- 更新日 : 2024年10月17日
デザイナーの請求書の書き方や源泉徴収を解説!フリーランス用テンプレートも
個人事業主(フリーランス)の「フリーデザイナー」には、グラフィックデザインやパッケージデザインからWEBデザインまで、さまざまな仕事があります。
どの種類のデザインであっても、フリーランスの場合には、納品が済んだ後に自分で請求書を発行・提出する必要があります。ここでは、デザイナーの請求書の基本的な書き方や、特に注意すべき点などを説明します。
目次
デザイナーの仕事の種類
デザイナーとは、一般的に雑誌や新聞、広告物などの紙媒体、またはWEBのデザインを専門とする人をいいます。デザイナーがかかわる媒体には、書籍や雑誌、新聞、ポスターやカタログ、パッケージなどの広告物、WEBなどがあります。
その仕事内容は、画像作成や写真加工、タイポグラフィ、アートデザイン、エディトリアルデザインなど多岐にわたります。そのため、「デザイナー」と一言にいっても、グラフィックデザイナー、パッケージデザイナー、キャラクターデザイナー、WEBデザイナーなど、さまざまな職種を含みます。それでは、次項から、実際の請求書の書き方について見ていきましょう。
デザイナーの請求書の基本的な書き方
請求書とは、納品物に対しての対価を請求するための書類です。デザイナーの場合、この納品物は「デザイン」となります。請求書は、デザイナーが取引先に対し、デザイン作業に対して報酬が発生していること、報酬の支払期日を知らせる役割を担っています。まず、書き方の説明の前に、デザイナーの請求書のサンプルをご覧ください。
(サンプル請求書1)
※インボイス制度対応の請求書の書き方を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
なお、マネーフォワード クラウド請求書は、フリーランス・個人事業主のデザイナーさんが、請求書を簡単に作成できる機能を揃えています。(インボイス制度の要件を満たした請求書を作成できます)
請求書の書き方の注意点
デザイナーの請求書を書く際に、注意するべき点は以下の通りです。
トラブルを避けるために、請求金額や支払時期、振込手数料や消費税などの支払条件について、受注前によく確認しておきましょう。
また、内訳には軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。
デザイナー(デザイン報酬)の源泉徴収について
さらに、デザイナーの請求書の書き方において重要なことは、仕事内容に対する報酬のうち、源泉徴収の対象となる品目と、ならない品目があることです。
所得税法により源泉徴収の対象になる報酬が定められおり、中でもデザインの報酬については詳細に例示列挙されています。あくまで例示列挙ですので、所得税法には「WEBデザイン費は源泉徴収の対象である」と明記されていませんが、源泉徴収の対象になるので、注意が必要です。
例えば、ある法人のホームページを作成する案件を請け負って、トップページや下層ページのデザイン作業だけでなく、コーディングというプログラミング業務も行った、と仮定します。この場合、デザイン費は源泉徴収の対象であり、プログラミング費は対象外として取り扱うのが一般的です。そのため、請求書の書き方としては、デザイン業務、コーディング業務を区分して記載する必要があります。備考欄で、デザイン業務、コーディング業務の取り扱いについて一言添えておくとより確実です。
(サンプル請求書2)
「WEBサイト作成作業一式」という品目にすると、デザイン業務が含まれるので、総額が源泉徴収の対象になります。いずれにしても、見積書を提出する時点で、源泉徴収についての認識を取引先と共有しておくことが安全です。
源泉徴収税額について
源泉徴収税額は、支払金額の10.21%です。
たとえば、250,000円の支払金額であれば、250,000円×0.1021=25,525円と計算できるので、25,525円を源泉徴収として差し引きます。
なお、同一の人に対し1回の支払金額が100万円を超える場合は、100万円を超える部分は20.42%となります。
源泉徴収の対象となる「デザインの範囲」について
国税庁によれば、デザインの範囲として以下を示しています。
法第204条第1項第1号に規定するデザイン |
---|
|
コーディングや環境テストなどの報酬に関しては、国税庁の「報酬又は料金の区分」には定められていないため、一般的に源泉徴収の必要がないと考えられます。
デザイナーの請求書テンプレート(インボイス制度対応)
デザイナー向けの請求書エクセルテンプレートは、こちらのページから無料ダウンロード方法を確認できます。
これからも請求書を発行する可能性があるデザイナーさんは、会計ソフト(確定申告ソフト)と一緒に使える、マネーフォワード クラウド請求書の利用もご検討してみてください。
個人事業主のデザイナーにおすすめ「マネーフォワード クラウド請求書」
マネーフォワード クラウド請求書は、直感的な操作で、Excelなどの表計算ソフトに比べて格段に素早く「見積書 / 納品書 / 請求書 / 領収書」を作成できます。
個人事業主の方向けには、パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスの3つのプランをご用意しており、 「パーソナルミニ」のプランから、確定申告書の作成をはじめとした会計ソフトの利用も一緒に可能です。
まとめ
このように、デザイナーの仕事内容にはさまざまなものがあり、請求書の書き方には十分な注意が必要です。特に、請求金額の明細については、どの品目が源泉徴収の対象になるかを事前に確認しておきましょう。請求書の正しい書き方を覚えると、トラブルなく仕事を進めることができます。
よくある質問
デザイナーの請求書を書く際に注意するべき点は?
品目は手がけた媒体の「デザイン」と記載すること、合計額には消費税を含む金額を記載すること、振込手数料はどちらが負担するのかを確認することです。詳しくはこちらをご覧ください。
WEBデザイン費は源泉徴収の対象?
所得税法には明記されていませんが、デザイン業務が含まれるの場合は源泉徴収の対象になるので注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
請求書の宛名は会社名だけでよい?封筒の書き方や注意点を解説
請求書は取引に関する重要な証憑書類であり、取引先との信頼関係を維持するためには、適切に発行することが重要です。特に宛名の誤りは失礼な印象を与えてしまうため、注意深く記載しなければなりません。 ここでは、宛名の記載方法や敬称の使い分け、誤って…
詳しくみる委託販売の請求書の書き方・委託販売精算書のテンプレート
委託販売とは、商品の所有権を持つ事業者(委託販売者)が、別の事業者(受託販売者)に商品の販売を委託するビジネスモデルです。受託販売者は売上を委託販売者に報告し、販売を代行した手数料(販売手数料)を委託販売者から受け取ります。 メーカーや商社…
詳しくみる封書の郵便料金はいくら?差額切手の貼り方・マナーについても解説
2024年10月1日より、封書の郵便料金が値上げされます。本記事では、定形郵便と定形外郵便の料金体系や対象となる封書のサイズ、新旧価格の差額への対応方法をまとめました。さらに、郵便料金の値上げに伴う年間コストの試算や、事業者が取るべき対策に…
詳しくみる請求書に交通費を含める場合の書き方は?消費税の扱いも解説
発行する側と受け取る側で合意があれば、交通費を請求書に含められます。ただし、領収書の添付や内訳の記載が必要になる点や、消費税を二重で計算しないよう注意しなければなりません。 本記事で交通費を請求書に含める際の書き方や注意点を確認しておきまし…
詳しくみる司法書士の請求書テンプレートと書き方のポイントを紹介!
司法書士は、不動産登記や商業登記などの法務手続きを専門とする日本の法律専門職です。司法書士が「請求書」を使用するタイミングは、提供したサービスに対して報酬を請求する際です。 例えば、不動産の売買に伴う登記手続きを行った後、司法書士はその業務…
詳しくみる請求書を手書きで作成するには?インボイスも作成可能?
請求書の作成方法は特に定められておらず、必ずしも文書作成ソフトや表計算ソフト、請求書作成システムを利用する必要はありません。もちろん、手書きも認められています。 今回は、請求書を手書きで作成する場合のメリット・デメリット、作成に必要な項目、…
詳しくみる