- 更新日 : 2026年4月28日
事業提案書とは?作成のポイントや無料テンプレートを紹介
事業者が新たなビジネスを立ち上げる際、第三者に事業の魅力や実行可能性を伝えるのに役立つのが事業提案書です。提案書をまとめる過程で自社の強みや具体的な戦略を言語化できるため、今後の事業展開にも役立ちます。
この記事では、事業提案書の概要や、具体的にどのような情報を盛り込み、どのような構成でまとめればよいのかについて解説します。無料のテンプレートも紹介しているので、新事業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
事業提案書とは
事業提案書とは、新規事業のビジネスプランや計画の実現性を第三者に向けて説明し、理解や賛同を得るための文書です。主に経営者や投資家、取引先など、事業の意思決定を担当する方に向けて作成されます。
事業提案書と似た言葉として、事業企画書があります。どちらも新規事業に関連する文書ですが、目的や対象者、内容に違いがあります。
| 違い | 事業提案書 | 事業企画書 |
|---|---|---|
| 目的 | 相手を説得し、事業開始に必要な資金や協力を引き出す | 事業を具体的に運営するための実行計画を共有する |
| 対象者 | 投資家や経営層、取引先などの意思決定者 | 社内のプロジェクトチームや実務担当者、関係者 |
| 内容 | 説得力と分かりやすさを重視し、収益性や資金、提供価値、考えられるリスクなどをまとめる | 具体的な実行プランを伝えるため、スケジュールや必要なリソース、戦略などをまとめる |
事業提案書が重要な理由
事業提案書は、新規事業をスタートするのに欠かせない文書です。提案書を通じて事業のアイデアを整理し、説得力のある計画を伝えれば、協力や承認を得やすくなります。
以下では、事業提案書が重要とされる理由を解説します。
アイデアを視覚化するため
事業提案書は、事業のアイデアや計画を可視化するツールです。頭の中にある抽象的な構想を提案書の形に起こすことで、提案内容をより分かりやすく伝えられます。
たとえば、事業の背景や目的を文章化し、ビジネスモデルをデータやグラフを用いて可視化して、市場分析や収益予測を提示すれば、相手に説得力のある形で説明できます。また、意思決定者は多忙なので、視覚的に分かりやすい提案書があれば、内容をすぐ理解しやすくなるという点もメリットです。
さらに、自分自身の考えを整理する効果もあります。提案書を作成するプロセスを通じて、事業の課題やリソースの不足といった潜在的な問題を発見でき、事前に対策を講じることが可能です。
事業を開始するための資金を調達するため
新規事業を始めるには、資金の確保が必要不可欠です。投資家や融資を検討する金融機関に対して事業の収益性を示し、資金調達を成功させるためにも、事業提案書が必要です。
資金提供者は、事業に投資することでどのようなリターンが得られるかを知りたいと考えています。事業についての分析や収益予測、予算などをまとめて提示すれば、信頼を得られ、資金調達がしやすくなるでしょう。
新規事業にはリスクが存在するため
新規事業には常にリスクが伴います。意思決定者に対して事業の安定性や実現可能性を伝えるために、事業提案書の形でリスク分析をして、対応策を記載することが必要です。
提案書にリスクを明記した上で、それぞれの対応策を伝えれば、相手に「リスク管理ができている」という安心感を与えられます。リスクに対して対応できると具体的な形で示すことは、事業の成功を裏付ける要素となるので、提案の承認や協力を得る重要なポイントです。
事業提案書の無料テンプレート
事業提案書を使って相手を説得するためには、必要な情報を網羅して、相手に伝わりやすいものを作る必要があります。まずは構成案を作り、網羅すべき情報を洗い出すとよいでしょう。
以下の無料テンプレートは、事業提案書の下書きとして、必要な情報をまとめるのにぴったりです。また、文章をベースにしたシンプルな事業提案書としても使えるので、ぜひ活用してください。
事業提案書に記載すべき内容
事業提案書は単なる説明資料ではなく、新規事業に成功の目があるかどうか意思決定者が判断材料にするものです。そのため、計画に実現性があると相手を説得できるだけの内容が求められます。
以下のような内容を記載して、事業提案書を作りましょう。
提案する事業内容
まず、大切なのは、「どのような事業を展開するのか」という点を具体的に示すことです。単に新しいサービスや製品を紹介するだけでなく、どのような顧客を対象としているのか、あるいは市場のどの部分を狙っているのか、フレームワークを用いてマーケティング戦略を明確に書きます。
たとえば、新技術を活用したプラットフォームを構築する、既存のサービスの強みを生かして新しい顧客層を取り込む、など方向性を分かりやすく示すとよいでしょう。さらに、ターゲットのニーズにどうやって対応するのかを説明し、独自の価値を創出する仕組みを具体的に伝えることが重要です。この際、市場調査の結果や、競合他社と比較したときの優位性などを示すことで、説得力が高まります。
事業を開始する目的
次に、新規事業を開始する目的を明確に記載します。事業提案書に記載する場合、単に「いくら儲かる」という視点だけでなく、会社全体の成長にどう貢献するのか、社会に向けてどのようにPRできるのか、という観点を含めることが望まれます。たとえば、新しい収益源の確保や企業の成長戦略、あるいは社会課題の解決といった、事業の根幹となる目的を明示するのが大切です。
目的を説明する際には、事業が会社の長期的な戦略やビジョンとどのように一致しているのかを示すのが効果的です。この部分を具体的に記載することで、事業の意義や必要性を相手に納得させやすくなります。
資金計画
新規事業には、開発費や人件費、マーケティング費用など、多岐にわたるコストがかかります。したがって、いつまでにどれだけの資金が必要なのかを把握し、どのように調達するのかを明確に書くことが求められます。
投資家や金融機関からの融資を検討しているのであれば、資金提供者に対して、資金が効率的に使われる根拠と見通しを示すことが重要です。自社で賄う場合も、他の事業や経営リソースにどの程度の影響があるのか、どの部門に予算を振り分けるのかなどを細かく説明します。
資金の使い道や収支計画が不透明だと、事業そのものの信頼性が下がるため、具体的な計画は不可欠です。
収支の予測
事業がどのくらいの売上を生み、利益はどの程度になるのかという予測を示すことで、事業全体の採算性を把握できます。
予測を立てる際には、市場の需要や競合他社の動向などを分析し、過度に楽観的にならないよう注意が必要です。売上が順調に伸びるシナリオだけでなく、想定よりも低迷するケースなどの複数パターンを検討しておくと、より現実的な提案書になります。
収支の予測が甘いままだと、実際に事業を始めたときに予想外の資金不足に陥るリスクが高まるので、根拠のある数字を丁寧に示すことが大切です。
事業を開始するリスク
事業提案書の信頼度を上げるには、市況変動による需要の減少、競合の参入や法改正、製品開発の遅れなど、想定されるリスクをリストアップするのが大切です。
また、洗い出した各リスクについて対処できるよう、具体的な行動計画も同時に書きましょう。たとえば、「需要の伸び悩み」をリスクとして挙げるのであれば、「ランニングコストを〇%削減して対応する」、あるいは「予備の資金を〇万円確保しながら、次のプロダクトで需要を呼び込む」といった方針を明示することが求められます。
備えを示すことで、提案の信頼性が高まり、新規事業を前向きに検討してもらえる可能性が大きくなるでしょう。
事業提案書を作成するポイント
事業提案書は、新規事業に関わる関係者の理解と納得を得るためのツールです。魅力的なアイデアがあっても、読み手にその価値やビジョンが伝わらなければ、合意形成は難しくなります。
事業提案書をより説得力あるものにできるよう、以下のようなポイントを押さえましょう。
具体的なデータを示す
説得力のある事業提案書に欠かせないのはエビデンスです。市場規模や潜在顧客数、競合企業の動向などをあらかじめ調査した上で、「なぜこのビジネスが成長性を見込めるのか」を数字で示すと、読み手も成功するイメージが湧きやすくなります。
売上予測を算出する場合にも、売上高が伸びる理由や根拠を、過去の実績データや第三者機関の調査結果などと照らし合わせて具体的に説明するとよいでしょう。曖昧な表現を避け、明確かつ客観的な証跡を示せば、提案書の説得力は高まります。
自社の特徴や強みを含ませる
新規事業を立ち上げる上で、他社にはない自社の強みをどのように生かすのか伝えるのは重要なポイントです。自社が保有する独自技術やブランド力、あるいは顧客ネットワークなど、自社ならではの強みを洗い出した上で、商品と結び付けましょう。
また、自社のこれまでの実績や過去に培ってきたノウハウを引き合いに出すことで、新たな事業でも同じように結果を出せるという安心感を読み手に与えられます。事業が思いつきやギャンブルではなく、自社のリソースをしっかり活用した戦略であると伝えることが大切です。
文章は短くまとめる
どれほど内容が優れていても、複雑な文章が長々と続くと、読み手は途中で飽きて興味を失いがちです。特に新事業の意思決定をするのは多忙な方が多いので、事業提案書の文章は基本的に短く、要点を絞って分かりやすくまとめることが求められます。
一文が極端に長くなりすぎないよう配慮し、節や段落ごとに結論を述べてから根拠や説明を加えるという順序を意識するとよいでしょう。図表やグラフを適切に挿入し、ビジュアルで補足する方法も効果的です。
特に事業提案書を最終的に仕上げる段階では、冗長な表現や重複した説明を削ぎ落とし、魅力が伝わる範囲で可能な限り簡潔性を追求することが大切です。
テンプレートを活用して説得力のある事業提案書を作ろう
事業提案書では提案する事業の内容や目的、資金計画、収支予測、リスク対策をしっかり押さえることが重要となります。どれだけ魅力的なアイデアであっても、各要素が疎かになっていると、説得力に欠ける提案書になってしまいかねません。反対に、目的や数字、リスク管理が提案先に示されていれば、多くの人々が事業のことをポジティブに捉えやすくなります。
提案書を作成するときは、綿密な調査や分析を行った上で、読み手に伝わりやすい形で情報を整理するのが大切です。新規事業の成功につながる一歩として、テンプレートを活用しながら、具体的かつ論理的な提案書づくりを心がけましょう。
システム乱立を解消するためのステップとは?
多くの企業がバックオフィス業務効率化のため多様なクラウドシステムを導入するも、「便利なはずが非効率」という現実に直面しています。
その原因は、勤怠や経費など「部分最適」なシステム導入による乱立です。システム同士がつながらず、データの手入力やExcelでの突き合わせ作業が常態化。
これは「見えないコスト」を増やし、業務フローを複雑化させ、現場の負担を増大させます。システム乱立のリスクを整理し、業務アセスメントによる根本解決策をご紹介するホワイトペーパーを用意していますので、ぜひお気軽にご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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