• 更新日 : 2026年6月22日

住宅手当不支給証明書とは?発行するケースや記載項目、発行手順を解説

Point住宅手当不支給証明書は、どんな場面で必要になるのでしょうか?

配偶者の二重支給防止や自治体の補助制度の申請などで、人事・総務部門が発行します。

  • 配偶者の勤務先や自治体の制度申請で発行を求められる
  • 法定の様式はなく、企業ごとに任意の書式で作成する
  • 賃金台帳で支給実績を確認し、不支給期間を明記する

再発行時は過去の情報を流用せず、最新の支給状況を確認しましょう。

住宅手当不支給証明書は、従業員が自治体の住宅関連制度を申請する際などに提出を求められる書類です。しかし、発行頻度はそれほど高くないため、記載内容や発行手順、特殊なケースへの対応方法に迷う人事・労務担当者も少なくありません。

そこで本記事では、住宅手当不支給証明書の概要や発行依頼を受ける主なケース、記載項目、発行手順について解説します。

住宅手当不支給証明書の発行を担当する方は、ぜひ参考にしてみてください。

住宅手当不支給証明書とは?

住宅手当不支給証明書とは、従業員が勤務先から住宅手当を支給されていないことを証明する書類です。

住宅手当不支給証明書に法令上の様式規定はないため、企業・自治体ごとに任意の書式で作成します。

作成する際は、社内でテンプレートを用意しておくと、発行依頼があった際にもスムーズに対応できます。

住宅手当不支給証明書の主な発行目的は、配偶者が重複して住宅手当を受給する二重支給を防ぐことです。

「配偶者が同じ手当を受給していないこと」を就業規則・賃金規程で定めている企業が多く、配偶者の勤務先が証明書の提出を求めるケースが多くなっています。

なお、証明書の作成・発行は人事部門や総務部門が担当します。

扶養手当不支給証明書は扶養に関する手当の証明書であり、住居コスト補助を目的とする住宅手当不支給証明書とは別の書類であるため、混同しないよう注意しましょう。

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住宅手当不支給証明書の発行依頼を受ける主なケース

住宅手当不支給証明書の発行依頼は、さまざまな場面で発生します。

ここでは、発行依頼を受ける代表的な3つのケースについて解説します。

配偶者の勤務先から求められるケース

住宅手当不支給証明書の発行依頼で最も多いケースは、配偶者の勤務先から証明書の提出を求められるパターンです。

従業員の配偶者が勤務先で住宅手当を申請する際、「従業員が住宅手当を受給していないこと」の証明書提出を求められます。

「配偶者が同じ手当を受給していないこと」を就業規則・賃金規程で定めている企業が多いため、このような発行依頼は発生しやすい状況にあるでしょう。

また、入社時・結婚時・異動時など、支給条件が変わるタイミングで定期的に証明書の再提出を求める運用を設けている企業もあります。

定期的な更新に対応できるよう、発行フローを整備しておきましょう。

元従業員の転職先から求められるケース

従業員が転職する際、転職先での住宅手当申請のために「前職から住宅手当を支給されていなかった」という証明書の発行を求めるケースがあります。

また、自社に新入社員が入社した際、その配偶者の勤務先から「新入社員が当社から住宅手当を受給していないこと」の証明を求められる場合もあります。

いずれのケースも、依頼を受けたら支給実績を確認のうえ速やかに対応することが重要です。

自治体制度の申請書類に指定されているケース

多くの自治体が実施する新婚支援制度や家賃補助制度の申請時に、住宅手当不支給証明書を必要書類として指定しているケースがあります。

自治体によっては「住宅手当支給証明書」または「住宅手当不支給証明書」のどちらかを提出させる形式を採用しています。

様式は自治体ごとに異なるため、従業員に申請先の指定様式を事前に入手してもらったうえで発行手続きに入ることで、書式の差し戻しの防止が可能です。

状況別の住宅手当不支給証明書の発行・対応

住宅手当不支給証明書は、依頼者の状況によって記載内容や対応方法が異なります。

ここでは、実務上判断に迷いやすい3つのケースについて解説します。

同居人がいる従業員から依頼された場合

従業員に親族や内縁パートナーなど配偶者以外の同居人がいる場合、同居人の勤務先から住宅手当不支給証明書の提出を求められるケースがあります。

対応にあたっては、まず自社の就業規則・賃金規程で同居人の範囲がどう定義されているかを確認しましょう。

対象であれば通常どおり発行し、対象外の場合はその旨を従業員に丁寧に説明する必要があります。

証明書に「適用範囲は自社の就業規則の定めによります」などの注記を添えると、提出先との認識の齟齬を防止できます。

過去に住宅手当を受給していた従業員の場合

過去に住宅手当を受給していた従業員が、転居・世帯変更などで支給条件から外れた後に不支給証明書を求めるケースがあります。

こうした場合は、証明書に記載する不支給の期間を「◯年◯月以降」と明確に示すことで、過去の支給期間と現在の不支給状態を区別できます。

不支給開始日は賃金台帳や給与システムで確認し、正確な期間を記載するようにしましょう。

確認が取れない場合は発行を保留し、記録の照合を優先したうえで対応することが求められます。

退職した元従業員から依頼された場合

退職後に「在職中、住宅手当を支給されていなかった」という事実の証明を求められるケースがあります。

在職中の事実に関する証明であるため、退職後の依頼であっても対応は可能です。

ただし、証明書には「現在の在籍状況を証明するものではない」旨を明記しておくと、用途の誤解を防げます。

なお、住宅手当不支給証明書の発行に法的義務はありませんが、元従業員との円満な関係を維持する観点からも対応しておくことをおすすめします。

住宅手当不支給証明書に記載しておくべき項目

住宅手当不支給証明書には法定の書式はなく、企業・自治体が独自に定める任意の書式で作成します。

一般的に記載が必要な項目は以下のとおりです。

  • 証明の対象となる従業員の氏名・所属部署・雇用形態
  • 「◯年◯月◯日現在、上記従業員に対し住宅手当を支給していない」旨の文言
  • 発行会社の所在地・会社名・人事部門担当者の氏名・発行日
  • 会社印(法人印)または人事担当者の職印

印鑑は会社印または人事担当者の職印を使用するケースが多く、実際の運用は企業や提出先の要件によって異なります。

提出先が特定の書式や押印要件を指定している場合は、事前に確認してから発行しましょう。

住宅手当不支給証明書の発行手順

住宅手当不支給証明書の発行は、依頼の受け付けから内容確認、発行までの流れで進めます。

ここでは、各ステップで押さえるべきポイントを解説します。

1. 従業員から発行依頼を受け付ける

従業員から発行依頼を受けた際は、まず提出先(配偶者の勤務先・自治体など)と提出期限を確認しましょう。

提出先が指定書式を定めている場合は、その書式を従業員に入手させてから担当者に渡してもらいます。

指定書式がない場合は、社内様式またはテンプレートを使用しましょう。

あわせて、発行目的・従業員の氏名・所属部署・雇用形態を確認し、必要情報を整理しておくことが求められます。

依頼を受けたらすぐに発行するのではなく、必要情報を一覧にまとめたチェックリストで確認してから作業に入ると記載漏れを防ぎやすくなります。

社内でチェックリストのひな形を用意しておけば、担当者が変わっても同じ品質で対応可能です。

2. 記入内容と支給実績を確認する

給与システムや賃金台帳で対象従業員の住宅手当支給実績を確認し、不支給の事実を裏付けてから証明書の作成に進みます。

確認すべきポイントとして、以下の3つがあげられます。

  • 証明の対象期間
  • 従業員の雇用形態
  • 不支給の事実の正確さ

現在は支給していなくても過去に支給していた期間がある場合は、いつから不支給になったかを必ず確認するようにしましょう。

3. 書式を整えて証明書を発行する

証明書に発行日・従業員の氏名・「住宅手当を支給していない」旨の文言・会社名・会社印(または人事担当者印)を記載します。

「◯年◯月◯日現在不支給」と日付を明記することで、証明の有効期間が明確になります。

完成後は誤字脱字や印鑑の押し忘れ、日付ミスがないか最終確認を行い、問題がなければ従業員に渡しましょう。

発行後は、いつ・どの従業員に・どこへの提出のために発行したかを台帳に記録しておくと、後日確認が必要な際にも対応しやすくなります。

住宅手当不支給証明書を発行する際の注意点

住宅手当不支給証明書を発行する際は、記載内容の正確な確認と、誤支給を防ぐ記録管理の2点を押さえておきましょう。

記載内容を正確に確認する

住宅手当不支給証明書を発行する際は、以下の項目が正確に記載されているかを確認しましょう。

  • 発行日
  • 従業員の氏名
  • 所属部署
  • 雇用形態
  • 「◯年◯月現在、住宅手当を支給していない」旨の文言

提出先が指定する書式・押印要件がある場合は、発行前にあらためて照合しておくことも欠かせません。

住宅手当の誤支給を防ぐ記録管理・運用を徹底する

証明書の発行履歴(発行日・従業員名・提出先・目的)を台帳で記録し、いつ・誰に・なぜ発行したかを管理できる状態を維持しましょう。

異動・婚姻・転居・退職など住宅手当の支給条件に影響する事由が生じた際は、支給状況が変化している可能性があります。

再発行依頼を受けた場合は過去の発行情報をそのまま流用せず、最新の支給実績を必ず確認してから発行しましょう。

こうした対応により、誤った内容の証明書発行や二重支給のトラブルを防止できます。

住宅手当不支給証明書に関するよくある質問

住宅手当不支給証明書の発行をめぐっては、手数料や発行期間、有効期限について実務上の疑問が生じることがあります。

ここでは、住宅手当不支給証明書の発行に関するよくある質問と回答を紹介します。

住宅手当不支給証明書の発行に手数料はかかる?

住宅手当不支給証明書の発行は法定義務ではなく、手数料の取り扱いを定める法律規定もありません。

また、手数料の徴収を禁じる規定がなく、労働基準法22条で定められている退職証明書とは異なるため、就業規則や社内規程で定めれば徴収すること自体は可能です。

ただし、多くの企業では従業員サービスの一環として無料で発行している実態があります。

就業規則や社内規程に手数料の定めがある場合はそれに従い、定めがない場合は無料での発行が一般的といえます。

発行依頼を受けてから何日以内に発行すべき?

住宅手当不支給証明書の発行期間に法的な定めはなく、企業ごとに社内ルールで運用します。

ただし、類似の在職証明書では申請から3〜7営業日が目安とされています。

たとえば、社内ルールとして「依頼受け付けから◯営業日以内」と定めておくと、従業員への説明や担当者間の引き継ぎがしやすくなるでしょう。

依頼受け付け時には提出先への期限もあわせて確認し、余裕をもって対応することが重要です。

住宅手当不支給証明書に有効期限はある?

住宅手当不支給証明書に法定の有効期限はなく、提出先の規定によって異なります。

配偶者の勤務先が「発行日から3ヶ月以内」や「当年度内有効」と定めているケースがあるほか、自治体の補助制度申請でも独自の要件が設けられている場合があります。

従業員から発行依頼を受ける際は、提出先の有効期限もあわせて確認させたうえで発行日を設定すると、再発行の手間を防げるでしょう。

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