- 更新日 : 2025年2月27日
個人事業主が知っておくべき「事業税」とは?算出方法や控除・税率について解説
個人事業主が納める税金のひとつに「個人事業税」があります。
個人事業主にとって主な税金といえば「所得税」ですが、確定申告を提出していれば、これを基に計算した、「個人事業税」と「住民税」の納付書が届きます。なお、所得税は国税ですが、「個人事業税」や「住民税」は地方自治体に納める地方税です。
個人事業税は、その名の通り、個人で事業を営んでいる方に納税義務があり、それ以外の給与所得者などに課せられることはありません。
今回は、個人事業主が知っておくとよい「個人事業税」について解説します。
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目次
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個人事業税の法定業種と納付時期
個人事業税は、個人で事業を行うもののうち、法律で定められた70の業種に対し課せられる税金であり、ほとんどの事業が業種に該当します。
納付通知書は前年の所得にかかる分が8月に都道府県民税事務所から送られてきます。一般的には第1期(8月)と第2期(11月)の2回に分けて納付します。ただし、地域により、8月に一括で納付するか、2回に分けて納付するかを選択できる場合があります。
個人事業税の算出方法
個人事業税の算出方法は、下記の通りです。
所得とは、前年の1年間(1月1日から12月31日)に得た、事業所得および不動産所得です。所得税の確定申告書第1表、青色申告決算書、収支内訳書の所得金額欄の金額から算出されます。ただし、雑所得が課税対象になる場合もあるため注意が必要です。
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個人事業税の控除
個人事業税は、青色申告であっても「青色申告特別控除」の控除は適用されませんが、事業主控除が一律290万円あります。1年間の所得が290万円以下の個人事業主は納付義務がないということです。なお、営業開始から1年未満の場合は月割額で控除されます。
また、計算式にある「各種控除」とは、下記の5つです。
- 青色申告者の専従者給与額
- 白色申告者の専従者控除額
配偶者の場合は86万円、その他の親族に対しては1人50万円が上限 - 青色申告者で赤字となった場合の損失の繰越控除
翌年から3年間の事業の所得と損失額を相殺することが可能 - 被災事業用資産の損失の繰越控除
白色申告者で災害によった損失があるとき白色申告者で震災などによって損失があるとき
翌年から3年間の事業の所得と損失額を相殺することが可能です - 譲渡損失の控除と繰越控除
機械等の事業用資産を譲渡したことで損失が生じたとき
青色申告をした方は、翌年から3年間にわたり、繰越控除が可能です
ただし、これらの控除を受けるためには、毎年、所得税、住民税、事業税のいずれかの申告を期限内に行っていることが条件です。
個人事業税の税率
個人事業税の税率は業種によって変わってきます。
第1種に区分される37業種:税率5%
物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶ていけい場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業
第2種事業に区分される3業種:税率4%
畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業に区分される30業種のうち2業種:税率3%
あんま・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業、装蹄師業
第3種事業に区分される30業種のうち28業種:税率5%
医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業
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個人事業税の猶予制度
納税者に納税できない事情があるときは、納付期限までに申請することで、納税の猶予が認められる可能性があります。なお、猶予を受けるためには申請が必要です。
- 財産が自然災害(震災、風水害、火災など)、人為的な害(爆発等)、または盗難にあったとき
- 納税者や生計を同じくする家族に傷病が発生したとき
- 事業を廃止、または休止したとき
- 事業に著しい損失・損害を受けたとき
- 上記に近しい事実があったとき
- 課税されたタイミングが法定納期限から1年以上経過していたとき
猶予の期間は原則として1年以内で、分割納付が認められます。
まとめ
個人事業主に課せられる個人事業税は、地方自治体へ納付する地方税であり、所得等に基づいて計算され、納付書が送られてきます。青色申告特別控除の適用はないものの、事業主控除などの各種控除があります。自分で算出する必要こそないのですが、その性質や算出方法については知っておきたいものです。
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