- 更新日 : 2026年1月21日
会社の種類は4つある?特徴や違い、自分に合う形態の選び方を解説
起業を検討する際、最初に直面するのが「どの会社形態を選ぶべきか」という問題です。現在、日本で新設できる会社の種類は「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4つであり、それぞれ設立費用や責任範囲、資金調達のしやすさが大きく異なります。安易に選ぶと、将来の事業拡大時に思わぬ制約を受ける可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、これら4つの会社形態の特徴や違いを比較し、事業の目的や規模に合った最適な種類の選び方をわかりやすく解説します。自分に合った形態を見つけ、スムーズな開業を目指しましょう。
目次
会社の種類とは?新たに設立できるのは4形態
現在、日本で新たに設立できる会社の種類は、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4つです。これらはすべて会社法に基づき、法人格を与えられた営利団体として活動します。会社を設立する際は、事業の目的や資金調達の規模、出資者が負うべき責任の範囲などを判断し、最適な形態を選ばなければなりません。
ここでは、それぞれの特徴と、かつて存在した有限会社について解説します。
株式会社
株式会社は、株式を発行してその資金をもとに事業を行う会社形態です。出資者である「株主」と、経営を行う「取締役」が法的に別々の存在である「所有と経営の分離」が原則となります。
社会的信用度が非常に高く、国内の大手企業や上場企業のほとんどがこの形態を採用しています。株式による大規模な資金調達が可能なため、将来的に事業を大きく拡大したい企業や、多くの取引先と信頼関係を築きたい企業に最適です。設立手続きはやや複雑ですが、その分対外的な信頼性は抜群です。
合同会社
合同会社は、2006年新設の会社法によってできた、比較的新しい会社形態です。アメリカのLLC(Limited Liability Company)を参考にした制度で、出資者全員が経営に関与する「所有と経営が一体となった仕組み」を特徴としています。
株式会社に比べて設立費用が安く、決算公告の義務もないため、ランニングコストを抑えられます。近年では、AppleやAmazonなどの外資系日本法人や、スモールビジネスのスタートアップとして選ばれるケースが急増しています。コスト重視で設立したい方におすすめで、意思決定が速い点も大きなメリットです。
合資会社
合資会社は、「無限責任社員」と「有限責任社員」という責任範囲の異なる2種類の社員で構成される会社です。無限責任社員は会社の負債に対して無制限の責任を負いますが、有限責任社員は出資額までの責任にとどまります。
設立手続き自体は比較的簡単ですが、無限責任のリスクがあるため、現在では新規設立件数は非常に少なくなっています。酒造業や伝統工芸など、家族経営で強い信頼関係がある少人数での経営に向いているといえます。社員同士の結びつきが強く、外部からの干渉を受けにくいのが特徴です。
合名会社
合名会社は、出資者全員が「無限責任社員」として構成される会社形態です。社員全員が会社の債務に対して個人の財産を投げ打ってでも責任を負うため、実質的には個人事業主の集合体に近い性質を持ちます。
極めて高い信頼関係が必要とされるため、親族間での共同経営などで稀に見られますが、リスクの大きさから新規設立はほとんどありません。無限責任である分、会社法上要求される債権者保護の手続きが簡易化されています。責任が重い反面、自由な定款作成が可能で、経営の自由度は比較的高いといえます。
有限会社(現在は設立不可)
有限会社は、2006年の会社法施行以前に設立が認められていた会社形態であり、現在は新たに作ることができません。当時設立された有限会社は、法律上「特例有限会社」として存続しており、税務や実務の面では株式会社とほぼ同じ扱いを受けています。
社名に「有限会社」が含まれている場合、それは2006年以前から事業を継続している歴史ある企業であることの証明ともいえるでしょう。新たに作ることはできませんが、M&Aなどで既存の有限会社を引き継ぐことは可能です。現在も多くの中小企業がこの名称で活動しています。
参考:会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 抄|e-Gov法令検索
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
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会社の形態の違いとは?
4つの会社形態における決定的な違いは、出資者が負う責任の範囲と、設立や運営にかかるコストの差にあります。とくに重要な判断基準となるのが、万が一の際に個人の財産を守れるかに関わる「有限責任か無限責任か」という法的リスクの違いです。
また、「所有と経営が一致しているか」という運営スタイルの違いも無視できません。事業のリスクや将来の展望を見据え、それぞれの違いを理解することが不可欠です。
ここでは、主要な項目ごとの比較と重要な用語について解説します。
4つの形態の比較表
会社形態ごとの主な違いは以下の表のとおりであり、コストと信用のバランスが異なります。株式会社は多くの資金を集めやすく信用度が高い一方、設立費用や手続きの負担が大きくなります。
対して合同会社などの持分会社は、コストを抑えて設立できる反面、資金調達の手段が限られる傾向にあります。具体的には、設立時の登録免許税や定款認証の有無、決算公告の義務などが異なります。株式会社は手続きが厳格ですが、その分対外的な信用が得られます。一方、合同会社は手続きが簡素でスピーディーな設立が可能です。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 |
| 設立費用 | 約20万円~ | 約6万円~ |
| 決算公告 | 義務あり | 義務なし |
| 役員の任期 | 最長10年 | なし |
| 意思決定機関 | 株主総会 | 原則として社員全員の同意 |
※合資・合名会社は無限責任があるため、多くの起業家は上記2社から選択します。
有限責任と無限責任
有限責任とは、会社が倒産した際に出資者が「出資した金額の範囲内」でのみ責任を負う仕組みです。個人の資産まで差し押さえられることはなく、株式会社と合同会社がこの形式をとります。
一方、無限責任とは、会社の負債を個人の私財を投げ打ってでも返済しなければならない重い責任のことです。合名会社や合資会社の無限責任社員は、事業失敗時のリスクが非常に大きいため注意が必要です。現代の起業においては、リスク管理の観点から有限責任の形態を選ぶのが一般的です。
所有と経営の分離
所有と経営の分離とは、会社のお金を出す「株主(所有者)」と、事業を運営する「取締役(経営者)」が別人格として分かれている状態を指します。株式会社の最大の特徴であり、これにより広く一般投資家から資金を集めることが可能です。
プロの経営者に運営を任せることができるため、事業の拡大や効率化に適しています。一方、合同会社などの持分会社は「所有と経営が一致」しており、出資者がそのまま経営を行います。意思決定が迅速に行える反面、大規模な資金調達には不向きです。
株式会社と合同会社、おすすめはどっち?
新規で会社を設立する場合、現実的な選択肢は「株式会社」か「合同会社」のほぼ2択となります。どちらを選ぶべきかは、事業における「信用度」と「コスト」のどちらを優先するかによって決まります。
社会的信用や資金調達を最優先するなら株式会社、初期費用を抑えて自由に経営したいなら合同会社が適しています。どちらもメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが良いとは言えません。
ここでは、それぞれのメリットや具体的な費用の差、選び方の基準について解説します。
株式会社は信用度が高い
株式会社を選ぶ最大のメリットは、圧倒的な知名度と社会的信用力です。取引先からの信頼が得やすく、取引が有利に働くケースもあります。
また、株式を発行して投資家から資金を集めることができるため、将来的に上場(IPO)を目指したり、大規模な設備投資を行ったりする計画がある場合は、株式会社が必須の選択肢となるでしょう。採用活動においても求職者に安心感を与えられるため、優秀な人材確保にもつながります。特にBtoBビジネスにおいては、株式会社であることが取引条件となる場合もあります。
合同会社は設立費用が安い
合同会社のメリットは、設立時のコストパフォーマンスの良さと経営の自由度の高さです。公証人による定款認証が不要で登録免許税も安いため、株式会社よりも約14万円以上安く設立できる場合があります。
また、決算公告の義務がなく、役員の任期もないため、設立後の事務負担やランニングコストも大幅に抑えられます。出資比率に関係なく利益配分を自由に決められるため、貢献度に応じた柔軟な報酬設定も可能です。スモールビジネスや副業からの法人化に最適で、自分たちで自由にルールを決めたい経営者に向いています。
初期費用と維持費の比較
設立時に必ずかかる法定費用(登録免許税と定款認証手数料)を比較すると、株式会社は約20万円~25万円程度かかるのに対し、合同会社は約6万円~10万円程度で済みます。初期投資を抑えられる点は大きな魅力です。
また、株式会社は役員の任期(最長10年)ごとに重任登記が必要で、その都度登録免許税がかかりますが、合同会社にはこれがありません。決算公告の掲載費(官報なら約7~8万円)も合同会社では不要なため、長期的な維持費でも合同会社に分があります。コストを重視するなら合同会社が有利といえるでしょう。
選び方のフローチャート
どちらにするか迷ったときは、以下の基準を参考に判断するとよいでしょう。まず、将来的に外部からの資金調達やIPO(上場)を目指すなら「株式会社」一択です。取引先が法人格を重視する大手企業中心の場合も同様です。
一方で、とにかく初期費用を安く抑えたい場合や、家族経営、副業、フリーランスの法人化であれば「合同会社」が適しています。コストと手間の少なさは、小規模事業者にとって大きなメリットとなります。自身の事業計画と照らし合わせて選んでください。
会社設立までの具体的な流れは?
会社を設立するには、大きく分けて「基本事項の決定」「定款作成」「資本金の払込」「登記申請」「届出」という5つのステップを踏みます。種類を選んだ後は、法律で定められた手順に沿って正確に手続きを進める必要があります。
自分で行うことも可能ですが、手続きには専門的な知識が必要な場面も多く、司法書士などの専門家に依頼するケースも一般的です。
ここでは、会社設立完了までの標準的な流れについて解説します。
基本事項の決定(商号・事業目的・本店所在地)
会社設立の第一歩は、会社の骨格となる基本事項を決定することです。会社名である「商号」、どのようなビジネスを行うかを示す「事業目的」、そして会社の本拠地となる「本店所在地」を決めます。
商号は既存の会社と類似しないよう調査が必要であり、事業目的は明確かつ具体的に記載しなければなりません。本店所在地は自宅でも可能ですが、賃貸物件の場合は法人登記が認められているか確認が必要です。これらは定款(会社のルールブック)に記載する最重要項目となります。
定款の作成と認証(株式会社の場合)
基本事項が決まったら、会社の憲法ともいえる「定款(ていかん)」を作成します。定款には、商号や目的のほか、資本金額や発行可能株式総数などを記載します。
株式会社の場合、作成した定款は公証役場で公証人の認証を受ける必要があります。この認証手続きにより、定款が法的に有効なものとして認められます。なお、合同会社の場合は公証人による認証は不要で、自分たちで作成した定款がそのまま有効となります。電子定款を利用すれば、収入印紙代4万円を節約することも可能です。
資本金の払い込み
定款の認証が終わったら、発起人(出資者)は個人の銀行口座に資本金を払い込みます。まだ会社は設立されていないため、法人口座は存在せず、発起人の個人口座を使用するのがルールです。
払い込みが完了したら、通帳の表紙、裏表紙、明細ページをコピーし、「払込証明書」を作成して会社実印を押印します。この証明書は、後の登記申請で資本金が確実に払い込まれたことを証明する重要な書類となります。ネット銀行の場合は、取引明細画面のプリントアウトでも対応可能です。
法務局での登記申請
資本金の払い込みが完了したら、管轄の法務局へ設立登記の申請を行います。この登記申請日が、法律上の「会社設立日」となります。
申請には、登記申請書、定款、払込証明書、印鑑届書など多くの書類が必要です。不備があると修正の手間がかかるため、事前のチェックが欠かせません。申請から1週間から2週間程度で登記が完了し、登記事項証明書(登記簿謄本)や印鑑証明書が取得できるようになります。これで晴れて会社としての活動がスタートします。
税務署や自治体への届出
登記が完了しても手続きは終わりではなく、税務署や自治体への届出が必要です。「法人設立届出書」や「青色申告の承認申請書」、「給与支払事務所等の開設届出書」などの書類を、所轄の税務署へ提出します。
また、都道府県税事務所や市区町村役場にも設立届を出さなければなりません。これらは提出期限が定められているものが多く、遅れると青色申告の特典が受けられないなどのデメリットが生じる可能性があります。登記完了後は速やかに対応しましょう。
会社の種類や設立に関するよくある質問は?
会社設立を検討している方から頻繁に寄せられる疑問について回答します。資本金の額やオフィスの場所、副業での設立など、実務的な観点からの質問が多く見受けられます。これらの疑問を解消しておくことで、設立後のトラブルを未然に防ぎ、安心して事業をスタートさせることができます。
ここでは、とくに検索数の多い4つの質問について詳しく解説します。
資本金は1円でも設立できる?
会社法上、資本金は「1円」からでも会社を設立することが可能です。実際に1円で設立された会社も存在しますが、実務上はあまりおすすめできません。
理由は主に2つあります。1つ目は社会的信用の問題で、登記簿には資本金額が記載されるため、極端に少ないと取引先や金融機関から不安視される可能性があります。2つ目は資金繰りの問題で、設立直後の経費や仕入れ資金が不足し、すぐに債務超過に陥るリスクがあるからです。最低でも数ヶ月分の運転資金程度は資本金として用意するのが無難です。
自宅をオフィスの住所にしてもいい?
自宅を本店所在地として登記することは法律上問題ありません。賃貸オフィスを借りる費用を節約できるため、多くの起業家が自宅兼オフィスからスタートしています。
ただし、賃貸マンションやアパートの場合は、契約内容で「住居専用」となっていないか確認が必要です。事前の許可を得ずに法人登記や事業利用を行うと契約違反となり、退去を求められるおそれがあります。また、自宅住所が登記簿を通じて公開されるため、プライバシー面での懸念がある場合は、バーチャルオフィスの利用などを検討するとよいでしょう。
副業で会社を設立してもバレない?
会社員が副業で自分の会社を設立した場合、勤務先に完全に隠し通すことは難しいのが現状です。もっとも大きな要因は住民税の徴収です。
役員報酬を受け取ると、その分の住民税が本業の給与から天引きされる特別徴収の通知が会社に届き、経理担当者に気付かれる可能性が高くなります。住民税を「普通徴収(自分で納付)」にする方法もありますが、自治体によっては認められない場合もあります。トラブルを避けるためにも、就業規則を確認し、可能であれば許可を得ておくのが安全です。
株式会社と合同会社で税金の違いはある?
株式会社と合同会社の間で、適用される税法や税率に違いは一切ありません。どちらの形態であっても、法人税、法人住民税、消費税などの計算方法はまったく同じです。
したがって、「合同会社だから税金が安い」「株式会社だから高い」ということはありません。税金面でのメリット・デメリットで会社形態を選ぶ必要はないといえます。違いがあるのはあくまで設立時の費用や、運営上の意思決定の仕組みなど、会社法上のルールに関する部分だけです。
その他の企業形態もある?
「会社」ではありませんが、事業を行う法人形態として「NPO法人」や「一般社団法人」なども選択肢に入ります。これらは利益の分配を目的としないため、社会貢献活動や特定のコミュニティ運営を主目的とする場合に適しています。
また、そもそも法人化せずに「個人事業主」として活動する方法もあり、事業規模に合わせて柔軟に考えることが大切です。多様な働き方が広がる現在、必ずしも「会社」を作ることが正解とは限りません。
ここでは、営利法人以外の選択肢について解説します。
NPO法人
NPO法人(特定非営利活動法人)は、ボランティア活動などの社会貢献活動を行う団体のための法人格です。設立には所轄庁(都道府県や政令指定都市)の認証が必要で、活動内容は「保健、医療、福祉」「まちづくり」など法律で定められた20分野に限られます。
利益を構成員に分配することはできませんが、社会的信用が高く、寄付金や助成金を集めやすい点が大きなメリットです。地域課題の解決や福祉事業など、公益性の高い事業を行う場合に適した形態といえます。
参考:特定非営利活動(NPO法人)制度の概要|内閣府NPOホームページ
一般社団法人・財団法人
一般社団法人は、人が集まることによって設立できる法人であり、事業内容に制限がありません。NPO法人のような所轄庁の認証は不要で、登記のみで設立できるため手続きが比較的スムーズです。
一般財団法人は「財産」を基礎として法人格が認められる形態であり、設立にあたっては300万円以上の財産を拠出する必要があります。いずれも非営利法人であるため、株式会社のように株主へ配当を出すことはできませんが、収益事業を行うこと自体は可能です。業界団体や学会などでよく利用されます。
個人事業主と法人の違い
個人事業主は、法人を設立せずに個人として事業を行う最もシンプルな形態です。税務署に開業届を出すだけで始められ、設立費用もかからず、会計処理も比較的簡単です。
しかし、社会的信用は法人に比べて低く、事業で生じた負債に対しては無限責任を負わなければなりません。所得が増えると税率が高くなるため、ある程度の利益が出た段階で法人化(法人成り)を検討するのが一般的です。まずは個人で小さく始め、軌道に乗ってから法人化するのも賢い選択です。
会社形態の変更はできる?
一度決めた会社形態は、後から変更(組織変更)することが法律で認められています。事業が軌道に乗ってから合同会社を株式会社に変更したり、個人事業主が法人になったりすることは珍しくありません。最初はコストを抑えてスタートし、必要に応じて形態を変えるという段階的な戦略も有効です。将来の変更を見据えて、まずは設立しやすい形態で始めるのも一つの手でしょう。
ここでは、代表的な変更パターンについて解説します。
合同会社から株式会社へ
設立当初は費用の安い合同会社でスタートし、事業規模が拡大したタイミングで株式会社へ変更するケースが増えています。これを「組織変更」といい、株式会社の信用力や資金調達力を得たい場合に有効です。
組織変更には、組織変更計画書の作成、総社員の同意、債権者保護手続き、そして登記申請が必要です。登録免許税(最低6万円)や官報公告費用などがかかりますが、会社の同一性を保ったまま形態だけを変えられます。事業拡大のステップとして検討するとよいでしょう。
参考:商業・法人登記|法務省
個人事業主から法人へ
個人事業主として事業を成長させ、その事業を新設した会社に引き継ぐことを「法人成り」といいます。節税メリットが大きくなる(所得税から法人税への切り替え)、社会的信用が得られるといった多くの利点があります。
一般的には、課税売上高が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になるタイミングや、所得が800万円~900万円を超えたあたりが法人成りの目安とされています。事業の成長に合わせて、適切なタイミングで法人化を検討しましょう。
設立時には適切な会社形態を選ぼう
会社の種類にはそれぞれ明確な特徴とメリット・デメリットがあり、どれを選ぶかで経営の自由度やコストが大きく変わります。設立時のコストだけで判断せず、将来の事業ビジョンや資金調達の必要性、取引先との関係などを総合的に考えて選ぶことが大切です。
まずはスモールスタートで合同会社を選び、成長に合わせて株式会社へ移行するのも賢い選択といえるでしょう。自身の事業に最も合った形態を見極め、スムーズな経営の第一歩を踏み出してください。不確実な時代だからこそ、柔軟な選択が求められています。
よくある質問
簡単に設立できる会社形態はなんですか?
合同会社の設立では、株式会社に比べると定款認証が不要ですので少し設立の手間が省けます。しかし、その後の事業運営のしやすさを考慮し、慎重に会社形態を選択しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
よく知られている合同会社にはどのような会社がありますか?
Apple Japan合同会社、アマゾンジャパン合同会社、Google合同会社、Netflix合同会社などは有名な合同会社です。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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