- 更新日 : 2024年10月17日
スマートレターの郵便料金はいくら?出し方や注意点を解説
2024年10月に実施される郵便料金の値上げには、スマートレターも含まれます。低料金で使い勝手のよいスマートレターですが、値上げによってどれだけコストアップになるのでしょうか。
本記事では、スマートレターの新料金について解説します。スマートレターの使い方や利用時の注意点、値上げによるコストアップと対策についても紹介しますので、事前対策に活用してください。
目次
スマートレターとは?
スマートレターとは、A5サイズの書類を全国一律料金で送付できる郵便局のサービスです。定型の専用封筒を購入して書類などを封入し、郵便ポストやコンビニなどで簡単に郵送できます。
スマートレターの大きさ・厚さ・重量制限
スマートレターで送付できるのは、次のサイズ内の郵便物です。
- 大きさ:25cm×17cm(A5ファイルサイズ)
- 厚さ:2cmまで
- 重量:1kgまで
スマートレターで送付できる書類はA5サイズまでとなるため、A4サイズの書類を送るときはゆうメールやレターパックなどを利用しましょう。
スマートレターを利用するシーン
A5サイズのビジネス関係の書類を送付するには、スマートレターがよいでしょう。速達や追跡サービスはありませんが、専用封筒は厚紙でできているので書類が曲がったり、皴(しわ)になったりする心配も少なくて済みます。
また、所定のサイズ内に収まる小物なら、プレゼントの送付やネットオークションなどの商品送付にも活用できます。
スマートレターで送れるもの・送れないもの
所定のサイズ内の郵送物でも、送れるものと送れないものがあります。具体的には次の通りです。
- 送れるもの:信書を含むA5サイズの書類、CDや文具、アクセサリーなどの小物
- 送れないもの:現金や貴金属などの貴重品、なまもの、など
現金を送付する必要がある場合は「現金書留」、貴重品の場合は「書留」を利用しましょう。
【2024年10月1日から】郵便料金の値上げでスマートレターはいくらになる?
2024年10月1日からの郵便料金の値上げによって、スマートレターの料金は「180円」から「210円」に30円アップします。一般郵便物では封筒に貼付する切手代が高くなりますが、スマートレターでは専用封筒の購入費用がアップします。
2024年10月1日の主な郵便料金改定は次の通りです。
(郵便の新旧料金)
| 旧料金 | 新料金 | ||
|---|---|---|---|
| はがき | 63円 | 85円 | |
| 定形郵便物 | 25g以内 | 84円 | 110円 |
| 50g以内 | 94円 | ||
| 定形外郵便物 (規格内) | 50g以内 | 120円 | 140円 |
| レターパックプラス | 520円 | 600円 | |
| レターパックライト | 370円 | 430円 | |
| スマートレター | 180円 | 210円 | |
| 速達料金 | 250g以内 | 260円 | 300円 |
【参考】2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります|郵便局
その他の郵便料金については以下の記事をご覧ください。
スマートレターの郵便料金の差額分の対応方法
スマートレターの郵便料金の差額分は、追加で料金を支払って対応します。そのため、専用封筒を買い替える必要はありません。
旧料金で購入した専用封筒を使用して、次のどちらかの方法で差額分を精算します。
- 差額分の切手を貼る
- 郵便局に差額を支払う
値上げ前に購入した専用封筒で、そのまま出さないように注意しましょう。それぞれの対応方法を紹介します。
差額分の切手を貼る
差額分を精算する1つ目の方法は、専用封筒に切手を貼って差額分を支払うことです。旧料金(180円)と新料金(210円)の差額30円分の切手を、専用封筒に貼付しましょう。
専用封筒の表面(宛名を記入する面)の左上など、わかりやすいところに切手を貼付します。ただし、文字などが印刷されているところは避けましょう。
郵便局に差額を支払う
2つ目の方法は、郵便局の窓口にスマートレターを持参して差額分(30円)を支払うことです。窓口で差額分を支払って送付したいことを伝えるとよいでしょう。
また、郵便局で古い専用封筒と新しい専用封筒を交換してもらう方法もあります。差額のほかに、次の手数料(交換請求枚数が100枚未満の場合)が必要です。
- 9月30日まで:封筒1枚につき42円
- 10月1日以降:封筒1枚につき55円
スマートレターとレターパックの違い
スマートレターと同様に専用封筒を利用して全国一律料金で郵送できるサービスが、レターパックです。レターパックには、「レターパックプラス」と「レターパックライト」の2種類があります。
430スマートレターとレターパックの主な違いは次の通りです。
(スマートレターとレターパックの主な違い)
| スマートレター | レターパックプラス | レターパックライト | |
|---|---|---|---|
| 新料金(旧料金) | 210円(180円) | 600円(520円) | 430円(370円) |
| 大きさ | 25cm×17cm | 34cm×24.8cm | 34cm×24.8cm |
| 厚さ | 2cmまで | 封入できれば 制限なし | 3cmまで |
| 重量 | 1kgまで | 4kgまで | 4kgまで |
| 追跡サービス | なし | あり | あり |
| 配達方法 | 郵便受けに投函 | 対面でお届け | 郵便受けに投函 |
| 土日祝日の配達 | なし | あり | あり |
| 集荷サービス | なし | あり | なし |
レターパックは、A4サイズの書類や重量1kgを超える荷物も送付でき、追跡サービスや土日祝日の配達もあります。レターパックの方がスマートレターより料金が高い分、サービス内容は手厚くなっています。
スマートレターはコンビニで購入できる?
スマートレターの専用封筒は、郵便局やコンビニエンスストアなどの切手類販売所(一部を除く)で購入できます。また、郵便局のネットショップでも購入できます。
ただし、郵便局などでは専用封筒1部から購入できますが、郵便局のネットショップでの購入は20部単位です。スマートレターを頻繁に使用する企業などの場合、まとめて購入しておくと便利です。個人利用でたまにしか使わない人は郵便局などで必要な分だけ購入するのがよいでしょう。
スマートレターの出し方・手順
スマートレターは、専用封筒に宛名を書いてポストに投函するだけで、切手の貼付は不要です。郵便ポストやコンビニに設置してあるポスト、郵便局の窓口などから発送します。
ポスト投函で発送する方法
郵便ポストに投函する場合、次の手順で発送します。
- 専用封筒の「お届け先」欄と「ご依頼主」欄に住所と氏名を記入する
- 手紙や荷物などを専用封筒に入れて封をする
- 切手を貼らずに郵便ポストに投函する
1と2の手順を踏んだうえで、郵便局の窓口でスマートレターを出すこともできます。切手の貼付が不要であることを除くと、一般の定形郵便物や定形外郵便物の出し方と同じです。
コンビニから発送する方法
近くに郵便ポストがなければ、コンビニに設置してあるポストに投函することもできます。手順は、郵便ポストに投函するときと同じです。
ただし、コンビニによってはポストが設置されていないこともあるので注意しましょう。ローソンやミニストップなどには、ポストが設置されています。
スマートレター利用時の注意点
スマートレターは専用封筒がついて全国一律180円(値上げ後は210円)と料金の安い点が魅力ですが、次の特別サービスはつかないので注意しましょう。
- 速達等のオプションサービスは利用不可
- 追跡サービスがない
- 損害賠償は付帯無し
- あて先は国内のみ
各注意点について紹介します。
速達等のオプションサービスは利用不可
スマートレターは速達を利用できないので注意しましょう。あて先によって異なりますが、スマートレターの到着日は差出日の翌々日以降です。また、土曜日・日曜日・祝日の配達サービスもありません。
急ぎの場合は、毎日配達のあるゆうパックやレターパックなどを利用しましょう。速達はありませんが、配達までのスピードは速達とあまり変わりません。
追跡サービスがない
また、スマートレターには、追跡サービスがありません。大事な書類や商品が到着しているかどうかを確認したい場合、追跡サービスがないと困ることもあるでしょう。
追跡サービスが必要な場合は、書留やレターパック、ゆうパックなど他の郵送方法を選択しましょう。日本郵政グループのホームページで、配達状況を簡単に検索できます。
損害賠償は付帯無し
配達途中に事故や盗難などによって郵送物が破損したり、紛失したりした場合、スマートレターでは損害賠償してもらえません。レターパックやゆうパックも同様です。
現金や貴重品を送付する場合、損害賠償のある現金書留や書留を利用しましょう。ただし、賠償額には上限が設けられているため、損害の全額が補償されるわけではありません。
あて先は国内のみ
スマートレターは、海外あてに郵送できません。全国一律料金で、日本国内のあて先にお届けするサービスであるからです。レターパックやゆうパックも、海外への郵送はできません。
海外あてに郵送する場合は、国際郵便のサービスを利用しましょう。
スマートレターの郵便料金値上げに伴う年間コストは?
郵便料金値上げによって、年間コストはどれくらいアップするでしょう。次の3パターンで値上げ前と値上げ後の年間コスト、差額をシミュレーションします。
- 毎月、スマートレターを5通出す個人
- 毎月、スマートレターを20通出す個人事業主
- 毎月、スマートレターを300通出す中小企業
(値上げ前後の年間コスト)
| 1通当たりの料金 | 年間コスト | コスト アップ | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 値上げ前 | 値上げ後 | 値上げ前 | 値上げ後 | ||
| 個人 (年60通) | 180円 | 210円 | 1万0,800円 | 1万2,600円 | 1,800円 |
| 個人事業主 (年240通) | 4万3,200円 | 5万0,400円 | 7,200円 | ||
| 中小企業 (年3,600通) | 64万8,000円 | 75万6,000円 | 10万8,000円 | ||
【参考】2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります|郵便局
1通当たりの値上げ幅が30円であるため、利用が少なければあまり大きな影響はありませんが、業務などで大量に利用する場合は一定のコストアップが避けられません。
スマートレターの郵便料金の値上げに対する事業者の対策例
郵便料金の値上げによるコストアップを抑える主な方法は次の2つです。
- 郵送物を電子化して郵送を減らす
- 値段の安い郵送方法を変更する
それぞれ方法について解説します。
郵送物を電子化して郵送を減らす
コストアップを抑える1つ目の方法は、書面の郵送物を減らすことです。アクセサリーや小物などの商品やプレゼント品などは郵送するしかありませんが、書類などは電子化して送付すれば郵送が不要です。
たとえば、カタログやパンフレットなどは電子化してメール送信できます。また、使用頻度の高い請求書や契約書などの送付は、電子請求書やデジタル契約書を導入することでなくせます。
費用対効果を検討して、郵送とメールなどを上手に使い分けましょう。
料金の安い郵送方法を変更する
2つ目の方法は、料金の安い郵送方法を選択することです。書類を数枚郵送するだけなら、スマートレターではなく一般の郵送物を利用する方が安く済みます。
- 定形郵便物:重量は50g以内、新料金110円
- 定形外郵便物:重量100g以内ならば新料金180円
郵送の用途や郵送物の重量、形状などに合わせて、最適な郵送方法を検討してみましょう。
スマートレターの値上げは一通30円、利用が多い企業は対策を!
スマートレターは、A5サイズの書類を全国一律料金で送付できるサービスです。郵便ポストやコンビニから比較的安い料金で発送できる便利なサービスですが、2024年10月から料金が180円から210円にアップします。
1通30円の値上げですが利用件数の多い企業にとっては一定のコストアップとなります。郵便料金の値上げをきっかけに、郵送物の電子化や最適な郵送方法を検討してみましょう。
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