚生の利用率を確認する際は、制度の目的や対象者、利用機会を踏まえて総合的に評価することが重要になります。

参考:企業における福利厚生施策の実態に関する調査|独立行政法人 労働政策研究・研修機構

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福利厚生の利用率が低下する原因は?

福利厚生の利用率が低下する背景には、制度の内容だけでなく、働き方や社内の運用方法が影響している場合があります。制度自体に問題がなくても、利用する時間が取れない、制度を知られていないなどの理由で利用率が下がることがあります。

業務量の増加により制度を利用する時間がない

福利厚生の利用率が低下する原因の一つは、業務量が増えて制度を利用する時間が取りにくくなることです。業務が忙しい職場では、福利厚生を利用する余裕がなくなる傾向があります。

休暇制度やレジャー関連の福利厚生は、業務が忙しいと利用する機会が減りやすくなります。年次有給休暇の取得率が低い職場では、福利厚生の利用率も低くなるケースがあります。

制度の認知不足により福利厚生が知られていない

福利厚生の利用率が低い場合、制度が従業員に十分に知られていないことがあります。

制度があっても内容や利用方法を理解していなければ、利用につながりにくいためです。

福利厚生制度の案内が入社時のみで、その後の案内が少ない場合、従業員が制度を思い出せないことがあります。また、制度の内容が社内規程に記載されていても、確認しづらい場合は利用されにくくなります。

制度内容が従業員のニーズと合っていない

福利厚生の利用率が低下する原因として、制度内容が従業員のニーズと合っていないこともあります。従業員の年齢構成やライフスタイルが変化すると、求められる福利厚生の内容も変化するためです。

若手社員が多い企業では自己啓発支援や住宅支援のニーズが高い場合があります。一方で、子育て世代が増えると育児支援や柔軟な働き方を支援する制度の需要が高まります。こうした変化に制度が対応していない場合、福利厚生があっても利用されにくくなります。

自社の福利厚生の利用率の計測方法は?

自社の福利厚生の利用率は、対象者と利用者数を整理することで計測できます。福利厚生の利用状況を把握するためには、制度ごとの利用人数を集計し、対象者数と比較する方法が一般的です。

利用率の計算式で制度ごとの利用状況を把握する

福利厚生の利用率は、対象者数に対する利用者数の割合で計算します。基本的な計算式は次のとおりです。

利用率(%)= 福利厚生を利用した従業員数 ÷ 制度の対象となる従業員数 × 100

例えば、住宅手当の対象者が100人で、そのうち40人が利用している場合、利用率は40%になります。制度によって対象者が異なるため、全従業員を分母にするのではなく、制度ごとに対象者を設定すると実態に近い利用率を把握できます。

利用データを集計して制度ごとの利用率を確認する

福利厚生の利用率を把握するためには、利用記録の取得元を整理し、制度ごとに対象者数と利用者数をまとめることで、利用率を継続的に確認できます。

  1. 制度ごとに利用データの取得元を整理する
    福利厚生の種類によって、利用データの取得元は異なります。福利厚生サービスを利用している場合はサービス管理画面の利用ログ、資格取得補助やレジャー補助などの費用補助は経費精算データ、休暇制度は勤怠システムの申請履歴などから利用者数を確認できます。最初に制度ごとのデータ取得方法を整理しておくと、その後の集計作業を進めやすくなります。
  2. 制度ごとに対象者数と利用者数を集計する
    制度ごとに対象者数と利用者数を集計します。住宅手当であれば支給対象者の人数、資格取得支援制度であれば制度を利用できる従業員数などを対象者として設定します。そのうえで、実際に制度を利用した従業員数を確認し、利用率を計算できる状態に整理します。
  3. 一覧表を作成して利用率の変化を確認する
    制度ごとに「対象者数」「利用者数」「利用率」をまとめた一覧表を作成すると、福利厚生の利用状況を把握しやすくなります。Excelや人事管理システムで管理しておくと、年度ごとの利用率の変化を比較できます。また、部署別や年代別に集計すると、制度がどの従業員層に利用されているかを確認でき、福利厚生の見直しを検討する際の参考になります。

福利厚生の利用率を向上させるポイントは?

福利厚生の利用率を向上させるには、制度の内容だけでなく、周知方法や利用しやすさも含めて見直すことが効果的です。制度を従業員に届ける仕組みと、利用しやすい運用方法を整えることで利用率を改善しやすくなります。

申請手続きを簡素化して利用しやすくする

福利厚生の利用率を向上させるためには、申請手続きを分かりやすくすることも重要です。

手続きが複雑な制度は、従業員が利用をためらう原因になることがあります。

例えば、紙の申請書が必要な制度や承認フローが多い制度は、利用のハードルが高くなる場合があります。申請をオンライン化したり、必要書類を減らしたりすることで、従業員が制度を利用しやすくなります。申請方法を簡単にすることで、福利厚生の利用率が改善するケースもあります。

従業員のニーズに合わせて制度内容を調整する

福利厚生の利用率を高めるためには、従業員のニーズに合った制度内容に調整することも効果があります。従業員の働き方や生活環境が変化すると、利用される福利厚生の内容も変わるためです。

テレワークが増えている企業では通勤関連の支援よりも、在宅勤務環境の整備費用や通信費補助などの制度が利用されやすくなることがあります。また、健康意識の高まりに合わせて健康診断の追加補助やフィットネス利用補助などの制度を導入すると、従業員の関心に合った福利厚生として利用されやすくなる場合があります。従業員アンケートや社内サーベイを活用してニーズを確認しながら制度内容を調整すると、福利厚生の利用率を改善しやすくなります。

参考:多様な働き方の実現応援サイト|厚生労働省

利用機会が生まれる制度設計に見直す

福利厚生の利用率を高めるには、従業員が自然に利用する場面が生まれる制度設計にする方法があります。制度を利用するきっかけが明確になると、福利厚生が日常の中で活用されやすくなるためです。

自己啓発支援制度であれば、社内研修やキャリア面談のタイミングで制度を利用できる仕組みにすると利用につながりやすくなります。また、健康関連の福利厚生であれば健康診断の受診時に補助制度を案内するなど、既存の人事施策と連動させる方法もあります。このように、従業員の業務や社内イベントと制度を結びつけることで、福利厚生の利用機会を増やしやすくなります。

福利厚生に変更を加えるとき、企業側の手続きは?

福利厚生の制度を変更する場合は、制度内容の整理だけでなく、社内規程の更新や労使手続き、従業員への周知などの手続きを進める必要があります。福利厚生の変更時に企業側が行う主な手続きを表にまとめると次のようになります。

手続きの段階 企業側で行う主な作業 確認ポイント
①制度変更内容の整理 福利厚生制度の追加・変更・廃止の内容を整理し、対象者や支給条件を明確にする 就業規則や賃金規程など既存規程との整合性を確認する
②社内規程の改定案を作成 就業規則、賃金規程、慶弔規程、旅費規程など該当する社内規程の変更案を作成する 福利厚生制度がどの規程に記載されているかを整理する
③労働者代表の意見聴取 過半数労働組合または労働者代表に改定案を提示し、意見を聴取する 労働者代表は管理監督者でないこと、民主的なな手続きで選出されていること
④労働基準監督署への届出 就業規則の変更に該当する場合、変更後の就業規則と意見書を添付して提出する 常時10人以上の従業員を使用する事業場は届出が必要
⑤社内周知 社内ポータルへの掲載、規程の配布、掲示などにより制度変更を従業員へ周知する 従業員がいつでも確認できる状態を整える
⑥運用開始 新しい制度の利用方法や申請方法を案内し、制度の運用を開始する 申請方法や対象者を分かりやすく説明する

福利厚生の利用率を把握して制度改善につなげよう

福利厚生の利用率は、制度が従業員にどの程度活用されているかを確認するための重要な指標です。ただし、福利厚生の種類によって利用機会は異なるため、利用率の数値だけで制度の価値を判断するのではなく、制度の目的や対象者、従業員のニーズも踏まえて評価することが大切です。また、自社の福利厚生の利用率を定期的に計測し、利用状況や従業員の声を確認することで、制度の改善点を見つけやすくなります。

福利厚生の見直しを行う際は、社内規程の改定案作成や労使手続き、社内周知まで順序立てて進めることで、制度が実際に活用される福利厚生につながります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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