• 作成日 : 2026年7月16日

派遣先管理台帳にフォーマットはある?記載項目・保存期間・通知ルールを解説

Point派遣先管理台帳のフォーマットは決まっている?

派遣先管理台帳に固定様式はなく、法定項目を満たせばExcelなど自社様式で作成できます。

  • 法定記載項目を満たせば自社様式でOK
  • 保存期間は派遣就業終了日から3年間
  • 就業実績を月1回以上派遣元へ通知が必要

Q. 派遣先管理台帳を作成しないとどうなる?

A. 労働者派遣法違反として30万円以下の罰金の対象になる可能性があります。

派遣先管理台帳のフォーマットを探している方の多くは、「どの項目を入れればよいのか」「Excelで作ってよいのか」「派遣元へ何を通知すればよいのか」で迷いやすいでしょう。派遣先管理台帳は、派遣労働者を受け入れる派遣先が作成・保存する管理書類です。

本記事では、派遣先管理台帳の様式、記載事項、保存期間などを解説します。

派遣先管理台帳とは?

派遣先管理台帳とは、派遣先が派遣労働者ごとに作成し、就業状況や苦情処理、教育訓練、派遣元への通知事項などを記録する台帳です。派遣先が受け入れ後の管理責任を果たしているかを確認するための書類です。

派遣先管理台帳は派遣先が作成する管理書類

派遣先管理台帳は、派遣会社ではなく、派遣労働者を受け入れる企業側が作成します。派遣元が作成する「派遣元管理台帳」と混同されやすいものの、作成主体と管理する情報が異なります。

派遣先は、派遣労働者がどの部署で、どの業務に従事し、どのような就業実績があったのかを把握する立場にあります。派遣先管理台帳には、派遣契約の内容だけでなく、実際の就業日、始業・終業時刻、休憩時間、業務内容、苦情処理の状況など、受け入れ後に発生する情報を記録します。

派遣契約書や個別契約書とは役割が異なる

派遣先管理台帳は、労働者派遣契約書や個別契約書の代わりにはなりません。契約書は派遣元と派遣先の合意内容を示す書類であり、派遣先管理台帳は派遣労働者ごとの就業実績や管理状況を記録する書類です。

個別契約書には、派遣期間、就業場所、業務内容、指揮命令者、派遣先責任者などが記載されます。一方、派遣先管理台帳では、その契約に基づいて実際に働いた日、時間、苦情の有無、教育訓練の内容、派遣元への通知状況などを管理します。

必要になる理由は派遣元との情報共有

派遣先管理台帳は、派遣先だけで完結する書類ではありません。派遣元が派遣労働者の雇用管理を行うため、派遣先は台帳に記載した一部の事項を派遣元へ定期的に通知しなければなりません。

派遣労働者の雇用主は派遣元ですが、実際の就業場所で勤務時間や業務内容を把握できるのは派遣先です。派遣先管理台帳は、派遣元が賃金計算、労働時間管理、苦情対応、雇用管理を行うための基礎資料にもなります。

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派遣先管理台帳に決まったフォーマットはある?

派遣先管理台帳には、法律で完全に固定された専用フォーマットがあるわけではありません。記載すべき事項を満たしていれば、Excel、Googleスプレッドシート、社内システム、労務管理システムなどで作成できます。

法定事項を満たせば自社様式でも作成できる

派遣先管理台帳は、指定された紙の様式をそのまま使わなければならない書類ではありません。法令上の記載事項が漏れなく入っていれば、自社で作成したテンプレートでも運用できます。

ただし、自由に作れるからといって、氏名や勤務日だけの簡易な一覧で済ませるのは危険です。派遣先管理台帳には、派遣労働者の氏名、派遣元の名称、派遣就業日、就業時間、業務内容、責任の程度、苦情処理、教育訓練、派遣先責任者など、複数の観点から情報を記録するようにしましょう。

ExcelやGoogleスプレッドシートでも管理できる

派遣先管理台帳は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトでも作成できます。Excelは社内PCで管理しやすく、印刷やPDF化にも向いています。Googleスプレッドシートは、Googleが提供するオンライン表計算ツールで、複数人での更新に向いています。

ただし、表計算ソフトで管理する場合は、入力権限、更新履歴、閲覧範囲、バックアップを決めておく必要があります。また、派遣先管理台帳には個人情報や勤務実績が含まれるため、共有フォルダに置くだけでなく、アクセス権限を派遣先責任者、人事担当者、関係部署の管理者などに限定する設計が望まれます。

公的な様式例をベースにすると抜け漏れを防げる

フォーマットを一から作るよりも、厚生労働省や都道府県労働局が公開している様式例を参考にするほうが安全です。様式例には、法定項目が反映されているため、必要な欄を把握しやすくなります。

ただし、自社の派遣受け入れ形態、部署数、複数拠点の有無、シフト制、夜勤、在宅勤務、短期派遣などによって、追加したほうがよい欄は変わります。

たとえば、複数部署で派遣労働者を受け入れる会社では、組織単位、指揮命令者、派遣先責任者、就業場所の変更履歴を分けて記録できる形式にすると、後から確認しやすくなります。

参考:労働者派遣事業に係る契約書・通知書・台帳関係様式例|東京労働局

派遣先管理台帳の記載項目は?

派遣先管理台帳には、法的に記載が必要な項目があります。自社でフォーマットを作成する場合も、任意の管理表としてではなく、派遣労働者ごとの就業実態、派遣元・派遣先の情報、苦情処理、教育訓練などを記録できる形式にする必要があります。

区分 記載項目 記載例
派遣労働者情報 派遣労働者の氏名 山田 太郎
派遣元情報 派遣元事業主の名称 株式会社〇〇スタッフ
派遣元情報 派遣元事業主の事業所名 株式会社〇〇スタッフ 新宿支店
派遣元情報 派遣元事業主の事業所所在地 東京都新宿区〇〇1-2-3
業務情報 業務の種類 一般事務、経理補助、受発注入力
業務情報 業務の具体的内容 請求書データ入力、書類整理、電話取次、専用システムへの登録
雇用区分 無期雇用か有期雇用かの別 有期雇用
雇用区分 60歳以上であるか否かの別 60歳未満
就業場所 派遣就業した事業所の名称 株式会社△△ 本社
就業場所 派遣就業した事業所の所在地 東京都千代田区〇〇1-1-1
就業場所 就業場所 本社3階 経理部
就業場所 組織単位 管理本部 経理部 経理課
責任者情報 派遣元責任者 株式会社〇〇スタッフ 新宿支店 佐藤 花子
責任者情報 派遣先責任者 人事部 田中 一郎
就業実績 派遣就業した日 2026年4月1日
就業実績 始業・終業時刻 9:00〜18:00
就業実績 休憩時間 12:00〜13:00
就業実績 時間外労働・休日労働の状況 18:00〜19:00に時間外労働1時間
苦情処理 派遣労働者からの苦情の処理状況 2026年4月10日、業務範囲について相談あり。派遣元へ連絡し、担当業務を再説明
社会保険 健康保険・厚生年金保険雇用保険の資格取得届提出の有無 健康保険:有、厚生年金保険:有、雇用保険:有
社会保険等 未加入の場合の理由 週所定労働時間が加入要件に満たないため
教育訓練 教育訓練の実施日時・内容 2026年4月1日、社内システム操作研修を30分実施
派遣形態 紹介予定派遣に関する事項 紹介予定派遣である旨、職業紹介希望の有無、採否結果など

派遣先管理台帳を作成しないリスク・罰則は?

派遣先管理台帳は、派遣先が派遣労働者ごとに作成・記載・保存し、一定事項を派遣元へ通知するための書類です。未作成や記載漏れがあると、法令違反だけでなく、派遣元との実務トラブルにもつながります。

派遣先管理台帳を作成しないと30万円以下の罰金の対象になりえる

派遣先管理台帳を作成しない、必要事項を記載しない、保存しない、または派遣元へ通知しない場合、労働者派遣法違反として30万円以下の罰金の対象になる可能性があります。リスクがあるのは、台帳がまったくない場合だけではありません。勤怠表や個別契約書があっても、法定項目を満たした派遣先管理台帳として整備されていなければ、不備と判断されるおそれがあります。

参考:派遣先の講ずべき措置は・・・|厚生労働省

労働局調査で管理不備を指摘されるおそれがある

派遣先管理台帳がないと、派遣労働者がいつ、どこで、どの業務を行い、誰の指揮命令を受けていたのかを説明しにくくなります。契約書上の業務内容と実際の就業内容が一致しているか、苦情処理や教育訓練を行ったかも確認しづらくなります。そのため、派遣先管理台帳に記載漏れなどがある場合には、労働局の調査で派遣先の管理体制が不十分と見られる可能性があります。

派遣元との情報共有や給与計算に支障が出る

派遣先管理台帳は、派遣元へ就業実績を通知する基礎資料でもあります。勤務日、始業・終業時刻、休憩時間、時間外労働、業務内容などの記録が不十分だと、派遣元の給与計算や労務管理に影響してしまいます。派遣元から確認を求められた際に正確に回答できず、責任範囲をめぐるトラブルにつながる点にも注意が必要です。

派遣先管理台帳の派遣元通知ルールは?

派遣先は、派遣先管理台帳に記載した一定の事項を、派遣元へ1カ月に1回以上通知しなければなりません。通知方法は、書面、FAX、電子メールなどが想定され、派遣元から請求があった場合も遅滞なく対応します。

【通知対象】就業実績や業務内容など

派遣元へ通知する情報には、派遣労働者の氏名、派遣就業した日、就業状況、業務の種類・内容、業務に伴う責任の程度、派遣就業した事業所の名称や所在地などが含まれます。

派遣元は、派遣労働者の雇用主として、賃金計算、労働時間管理、労務管理を行います。そのため、派遣先からの正確な就業実績の通知が欠かせません。

フォーマットを作成する際は、台帳本体とは別に「派遣元通知用」シートを作ると便利です。通知対象項目だけを抽出できるようにすれば、毎月の作業負担を減らせます。

【通知頻度】1カ月に1回以上行う

派遣元への通知は、1カ月に1回以上、あらかじめ決めた一定の期日に行いましょう。月末締め、翌月初通知など、社内と派遣元の双方でスケジュールを決めておくと運用しやすくなります。

通知の遅れは、派遣元の賃金計算や労務管理に影響します。派遣元との認識違いを避けるため、通知日、通知方法、通知先、送付ファイル名を台帳に残しておくとよいでしょう。

電子メールで通知する場合は、誤送信や添付漏れに注意が必要です。派遣労働者の個人情報や勤怠情報が含まれるため、宛先確認、パスワード設定、アクセス制限なども運用ルールに含めておくべきでしょう。

派遣元から請求があった場合も対応する

定期通知とは別に、派遣元から請求があった場合は、派遣先管理台帳に基づく情報を遅滞なく通知します。勤怠内容の確認、苦情処理の経緯確認、業務内容の確認などが想定されます。

このとき、台帳の更新が遅れていると、派遣元への回答に時間がかかります。月次処理だけでなく、苦情や変更が起きた際にその都度記録する体制を作っておくと、急な問い合わせにも対応しやすくなります。

派遣先管理台帳の管理期間・管理方法は?

派遣先管理台帳は、派遣労働者の派遣就業が終了した日から3年間保存しなければなりません。紙で保管する場合も電子データで管理する場合も、必要なときに内容を確認でき、労働局調査や派遣元からの確認に対応できる状態にしておくことが大切です。

保存期間は派遣就業終了日から3年間

派遣先管理台帳の保存期間は、派遣労働者の派遣就業が終了した日から3年間です。契約締結日や台帳作成日ではなく、実際に派遣就業が終わった日を起点にします。

契約更新を繰り返した場合は、最終の派遣就業終了日を基準に保存期限を管理しましょう。誤って早く廃棄しないよう、台帳には「派遣終了日」と「保存期限」を記録できる欄を設けると管理しやすくなります。

紙でも電子データでも管理できる

派遣先管理台帳は、紙のファイルだけでなく、ExcelやGoogleスプレッドシート、社内システムなどの電子データでも管理できます。ただし、電子管理する場合は、必要なときにすぐ閲覧でき、求められた場合に書面として出力できる状態にしておく必要があります。

電子データで保存する場合は、ファイル名、保存場所、更新担当者を統一しておくと、後から探しやすくなります。勤怠表や個別契約書と別々に保存する場合でも、派遣労働者名や契約期間で紐づけられるようにしておきましょう。

派遣先管理台帳はいつ作成し、いつ更新する?

派遣先管理台帳は、派遣労働者の受け入れ開始時に作成し、就業実績や苦情処理などが発生するたびに更新します。

受け入れ開始前後に基本情報を入力

派遣先管理台帳の基本情報は、派遣労働者の受け入れ開始前後に入力しましょう。個別契約書が締結され、派遣労働者の就業場所、業務内容、指揮命令者、派遣先責任者などが確定した時点で台帳を作成するとよいです。

受け入れ初日に慌てて作ると、契約書との照合が不十分になりやすくなります。派遣開始前にテンプレートを用意し、初日までに基本情報を入力しておくと運用が安定します。

派遣先責任者、人事担当者、現場責任者の間で、誰がどの欄を入力するのかを決めておくことも欠かせません。

就業実績は日次または月次で更新

就業実績は、派遣労働者が実際に就業した日ごとに記録しましょう。勤怠管理システムを利用している場合は、月次で出力した勤怠データを台帳と紐づける運用も可能です。

派遣元へは、台帳に記載した一定の事項を1カ月に1回以上通知しましょう。月末締めの後にまとめて確認する会社が多いでしょう。実務上は、日々の勤怠はシステムで記録し、月次で派遣先管理台帳に反映する方法が現実的です。通知前には、現場責任者と人事担当者が確認するフローを設けると、派遣元とのトラブルを抑えられます。

苦情や変更があった場合はその都度追記

苦情の申出、業務内容の変更、指揮命令者の変更、就業場所の変更、派遣先責任者の変更などがあった場合は、その都度、派遣先管理台帳へ追記するようにしましょう。

苦情処理については、発生日、内容、対応者、対応結果、派遣元への連絡状況を記録します。口頭で解決したように見える場合でも、後から経緯を確認できるよう記録を残すほうが安全です。

派遣先管理台帳フォーマットを整えて派遣受け入れを適正に進めよう

派遣先管理台帳 フォーマットは、法定項目を満たし、派遣元への通知や3年間の保存に対応できる形で作成します。ExcelやGoogleスプレッドシートでも作成できますが、勤怠表だけでは不十分です。派遣先管理台帳の様式を整える際は、基本情報、就業実績、業務内容、苦情処理、教育訓練、通知履歴を分けて管理しましょう。派遣労働者を継続的に受け入れる企業では、フォーマット作成だけでなく、更新担当者、確認者、保存期限、電子管理のルールまで決めておくと、運用の抜け漏れを減らせます。

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