• 更新日 : 2026年6月22日

カフェテリアプランの主な非課税メニュー8選!判断基準や具体例も解説

Pointカフェテリアプランのメニューは、どこまで非課税にできるのでしょうか。

非課税となるのは、全従業員へ公平に提供され、福利厚生費として認められるメニューです。

  • 食事補助は会社負担が月7,500円以下なら課税されない。
  • 現金や商品券での支給は給与扱いとなり課税される。
  • 通勤手当は所得税が非課税でも社会保険料に含まれる。

判断に迷う場合は、事前に税理士や税務署へ確認しておくと安心です。

「カフェテリアプランのどのメニューが非課税になるかわからない」「誤処理で税務署から指摘を受けるリスクが心配」と感じている人事・経理担当者もいるのではないでしょうか。カフェテリアプランの課税・非課税は、ポイントを付与した時点では発生せず、従業員がメニューを利用した時点でサービスの内容に応じて判定される仕組みです。

本記事では、制度全体の非課税要件を整理したうえで、代表的なメニューの課税・非課税の区分を具体例とともに解説します。今後の実務に直接活用できる情報としてぜひ参考にしてください。

カフェテリアプランとは?

カフェテリアプランとは、企業が従業員一人ひとりへ一定のポイントを付与し、用意された福利厚生メニューの中から、自分に合ったサービスを自由に選んで利用できる制度です。

「カフェテリア」という名称は、好きなメニューを選べる食堂のスタイルに由来しています。

カフェテリアプランは住宅補助や育児・介護支援、健康診断など、幅広いメニューを用意できるため、従業員のライフスタイルに合わせた福利厚生を実現しやすい点が特徴です。

また、従来の福利厚生のように、一部の従業員しか利用できない制度になりにくく、全従業員へ公平に福利厚生を提供しやすい仕組みとして注目されています。

近年は、働き方の多様化や同一労働同一賃金への対応を背景に、中小企業でも導入を検討するケースが増えています。

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カフェテリアプランの非課税メニューが認められる3つの要件

カフェテリアプランの課税・非課税は、まず制度全体が福利厚生として認められるかを確認したうえで、各メニューごとの判定へ進みます。

ここでは、制度全体が非課税と認められるための3つの要件を解説します。

全従業員が平等にポイントを受け取れる

カフェテリアプランを非課税制度として運用するには、全従業員へ公平にポイントを付与する必要があります。

役職や年齢、報酬額に応じてポイント数が変わる設計は認められず、その場合は制度全体が課税対象となる可能性があります。

たとえば、「月給に応じてポイントを増やす」「管理職だけ付与ポイントを多くする」といった設計は、給与連動と判断されやすいため注意が必要です。

一方で、永年勤続表彰を目的とした勤続年数加算は認められるケースもあります。

また、正規・非正規を問わず利用できる設計にすると、同一労働同一賃金への対応にもつながります。

ポイントに換金性がない

カフェテリアプランを非課税として扱うには、ポイントを現金化できない設計にしておく必要があります。

たとえば、未消化ポイントを年度末に現金支給する、サービス未利用でもポイント相当額を受け取れるようにする、といった設計は認められません。

非課税として扱われるのは、原則として企業から現物給付として提供される福利厚生に限られるためです。

そのため、未使用ポイントは有効期限を過ぎると自動的に失効する設計が一般的です。

また、商品券やギフトコード、食事券なども換金性があると判断される場合があるため、メニューへ組み込む際は慎重な設計が求められます。

社会通念上で福利厚生として妥当な内容・金額である

非課税メニューとして認められるには、福利厚生として妥当な内容・金額である点も重要です。

内容や支給額が福利厚生の範囲を超えていると判断された場合、課税対象となる可能性があります。

たとえば、一人あたり数十万円規模の社員旅行や、業務との関連性が薄い趣味・娯楽への高額補助などは、福利厚生として認められにくい傾向があります。

そのため、金額面では一般的な相場や国税庁の基準を参考に上限を設定し、内容面でも「全従業員が利用できる」「生活支援につながる」といった観点を意識しましょう。

判断が難しいケースは、事前に税理士や所轄税務署へ確認しておくと、後から指摘を受けるリスクを抑えやすくなります。

カフェテリアプランの主な非課税メニュー8つ

全従業員へ公平に提供され、税法上で福利厚生費として認められているメニューは、非課税として扱われます。

ここでは、代表的な非課税メニューを解説します。

①医療費補助

従業員本人や家族の治療費補助は、医療費控除の対象となる範囲であれば非課税として扱われます。

具体的には、病院での治療費や通院交通費、市販薬、妊娠・出産に伴う検査費用などが対象です。

セルフメディケーション税制の対象医薬品も非課税メニューへ組み込めます。

一方で、美容医療や美容歯科矯正など、医療費控除の対象外となる費用は課税対象となるため注意が必要です。

家族分の医療費もメニューとして申請できる一方で、非課税となるのは医療費控除の対象範囲内に限られます。

②介護費補助

介護費補助は、要介護状態となった際の費用負担を支援するメニューで、一定範囲内で非課税として扱われます。

介護保険の自己負担額や、保険適用外の介護サービス費用などが対象です。

また、訪問介護や訪問リハビリテーションなどの居宅サービスは、医療費控除の対象となる場合において、非課税扱いです。

一方、医療費控除の対象外となる介護サービスは課税対象になるため、事前に適用範囲を確認しておく必要があります。

介護と仕事の両立支援は離職防止にもつながるため、中高年層の従業員が多い企業では重要な福利厚生メニューになりやすいでしょう。

③疾病予防費補助

人間ドックや予防接種などの疾病予防メニューも、一定条件を満たせば非課税として扱われます。

ただし、非課税対象となるのは原則として従業員本人分のみです。

たとえば、家族の人間ドック費用を補助する場合、申請自体は可能でも給与扱いとして課税されるケースがあります。

また、配偶者と一緒に受診できる制度を設ける場合も、配偶者分は課税対象となる点に注意が必要です。

「申請できる=非課税」ではないため、従業員への説明や給与計算フローを事前に整備しておきましょう。

④食事補助

食事補助は、一定要件を満たすと非課税として運用できます。

非課税要件は、「従業員が食事代の50%以上を自己負担している」「会社負担額が月7,500円以下(消費税抜き)」の2点です。

2026年4月からは非課税上限が月3,500円から7,500円へ引き上げられ、活用しやすい制度へ見直されました。

社員食堂や食券配布、置き型社食サービスなどは、要件を満たした形で提供すれば非課税扱いです。

一方で、現金を「食事手当」として支給するだけでは給与扱いとなり、課税対象になるため注意が必要です。

参考:食事を支給したときの非課税限度額の判定|国税庁

⑤在宅勤務関連費用

在宅勤務に必要な費用補助は、業務利用分に限り非課税として扱われます。

たとえば、モニターや椅子、通信費、在宅勤務にかかった電気代などが対象です。

一方で、インターネット回線の初期工事費や、業務と関係ないオプション費用は課税対象なので要注意です。

また、電気代や通信費は私用分を含みやすいため、事前に按分ルールを定めておく取り組みも重要です。

なお、コワーキングスペースやレンタルオフィス利用料についても、業務目的での利用に限り非課税として扱われます。

⑥永年勤続表彰

永年勤続者への表彰は、一定要件を満たした場合に非課税として扱われます。

対象となるのは、旅行や観劇への招待、記念品の支給などです。

ただし、勤続年数や支給内容に照らして、社会通念上妥当な範囲である必要があります。

非課税と認められる要件は、「支給する利益の額が勤続期間等に照らして社会通念上相当である」「おおむね10年以上の勤続年数の者を対象としている」の2つです。

なお、現金や商品券、ギフトコードなどで支給した場合は給与扱いとなり、課税対象になるため注意が必要です。

⑦家賃補助

家賃補助は、一定条件を満たした社宅制度として運用する場合、非課税として扱われます。

たとえば、会社契約または会社所有の物件へ従業員を入居させ、従業員が賃貸料相当額の一定割合以上を負担している場合は、会社負担分が非課税扱いです。

賃貸料相当額は、実際の家賃ではなく固定資産税評価額などをもとに算出されるため、実際の家賃より低くなるケースも少なくありません。

一方で、従業員本人名義の賃貸住宅へ現金で家賃補助を支給した場合は、住宅手当として給与課税されます。

そのため、カフェテリアプランへ組み込む際も、非課税要件を満たしているか事前に確認しておきましょう。

⑧通勤手当

通勤手当は、一定額まで非課税として扱われる代表的な福利厚生です。

公共交通機関を利用する場合は、合理的な通勤経路における定期代相当額について、月15万円までが非課税です。

また、マイカー・自転車通勤では、通勤距離に応じて非課税限度額が設定されています。

非課税上限を超えた部分は給与として課税されるため、遠距離通勤者がいる場合は注意が必要です。

なお、通勤手当は所得税上は非課税でも、社会保険料の算定対象には含まれるため、従業員の保険料負担へ影響する点も把握しておきましょう。

カフェテリアプランの導入手順

カフェテリアプランは、制度設計から運用体制の整備まで段階的に進めると、従業員に利用されやすい制度になります。

ここでは、導入時の基本的な流れを3ステップで解説します。

目的の明確化とニーズの調査

まずは、「なぜカフェテリアプランを導入するのか」という目的を明確にしましょう。

採用強化や定着率改善、同一労働同一賃金への対応など、経営課題と紐づけて考えておくと、必要な制度設計が見えやすくなります。

あわせて、従業員アンケートや既存福利厚生の利用状況を分析し、どのようなメニューに需要があるのかを把握する取り組みも重要です。

また、自社運営にするのか、代行サービスを活用するのかによって必要な工数やコストも変わるため、運用体制まで含めて現実的に検討しておく必要があります。

導入目的を整理して、企業としてどのような福利厚生を重視するのかも従業員へ伝えましょう。

制度設計と社内ルールの策定

導入方針が決まったら、ポイント単価や有効期限、申請方法などの制度設計を進めます。

あわせて、就業規則や賃金規程へ内容を明記し、法的根拠を整備しておく取り組みも重要です。

また、課税メニューと非課税メニューの区分は複雑になりやすいため、事前に経理担当者や税理士と確認しながら設計を進める必要があります。

メニュー選定では、「利用率が高そうなもの」「企業として推したい支援」「法令対応として必要なもの」の3つを軸に整理すると、バランスを取りやすくなります。

代行サービスを利用する場合は、メニュー数やシステム操作性、サポート体制なども比較しながら選定しましょう。

運用後のフィードバックと定期的な見直し

カフェテリアプランは、導入後の改善運用も重要です。

運用開始後は、ポイント消化率やメニュー別利用件数を定期的に確認し、利用率が低いメニューの見直しや人気メニューの拡充をおこないます。

また、年1回程度の従業員アンケートを実施し、使いにくさや追加希望メニューなどの意見を収集すると、制度改善につなげやすくなります。

利用率が低い場合は、ニーズとのズレだけでなく、周知不足や利用方法のわかりにくさが原因になっているケースも少なくありません。

さらに、食事補助の非課税上限変更のような税制改正があった際は、メニュー内容や給与計算処理を速やかに見直せる体制を整えておく取り組みも重要です。

カフェテリアプランの導入で注意したい点

カフェテリアプランは自由度が高い反面、税務・コスト・運用面で事前に把握しておきたい注意点もあります。

ここでは、特に注意したい3つのポイントを解説します。

課税・非課税のバランスを意識して設計する

カフェテリアプランでは、課税メニューと非課税メニューが混在するため、メニューごとに税務上の判断が必要です。

非課税メニューを中心に設計すると、従業員の実質的な手取り増加につながりやすくなります。

一方で、レジャー系や換金性の高いメニューを増やしすぎると、課税処理が複雑になりやすいため注意しましょう。

また、課税対象メニューを誤って非課税処理すると、不納付加算税が発生するリスクもあります。

そのため、経理フローを整備するとともに、食事補助の非課税上限引き上げのような税制改正も定期的に確認しながら運用していく意識が重要です。

判断に迷う場合は、事前に税理士や所轄税務署へ確認しておくと安心です。

導入・運用にかかるコストと手間を把握しておく

カフェテリアプランは、導入後の運用負担も見越して設計する必要があります。

メニュー設計やポイント管理、システム構築、従業員への周知など、導入時には一定の工数とコストが発生します。

また、代行サービスを利用する場合は、付与ポイントとは別に月会費や利用料が必要になるケースも少なくありません。

さらに、課税・非課税メニューが増えるほど経理処理も複雑になるため、最初はシンプルな構成から始め、徐々にメニューを拡充していく方法も有効です。

利用率が低いとコストだけが増えてしまうため、事前に従業員ニーズを把握したうえで制度設計を進めましょう。

ポイントの失効による不満を防ぐ

カフェテリアプランでは、ポイント失効への不満にも注意が必要です。

実際には、単年度精算方式を採用している企業が多く、未使用ポイントを翌年度へ繰り越せないケースも少なくありません。

そのため、ポイントを使い切れなかった従業員から不満が出たり、失効前に不要なメニューを無理に利用したりするケースもあります。

こうした状況を防ぐためには、有効期限が近づいたタイミングでリマインド通知を送るなど、利用促進の工夫が重要です。

また、利用率の高い人気メニューを充実させながら、付与ポイント数と有効期限のバランスを定期的に見直し、無理なく使いやすい制度を維持しましょう。

特に、住宅支援制度や社宅制度は導入後の管理工数が大きくなりやすいため、運用負担まで見据えた設計が欠かせません。

最近は、マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸のような運用支援サービスを活用しながら、無理なく社宅制度や住宅支援制度を運用する企業も増えています。


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