- 更新日 : 2026年4月2日
ストレスチェック業者を選ぶには?委託範囲や費用相場、実施手順を解説
委託範囲と費用、実施体制の比較し選びましょう。
- 費用相場は受検者1人あたり300〜1,000円
- 2028年頃までに50人未満の事業場も義務化
- 労働基準監督署への報告支援がある業者を選ぶ
ストレスチェックの実施には、法遵守の運用や個人情報保護、集団分析による職場改善への活用が求められるため、厚生労働省の指針に沿った専門業者に依頼しましょう。
ストレスチェックを外部の業者に任せることで、担当者の負担を減らしつつ、社員の本音を引き出しやすくなります。委託費用は1人あたり300〜1,000円前後が相場で、集団分析や医師面接まで含めると総額は大きく変わります。
「どの業者を選べばよいか」「自社で対応すべき範囲はどこか」といった疑問を抱える人事・労務担当者に向けて、選定から実施完了までの流れを整理しました。
目次
ストレスチェック制度とは?業者に委託する前の基礎知識
ストレスチェック制度は、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐために設けられた検査の仕組みです。労働安全衛生法の改正により2015年12月から施行され、常時50人以上の労働者を使用する事業場に年1回の実施が義務づけられています。2025年の法改正で50人未満の事業場にも義務が拡大されており、対象範囲は今後さらに広がる見込みです。
労働安全衛生法による義務化の対象
常時50人以上の労働者を使用する事業場は、ストレスチェックの実施と労働基準監督署への報告が義務です。2025年5月公布の改正法により、50人未満の事業場にも実施義務が拡大されました。施行は公布後3年以内とされ、小規模事業場でも早めの準備が求められるでしょう。なお、50人未満の事業場は報告義務を課さない方向で検討が進んでいます。
参照:ストレスチェック制度について|こころの耳(厚生労働省)
参照:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省
実施者・実施事務従事者の役割
ストレスチェックの「実施者」になれるのは、以下の有資格者に限られます。
- 医師
- 保健師
- 厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士・歯科医師・公認心理師
実施者は調査票の選定や高ストレス者の判定に関与し、結果を本人に通知する責任を負います。
「実施事務従事者」は、実施者の指示のもとでデータ入力や結果の保存などの事務を担当します。受検者について解雇・昇進・異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、実施事務従事者にはなれません。
ただし、人事部門に所属していても直接の人事権を持たない担当者であれば従事は可能です。社内に適任者がいない場合は、業者への委託を検討することになるでしょう。
ストレスチェックに必要な届出と手続きの流れ
ストレスチェックを実施した後は、所定の届出が必要です。常時50人以上の事業場では、実施結果を所轄の労働基準監督署へ報告しなければなりません。届出に関する要点を以下の表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出書類 | 心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第6号の3) |
| 届出先 | 事業場の所在地を管轄する労働基準監督署 |
| 届出義務者 | 事業者(実務上は衛生管理者や人事・労務担当者が作成するケースが多い) |
| 届出時期 | ストレスチェック実施後、遅滞なく提出(年1回の実施ごと) |
| 届出方法 | 2025年1月から原則として電子申請。厚生労働省の入力支援サービスから提出できる。電子申請が困難な場合には、従来どおり紙での提出も可能 |
| 届出対象 | 常時50人以上の労働者を使用する事業場(50人未満は現時点で実施義務および報告義務なし) |
| 届出を怠った場合 | 労働安全衛生法第120条に基づき50万円以下の罰金の対象となりうる |
報告書には、検査を受けた労働者の数、面接指導を受けた労働者の数、検査を実施した者の氏名などを記入します。
厚生労働省の電子申請サービスは、事前の登録は不要で、ブラウザからそのまま利用できます。
参照:労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます|厚生労働省
参照:心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告|厚生労働省
外部委託が選ばれる背景
ストレスチェックを自社だけで運用するには、実施者の確保や調査票の管理、結果の保存体制など多くの準備が必要です。とりわけ中小企業では専任の産業保健スタッフがいない場合も多く、担当者の負担が大きくなりがちではないでしょうか。
厚生労働省のマニュアルでも、50人未満の事業場ではプライバシー保護の観点から外部委託が推奨されています。社内の人間関係が見えやすい小規模事業場ほど、第三者が検査を行うことで従業員が安心して受検しやすくなります。
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ストレスチェック業者を活用するメリット・デメリットは?
外部委託にはメリットとデメリットの両面があります。コスト・体制・社内との連携をふまえ、自社に合った方法を選ぶ判断材料にしてください。
外部委託で得られるメリット
ストレスチェックを業者に委託する最大のメリットは、医師や保健師など専門知識を持つスタッフによる実施体制を確保できる点です。社内の担当者は調査票の配布・回収・集計から解放され、日常業務に集中しやすくなるでしょう。外部の第三者が検査を行うことで、従業員が「結果を上司に見られるのでは」という不安を感じにくくなり、受検率の向上にもつながります。
外部委託で生じやすいデメリット
一方で、委託費用が毎年発生する点は見逃せません。1人あたりの実施費用に加えて、基本料金・集団分析・面接指導など、オプションごとに追加費用がかかるケースもあります。
また、業者によっては社内の事情を十分に理解しないまま画一的な対応になりやすい面もあるでしょう。職場ごとの課題にきめ細かく対応するには、衛生委員会での審議や産業医との連携など、自社側でも一定の関与が欠かせません。
メリット・デメリットを比較して判断
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 実施体制 | 医師・保健師による法令遵守の運用 | 自社の事情を把握しにくい場合がある |
| 業務負担 | 配布・回収・集計の実務を削減 | 衛生委員会の審議等は自社で対応が必要 |
| 費用 | 自社で専門職を雇用するより割安な場合が多い | 毎年の委託費用・オプション料金が発生 |
| 受検率 | 第三者実施による心理的安全性の向上 | 従業員への周知は自社で行う必要がある |
自社の人員体制や予算をふまえて検討しましょう。初めて実施する企業は、まず業者に見積もりを依頼し、社内で対応すべき範囲を確認するところから始めると進めやすくなります。
ストレスチェック業者と自社、それぞれの業務範囲とは?
ストレスチェック制度では、外部に委託できる業務と、自社で対応しなければならない業務が分かれています。委託前に業務範囲を整理しておくと、業者との打ち合わせがスムーズに進むでしょう。
業者に委託できる業務内容
ストレスチェックを外部業者に委託できる主な業務は以下のとおりです。
- 実施者の選任(医師・保健師等の手配)
- 調査票の作成・配布・回収
- 結果の集計・高ストレス者の判定
- 労働者への結果通知
- 集団分析レポートの作成
- 医師による面接指導の実施
- 相談窓口の設置・運営
委託範囲は業者ごとに異なり、すべてを一括で請け負うサービスもあれば、ツールの提供のみというケースもあります。全部委託か一部委託かは、自社のメンタルヘルス対策の体制に応じて判断しましょう。
自社で対応が必要な業務
以下のストレスチェック業務は外部に委託できず、企業側で対応しなければなりません。
- ストレスチェック担当者の決定
- 衛生委員会での調査審議
- 社内規程の整備
- 従業員への周知
- 面接指導を行った医師からの意見聴取
- 高ストレス者への就業上の措置(配置転換・労働時間短縮など)
- 職場環境の改善
業者に丸投げしてしまうと、制度が形骸化しかねません。とくに衛生委員会での審議と、面接指導後の就業措置の判断は、経営層や人事部門が主体的に関わる必要があります。
医師面接指導の手配における役割分担
高ストレスと判定された従業員が面接を希望した場合、事業者は医師による面接指導を実施しなければなりません。外部委託であれば、業者が医師面接の手配まで対応してくれることが多いですが、面接結果をふまえた就業上の措置の判断は自社が行います。
面接指導の費用は1回あたり1万〜5万円程度と幅があり、契約時に含まれる場合と別途請求になる場合があります。契約前に確認しておきましょう。
集団分析と職場環境改善の提案を受ける
集団分析は、ストレスチェック結果を部署単位で集計し、職場ごとのストレス傾向を把握する作業です。実施は努力義務ですが、職場環境改善につなげるうえで積極的な活用が望まれるでしょう。費用は無料のところから1組織あたり2万5,000円程度と幅があるため、見積もり段階で確認しておいてください。
ストレスチェック業者を比較するときの選定ポイントは?
ストレスチェックの業者は数多くあり、サービス内容も料金体系もさまざまです。費用だけで判断せず、実施体制やセキュリティ、運用サポートまで含めて総合的に比較することが大切です。
実施体制と資格要件を確認する
まず確認したいのは、実施者として医師・保健師が選任されているかです。実施者の資格要件は法令で定められており、公認心理師や精神保健福祉士の活用状況、実施事務従事者の体制、労働者からの問い合わせ窓口の有無もあわせて確認しましょう。
対応範囲とアフターフォローはどうか
業者によって対応範囲は異なります。導入準備から集団分析、職場改善のアドバイスまで一貫して対応できるところもあれば、検査の実施のみというところもあるため注意が必要です。
初めてストレスチェックを実施する企業であれば、衛生委員会の段階からサポートしてくれる業者を選ぶと、担当者の負担を減らしやすくなるでしょう。高ストレス者への面接指導の手配やフォロー体制が充実しているかも見落としがちなポイントです。
セキュリティ・個人情報保護の体制を確認する
ストレスチェックでは従業員のメンタルヘルスに関わるセンシティブな情報を扱います。データ管理体制やアクセス制限、暗号化対応、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS認証の取得状況を確認してください。厚生労働省の実施マニュアルでは、調査票の回収・入力が第三者に見られない環境で行われること、ICTを用いる場合はパスワード管理や不正アクセス防止策が講じられていることが求められています。
参照:外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト例|厚生労働省
契約前に確認すべき個人情報の取り扱い範囲
ストレスチェックの結果は、本人の同意なく事業者に提供できません。業者がどのタイミングで、どの範囲の情報を事業者側に共有するのか、契約前に取り決めておく必要があります。
同意の取得方法にも注意しましょう。検査前や検査時にまとめて同意を取る方法は不適切とされており、結果通知後に個別に同意を得るのが原則です。
受検率を上げるための運用サポートはあるか
ストレスチェックは従業員に受検義務がないため、受検率が低くなると十分なデータが得られません。未受検者へのリマインド通知や、スマートフォン・タブレット対応など、受検率向上につながる機能を備えた業者を選ぶと運用がスムーズになります。
労働基準監督署への報告書作成を支援できるか
常時50人以上の事業場には、ストレスチェック実施後に労働基準監督署への報告義務があります。業者によっては報告書の作成支援まで対応しているケースがあるため、契約範囲に含まれるかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。
報告書の記入項目は多岐にわたるため、業者側で受検者数や面接指導の実績データを整理してもらえると、担当者の負担を大幅に減らせます。
参照:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省
ストレスチェックの外部委託にかかる費用の目安は?
ストレスチェックの外部委託費用は、基本料金・実施料金・オプション料金の組み合わせで決まります。業者やプランによって内訳が異なるため、見積もり時に「何がどこまで含まれるか」を必ず確認しましょう。
料金体系のパターン
外部委託の費用は「基本料金(初期費用)」と「実施料金(1人あたりの受検費用)」の2つで構成されるのが一般的です。集団分析や医師面接指導、結果保存管理などがオプション扱いになることもあります。Web実施は紙に比べてコストを抑えやすい一方、PC環境が整わない事業場では紙との併用が必要になるため、追加費用の有無を確認しておきましょう。
従業員規模別の費用感
| 従業員規模 | 基本料金の目安 | 実施料金(1人あたり) |
|---|---|---|
| 50人程度 | 2万〜10万円 | 300〜1,000円 |
| 100人程度 | 3万〜10万円 | 300〜1,000円 |
| 300人以上 | 個別見積もりが多い | ボリュームディスカウントあり |
上記はあくまで目安です。業者ごとにキャンペーンや割引が設定されている場合もあるため、複数社に見積もりを依頼して比較検討するのが望ましいでしょう。
追加費用が発生しやすい項目
見落としやすい追加費用として、医師による面接指導(1回あたり1万〜5万円程度)、集団分析の詳細レポート(1組織あたり2万5,000円程度)、結果データの長期保存費用などがあります。
「安いと思って契約したが、必要なサービスがオプション扱いで結局割高になった」というケースは少なくありません。料金の内訳を細かく確認し、自社に必要な範囲がどこまで含まれているかを見極めることが大切です。
ストレスチェック業者への委託から実施完了までの流れは?
ストレスチェックの外部委託は、事前の社内準備から結果報告まで複数のステップを経て進みます。全体像を把握しておくと、スケジュールの見通しが立てやすくなるでしょう。
STEP1 社内体制と実施計画を整備する
まず、衛生委員会(50人未満の事業場では関係労働者の意見を聴く場)でストレスチェックの実施方針を審議します。審議で決めるべき事項は以下のとおりです。
- 実施時期と対象者の範囲
- 使用する調査票の種類
- 高ストレス者の選定基準
- 結果の保存方法と保存期間
- 外部委託先の選定方針
これらを社内規程として文書化し、あわせてストレスチェックの担当者(実施事務従事者や制度全体の管理者)を選任します。従業員への周知方法も取り決めておきましょう。
STEP2 業者選定・契約を進める
複数の業者に見積もりを依頼し、費用・サービス範囲・セキュリティ体制を比較検討します。厚生労働省が公開しているチェックリスト例を活用すると、確認漏れを防ぎやすくなるでしょう。
選定後は契約を締結し、個人情報の取り扱いに関する取り決め(守秘義務・データの返却または廃棄の条件など)を明文化します。
参照:外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト例|厚生労働省
STEP3 調査票の配布〜回収・分析を実施する
業者との準備が整ったら、従業員に受検の案内を行い、調査票(Webまたは紙)を配布します。回答期間は2〜4週間程度が一般的です。未受検者へのリマインドは業者が自動で対応する場合もあれば、自社で行う場合もあります。
回収後は、実施者が結果を確認し、高ストレス者の判定を行います。集団分析を行う場合は、回答者が10人以上の集団単位で集計される点に留意してください。
STEP4 結果通知と医師面接・報告を行う
結果は実施者から本人に直接通知されます。通知内容には、ストレスの特徴や傾向を示す数値・図表、高ストレスの該当有無、面接指導の要否が含まれなければなりません。
高ストレスと判定された従業員には面接指導の案内を行い、本人から申し出があった場合は医師面接を実施します。面接後、医師から意見を聴取し、必要に応じて就業上の措置を講じましょう。50人以上の事業場は、実施結果を労働基準監督署に報告します。
ストレスチェック業者の活用で職場環境改善につなげるには?
ストレスチェックは結果をもとにした職場環境の改善まで含めて制度の趣旨が生かされます。業者のサービスを上手に活用し、メンタルヘルス対策を継続的に進めましょう。
集団分析の結果を部署ごとに活用する
集団分析では、厚生労働省の「仕事のストレス判定図」を用いて、事業場や部署単位のストレス度を全国平均と比較できます。分析結果をもとに、どの部署にどのような課題があるかを可視化し、優先度の高い領域から改善策を検討するとよいでしょう。
ただし、集団分析は回答者が10人以上の集団でないと個人が特定されるおそれがあるため、少人数の部署は他の部署と合算して分析する必要があります。
メンタルヘルス対策と連動させる
ストレスチェックの結果は、セルフケア研修やラインケア研修の企画にも活用できます。業者のなかには、ストレスチェック後の研修プログラムやカウンセリングサービスまで一体で提供しているところもあります。
高ストレス者が多い部署に対して管理職向けの研修を実施する、あるいは相談窓口の利用を促すなど、ストレスチェックの結果を起点にした施策を組み合わせると効果を高めやすくなるでしょう。
継続的なPDCAサイクルを回す
ストレスチェックは年1回の実施が義務ですが、結果を翌年の実施や職場改善に反映させることで、PDCAサイクルを回すことができます。前年との比較データを業者に提供してもらい、改善の進捗を確認しましょう。
業者を毎年変えてしまうとデータの連続性が失われるため、中長期的に付き合える業者を選ぶことも意識しておきたいポイントです。経年データの蓄積によって、組織全体のメンタルヘルスの傾向をより正確に捉えられるようになります。
ストレスチェック業者の見極めに役立つチェックリスト
厚生労働省は「外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト例」を公開しています。以下では公式チェックリストの6カテゴリに沿って確認すべきポイントを整理しました。
ストレスチェック制度の理解度を確認する
業者がストレスチェック制度を正しく理解しているかは、委託先選定の出発点です。制度の目的は「一次予防(メンタルヘルス不調の未然防止)」であり、この点を業者側が認識しているかどうかを確認しましょう。
| チェック内容 | 確認する理由 |
|---|---|
| ストレスチェックの目的が一次予防であることを理解しているか | 目的の誤認は運用全体のズレにつながる |
| 実施者や実施事務従事者に労働安全衛生法第105条の守秘義務が課されることを理解しているか | 違反すれば6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となる |
| 本人の同意なく結果を事業者に提供することが禁止されていることを理解しているか | 同意なき提供は法令違反に該当する |
| 実施者・実施事務従事者に対し、研修等を通じて制度の仕組みや個人情報保護の重要性を周知・理解させているか | 担当者の理解不足は情報漏えいや運用ミスにつながる |
| 委託元の産業医等と密接に連携する体制が整っているか | 社内の産業保健活動との連動が制度の実効性を高める |
実施体制が整備されているかを確認する
業者の組織体制が委託業務を適切に遂行できる水準かどうかを確認します。管理責任者の明確化、有資格者の確保、問い合わせ対応の窓口など、運用面での体制が問われます。
| チェック内容 | 確認する理由 |
|---|---|
| 受託業務全体の管理責任者が明確になっているか | トラブル時の対応窓口が不明確だと対処が遅れる |
| 実施者(医師・保健師等)が適切な人数で確保されているか | 人員不足では全受検者の結果を実施者が確認しきれない |
| 面接指導を行う産業医資格を持つ医師が確保されているか | 高ストレス者から面接希望があった際に迅速に対応できる |
| 実施事務従事者の業務範囲が必要な範囲に限定・明確化されているか | 不必要な個人情報へのアクセスを防ぐ |
| 労働者からの問い合わせに対応できる窓口が整備されているか | 受検者の不安や疑問に適時対応し、受検率低下を防ぐ |
| 実施者・実施事務従事者が委託元の産業保健スタッフと綿密に連絡調整を行う体制があるか | 社内の状況を共有しないまま進めると、的外れな対応になりかねない |
調査票・評価方法・実施方法を確認する
ストレスチェックに使う調査票や評価基準は法令で要件が定められています。業者が提案する内容が法的要件を満たしているか、実施方法がプライバシーに配慮されているかを点検してください。
| チェック内容 | 確認する理由 |
|---|---|
| 調査票の選定・評価方法・高ストレス者選定基準の決定を、明示された実施者が行う体制か | 実施者以外が判定基準を決めると法令上の要件を満たさない |
| 調査票がストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートの3領域を含んでいるか | 法令で定められた必須3領域を欠くと検査として無効となるおそれがある |
| 標準57項目または簡易版23項目以外の調査票を使う場合、科学的根拠が示されているか | 根拠のない独自調査票は結果の信頼性が担保されない |
| 高ストレス者の選定方法・基準が法令要件を満たし、労働者にわかりやすく開示されるか | 基準が不透明だと従業員の制度への信頼が低下する |
| 調査票の記入・回収が第三者に見られない方法で行われるか(ICTの場合はパスワード管理・不正アクセス防止策があるか) | 回答内容の漏えいは従業員の心理的安全性を損なう |
| 実施者が受検者全員の結果を確認し、面接指導の要否を判断する体制か | 機械判定だけで済ませると法令上の要件を満たさない場合がある |
| 高ストレス者の選定で補足面談を行う場合、医師・保健師等の国家資格保有者又は臨床心理士・産業カウンセラー等の心理専門職が実施者の指示のもとで行う体制か | 無資格者による面談は判定の信頼性を損なうおそれがある |
| 受検状況を把握し、事業者の求めに応じて情報提供できる体制か | 受検率の把握と未受検者への対応に必要 |
| 集団分析を受検者10人以上の単位で実施できるか(在籍数ではなく実際の受検者数でカウント) | 10人未満では個人が特定されるおそれがあり原則として分析結果を事業者に提供できない |
ストレスチェック実施後の対応体制を確認する
検査後の結果通知やフォローの体制は、制度の実効性に直結します。通知方法・同意取得・データ保存のすべてが法令に沿っているかを確認しましょう。
| チェック内容 | 確認する理由 |
|---|---|
| 結果通知が本人以外の第三者に知られない方法で直接本人に届けられるか | 通知方法の不備は個人情報の漏えいに該当しうる |
| 通知内容にストレスの数値・図表、高ストレス該当の有無、面接指導の要否が含まれるか | 法令で定められた3つの通知事項を欠くと不備となる |
| 面接指導が必要な労働者に対し、第三者にわからない方法で面接の申し出を促す体制があるか | 周囲に知られる方法だと面接を躊躇し、制度が活用されない |
| 緊急に対応が必要な労働者がいた場合に、委託元の産業保健スタッフと連絡調整できる体制があるか | 緊急性の高いケースに即座に対応できないと安全配慮義務のリスクが生じる |
| 結果の事業者への通知について、法令に則った同意取得方法(事前・実施時の一括同意でないこと)が採られるか | 不適切な同意取得は法令違反となる |
| 結果の記録を5年間保存する方法が明示され、第三者が閲覧できないセキュリティが確保されているか | 法定の保存義務を果たしつつ情報漏えいを防ぐ |
面接指導の実施方法を確認する
高ストレス者が面接を希望した場合に備えて、面接指導の運用体制も確認しておく必要があります。
| チェック内容 | 確認する理由 |
|---|---|
| 面接指導の実施場所がプライバシー保護と労働者の利便性の観点から適切か | 場所が不適切だと面接内容が漏れるリスクがあり、利用率も低下する |
| 面接にあたり、事業者から労働時間・労働密度・深夜業の状況等の勤務情報を入手し適切に取り扱う体制か | 勤務状況をふまえない面接では適切な就業措置の意見が出せない |
面接指導実施後の対応を確認する
面接が終わった後の情報の取り扱いや緊急対応の体制も、あらかじめ確認しておきましょう。
| チェック内容 | 確認する理由 |
|---|---|
| 面接結果の事業者への通知が就業上の措置に必要な最小限の情報に限定されるか(診断名・検査値・愁訴の生データが提供されない方法か) | 過剰な情報提供は労働者のプライバシーを侵害し、不利益取扱いにもつながりかねない |
| 面接後に緊急対応が必要な労働者がいた場合に、委託元の産業保健スタッフと連絡調整できる体制があるか | 面接で深刻な状況が判明した場合の初動の遅れを防ぐ |
以上は、厚生労働省の公式チェックリスト6カテゴリの全項目を網羅した内容です。業者との打ち合わせ時に一つずつ確認していくと、選定の精度を高められるでしょう。
参照:外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト例|厚生労働省
ストレスチェック業者選びは委託範囲や費用・実施体制を比較する
ストレスチェックの外部委託では、業者に任せられる範囲と自社で対応すべき範囲を整理したうえで、費用相場・実施体制・セキュリティ・アフターフォローを複数社で比較することが大切です。2025年の法改正により、今後は50人未満の事業場でも義務化が進みます。早めに情報を集め、厚生労働省のチェックリストを活用しながら、自社の規模や体制に合ったストレスチェックサービスを選定してください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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