- 更新日 : 2025年2月26日
源泉徴収されても還付金がある場合とない場合がある?
給与を支払った事業者は、支払いに際して源泉徴収(所得税+復興特別所得税)を行っています。この源泉徴収税額の合計は、必ずしもその年にその人が納付すべき税額にはならないため、一致させる必要があります。税額を一致させるため事業者が行う手続きが年末調整です。
年末調整の結果、給与から差し引かれ納めていた税金が多ければ還付され、足りなければ追加徴収されます。
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源泉徴収の内容
源泉徴収は、税金の前払いです。給与から天引きされ、事業者が代わりに納付を行っています。
事業者が源泉所得税額を計算する際に必要な情報は、以下の2点です。
- 扶養する親族(配偶者を含む)は何人か(配偶者が障害者である場合はその旨)
- 社会保険料を控除した後の給与額がいくらか
扶養する親族については、給与の支払いを受ける人が控除(配偶者控除・扶養控除・障害者控除など)を受けるために提出した「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」により確認します。
社会保険料を控除した後の給与額は、事業者が作成している給与台帳などが情報源になります。この2点をもとに源泉徴収税額表と照らし合わせて、税額が決まります。
つまり、源泉徴収ではこれ以外の控除が考慮されていないため、年末調整という手続きが必要になります。
年末調整に必要な申告書
給与支払いの際の源泉徴収では考慮されなかった各種の控除について、事業者は年末調整で確認しなければなりません。この手続きに必要な申告書は次の4種類です。
- 扶養控除等(異動)申告書
- 配偶者控除等申告書
- 保険料控除申告書
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
「扶養控除等(異動)申告書」「配偶者控除等申告書」「保険料控除申告書」によって計算された所得控除額は、課税所得から控除されます。
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」によって計算された税額控除額は、年末調整後の年税額から控除されます。
(控除される税額は、年税額が限度となります。)
これらの申告書を提出する必要があるのは、次のような人です。
- 生命保険や地震保険に加入している
- 自身や扶養親族の社会保険料を天引きとは別に払っている
- 一定の所得金額以下の人(自身と配偶者の年間所得の見積額)
- シングルマザーあるいはシングルファーザーになった
- 本人あるいは家族が障害を負った
これらに該当する人は、控除を受けるために、最初の給与支給日の前日までに事業者に申告書を提出する必要があります。事業者は、これらの申告書をもとに、年末調整を行います。
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年末調整の過不足額の精算
事業者は、支払った給与に対する年末調整の計算を行い、1年間の源泉徴収の税額(所得税+復興特別所得税)の精算を行います。その結果、1年間の源泉徴収の税額が年末調整で算出した税額よりも多い場合、その税額を源泉徴収した人に還付し、反対に、不足額が生じた場合は、源泉徴収した人からその税額を徴収します。
還付の方法
還付の方法は、還付額によって異なります。原則は、年末調整を行った月分として納付する源泉徴収税額から差し引いて、納めすぎていた税額を各人ごとに還付します。
還付金額がその月分の源泉徴収税額を超える場合は、翌月以降の源泉徴収税額から順次差し引いて還付することになります。
また、税務署から還付を受ける場合もあります。これは、「事業者が解散・廃業した」「還付するための源泉税額がなくなった」「過納額が多額で還付に2カ月以上かかる」といったケースです。この際には、必要書類を添付した「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書」を事業所の所轄税務署長に提出して手続きをします。
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不足額の徴収
1年間の源泉徴収の税額が年末調整で出した税額よりも少ない場合、事業者は差額をその人の年末調整をする月分の給与から徴収します。
ただし、不足額が多額で、不足額を徴収した後の手取り給与(税引後、賞与も含む)が年末調整の前月までの平均月額の70%未満になる場合は、翌年1月と2月に繰り延べて徴収することができます。その場合は、不足額を徴収される給与支払日の前日までに「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」を事業所の所轄税務署長に提出し、税務署長の承認を受けることで、不足額の徴収の繰り延べが認められます。
源泉徴収の還付額がわかる年税額の計算
還付がいくらになるのかは、最終的に納付しなければならない年税額を計算しなければわかりません。年税額を求めるための手順や書類については、国税庁のホームページ(年税額の計算|国税庁(PDF))に詳しく載っていますので参照してください。
源泉徴収について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
源泉徴収票の見方を理解しよう!
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よくある質問
事業者が源泉所得税額を計算する際に必要な情報は?
扶養する親族は何人か、社会保険料を控除した後の給与額がいくらかの2点です。詳しくはこちらをご覧ください。
年末調整に必要な申告書は?
扶養控除等(異動)申告書、配偶者控除等申告書、保険料控除申告書、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の4種類です。詳しくはこちらをご覧ください。
還付の方法は?
還付額によって異なりますが、原則は年末調整を行った月分として納付する源泉徴収税額から差し引いて、納めすぎていた税額を各人ごとに還付します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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