- 作成日 : 2026年10月16日
電子契約のAPI連携で何ができる?活用例・メリットを解説
電子契約のAPI連携とは、CRMや基幹システムと電子契約システムをつなぎ、契約書の作成・送信・締結管理・後続業務への引き渡しを自動化する仕組みです。
- CRMデータから契約書を自動作成・送信
- 締結状況をSlackやCRMにリアルタイム通知
- 締結後は請求・会計システムへ自動連携
電子契約のAPI連携とは、電子契約システムとCRM・基幹システム・チャットツールなどの外部システムをプログラムでつなぎ、契約書の作成・送信・締結状況の確認・保管といった作業を自動化することです。
電子契約システムのAPI連携を活用すれば、営業や人事のシステムに入力した情報から契約書を自動で作成し、締結後は契約管理や請求業務へデータを渡す、といった一連の流れを人手を介さずに回せます。
本記事では、電子契約のAPI連携でできることと具体的な活用例、導入時の注意点、そしてマネーフォワード クラウド契約の外部連携・API連携機能について解説します。
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電子契約のAPI連携
電子契約のAPI連携とは、電子契約システムが公開しているAPI(Application Programming Interface)を通じて、外部のシステムから契約書の作成・送信・状況取得などの機能を呼び出し、契約業務を自動化する仕組みです。
人が電子契約システムの画面を開いて操作していた作業を、システム同士のやり取りに置き換えられます。
APIの基本と電子契約における役割
APIは、あるソフトウェアの機能やデータを、外部のプログラムから決められた手順で利用できるようにする「接続口」です。電子契約システムにおいては、「この取引先にこのテンプレートの契約書を送る」「この契約書の締結状況を教えてほしい」「締結済みのPDFを取得したい」といった指示を、外部システムからAPI経由で送れるようにする役割を担います。これにより、CRMや人事システムなど、契約に関する情報が最初に発生する場所から、電子契約システムへ直接データを流せるようになります。
API連携と標準連携の違い
電子契約システムと外部システムをつなぐ方法には、自社で開発を行うAPI連携のほかに、サービス提供会社があらかじめ用意した連携アプリやコネクタを設定だけで使う「標準連携」があります。
| 項目 | API連携(自社開発) | 標準連携(連携アプリ・コネクタ) | iPaaS・ノーコード連携 |
|---|---|---|---|
| 開発の要否 | 必要(自社または委託) | 不要(設定のみ) | 不要〜低コード |
| 柔軟性 | 高い。自社の業務フローに合わせて設計できる | 用意された範囲内 | 中〜高。テンプレートを組み合わせる |
| 向くケース | 基幹システムや独自の業務システムと連携したい | Salesforce・Slackなど主要サービスと連携したい | 開発リソースはないが複数サービスをつなぎたい |
多くの企業では、まず標準連携で主要なサービスをつなぎ、それでは対応できない独自システムとの連携をAPIで補う、という組み合わせが現実的です。
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電子契約のAPI連携の主な用途
電子契約のAPI連携の用途は、「契約書作成・送信の自動化」「締結状況の同期・通知」「締結後の保管と後続業務への接続」の3つの領域に整理できます。
| 用途 | 連携先の例 | 自動化される作業 |
|---|---|---|
| 契約書作成・送信の自動化 | CRM・SFA、採用管理、受発注システム | 顧客・商談データの転記、テンプレートへの差し込み、署名依頼の送信 |
| 締結状況の同期・通知 | Slackなどのチャット、CRM、ワークフロー | ステータスの手動確認、承認・締結完了の連絡 |
| 締結後の保管と後続業務への接続 | 契約管理システム、ストレージ、請求・会計システム | 締結済みPDFの保存、台帳登録、請求書発行や仕訳登録の起点作成 |
CRM・SFAの商談データから契約書を自動作成・送信する
営業部門で最も効果が大きい用途です。CRMに登録済みの顧客名・担当者・商談金額などを、契約書や申込書のテンプレートに自動で差し込み、そのまま署名依頼を送信します。営業担当者が電子契約システムを開いて情報を転記する作業がなくなり、入力ミスも防げます。
締結ステータスを業務システムやチャットに通知する
「取引先が署名したか」を電子契約システムにログインして確認する手間を、通知の自動化で解消します。承認依頼や締結完了をSlackなどのチャットツールに通知したり、CRMの商談レコードに締結ステータスを書き戻したりすることで、営業・法務・経理が同じ情報をリアルタイムに共有できます。
締結済み契約書を契約管理・ストレージ・会計・請求に自動連携する
締結が完了した契約書を、契約管理システムの台帳に自動登録したり、社内のストレージに保存したりする用途です。さらに、契約情報を起点に請求書の発行や会計システムへの仕訳登録につなげれば、「契約→請求→入金・仕訳」の流れをシステム間で追える状態になります。
大量・定型契約の一括処理
雇用契約書や業務委託の申込書など、同じひな形で多数の相手に送る契約は、API連携による一括処理の効果が特に大きい領域です。人事システムや採用管理システムのデータをもとに、入社者全員分の雇用契約書を一括で作成・送信し、締結結果を人事システムに反映する、といった運用が可能になります。
電子契約のAPI連携の利用具体例
ここでは、電子契約システムのAPI連携の活用事例について紹介します。
事例①株式会社M&A総合研究所|CRMとのAPI連携で契約業務のコストを1/10以下に
株式会社M&A総合研究所では、自社のCRMシステムとマネーフォワード クラウド契約のAPI連携を行い、稟議から、マネーフォワード クラウド契約での締結、最終的な管理までの一連の流れは一気通貫でできるようにしています。
また、送信料0円という点においてもコスト削減に寄与し、契約業務に関わるコストは1/10以下にすることに成功しました。
詳細は以下の記事をご覧ください。
【事例記事】「送信料0円」が導入の決め手。契約件数が多い会社にとっては圧倒的なコストメリットを実現-株式会社M&A総合研究所
事例②株式会社プログリット|「マネーフォワード クラウド契約 for Salesforce」の活用で月77時間もの工数削減に成功
株式会社プログリットでは、Salesforce専用のサービス「マネーフォワード クラウド契約 for Salesforce」を利用し、Salesforce上の顧客情報をもとに申込書を自動発行。月77時間もの工数削減を実現しました。
もともとは顧客管理システムとして活用していたSalesforceに加えて、請求書発行システム、電子契約システムそれぞれに顧客情報を入力していたことから、情報の抜けもれや不一致、ヒューマンエラーなどが起きやすい状況でした。
「マネーフォワード クラウド契約 for Salesforce」の活用により、顧客情報を複数のシステムに入力する手間が減り、入力ミスの防止とスタッフ全員の工数削減につながりました。
【事例記事】月77時間もの工数削減に成功。Salesforceとの連携により、入力の手間と人的ミスを削減。
電子契約システムとAPI連携を行うメリット
電子契約システムとAPI連携を行うメリットは、転記作業とミスの削減、締結リードタイムの短縮、契約状況のリアルタイム把握、内部統制の強化の4点です。
二重入力・転記ミスの削減
CRMや人事システムに入力済みの情報を電子契約システムに再入力する必要がなくなります。取引先名や金額の転記ミスは、契約書の再送信や取引先への説明といった手戻りを生むため、自動化による削減効果は工数以上に大きくなります。
契約締結までの時間短縮
商談成立や内定確定といったイベントの直後に契約書を自動送信できるため、「契約書を作る時間が取れず送信が翌週になる」といった遅れがなくなります。電子契約自体のスピードに加え、社内の準備時間も短縮できる点がAPI連携の価値です。
契約状況のリアルタイム把握
締結ステータスがCRMやチャットに自動で反映されるため、営業・法務・経理が電子契約システムにログインしなくても進捗を把握できます。未締結の契約の追跡や、月末の売上見込みの確認にも役立ちます。
証跡が自動で残り内部統制が強化される
システム間の連携によって作成・送信・締結の履歴が自動で記録されるため、誰がいつ何をしたかの証跡が人の操作に依存せずに残ります。手作業による契約書の差し替えや送信漏れのリスクも減り、監査対応やIPO準備における統制強化につながります。
電子契約のAPI連携を導入するときの注意点
電子契約のAPI連携を導入する際は、「APIの公開範囲」「認証・権限設計」「料金・サポートの条件」「仕様変更への対応体制」の4点を事前に確認しておく必要があります。
APIで操作できる範囲を確認する
実現したい自動化に必要な操作(契約書の作成・送信、ステータス取得、締結済み文書の取得、Webhook通知など)がAPIで提供されているかを確認します。参照系のAPIしかない場合、契約書の自動送信は実現できません。連携先のシステム側がAPIやコネクタに対応しているかもあわせて確認しましょう。
認証方式と権限設計
APIの認証にはOAuth 2.0による認可やAPIキーによる認証が用いられます。API経由で契約書を送信できるということは、認証情報が漏れれば第三者が契約書を送れてしまうことも意味します。連携用のアカウントや権限は業務に必要な範囲に絞り、APIキーの管理ルールを定めておくことが重要です。
API利用の料金・オプション条件と開発サポートの範囲
API連携や標準連携アプリが有料オプションになっているサービスや、上位プランでのみ利用できるサービスがあります。また、実装に関するサポートをどこまで提供してもらえるかもサービスによって異なります。自社で開発する場合の工数・保守費と、iPaaSなど外部サービスを使う場合の利用料を含めて、総コストで判断しましょう。
APIのバージョンアップへの対応体制
APIは機能改善のために更新されることがあり、旧バージョンの提供終了によって既存の連携が動かなくなる可能性があります。サービス提供会社の開発者向け情報や新着情報を定期的に確認し、変更時に対応できる担当者や委託先を決めておきましょう。
マネーフォワード クラウド契約のAPI連携・外部連携でできること
マネーフォワード クラウド契約は、SalesforceやSlackなどとの標準連携に加え、既存システムとのAPI連携に対応しており、契約書の作成から送信・締結・保管・通知までを自動化できます。ここでは、連携機能ごとにできることを紹介します。
Salesforce連携:商談データから契約書・申込書を自動作成・送信
「マネーフォワード クラウド契約 for Salesforce」を利用すると、Salesforce上の商談データを契約書・申込書のテンプレートに反映し、Salesforce側の送信ボタンから取引先へ自動で送信できます。
取引先が署名すると締結済みの文書はマネーフォワード クラウド契約に自動保管され、Salesforceのレコードにも保管場所のURLが自動で記入されるため、営業担当者はSalesforceから契約書を探せます。契約状況もSalesforce上で確認でき、営業活動と契約管理を一元化できます。
利用にあたっては、専用サービス「マネーフォワード クラウド契約 for Salesforce」の申し込みが必要です。Salesforce側にも利用条件があるため、対応プランや契約条件、導入手順の詳細は、提供元に確認してください。
Slack連携:承認依頼・締結完了の通知で承認遅延を防ぐ
Slackと連携すると、契約書の承認依頼や承認状況、締結完了などの通知をSlack上で受け取れます。承認者は通知からすぐに対応でき、承認の滞留による契約締結の遅れを防げます。チーム内で契約の進捗を共有しやすくなり、契約プロセスの透明性も高まります。
他社電子契約サービスの締結データを自動取り込み
取引先の指定で他社の電子契約サービスを使って締結した契約書も、マネーフォワード クラウド契約の「契約データ自動取り込み」機能によって自動で取り込めます。自社で締結した電子契約、他社サービスで締結した電子契約、AI-OCRで取り込んだ紙の契約書を一つの台帳で管理できるため、連携によって集めた契約データを期限アラートや検索に活かせます。
既存システムとのAPI連携
マネーフォワード クラウド契約は、既存の基幹システムや業務システムとのAPI連携に対応しています。
マネーフォワード クラウド共通のAPI仕様として、OAuth 2.0による認可またはAPIキーによる認証を採用し、権限の管理はマネーフォワード クラウドの「アプリポータル」で行います。REST形式・JSON形式で設計されており、認証・認可の手順や共通仕様はマネーフォワード クラウドの開発者サイトで公開されています。
標準連携アプリでは対応できない独自システムとの接続を検討する場合は、開発者サイトの情報と、マネーフォワードの窓口への相談をあわせて進めるとスムーズです。
マネーフォワード クラウド請求書・会計との一体運用
マネーフォワード クラウド契約は、マネーフォワード クラウド請求書やクラウド会計などのバックオフィスサービスと同じマネーフォワード IDで利用できます。契約で締結した内容を起点に請求書を発行し、会計に仕訳を連携するという「契約→請求→会計」の流れを、同じサービス群の中で管理しやすい点が特徴です。
電子契約システムのAPI連携で契約業務を効率化しよう
電子契約のAPI連携を活用すると、CRMや人事システムに入力した情報から契約書を自動で作成・送信し、締結状況を関係者に共有し、締結後は契約管理や請求・会計へデータを引き渡すという一連の流れを自動化できます。
導入時は、APIで操作できる範囲、認証と権限の設計、料金やサポートの条件、仕様変更への対応体制を確認しましょう。
マネーフォワード クラウド契約は、Salesforce・Slackなどとの標準連携と既存システムとのAPI連携の両方に対応し、他社電子契約データの取り込みや請求・会計との一体運用まで含めて、電子契約システムの連携による契約業務の自動化を進めたい企業の選択肢になります。
詳しくは、マネーフォワード クラウド契約のサービス資料をご覧ください。
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