- 更新日 : 2026年1月6日
【テンプレ付】昇給辞令とは?給与辞令との違いや書き方について解説
昇給辞令とは給与の改定を通知する給与辞令の一種で、昇給時に交付される辞令書です。そもそも辞令とは、会社が従業員に対し人事命令を通知する目的で交付されるもので、代表的なものには採用辞令や転勤辞令などがあります。辞令は公式な命令文書に該当するため、原則断ることはできません。当記事では、昇給辞令について詳しく紹介します。
目次
昇給辞令とは?必要性や通知方法
会社員や公務員など会社や組織に勤めている方は、定期的に昇給するのが一般的です。昇給時には、多くの会社で昇給辞令が交付されます。昇給辞令は、給与の改定を通知するための給与辞令の一種です。ここでは、昇給辞令の概要について詳しく紹介します。
昇給辞令とは何か?
昇給辞令について解説する前に、辞令についておさらいしておきましょう。そもそも辞令とは、会社が従業員に対し人事命令を通知する目的で交付される公式な文書です。加えて辞令には、他の従業員に人事命令の内容を広く告知するという役割もあります。
辞令に法的効力はありませんが、従業員は会社の指揮命令に従い労務を提供するという労働契約を結んでいるため、合理的な理由なく辞令を断ることはできません。辞令の交付は義務ではないため口頭での命令も有効ですが、いつ誰にどのような人事命令を下したという明確な証拠となるため、なるべく書面にて辞令を交付した方がよいでしょう。
昇給辞令とは、給与が上がった際に昇給を通知するために交付される辞令書です。給与が改定された際に交付される給与辞令の一種で、昇給日と昇給内容を従業員に通知する目的で作成されます。フォーマットや様式は会社によってさまざまですが、交付日・昇給日・昇給内容が記載されるのが一般的です。給与辞令との違いについては次章で詳しく解説します。
昇給辞令の作成は義務?
辞令交付は法で定められた義務ではないため、昇給辞令の作成・交付も義務ではありません。実際、会社によっては口頭や給与明細の発行をもって代替とする場合もあります。しかし、昇給は従業員の生活水準やモチベーションの向上に関わる非常に重要なものです。そのため、昇給辞令はなるべく省略せずに作成・交付した方がよいでしょう。
なお、給与の額は従業員にとって非常に重要な意味を持つため、昇給辞令には昇給日と昇給内容を具体的に明記するようにしましょう。書面で交付することで新たな給与が明確になり、従業員の誤解を防ぐことができます。さらに、書面による辞令は厳正な証拠となるため、後々何らかのトラブルが起きた際にも有効です。
昇給辞令を交付するタイミング
昇給辞令は、給与が上がったタイミングで交付されます。昇給のタイミングは会社や組織によってまちまちですが、日本では年1回もしくは年2回程度の定期昇給が一般的です。年1回の場合は4月、年2回の場合は4月と10月に昇給するケースが多く見られます。
なお、定期昇給は勤続年数や年齢など、個人的な要因による昇給です。一方、ベースアップは従業員全員の給与が一律で上がる制度を指します。定期昇給とベースアップは混同しがちですが、個人の要因による昇給か全従業員一律の昇給かという違いがあるため気をつけましょう。その他の昇給制度について整理すると、下記の通りです。
| 昇給制度 | 昇給基準 |
|---|---|
| 定期昇給 | 年齢や勤続年数に基づく定期的な昇給 |
| 臨時昇給 | 会社の業績などに応じた臨時的な昇給 |
| 自動昇給 | 業績考課に関わらず年齢や勤続年数に基づく昇給 |
| 考課昇給 | 個人の業績考課に基づく昇給 |
| 普通昇給 | 能力の向上など一般的な理由に基づく昇給 |
| 特別昇給 | 特別功労など特別な理由に基づく昇給 |
これら昇給の際には、多くの会社で昇給辞令が交付されます。ただし、昇給辞令に昇給の理由が明記されることはあまりなく、交付日・昇給日・昇給内容などだけが記載されるのが一般的です。
昇給の有無やタイミング、条件や昇給額などは給与規定に基づいて決まります。給与規定については、労働条件や職場のルールを定めた就業規則を確認しましょう。
昇給辞令の交付・通知方法
辞令の交付方法は会社によってさまざまですが、掲示板等への掲示、社内報への掲載、従業員への個別通知などが一般的です。転勤辞令や異動辞令など事前に準備が必要なものについては、実際に辞令が交付される前に内示が出される場合もあります。
昇給辞令についてはプライベートな内容であるため、個別通知が原則です。交付方法は、簡単な辞令交付式を行い直接手渡す方法や、メールなどに電子媒体を添付し通知する方法などがあります。
昇給辞令の交付は義務ではなく、給与明細等で代替することも可能です。しかし、昇給は従業員のモチベーションアップに直結するため、機会を設けて日頃の労いと共に直接辞令交付するのもよいでしょう。
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昇給辞令と給与辞令(賃金変更通知書)との違い
給与辞令とは、給与が改定された際に交付される辞令書です。賃金変更通知書や給与改定通知書と呼ばれることもあります。昇給辞令は給与が上がった際に交付されるのに対し、給与辞令は給与が下がった際にも交付されるという点が大きな違いです。
昇給辞令は給与辞令の一種で、どちらも法的な効力はなく作成・交付も義務ではありません。しかし、給与の改定は従業員の生活に大きな影響を及ぼすため、確実な通知が求められます。特に、降給の場合は後々トラブルにならないよう、従業員に丁寧に説明した上で書面にて給与辞令を交付しましょう。
給与辞令の詳細について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
昇給辞令の書き方やポイント
昇給辞令のフォーマットや様式は、会社や組織によってさまざまです。ここでは具体例を挙げて、昇給辞令の書き方やポイント、注意点などを紹介します。
昇給辞令の記載項目
一般的に、昇給辞令には下記の項目が記載されます。
- 発令日
- 発令者
- 受令者
- 辞令内容
- 昇給日
- 新たな基本給や諸手当の額
原則具体的な昇給理由が明記されることはなく、何月分の給与から新たな基本給が適用されるのかという昇給日と、新たな基本給や諸手当の金額などだけが記載されるのが一般的です。ただし、昇給の根拠を明示したい場合は、就業規則や給与規定に定められた根拠規定と合わせて昇給理由が記載されるケースもあります。
昇給辞令のポイントや注意点
昇給辞令は人事命令に関わる重要な書類なので、必要事項を具体的かつ明確に記載する必要があります。特に、何月分の給与から新たな基本給が適用されるのかは明記するようにしましょう。さらに、給与は従業員の生活に大きく影響するため、給与の内訳も明示してください。具体的には、新たな基本給に加えて役職手当をはじめとした諸手当を明記し、給与の総額が明確にわかるように記載すると誤解が防止できます。
辞令を作成・交付する際は、いつ誰にどのような人事命令を下したかを明確にすることが重要です。昇給辞令の交付は義務ではありませんが、人事命令に関する公式な文書なのでミスの無いよう注意して作成しましょう。
なお、メール等で昇給辞令を交付する場合は辞令内容を本文に直接記載するのではなく、保管や印刷がしやすいようPDF形式やWord型式の添付ファイルで送付してください。また、給与の額はプライベートな内容であるため、メールの宛先には十分注意しましょう。
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昇給辞令の例文
前章でも解説したとおり、昇給辞令には昇給日と新たな基本給・諸手当を明示するようにしましょう。具体的には「○○ ○○殿 令和○○年○○月分給与より下記の通り月例給与を支給します」などと記載し、基本給と諸手当を箇条書きや表形式で明示してください。例えば、下記のようなフォーマットが考えられます。

上記の文例とフォーマットを参考に、会社の給与形態に合わせて作成するとよいでしょう。電子媒体で作成しておけば保管や編集がしやすいためおすすめです。
昇給辞令を交付し従業員の勤労意欲を向上させよう!
今回は昇給辞令について解説しました。昇給辞令とは給与の改定を通知する給与辞令の一種で、給与が上がった際に交付されます。辞令に法的な効力はなく作成が義務付けられたものではありませんが、いつ誰にどのような人事命令を下したという証拠となるため、極力書面にて交付するようにしましょう。
昇給辞令については給与明細等で代替することも可能ですが、昇給は従業員のモチベーションアップに大きく寄与するため、機会を設けて直接手渡すのも有効です。
昇給辞令に特定の様式やフォーマットはありませんが、昇給日と新たな基本給・諸手当を明示してください。給与の改定は従業員の生活に大きな影響を及ぼすため、具体的かつ正確に記載することが重要です。
交付方法には、直接手渡す以外にメールで通知する方法などもあります。メールで通知する場合は保管や印刷がしやすいよう、本文に辞令内容を直接記載するのではなく、添付ファイル型式で送付するようにしましょう。また、給与の額はプライベートな内容であるため、メールの宛先には十分注意してください。
昇給辞令の作成・交付は法的な義務ではありませんが、人事命令に関する重要な書類です。昇給辞令を交付し、従業員のモチベーションアップを実現しましょう。
よくある質問
昇給辞令とは何ですか?
給与の改定を通知する給与辞令の一種で、昇給時に交付される辞令です。作成・交付は法的な義務ではありませんが、いつ誰にどのような人事命令を下したという証拠となるため、極力書面にて交付するようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
メールで昇給辞令を通知する際の注意点は?
保管や印刷がしやすいよう、辞令内容を本文に直接記載するのではなく、添付ファイル型式で送付しましょう。また、給与の額はプライベートな内容であるため、メールの宛先には十分注意してください。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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