• 更新日 : 2026年7月7日

離職防止ツールとは?導入するメリットや注意点、比較する際のポイントを解説

Point離職防止ツールの効果と選び方は?

離職防止ツールは、従業員の状態を可視化し、離職率の低下と採用コスト削減を実現するITツールです。

  • タイプはコンディションケア・コミュニケーション・データ分析の3種
  • 導入メリットは定着率向上・コスト削減・組織風土の改善
  • 選定時は機能・操作性・費用・セキュリティを確認

Q. ストレスチェック実施済みでも離職防止ツールは必要?
A. 必要です。ストレスチェックは年1回のため急激な悪化を見逃す恐れがあり、ツールの短期サーベイで早期対処が可能です。

企業の人材を定着させるには、離職防止ツールを使うのが効果的です。

一方で、具体的な導入効果や、ツールの選び方がわからない人事担当者もいるでしょう。

そこで本記事では、離職防止ツールの概要から導入するメリット、注意点や選定ポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

離職防止ツールとは?

離職防止ツールは、企業の人事担当者が従業員の離職を防ぐために使うITツールです。

アンケートを通じた従業員満足度の測定や、社内SNSによるコミュニケーションの活性化などが可能です。

ツールによってさまざまな特徴があり、それに応じて「コンディションケア」「コミュニケーション促進」など複数のタイプに分類されます。

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離職防止ツールが求められる背景

離職防止ツールが求められる背景として、人材の定着化が困難になっていることが挙げられます。

厚生労働省が発表した「雇用動向調査」によると、令和6年において、就業期間2年未満で退職した人の割合は以下のとおりです。

就業期間 離職率
6ヶ月未満 17.9%
6ヶ月~1年未満 13.0%
1年~2年未満 13.8%

出典:雇用動向調査(厚生労働省)

上記の結果から、2年以内に離職している人が4割以上存在することがわかります。

また、同じく厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、新規学卒就職者の就職後3年以内離職率は以下のとおりです。

学歴 離職率
中学 54.1%
高校 37.9%
短大等 44.5%
大学 33.8%

参考:「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」|厚生労働省

この調査結果から、3年以内に離職している新規学卒者が3〜5割ほどいることがわかります。

2つの調査を合わせると、就業期間や学歴を問わず、短期離職する人材が一定数存在する状況です。

こうした背景から、離職防止ツールを活用した人材の定着化が重要になっています。

離職防止ツールを導入するメリット

ここからは、離職防止ツールを導入するメリットを紹介します。

従業員の定着率の向上につながる

離職防止ツールを導入することで、定期的なサーベイ(調査)を通じて従業員の満足度やコンディションを把握できます。

調査結果に応じて、面談の実施や業務内容の見直しなど対策を講じることで、従業員が自社に定着しやすくなります。

定着率が上昇すると、勤続期間の長い従業員のノウハウを蓄積しやすくなり、業務をスムーズに進めることも可能です。

採用に伴うコストを削減できる

離職防止ツールで離職率を抑え、採用活動の頻度を減らすことでコストの削減が可能です。

一方で、離職者が多いとその分新しい人材を採用する必要が生じ、求人広告への出稿・面接・研修などに費用と時間がかかります。

空いた時間を、従業員のスキルアップ研修や待遇改善などに充てると、さらに定着率を上げられるでしょう。

組織風土の改善につながる

離職防止ツールを活用して従業員のストレス状態を測定することで、長時間労働や人間関係の希薄さなど、社内の問題に気付きやすくなります。

残業の削減やコミュニケーションの活性化など、問題点を改善することで組織風土の改善にもつなげられます。

組織風土が改善されると、働きやすい職場である旨を外部にもアピールしやすくなるでしょう。

バックオフィスの負担を減らせる

離職防止ツールを導入することで、退職手続きに関わる作業を自動化できるため、バックオフィス担当者の業務量の軽減が期待できます。

残業の削減にもつながるため、バックオフィス担当者自身のワークライフバランスの確保や、満足度の向上にもつながるでしょう。

一方、ツールを使わずに社内アンケートを実施する場合、配布・集計・分析をすべて手作業で行う必要があります。

離職防止ツールを活用するうえの注意点

ここからは、離職防止ツールを活用するうえでの注意点を紹介します。

導入コストがかかる

離職防止ツールの導入には、初期費用や月額料金が発生します。予算が少ない状態で利用を始めると、各種支払いによって経営が圧迫される恐れがあります。

費用に見合う導入効果があるかをよく検討することが大切です。

また、ツールの選定や、人事部内での使い方の共有なども行うため、時間的なコストもかかります。

導入する際はできるだけ繁忙期を避け、人事担当者の業務負担が大きくならないようにしましょう。

従業員のプライバシーに配慮する必要がある

離職防止ツールには、従業員のストレス状態やアンケートの回答などを扱うケースがあります。

これらの情報がほかの従業員に知られてしまう状態では、ツールへの不信感が高まりやすくなります。

そのため、導入前に従業員の情報の共有範囲や取り扱いに関するルールを明文化し、人事部内で周知しましょう。

また、第三者によるセキュリティ認証を取得した、安全性の高いツールを選ぶことも心がけましょう。

従業員の心理状態を正確に把握できるとは限らない

離職防止ツールを活用しても、それだけで従業員のモチベーションやストレス状態を正確に把握できるとは限りません。

たとえば、従業員が上司に遠慮してしまい、アンケートに現在の悩みを正直に記入しないケースが起こり得ます。

ツール上でのアンケートに頼らず、1on1面談で話す機会も設けて、従業員の本音を引き出す環境を作ることが大切です。

導入後に効果検証を行う

離職防止ツールの導入後は、離職率が改善しているかを計測することが大切です。

離職率が低下していない場合は「従業員のストレス状態を把握できていない」「サーベイの実施に留まっており課題解決にいたっていない」など、原因を分析します。

分析された原因に応じて、ツールの再選定や課題解決フローの設定など、適切な改善策を実行しましょう。

離職防止ツールの主なタイプ

ここからは、離職防止ツールのタイプを大きく3つにわけて紹介します。

コンディションケア型

コンディションケア型とは、従業員の心理状態を継続的に計測し、離職リスクを早期に発見・対処することを重視したタイプです。

定期的なアンケートやAIによる感情分析を通じて、従業員のストレス状態を数値で把握できます。

匿名での相談機能を設けているツールも多く、従業員が職場への不満や悩みを打ち明けやすくなる点も特徴です。

また、ストレス状態の測定結果から、精神的なケアをどのように進めるべきかアドバイスしてくれるため、適切なフォローを実行しやすくなります。

コミュニケーション強化型

コミュニケーション強化型とは、従業員同士の交流の活性化を通じて、離職を防ぐタイプです。以下のような機能を備えています。

機能 概要
社内SNS チャットで情報共有やコミュニケーションができる機能
ピアボーナス 従業員同士で業務の成果を評価し合い、ポイントや報酬を贈り合う機能
サンクスカード 従業員同士で感謝のメッセージを送り合う機能

従業員同士のやり取りの頻度や、関係性を可視化できるため、孤立している人がいないかの確認も可能です。

データ分析型

データ分析型とは、従業員の勤怠や人事評価、エンゲージメントなど複数のデータを統合管理することで、離職の可能性や組織課題を分析できるタイプです。

ダッシュボード上で多数のデータを一目で確認できるため、従業員の状態を素早く把握し、スピーディーに対応策を実行できます。

従業員情報の一元管理や電子申請システムとの連携によって、各種手続きを効率化できる可能性もあり、人事担当者の負担を減らしやすい点も魅力です。

離職防止ツールを比較する際の5つのポイント

ここからは、離職防止ツールを比較する際のポイントを5つ解説します。

必要な機能が搭載されているか

まず、自社に必要な機能が搭載されているかを確認することが大切です。

たとえば、従業員の満足度を調査したい場合はサーベイ機能があるツールを選びます。

ストレスの高い従業員へのフォローを早めたいなら、AIによる離職予測が可能なツールを選ぶのが適切です。

導入する前に無料トライアルを申し込み、実装されている機能を確認しましょう。

また、社内で導入している労務管理システムと連携できるかもポイントです。

外部システムと連携できると、社会保険をはじめとする手続きを効率化できる可能性があるため、人事担当者の業務量が多い場合は確認しましょう。

誰もが使いやすい操作性か

離職防止ツールでサーベイを実施する場合、IT技術に不慣れな従業員もツールを使用する可能性があります。

操作が難しいツールを導入すると、入力ミスや回答率の低下につながり、収集したデータの精度が低くなる可能性があります。

無料トライアルを申し込んだ際は、操作性についても入念に確認しましょう。

スマートフォンで使うことも想定し、モバイル端末で画面表示が崩れないか、ボタンが小さ過ぎないかなどもチェックしておきましょう。

費用が高過ぎないか

費用の確認が不十分だと、想定より運用コストが膨らみ、長期間活用できなくなる恐れがあります。

初期費用や月額料金、オプション料金なども含めた総額を計算し、予算内で利用できるかを検討しましょう。

ツールによっては、利用する従業員数に応じて料金が変動する可能性もあります。

こういったツールを選ぶ場合は、将来的に人員が増加するケースを想定しつつ、予算内で利用できるか判断する必要があります。

サポート体制が整っているか

離職防止ツールを初めて導入する場合、操作方法や機能の活用法がわからなくなる可能性もあります。

不明点を解決できないと十分に活用できず、離職防止を実現できない恐れがあります。

ツールの契約前に、問い合わせ手段の種類や対応時間、専任の担当者の有無など、サポート体制について確認しておきましょう。

セキュリティ対策が十分か

離職防止ツールには、従業員の個人情報やストレス状態など、機密性の高い情報が蓄積されます。

不正アクセスによる情報の漏えいが発生すると、従業員の信頼を大きく損なうため、セキュリティ対策についても確認しておきましょう。

たとえば、データの暗号化やアクセス権限の管理が可能なツールはセキュリティ性能が高いといえます。

第三者機関からセキュリティ認証を受けているツールなら、より安心して利用できるでしょう。

離職防止ツールに関するよくある質問

最後に、離職防止ツールに関するよくある質問を解説します。

無料で使える離職防止ツールはある?

無料プランや無料トライアルを提供している離職防止ツールは存在しますが、多くの場合、利用できる機能やユーザー数に制限があります。

たとえば、アンケートの配信回数や回答者数に上限が設けられる可能性があるため、とくに大規模な企業で活用するのは難しいでしょう。

無料プランで操作性や機能を確認しておき、問題なければ有料プランへ移行するのがおすすめです。

離職防止ツールの導入前に準備すべきことは?

離職防止ツールの導入前に準備すべきこととして、以下が挙げられます。

  • 自社に適したツールを導入するため、離職率が高い原因を調査し、必要な機能を洗い出す
  • 効果測定をスムーズに進めるため、ツールの導入後に測定する指標や、目標数値を決める
  • 従業員にツールの導入目的や使い方を説明し、理解を得ておく

離職防止ツールを円滑に導入できるよう、上記の準備を丁寧に進めておきましょう。

離職防止ツールはストレスチェックを実施していても効果がある?

離職防止ツールは、ストレスチェックを実施していても効果があります。

ストレスチェックは、精神面での不調がないかを調べる検査で、年に1回の実施が義務付けられています。

しかし、急激なストレス状態の悪化を察知できない可能性がある点に注意が必要です。

たとえば「4月にストレスチェックを実施して問題なかった従業員が、7月に人間関係で悩み、10月に突然退職する」というケースが考えられます。

そこで、離職防止ツールのサーベイ機能を活用すると、より短い間隔でストレス状態を測定可能です。

ストレスが高い従業員へのケアを早期に実施できるため、さらに離職リスクを抑えやすくなります。

離職防止ツールなら「マネーフォワード クラウドサーベイ」がおすすめ

おすすめの離職防止ツールとして「マネーフォワード クラウドサーベイ」が挙げられます。

一律の基準ではなく、従業員ごとに個別の評価基準を用いることで、正確なストレス状態が計測しやすくなります。

マネーフォワード クラウドサーベイ」では、事前に性格検査で各従業員のベースラインを把握したうえで、パルスサーベイ(短い間隔でストレス状態を測定する調査)を実施可能です。

パルスサーベイの結果をベースラインと比較することで、各従業員の基準にもとづいた心理状態を評価できるでしょう。

また、ストレスがかかっている従業員に対しては、個々の性格に合わせた対策例を提示してくれる点もメリットです。ぜひ検討してみてください。

エンゲージメントの変化を把握し離職・休職を検知|マネーフォワード クラウドサーベイ


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