- 更新日 : 2026年7月7日
福利厚生におけるAI活用例5選!AI活用のメリットや注意点も解説
福利厚生にAIを活用すると、従業員満足度の向上と総務担当者の業務負担軽減を同時に実現できます。
- 活用例はキャリア相談・健康管理・チャットボットなど5種
- 場所・時間を問わず福利厚生を利用できる環境を実現
- 導入時はコスト・個人情報・バイアスに注意が必要
Q. 福利厚生にAIを導入する主なメリットは?
A. 従業員がいつでもどこでも福利厚生を利用できるほか、問い合わせ対応の自動化により総務担当者が本来業務に集中できます。
福利厚生にAIを活用することで、業務の効率化や、従業員満足度の向上につながります。
一方で、具体的な活用方法がわからず、導入に踏み切れない担当者もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、福利厚生におけるAIの必要性や活用例、AI活用のメリットや注意点を解説します。
福利厚生におけるAI導入の必要性
まずは、福利厚生にAIの活用が求められる背景を2点解説します。
多様な働き方に対応する必要があるため
福利厚生におけるAI活用の重要性が高まっている背景のひとつに、リモートワークをはじめとした働き方の変化が挙げられます。
たとえば、総務省が発表した「令和6年通信利用動向調査の結果」によると、令和6年は国内企業の約47.3%がリモートワークを導入しています。

そのためリモートワークでは、社員食堂や通勤手当など、従来の福利厚生の効果が薄れる可能性があります。
一方、AIを活用した福利厚生は、インターネットに接続できる環境があれば場所を選ばずに利用可能です。
キャリア相談や健康管理、福利厚生の案内などのサービスをリモート環境下で提供できるため、働く場所に関わらず従業員が恩恵を受けやすくなります。
制度の内容を従業員が把握できていないケースがあるから
つぎに、従業員が自社の福利厚生を把握できていないケースがある点です。
労働政策研究・研修機構(JILPT)は令和8年に「『福利厚生に関する労働者調査』および『財形貯蓄制度に関する労働者調査』」の結果を発表しています。

引用:調査シリーズNo.263『「福利厚生に関する労働者調査」および「財形貯蓄制度に関する労働者調査」』|労働政策研究・研修機構(JILPT)
この調査結果によると、いずれの福利厚生においても「わからない」と回答した人が一定数存在しており、中には4割に上るものもあります。
こうした背景から、AI導入によって福利厚生の制度内容を把握しやすい環境を構築することが重要といえるでしょう。
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福利厚生におけるAIの活用例5選
ここからは、福利厚生におけるAIの活用例を5つ紹介します。
AIキャリアアドバイザーの導入
AIキャリアアドバイザーとは、今後の働き方やキャリアの方向性をAIに相談できるサービスです。
「マネジメント職に就くには何を学べばよいか」「スキルを活かせる部署はどこか」などの相談に対して回答してくれます。
質問に回答するだけでなく、受講すべき社内研修や、おすすめの自己啓発本も提案してくれます。社内研修への参加率を伸ばしたい場合にも有効な活用法です。
今後のキャリアパスを決めやすくなることで、若手社員の定着率を向上させやすい点もメリットです。
AIを用いたヘルスケアの実施
以下のように、従業員の健康管理に役立つ福利厚生を導入できる可能性もあります。
- ウェアラブルデバイス(腕時計やメガネなどの身体に装着するIT機器)で心拍数や睡眠データを収集し、AIで生活習慣の改善点を分析できるシステムを導入する
- ストレス状態を定期的にチェックするアプリケーションを提供する
- AIが電子カルテを解析して健康上の問題を早期に把握するシステムを導入する
健康を維持しやすい環境を整えることで、従業員を自社に定着させやすくなります。
従業員の資産形成をサポートするAIアシスタント
資産形成が可能な福利厚生について、AIアシスタントを導入すると、従業員が投資すべき商品や金額などを相談できるようになります。
たとえば、以下の制度で活用が可能です。
| 制度名 | 概要 |
|---|---|
| 企業型確定拠出年金 | 企業が掛金を毎月積み立てて、従業員が運用することで、年金を形成できる制度。 |
| 従業員持株会 | 給与・賞与から一定額を天引きすることで、自社の株式を保有できる制度。 |
| 財形貯蓄制度 | 給与・賞与から一定額を天引きすることで、貯蓄が可能な制度。 |
AIアシスタントによって、投資の知識が少ない従業員も制度を活用しやすくなり、福利厚生の利用率の向上につながります。
AIによる福利厚生の推薦システム
従業員の嗜好やライフスタイルをAIが分析し、一人ひとりに合った福利厚生を提案することも可能です。
たとえば、以下のようなシステムが考えられます。
- 食事の好みを入力すると、食事補助を利用できる飲食店の中から、AIがおすすめのお店を提案する
- 現在の体調を入力すると、福利厚生として利用できるサプリメントから、おすすめの商品を紹介してもらえる
それぞれの従業員に最適な店舗・商品を提案することで、福利厚生の利用率向上を期待できます。
福利厚生の問い合わせに対応するチャットボットの導入
チャットボットはAIを搭載した会話システムで、人間が入力した質問に対し、回答を自動で出力してくれます。
チャットボットを活用することで、従業員からの福利厚生に関する問い合わせを、自動で対応可能です。
今まで問い合わせ対応に従事していたバックオフィス担当者は、ほかの業務に集中しやすくなります。
時間を問わず即座に回答を得られるため、従業員の利便性も高まるでしょう。
福利厚生にAIを活用するメリット
ここからは、福利厚生にAIを活用するメリットを解説します。
場所や時間を問わず福利厚生を利用しやすくなる
AIを活用することで、従業員が場所や時間を問わずに福利厚生を利用しやすくなります。
たとえば、AIキャリアアドバイザーへの相談や、ヘルスケアシステムでの健康チェックは、オンライン上でいつでも実施が可能です。
従業員のエンゲージメントを高めやすくなる
福利厚生にAIを活用することで、場所や時間に捉われない利用環境を実現できます。福利厚生の利便性を高めることで、従業員のエンゲージメントも向上させることが可能です。
従業員のエンゲージメントとは、会社や仕事への満足度を示す指標です。
従業員のエンゲージメントが向上すると、業務に積極的に取り組んでもらえます。
その結果、業務改善のアイデアや新たな施策の提案が生まれやすくなり、自社製品の売り上げの増加も期待できます。
総務担当者の負担を抑えられる
AIを活用すると、福利厚生の問い合わせ対応をチャットボットに任せられるため、総務担当者の負担を軽減できます。
問い合わせ対応が減ることで、採用活動や人事評価、備品の補充など、企業経営に関わる重要な業務に集中しやすくなります。
採用活動時のアピールポイントになる
多くの求職者は、会社の給与や業務内容のほか、福利厚生も重視します。
ヘルスケアのシステムや、資産形成の相談ができるチャットボットなど、AIを活用した福利厚生は他社と差別化しやすく、採用活動時のアピールポイントとして効果的です。
AIを活用している旨をアピールすることで、求人への応募者が増加し、優秀な人材を確保しやすくなります。
福利厚生にAIを活用する上での注意点
ここからは、福利厚生にAIを導入する際の主な注意点を解説します。
導入コストがかかる
AIを導入する際は、初期費用やサブスクリプション費用などが必要です。
必要な金額を把握せずに導入すると、予算が足りなくなり、途中でAIを利用できなくなる可能性があります。
また、初期設定や動作テスト、運用・保守などの業務コストにも注意が必要です。繁忙期にAIを導入すると、総務担当者に大きな負担がかかる恐れがあります。
AIを利用する前に、具体的な導入効果を検討し、コストに見合った内容であるかを判断することが大切です。
そのうえで「予算内で利用できるか」「導入作業や運用保守を行う余裕があるか」も確認しましょう。
従業員が利用しやすい操作性を確保する
チャットボットやヘルスケアシステムを導入する場合、操作性が優れているかを確認することも大切です。
操作手順が複雑であったり、UIがわかりにくかったりすると、従業員が利用を止めてしまう可能性があります。
本格的に導入する前に、従業員にデモ版を使ってもらい、操作性に関するアンケートを取りましょう。
使いにくいという声が多い場合は、導入するシステムの変更を検討するのもひとつです。
従業員の個人情報の取り扱いに気をつける
AIを搭載したシステムを使う場合、健康データやキャリア情報など、従業員の情報を収集する可能性があります。
情報の収集や利用について、明確に説明しないままAIを導入すると、従業員の不信感を招くだけでなく、個人情報保護法に違反する恐れもあります。
従業員の情報を収集する場合、利用目的や第三者への提供の有無などをあらかじめ説明し、同意を得ておきましょう。
また、収集した情報が漏えいしないよう、システムのセキュリティ性能を確認しておくことも重要です。
アルゴリズムバイアスが従業員に不利益となることがある
アルゴリズムバイアスとは、AIの学習過程や学習データの偏りが原因で、特定の人々にとって不利な意思決定が行われてしまう現象です。
たとえば、人事データをAIキャリアアドバイザーに学習させる場合、データ内で「管理職は男性が多い」という傾向があるとします。
この場合、AIキャリアアドバイザーが相談に乗る際に、女性社員にマネジメント職へのキャリアを提案しにくくなる可能性があります。
AIにデータを学習させる際は、性別・年齢・国籍などの偏りを抑えることが大切です。
社内のエンジニアや外部の専門業者に、データの偏りがないか確認を依頼しましょう。
また、情報システム部門で社内のAI活用についてモニタリングし、不適切な回答が行われていないかチェックすることも大切です。
ハルシネーションのリスクを考慮する
ハルシネーションとは、AIが誤った情報を事実のように出力する現象です。
福利厚生でAIを活用する場合は、従業員に対し「出力された情報に違和感がある場合は自身で調べ直す」という注意喚起を行いましょう。
また、AIの誤った回答を報告できる窓口を設置しておくと、ツールの運用方針の見直しや、提供会社への相談などを円滑に行えます。
福利厚生のAI活用に関するよくある質問
最後に、福利厚生のAI活用に関するよくある質問に回答します。
チャットボットの導入にかかる期間は?
チャットボットの導入にかかる期間は、1〜3ヶ月ほどが目安です。自社で作業を進めたり、学習させるデータが多かったりする場合は、さらに時間がかかりやすくなります。
システム構築に詳しい従業員や、専門業者から必要な期間を見積もってもらい、それを参考に導入スケジュールを設定しましょう。
AI導入後に福利厚生の利用率を高めるポイントは?
AIを導入した後は、福利厚生がどのように変化したかを周知する必要があります。
AIを活用した福利厚生の概要や、チャットボットやヘルスケアシステムの使い方などを従業員に説明しましょう。
説明した内容は後から確認できるよう、ドキュメントにまとめて全員が閲覧できるドライブに保管しておきます。
また、定期的にアンケートを実施し、福利厚生の利用率を調査することも大切です。利用率が伸びない場合は、AIの活用法を再検討してみましょう。
AIの専門知識を持つエンジニアがいなくても導入できる?
社内にエンジニアがいない場合は、AIの導入を支援している企業に相談する必要があります。
企業によって「チャットボットの導入に長けている」「ヘルスデータの分析に強い」など、得意分野が異なります。
どのようにAIを活用したいか明確にしておくと、外注先をスムーズに選定することが可能です。
また、AIによって福利厚生以外の事務作業を効率化できる可能性もあるため、総務担当者の負担が大きい場合は相談してみましょう。
総務担当者の業務を幅広く効率化する手段として「マネーフォワード AIエージェント」の導入も挙げられます。
帳票作成や経費申請などの事務作業を、AIエージェントが自律的に進めてくれるサービスです。
経理領域や経営管理領域、法務領域において多様なAIエージェントを利用できるため、ぜひチェックしてみてください。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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