• 更新日 : 2025年6月13日

リース請求書の書き方をテンプレートつきで解説

リース契約を結んでいるお客様へ請求書を発行する際、「どう書けばいいの?」「必要な項目は何?」と疑問に思うことはありませんか?

特に初めてリース請求書を作成するご担当者様にとっては、戸惑うことも少なくないでしょう。請求書の記載内容に不備があると、支払いが遅れたり、お客様にご迷惑をかけてしまったりする可能性もあります。

この記事では、リース請求書の基本的な書き方から、作成手順、記載すべき項目、作成時に気をつけたい注意点まで、分かりやすく丁寧にご説明します。

リース請求書とは?

リース請求書とは、企業や個人が資産(不動産、自動車、OA機器、設備など)をリース契約に基づいて利用したことに対する料金を請求するための書類です。通常の商品の販売やサービスの提供に対する請求書と同様に、誰が誰に、いつの期間の利用に対して、いくらを請求するのかを明確にする役割を持ちます。

この請求書があることで、お客様は支払うべき金額や支払期限を確認でき、請求側は売上計上や入金管理を行うための根拠となります。お互いが安心して取引を進める上で、正確なリース請求書は非常に重要な書類と言えるでしょう。

リース請求書の作成手順

次に、実際にリース請求書を作成する際の手順を見ていきましょう。基本的な流れを知っておくことで、スムーズに作業を進めることができます。

必要な情報の確認

請求書を作成する前に、まずは以下の情報を確実に確認します。

項目記載内容
請求書発行日請求書を作成・発行した日付を記載します。
請求先情報お客様の会社名(正式名称)、氏名、住所などを正確に記載します。契約書と一致させましょう。
請求元情報ご自身の会社名(正式名称)、住所、連絡先(電話番号など)を記載します。
リース期間/内容今回請求するリース料が、いつからいつまでの期間分なのかを明確に記載します。対象の物件名なども分かりやすく書きましょう。

機械装置などであれば、機種、型番なども記載すべきです。

請求金額リース料の本体価格と、それにかかる消費税額を分けて記載することが一般的です。
合計請求金額リース料と消費税額を合計した、最終的な請求金額を記載します。
支払期限お客様に支払ってほしい期日を明確に記載します。
振込先情報お客様が支払いを行う銀行口座情報を記載します。銀行名、支店名、口座種類(普通・当座)、口座番号、口座名義を正確に書きましょう。

これらの情報が不足していたり、間違っていたりすると、請求書の内容に不備が生じてしまいますので、漏れなく確認することが大切です。

これらの項目以外にも、必要に応じて「備考欄」を設けて、契約番号や特記事項などを記載すると、より丁寧で分かりやすい請求書になります。

請求書フォーマットの選択

必要な情報が集まったら、請求書を作成するためのフォーマットを選びます。主に以下の方法があります。

  • 既存の会計ソフトや請求書作成ソフト:日頃から利用しているシステムがあれば、それを使うのが最も効率的です。契約情報と連携していれば、自動で請求書を作成できる場合もあります。
  • 表計算ソフト(Excelなど):テンプレートを利用したり、ご自身で作成したりして請求書を作成します。柔軟性はありますが、計算ミスや入力ミスに注意が必要です。
  • 手書きの請求書:小規模な取引や特別な場合に使用されることもありますが、管理や保存の手間がかかります。

ご自身の状況や取引量に合わせて、最適な方法を選びましょう。

各項目の記載

選んだフォーマットに、確認した情報を正確に入力していきます。請求書に必要な主な記載項目については、後述の「リース請求書の注意点」で詳しくご説明しますが、ここでは基本的な項目を埋めていく作業を行います。

請求書番号、発行日、請求先の名称と自社の名称と住所、リース期間、物件名、リース料、消費税額、合計金額、支払期限、振込先情報などを間違いなく記載します。

合計金額の算出

リース料に消費税を加算し、合計請求金額を算出します。消費税の計算方法(外税か内税か)や税率が契約に基づいているかを確認しましょう。端数処理にも注意が必要です。

発行と送付

作成した請求書の内容に間違いがないか最終確認をしたら、お客様へ送付します。送付方法は、郵送、FAX、電子メール、クラウド請求書サービスなどがあります。事前に契約や取り決めで決められた方法で送付しましょう。請求書を送付した控えを必ず保管しておくことも忘れないでください。

請求書の無料テンプレート

請求書作成の手間を減らしてくれるのがテンプレートです。特に、頻繁にリース請求書を作成する場合は、テンプレートを用意しておくと非常に便利です。

請求書のExcelテンプレート

請求書のExcelテンプレートは、こちらのダウンロードページから無料でダウンロードできます。

リース請求書を作成する際の注意点

リース請求書を作成・発行する上で、いくつか気をつけたい点があります。正確な請求書を発行するためにも、以下のポイントを確認しておきましょう。

消費税の記載とインボイス制度

2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、特に事業者間の取引において消費税の仕入税額控除を行う上で重要になります。

もし、お客様がインボイス制度に基づいて仕入税額控除を受ける必要がある場合、請求書を発行する側が「適格請求書発行事業者」として登録しており、かつ、発行する請求書が「適格請求書(インボイス)」の要件を満たしている必要があります。

適格請求書には、上記の必須項目に加えて、以下の項目を記載する必要があります。

  • 適格請求書発行事業者の登録番号
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)
  • 適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等

すべてのリース請求書がインボイスである必要はありませんが、お客様からの要望があった場合や、ご自身が適格請求書発行事業者である場合は、制度に対応した記載が求められます。ご自身の状況や取引先との関係性に合わせて、適切に対応するようにしましょう。

契約内容との一致

繰り返しになりますが、請求書の内容はリース契約の内容と完全に一致している必要があります。リース料の金額、支払期日、請求期間など、契約書に記載されている情報と相違がないか、発行前に必ず最終確認を行いましょう。契約内容と異なる請求書を発行してしまうと、トラブルの原因になりかねません。

遅延損害金について

万が一、支払いが期日より遅れた場合の遅延損害金についても、契約書に定めがある場合は請求書に関連する形で記載することもありますが、基本的には契約書に基づき対応します。請求書に記載する場合は、その計算方法や金額を明確にしておきましょう。

控えの保管

発行した請求書の控えは、必ず一定期間保管しておきましょう。税務調査への対応や、後々のトラブルを防ぐためにも重要です。紙での保管だけでなく、電子データとして安全な場所に保管することも推奨されます。

押印漏れ

近年では電子請求書が普及しており、電子請求書の場合には押印は不要ですが、紙の請求書の場合は、会社の印鑑などを押印する必要があります。取引先からの信用を落とさないように、押印は忘れないようにしましょう。

記載内容を確認してリース請求書を作ろう

この記事では、リース請求書の書き方について詳しく解説しました。正確なリース請求書を作成することは、お客様との信頼関係を築き、スムーズな取引を行う上で非常に大切です。

まずは、契約内容に基づいた必要な情報をしっかり確認すること。次に、テンプレートなどを活用して分かりやすい請求書を作成すること。そして、記載すべき項目に漏れがないか、特に消費税の扱いやインボイス制度への対応について確認すること。これらのステップを踏むことで、どなたでも正確なリース請求書を作成できるようになります。

もし、請求書作成に関して不安な点があれば、この記事を参考にしたり、会計の専門家や税務署に相談したりするのも良いでしょう。

この記事が、皆様のリース請求書作成のお役に立てれば幸いです。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事