• 更新日 : 2026年10月23日

副業の注意点とは?確定申告・住民税・発覚リスク対策をまとめて解説

Point副業の注意点とは?

副業は就業規則・確定申告・住民税の3点を事前に押さえることでトラブルを防げます。

  • 就業規則で副業可否と届出手続きを確認
  • 所得20万円超は確定申告が必要
  • 住民税は普通徴収で発覚リスクを軽減

Q. 副業が勤務先にバレる主な原因は?

A. 住民税の増額通知が主な原因です。確定申告時に副業分を普通徴収に切り替えることで、勤務先への通知額を本業分のみに抑えられる場合があります。

副業を始めるときは、就業規則の確認や確定申告の手続き、勤務先に副業が知られた際の対策など、押さえておきたい副業の注意点が数多くあります。副業・兼業を安全に続けるためには、税務・労務・社会保険それぞれの基本ルールを理解しておくことが欠かせません。本記事では、企業のバックオフィス担当者や個人の副業ワーカーが知っておきたい注意点を、具体的な手順とあわせて整理します。

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副業を始める前に確認すべき注意点は?

副業を始める前に確認すべき注意点は、就業規則における副業の可否、競業避止義務・秘密保持義務への抵触の有無、そして届出や申請の手続きです。これらを事前に確認せずに副業を始めると、契約違反や懲戒処分の対象になる可能性があるため注意しましょう。

就業規則で副業の可否を確認する

自社の就業規則を確認し、副業・兼業が禁止・許可制・届出制のいずれにあたるかを、条文レベルで把握しておきましょう。単に「副業が可能かどうか」だけでなく、どの手続きを踏めば許可されるのかまで確認しておくことが重要です。

厚生労働省(以下、厚労省)が公開する「モデル就業規則」では、2018年1月の改定以降「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が削除されており、副業・兼業を原則禁止としない方向性が示されています。

ただし、モデル就業規則はあくまでひな形であり、実際の運用は企業ごとに異なります。多くの企業では独自の就業規則で事前届出制を採用しており、届出をせずに副業を始めた場合、懲戒処分の対象となるケースもあるため注意が必要です。

参考:副業・兼業|厚生労働省

競業避止義務・秘密保持義務への抵触を確認する

副業の内容が本業と競合する場合や、本業で得た情報を副業で使う場合は、契約違反として損害賠償を請求されるリスクがあります。

就業規則や雇用契約書には、競業避止義務(同業他社での就労を制限する義務)や秘密保持義務(業務上知り得た秘密情報の漏洩を禁止する義務)が定められている場合があります。副業の内容が本業と同じ業種・業態にあたらないか、本業の顧客情報やノウハウを利用していないかを、事前にチェックしておくことが欠かせません。

副業の届出・申請手続きを把握する

副業の届出や申請書の提出を求める企業では、副業先の業務内容・就業時間・報酬額などの記載が一般的に求められます。

提出フォーマットが社内に用意されていない場合は、人事部門に確認し、必要な記載項目を事前に把握しておきましょう。なお、法律上は副業を一律に禁止する規定はなく、就業時間外の活動は憲法第22条が保障する職業選択の自由のもと、原則として個人の裁量に委ねられています。

参考:日本国憲法|e-Gov法令検索

副業の主な種類を整理する

副業には、働き方によっていくつかの種類があります。自分の副業がどの区分にあたるかを把握しておくと、税務上の扱いや労務管理上の注意点を理解しやすくなります。

副業の種類 特徴
雇用型(アルバイト・パート) 勤務先と雇用契約を結ぶ。労働時間の通算や社会保険の加入要件が問題になりやすい
業務委託・フリーランス型 企業や個人と業務委託契約を結ぶ。事業所得または雑所得として申告する
不動産投資型 不動産の賃貸収入を得る。規模により不動産所得として扱われる
内職・ポイント活動型 自宅での軽作業やポイントサイトの利用など。雑所得として扱われることが多い
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副業の確定申告や税金で注意すべき点は?

副業の税金に関する注意点は、確定申告が必要になる所得の水準を正しく理解すること、そして所得の区分によって税務上の扱いが異なることです。区分を誤ると、本来受けられるはずの控除や損益通算の特例を受けられない場合があります。

所得20万円超の申告基準を理解する

副業の所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。

所得税法第120条は、給与所得者について、年末調整を受けた給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が一定額を超える場合に確定申告を義務づけています。ここでいう「所得」は売上(収入)ではなく、収入から必要経費を差し引いた金額である点に注意しましょう。

例えば、副業の年間売上が50万円でも経費が35万円であれば所得は15万円となり、所得税の確定申告は不要になるケースがあります。ただし、住民税の申告は所得税とは別に必要になる場合があるため、あわせて確認しておきましょう。

参考:所得税法|e-Gov法令検索

ダブルワークの年末調整と確定申告の関係を整理する

本業・副業がともに給与所得にあたる、いわゆるダブルワークの場合は、年末調整と確定申告の役割分担を誤りやすい点に注意しましょう。

年末調整は1か所の勤務先でしか行えないため、一般的には収入の高い本業側の勤務先で年末調整を受け、副業先の給与分については、年末調整を受けずに確定申告で申告することになります。副業先にも年末調整を依頼してしまうと、所得の二重申告や控除の重複適用につながるおそれがあるため、どちらの勤務先で年末調整を受けるかを事前に整理しておくことが欠かせません。

事業所得と雑所得の区分方法を理解する

副業の所得区分が事業所得か雑所得かによって、税務上の扱いは大きく異なります。

事業所得と雑所得の区分は、営利性や継続性、事業規模などを総合的に判断します。帳簿書類の保存は重要な判断要素ですが、保存していれば必ず事業所得になるわけではありません。

項目 事業所得 雑所得
青色申告特別控除 最大65万円の控除あり 控除なし
損益通算 本業の給与所得と通算可能 通算不可
赤字の繰越 最長3年間繰り越し可能 繰越不可

参考:「所得税基本通達の制定について」の一部改正について|国税庁

経費として計上できる費用を把握する

副業に関連する支出は経費として計上でき、所得を圧縮できます。主な経費の例は次のとおりです。

  1. パソコンやソフトウェアの購入費(取得価額10万円未満は消耗品費として処理)
  2. 副業専用のインターネット回線・通信費
  3. 自宅を作業場にしている場合の家賃・光熱費(業務使用分を家事按分した金額)
  4. 書籍やセミナー参加費など副業に関する研修費
  5. 取引先との打ち合わせにかかる交通費・飲食費

経費として認められるには、副業との関連性を説明できることと、支出を証明するレシートや領収書を保存しておくことが欠かせません。クラウド会計ソフトを使えば、レシートの読み取りから仕訳までを自動化でき、確定申告の事務負担を軽減しやすくなります。

インボイス制度が副業取引に与える影響を確認する

インボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始後は、免税事業者からの仕入れについて、取引相手側の仕入税額控除が段階的に縮小されます。

同制度は消費税法に基づく仕組みで、2023年10月から導入されています。副業先の取引相手が課税事業者の場合、インボイスを発行できないことを理由に取引条件の見直しや契約の打ち切りを打診されるリスクがあります。一方、適格請求書発行事業者として登録すると、年間売上1,000万円以下でも消費税の申告・納付義務が生じます。副業の売上規模や取引先との関係をふまえて、登録の要否を判断しましょう。

参考:消費税法|e-Gov法令検索

副業が勤務先に知られる原因と対策の注意点は?

副業が勤務先に知られる主な原因は、住民税の金額変化です。副業分の所得が上乗せされることで住民税額が本業分だけの場合より高くなり、勤務先の経理担当者が気づくケースがあります。特に副業がアルバイト・パートなど給与所得にあたる場合は、本業分と合算された金額で勤務先に通知されるため、発覚のリスクが高まります。

住民税の徴収方法の仕組みを理解する

住民税の徴収方法には、特別徴収と普通徴収の2つの方式があります。特別徴収とは、勤務先が従業員の住民税を毎月の給与から天引きして自治体に納付する方式です。普通徴収とは、本人が自治体から届く納付書で自ら住民税を納める方式を指します。

確定申告書の「住民税に関する事項」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択すれば、副業分の住民税だけを普通徴収に切り替えられる場合があります。これにより、勤務先に通知される住民税額を本業分だけにとどめられる可能性がありますが、切り替えられるかどうかは所得の区分や自治体の運用によって異なるため、次項で詳しく確認しましょう。

普通徴収への切替が難しいケースに注意する

ただし、すべてのケースで普通徴収に切り替えられるわけではない点に注意しましょう。

副業がアルバイトやパートなど給与所得にあたる場合、自治体によっては普通徴収への切替を認めない運用をしているケースがあります。また、副業がフリーランスなどの事業所得・雑所得であっても、自治体の判断で普通徴収を受け付けない場合があります。普通徴収に切り替えられるかどうかは、お住まいの自治体の窓口やウェブサイトで事前に確認しておくと確実です。「普通徴収にすれば勤務先に知られない」と一律に考えず、自治体ごとの運用差があることを認識しておきましょう。

企業側が副業の労務管理で注意すべき点は?

企業が従業員の副業に関して押さえておきたい注意点は、労働時間の通算義務と、安全配慮義務への目配りです。厚労省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」でも、企業に対して適切な労務管理の実施を求めています。

労基法38条の労働時間通算ルールを理解する

労働基準法第38条は、労働時間について、事業場が異なる場合でも通算して取り扱うと定めています。

この規定により、本業で8時間勤務した後に副業先で3時間働いた場合、合計11時間がその日の労働時間として扱われます。法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた分については、原則として後から労働契約を締結した順や所定外労働時間の発生順などに基づき、 事業主が割増賃金の支払い義務を負うとされています。人事担当者は、従業員の副業先での就業時間を一定程度把握し、通算時間が法定の上限を超えていないかを確認できる体制を整えておく必要があります。

参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省

管理モデルで実務負担を軽減する

管理モデルとは、本業・副業それぞれの事業主があらかじめ労働時間の上限を設定し合い、双方がその範囲内で労働させている限り、相手方の実労働時間を逐一確認しなくてもよいとする運用方法です。

例えば、本業側が月160時間、副業側が月40時間を上限として設定すれば、合計200時間の範囲内で双方の事業主が自社分の労働時間管理のみを行えば足ります。従業員一人ひとりの副業先の労働時間をリアルタイムで把握するのが難しい企業にとって、実務負担を軽減できる仕組みといえるでしょう。

社会保険の加入要件を確認する

副業先での労働条件によっては、本業とは別に社会保険への加入義務が生じる場合があります。

厚労省の資料によれば、一定規模以上の企業では、週の所定労働時間が20時間以上、などの要件を満たす短時間労働者が、健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。副業先の労働条件がこの要件に該当する場合、従業員は副業先でも社会保険に加入する必要があるため、人事担当者は労働時間や賃金の条件を確認しておきましょう。

参考:短時間労働者に対する適用範囲の在り方について|厚生労働省

副業ガイドラインや申請フォームを整備する

従業員の副業を許可制・届出制で運用する場合、社内ガイドラインと申請フォームの整備が欠かせません。申請フォームに含めたい項目は次のとおりです。

  1. 副業先の会社名・業種・業務内容
  2. 想定される就業日数・時間(週または月あたり)
  3. 雇用形態(雇用契約か業務委託か)
  4. 競業避止義務や秘密保持義務への抵触がないことの確認欄
  5. 内容変更・終了時の届出義務

ワークフローツール(ジョブカンやSmartHRなど、申請・承認をオンラインで処理できるシステム)を導入すれば、紙の申請書を回覧する手間を省き、承認から記録管理までを一元化できます。

副業と本業を両立する際の注意点とコツは?

副業と本業を両立するうえで大切なのは、労働時間のセルフコントロールと健康管理です。働きすぎによる体調不良は、本業のパフォーマンス低下にもつながりかねません。

労働時間の上限を自分で決めて管理する

副業に充てる時間には、自分なりの上限を設定しておくと、本業への影響を抑えやすくなります。

空いた時間のすべてを副業に充てるような働き方は、短期間で体調を崩す原因になりがちです。本業の繁忙期には副業の稼働量を意識的に減らすなど、月単位・四半期単位でスケジュールを見直す習慣をつけましょう。カレンダーアプリやタスク管理ツール(Notion、Trelloなど)で本業と副業のスケジュールを一元管理すると、タスクの抜け漏れを防ぎやすくなります。

会計ソフトで帳簿づけと確定申告を効率化する

副業の経理処理を手作業で行うと、帳簿づけや領収書の整理に多くの時間を取られがちです。

クラウド会計ソフトで銀行口座やクレジットカードを連携させれば、取引データの取り込みから仕訳候補の提示までを自動化できます。確定申告の時期に慌てないためにも、月ごとに収支を記録する習慣をつけておくと安心です。年末に一年分をまとめて処理しようとすると、領収書の紛失や経費の計上漏れが起きやすくなります。

健康管理を徹底し本業への影響を防ぐ

複数の仕事を掛け持ちする働き方では、労働時間が増えるほど心身への負担も大きくなりやすいとされています。

睡眠や休養の時間を十分に確保し、無理のない範囲で副業の稼働量を調整することが大切です。本業で遅刻やミスが増えると、就業規則違反として副業の許可が取り消されるリスクもあります。本業のパフォーマンスを維持することを前提に、副業の優先順位を設定しておくことがポイントです。

副業の注意点に関するよくある質問

副業の注意点に関するよくある質問をまとめました。

Q. 公務員でも副業できるケースはある?

A. 公務員は営利企業への従事等が原則として制限されていますが、所属先の許可を得れば一部の活動が認められる場合があります。

国家公務員法第103条・第104条、地方公務員法第38条は、公務員の兼業について制限を設けています。許可を受けたうえで、執筆活動や講演、小規模な不動産賃貸などが認められるケースもありますが、運用は省庁や自治体によって異なります。副業を検討する場合は、所属先の人事担当部門にあらかじめ相談し、許可基準を確認しておきましょう。

参考:国家公務員法|e-Gov法令検索、地方公務員法|e-Gov法令検索

Q. 副業の収入が少額でも申告は必要?

A. 所得税の確定申告は、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば原則不要です。ただし、住民税の申告にはこの基準が適用されず、所得が発生していれば市区町村への申告義務が生じます。

住民税の申告を忘れると、後日まとめて課税されたり、延滞金が発生したりする場合があります。少額の副業所得であっても、住民税の申告は忘れずに行いましょう。

Q. 個人事業主が別の事業を始める際の注意点は?

A. すでに個人事業主として活動している場合、新たな事業を追加するときは、税務上は同一の事業所得として合算して申告するのが基本です。

業種が異なる場合でも、個人事業主としての開業届は1通で足ります。ただし、売上の規模が大きくなってきた場合は、法人を設立し、一方の事業を法人に移す方法も選択肢になります。その場合、法人と個人事業の間の取引が税務上不自然な利益移転と指摘されないよう、適正な取引価格を設定しておく必要があります。進め方に迷う場合は、顧問税理士などの専門家に相談しながら検討するのが現実的です。

副業の注意点を押さえて安全に続けるために

副業の注意点は、就業規則の確認・確定申告・勤務先への発覚対策・労務管理という軸で整理すると理解しやすくなります。副業や兼業を始める前に就業規則と届出手続きを確認し、所得区分に応じた確定申告を行い、住民税の仕組みを理解しておけば、トラブルを避けながら安全に副業を続けやすくなるでしょう。まずは自社の就業規則を確認し、副業の届出が必要かどうかを人事部門に問い合わせるところから始めてみてください。

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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

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