- 更新日 : 2026年10月23日
副業の確定申告をしてない人が多いのはなぜ?無申告のリスクと対処法を解説
副業所得が年20万円超なら申告義務があり、無申告のままだと無申告加算税・延滞税が課されます。
- 支払調書・マイナンバーで少額でも発覚する
- 無申告加算税は最大30%、重加算税は40%
- 自主申告なら加算税が5%に軽減される
Q. 税務署に調査前に自主申告すれば罰則は軽くなる?
A. はい。事前通知前の自主申告なら無申告加算税が5%に軽減されます。過去5年分まで遡って申告可能です。
副業の確定申告をしていない人は少なくありませんが、無申告のまま放置すると無申告加算税や延滞税が課され、融資審査にも影響しかねません。本記事では、副業で確定申告をしない人が多い理由から、申告が必要になる基準、無申告が発覚するルート、ペナルティの内容、そして期限後申告のやり方までを解説します。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、副業をしている人が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを1冊にギュッとまとめた「副業の確定申告パーフェクトガイド」を無料で用意しております。
この記事を読む方におすすめ
税理士監修のワンポイントアドバイス付きで、はじめて副業の確定申告を行う人でもわかるように解説しています。
副業の確定申告をしていない人が多いのはなぜ?
副業の確定申告をしていない人が多い背景には、申告義務そのものに対する認識不足があります。「収入が少額だからバレない」「周りもやっていないから大丈夫」といった誤解が広がっていることが主な要因です。
こうした誤解が生まれる背景には、副業の申告義務を正しく理解していないこと、帳簿や書類管理を面倒に感じて先延ばしにしてしまうことなど、複数の要因が重なっています。主な要因は次のとおりです。
- 副業の収入が少額だからバレないという誤解
- そもそも申告義務があることを知らない
- 帳簿付けや書類整理が心理的なハードルになっている
- 「周囲も申告していないから大丈夫」という同調意識
しかし、税務署による無申告者への調査体制は年々強化されており、「少額だから見逃される」という考えは通用しにくくなっています。
無申告者に対する税務調査は強化傾向にある
無申告者に対する税務調査は、通常の調査に比べて1件当たりの追徴税額が高くなる傾向があります。これは、無申告状態が税負担の公平性を損なうとして、税務署が重点的に調査対象としているためです。
国税庁の金沢国税局が公表した令和6事務年度の調査状況によると、所得税の無申告者に対する実地調査における1件当たりの追徴税額は292万円で、実地調査全体の164万円と比べて約1.8倍の水準でした。同事務年度の無申告者に対する実地調査は132件実施され、申告漏れ所得金額の総額は26億30百万円にのぼっています。
副業の記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドや無料セミナーを簡単に紹介します。無料登録だけでもらえますので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
起業アイデア辞典300選!
「いつか起業したいけれど、自分に何ができるか分からない」そんなあなたにぴったりの厳選300アイデアを公開!
スキルを活かす仕事から未経験OKなものまで、市場の需要や収益性を網羅しました。パラパラと眺めるだけで、あなたに最適な起業方法のヒントが見つかるはずです。
起業アイデアを磨く!自己分析3点セット
「やりたいことはあるけれど、ビジネスとして成立するか不安」という方へ。
自分の強み・価値観・市場ニーズを掛け合わせ、唯一無二のアイデアに昇華させる自己分析メソッドを3つのシートにまとめました。
経営スキル習得の12か月ロードマップ
「経営を学びたいが、何から手をつければいいか分からない」と悩んでいませんか?
本資料では、財務・マーケティング・組織作りなど多岐にわたる経営スキルを、12か月のステップに凝縮して体系化しました。
1から簡単に分かる!起業ロードマップ
起業に興味はあるけれど、複雑な手続きや準備を前に足踏みしていませんか?
準備から設立までの流れを分かりやすく図解しました。全体像をひと目で把握できるため、次に何をすべきかが明確になります。
副業の確定申告が必要になる基準は?
給与所得者の場合、副業による収入が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。
「収入」と「所得」の違いを正しく理解する
所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。国税庁のタックスアンサーでも、給与所得者が確定申告を必要とする基準は「給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額」が20万円を超える場合と示されています。
例えば、副業のフリーランス案件で年間35万円の報酬を受け取り、交通費やソフトウェア利用料などの経費が16万円かかった場合、所得は19万円となるため、所得税の確定申告は原則として不要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収入 | 副業で受け取った報酬・売上の総額 |
| 必要経費 | 副業に直接かかった費用(通信費、交通費、消耗品費など) |
| 所得 | 収入-必要経費(この金額が20万円を超えるかで判定) |
参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
20万円以下でも住民税の申告は別途必要になる
所得税の「20万円ルール」は国税の特例であり、住民税には適用されません。副業所得が20万円以下であっても、原則としてお住まいの市区町村への住民税申告が必要です。
住民税の申告を怠ると、市区町村が正しい税額を算定できず、後日まとめて課税される場合があります。勤務先経由で住民税が特別徴収(給与天引き)されている場合、税額の変動から副業の存在に気づかれる原因にもなり得ます。
医療費控除やふるさと納税の申告時は全所得を含める
医療費控除や、ふるさと納税のワンストップ特例を使わずに寄附金控除を受ける場合は、確定申告書にすべての所得を記載する必要があります。副業所得が20万円以下であっても、確定申告書を提出する以上は副業分も合算して申告しなければなりません。
副業の無申告はどのようなルートで発覚する?
副業の無申告が発覚するルートは複数あり、どれか一つでも情報がつながれば税務署に把握されます。「少額だから見つからない」という判断は、以下の経路を踏まえると通用しにくいといえます。
支払調書を通じて税務署が収入を把握する
副業の報酬を支払った企業は、一定額を超える支払いについて税務署に支払調書を提出する義務があります。例えば原稿料などの報酬については、消費税等を含めて5万円を超える支払いが提出対象の目安とされています。
つまり、報酬を受け取った側が申告していなくても、支払った側の提出書類によって税務署がすでに収入情報を把握しているケースがあるということです。
住民税額の変動から勤務先に伝わるケース
会社員の住民税は通常、特別徴収として給与から天引きされます。副業分の所得が市区町村に伝わると住民税額が本業の給与だけでは説明できない水準に増え、勤務先の経理担当者が不自然な差額に気づくことがあります。
バックオフィス担当者の立場からも、従業員の住民税額に差異が生じた場合には確認作業が発生し、余計な事務負担につながる点は見過ごせません。
マイナンバー制度による情報の紐づけ
マイナンバー(個人番号)制度により、給与や報酬、口座に関する情報が行政機関の間で連携される仕組みが整えられています。複数の収入源を持つ人ほど、情報が突き合わされることで申告漏れが把握されやすくなる傾向があります。
副業の無申告にはどのようなペナルティがある?
副業の確定申告を怠った場合、本来の税額に加えて附帯税と呼ばれるペナルティが課されます。代表的な附帯税は、無申告加算税・延滞税・重加算税の3種類です。
| 名称 | 課税要件 | 課税割合の目安 | 軽減・不適用の主な要件 |
|---|---|---|---|
| 無申告加算税 | 期限後申告・税務署による決定があった場合 | 50万円以下15%/50万円超300万円以下20%/300万円超30% | 調査前の自主申告で5%に軽減、一定の早期申告で不適用 |
| 延滞税 | 納期限までに税金を納付しなかった場合 | 納期限から2か月以内は低い割合、2か月超は高い割合(毎年見直し) | 延滞税の全額が1,000円未満の場合は徴収されない |
| 重加算税 | 仮装・隠蔽があった場合 | 無申告加算税に代えて40% | 軽減や不適用(免除)の制度 はなし |
参考:加算税の概要|財務省
無申告加算税は申告のタイミングで税率が変わる
無申告加算税は、税務署から調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告をすれば、税率が5%に軽減されます。これに対し、調査の事前通知を受けた後の申告では10〜15%、調査によって所得金額が決定された場合は15〜30%が課される仕組みです。
なお、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、期限内に全額を納付していた場合など、一定の要件を満たせば無申告加算税がかからないケースもあります。
延滞税は日数に応じて日割りで加算される
延滞税は、納付が遅れた日数に応じて日割りで計算される利息的な性格の税金です。令和8年(2026年)分の延滞税率は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を超えると年9.1%となっています(市中金利の変動に応じて毎年見直されます)。
延滞税の計算は、次の手順で行います。
- 本税の額に、納期限の翌日から2か月以内の日数分について年2.8%を乗じる
- 2か月を超える期間については、その日数分について年9.1%を乗じる
- それぞれを365日で日割り計算し、1と2を合算する
例えば、本税30万円を納期限から180日遅れて納付した場合、最初の61日分は年2.8%、残り119日分は年9.1%で計算し、両者を合計した金額が延滞税となります。
参考:延滞税について|国税庁
重加算税40%が適用される悪質なケース
意図的に所得を隠したり、二重帳簿を作成したりするなど「仮装・隠蔽」と認定された場合は、無申告加算税に代えて重加算税40%が課されます。通常の無申告加算税15〜30%と比べて負担が大きくなるため、意図的な隠蔽は避けるべきです。
副業の無申告は融資や法人化にどう影響する?
過去の副業無申告があると、納税証明書が発行できず融資審査が通らない、法人化時に過去の申告状況を確認されるといった不利益が生じる可能性があります。個人事業主や経営者予備軍にとって、申告の履歴は信用を示す材料の一つといえます。
納税証明書が発行できず融資審査で不利になる
金融機関の融資審査では、直近数年分の納税証明書の提出を求められることがあります。無申告の期間があると、その年度の納税証明書が発行されないため、審査がスムーズに進まない要因になり得ます。
副業を続けた後に法人化して創業融資を申し込む場合、副業期間の確定申告をしていなかったことが原因で納税証明書を提出できず、審査が進まないというケースは起こり得ます。申告を先延ばしにした期間のツケが、資金調達の場面で表面化する形です。
法人化時に過去の税務履歴を確認されることがある
個人事業主から法人化する際、税務署への届出や金融機関との取引で過去の申告状況が確認される場合があります。無申告の期間が判明すると、追徴課税を受けるだけでなく、取引先や金融機関からの信頼にも影響しかねません。
将来の事業拡大を見据えているなら、早い段階で過去分の期限後申告を済ませ、税務履歴を整理しておくことが選択肢を広げるポイントになります。
副業の確定申告が遅れた場合の対処法・やり方は?
確定申告の期限を過ぎていても、自主的に期限後申告をすればペナルティを抑えられます。所得税法上、期限後であっても申告書の提出自体は認められており、早く動くほど加算税の負担が小さくなります。
期限後申告の手順
期限後申告の流れは、通常の確定申告とほぼ同じです。次のSTEPに沿って進めます。
- 副業の収入がわかる書類(支払調書、請求書の控え、入金明細など)を集める
- 必要経費の領収書やレシートを整理し、経費の合計額を算出する
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーまたはクラウド会計ソフトで申告書を作成する
- 作成した申告書を管轄の税務署に提出する(e-Taxでの電子申告も可能)
- 算出された所得税を納付する(延滞税がある場合は合わせて納付する)
- 住民税の申告が別途必要な場合は、お住まいの市区町村へ届け出る
- 翌年以降の申告漏れを防ぐため、クラウド会計などの記帳環境を整えておく
税務署から連絡が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税は5%に軽減されます。過去5年分まで遡って申告できるため、未申告の年度がある場合は早めに対応するとよいでしょう。
クラウド会計で日常の記帳を自動化する
帳簿付けが面倒で申告を後回しにしてしまう場合は、クラウド会計ソフトの活用が有効です。クラウド会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードと連携して取引データを自動取得し、仕訳を半自動で作成できます。
スマートフォンで領収書を撮影するだけでデータ化される機能もあり、日々の記帳にかかる時間を短縮できます。月に一度、数分の確認作業を習慣にするだけで、確定申告時に書類が見つからないといった事態を防ぎやすくなります。
税理士へ相談するという選択肢もある
過去数年分の無申告がある場合や、副業の所得区分(事業所得・雑所得)の判断が難しい場合は、税理士に相談するのも一つの方法です。自力で申告した場合に計上漏れや区分の誤りが生じるリスクと、専門家に依頼する費用とを比較して判断するとよいでしょう。法人化や融資を将来的に見据えている場合は、正確な申告実績を積み上げておく価値が大きくなります。
副業の確定申告でよくある質問
副業の申告に関して読者から寄せられやすい疑問を、Q&A形式で整理します。
会社に副業がバレずに確定申告する方法はある?
確定申告書の「住民税に関する事項」欄で住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に切り替えると、副業分の住民税が給与から天引きされず、自宅に届く納付書で支払う形になります。これにより、住民税額の変動から勤務先に副業が伝わるリスクを抑えられます。
ただし、自治体によっては普通徴収への切り替えに対応していない場合もあるため、事前に自治体の住民税担当窓口に確認しておくと安心です。
副業が赤字の場合も申告は必要?
副業の所得区分によって、赤字の取り扱いは大きく異なります。事業所得であれば本業の給与所得と損益通算できる場合がありますが、雑所得は原則として他の所得と通算できません。
| 所得区分 | 赤字の損益通算 | 申告の要否(赤字の場合) |
|---|---|---|
| 事業所得 | 給与所得などと通算できる場合がある | 還付を受けられる可能性があり、申告したほうが有利なケースが多い |
| 雑所得 | 他の所得と通算できない | 申告義務がなければ申告しなくても問題ないケースが多い |
副業の規模や継続性によって事業所得と雑所得のどちらに該当するかは判断が分かれるため、迷った場合は税理士に確認するのが確実です。
過去何年分まで遡って申告できる?
確定申告は、原則として法定申告期限から5年以内であれば期限後申告が可能です。国税通則法では、税務署側が更正・決定を行える期間(除斥期間)も原則5年と定められていますが、偽りその他不正の行為があったと認定された場合は7年に延長されます。
過去の無申告に心当たりがある場合は、除斥期間が到来する前に自主的に申告しておくことで、ペナルティの軽減と信用の確保の両方が期待できます。
住民税の普通徴収への切り替えはどうすればいい?
副業が給与以外の場合には、確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」欄で「自分で納付」にチェックを入れるだけで手続きは完了します。e-Taxで電子申告する場合も同じ画面で選択できます。
切り替えが反映されると、副業分の住民税は6月ごろに届く納付書で自分で支払う形になります。バックオフィス担当者の視点では、従業員が普通徴収を選択していれば特別徴収の税額通知に副業分が含まれないため、住民税額の不整合が起きにくくなり、確認業務の負担も軽減されるでしょう。
副業の確定申告してない人が多い今こそ早めの対処を
副業の無申告は、支払調書やマイナンバー制度を通じて税務署に把握されるルートが複数あり、「少額だから大丈夫」という判断は通用しにくくなっています。放置すると無申告加算税や延滞税に加え、融資審査や法人化の際に納税証明書が発行できないなど、信用面での影響が出る場合もあります。期限後申告であれば税率の軽減が受けられるため、心当たりがある場合は早めに税務署や税理士へ相談することをおすすめします。
マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 副業
副業解禁はいつから?企業側のメリット、会社員・公務員の注意点も解説【規定テンプレート付き】
副業は、2018年から解禁が進んでいます。しかし、未だに就業規則で副業を禁止している企業は多いです。副業の解禁は、企業にとって多くのメリットをもたらす一方、デメリットもあるため注意…
詳しくみる -
# 副業
育休中に在宅でできる副業は?育児休業給付金や保険料についても解説!
赤ちゃんのお世話に慣れてくると、育休中のスキマ時間を活用して収入を得たいと考え始めるママ・パパも多いでしょう。この記事では育休中に副業を始めてみたい人に向けて、育児休業給付金や社会…
詳しくみる -
# 副業
副業する人がふるさと納税をするメリットや注意点は?始める前に知っておこう!
昨今は、副業をしている人は少なくありませんが、副業での収入はふるさと納税の控除限度額の対象だろうかと疑問に思う人もいることでしょう。本記事では、ふるさと納税や税金控除限度額、またふ…
詳しくみる -
# 副業
Webライターの副業の始め方は?メリット・デメリットと合わせて解説!
Webサイトの文章を作成(ライティング)するのが、Webライターです。副業として人気が高いものの、実際にやってみたら仕事の案件がない、月に5万円を稼ぐのもきつい……という声も聞こえ…
詳しくみる -
# 副業
エンジニアにおすすめの副業プラットフォーム4選!週1リモート案件だとどれぐらい稼げる?
副業をサポートするプラットフォームは数多く展開されているため、副業を始めること自体それほど難しいことではありません。 ただ、プラットフォームごとに特徴や取り扱っている案件は異なりま…
詳しくみる -
# 副業
年末調整と確定申告は両方必要?二重課税にならない仕組みとケース別の手続きを解説
年末調整と確定申告は両方必要? 年末調整と確定申告を両方行っても二重課税にはならず、確定申告は年末調整の仮精算を本精算する手続きです。 副業所得が年20万円超なら確定申告が義務 医…
詳しくみる



