• 作成日 : 2026年5月7日

職住一体の働き方とは?在宅勤務型・併設型・住み込み型の違いを解説

Point職住一体は、どんな働き方?何に注意すべき?

職住一体は、職場と住まいが一体化した働き方です。

  • 在宅・併設・住み込み型
  • 通勤負担を減らしやすい
  • 労務管理と経費按分が論点

職住一体で注意すべき点は労働時間の記録、待機時間の扱い、家賃や光熱費の按分基準を明確にすることです。

職住一体とは、職場と住まいが同じ場所、または実質的に一体となっている働き方や事業形態を指します。在宅勤務のように自宅で働くケースもあれば、店舗兼住宅や住み込み勤務のように、仕事と生活の場が物理的に結び付いているケースもあります。

この記事では、職住一体の意味、代表的なパターン、向いている業種・職種、メリット・デメリットなどを解説します。

目次

職住一体とは?

職住一体とは、職場と住まいが同じ場所にある働き方や生活形態を指します。通勤時間をなくしやすい一方で、仕事と私生活の境界が曖昧になりやすく、労働時間管理や費用負担の整理が欠かせません。

職住一体は職場と住まいが一つになっている状態

職住一体は、仕事をする場所と生活する場所が一体化している状態です。たとえば、自宅を仕事場にする形、店舗や事務所に住居を併設する形、施設や敷地内に住みながら働く形などが当てはまります。職場の近くに住むだけではなく、仕事の場と生活の場が同じである点に特徴があります。

通勤負担が減る反面、勤務時間の終わりや私生活との切り分けを設計しないと、長時間労働や費用処理の混乱につながりやすくなります。

似た単語との関係

在宅勤務は職住一体に含まれる場合がありますが、住み込みは待機や呼び出しが発生しやすく、同じ職住一体でも性質がかなり異なります。職住近接は、職住一体とは別概念です。

用語 意味 特徴
職住一体 職場と住まいが同じ場所にある状態 通勤がなくなりやすい一方、仕事と生活の境界が曖昧になりやすい
職住近接 職場の近くに住む状態 通勤しやすいが、職場と住まいは分かれている
在宅勤務 自宅を就業場所として働く形 テレワークの一種で、始業終業や休憩の設計がしやすい
住み込み 施設内や敷地内に居住しながら働く形 呼び出しや待機が入りやすく、労働時間管理が難しくなりやすい
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職住一体の代表的なパターンは?

職住一体には一つの形しかないわけではなく、自宅を仕事場にする型、店舗や事務所に住居を併設する型、施設内に住み込みで働く型など、いくつかの代表的なパターンがあります。

自宅を仕事場にする在宅勤務型

職住一体の中でも広く見られるのが、自宅を就業場所として働く在宅勤務型です。通勤が不要になりやすく、育児や介護と両立しやすい反面、仕事と私生活の切り替えが曖昧になりやすい特徴があります。業務スペースが生活空間と重なるため、通信費や光熱費、家賃などをどこまで業務上の費用として扱うかが論点になりやすく、始業終業や休憩のルールを明確にしないと長時間労働にもつながりやすくなります。

店舗や事務所に住居を併設する併設型

店舗兼住宅や事務所兼住居のように、建物の中で仕事場と住まいが一体になっている形も職住一体の代表例です。小売業、飲食業、士業、個人事業主などで見られやすく、移動時間がかからず、営業時間外にも対応しやすい利点があります。一方で、どこからどこまでが事業用スペースで、どこからが私的スペースかを区切らないと、家賃や水道光熱費修繕費などの経費按分が曖昧になります。来客対応や電話対応が生活時間に入り込みやすい点も注意が必要です。

施設内や敷地内に居住する住み込み型

旅館、介護施設、寮管理、農業、警備などでは、施設内や敷地内に住みながら働く住み込み型の職住一体が見られます。この形は、緊急対応や見回り、呼び出し対応が入りやすく、単なる居住時間と労働時間の区別が難しくなりやすい点が特徴です。待機中に自由な外出ができるのか、呼び出しへの即応が求められているのかによって、労働時間の考え方も変わります。職住一体の中でも、最も労務管理の設計が問われやすいパターンです。

職住一体に適した業種・職種は?

職住一体に向くのは、現場への即応や常駐が業務効率に直結する仕事、または自宅で業務が完結しやすく、成果や労働時間を管理しやすい仕事です。

【在宅勤務型】事務職・総務・ライター・デザイナー・エンジニアなど

職住一体を在宅勤務型で設計しやすいのは、パソコンと通信環境が主な生産手段になる職種です。たとえば、事務職、経理、総務、ライター、デザイナー、エンジニア、カスタマーサポートの一部などは、自宅を就業場所としても業務を進めやすい職種です。この型では、現場常駐よりも、成果の定義、始業終業の管理、連絡体制、情報セキュリティ、記録方法を整えやすいかが適性を左右します。業種そのものより、業務の切り出しや管理方法との相性が大きいです。

【併設型】小売業・飲食業・理美容業・士業・地域密着サービス業など

小売業、飲食業、理美容業、士業、地域密着型サービス業など、店舗や事務所と住居を一体で運営しやすい業態は、併設型の職住一体と相性がよい業種です。来客対応や営業時間への即応がしやすく、移動コストを抑えやすい点が利点です。一方で、家賃、水道光熱費、通信費、修繕費などは、生活費と事業費が混ざりやすくなります。店舗併用住宅型では、向いているかどうかだけでなく、費用区分や経費按分を説明できる状態を最初から整えておくことが前提になります。

【住み込み型】医療・介護・警備・旅館・農業など

医療、介護、警備、旅館、農業など、夜間対応や緊急対応、見回り、利用者対応が発生しやすい業種は、住み込み型の職住一体と結び付きやすい分野です。こうした仕事では、施設内や敷地内に住みながら働くことで、移動時間をなくし、突発対応をしやすくできます。ただし、呼び出しがあれば即時に業務へ入る前提で、自由に労働から離れられない待機は、労働時間とみなされる可能性があります。住み込み型が向いているというより、向かざるを得ない業務特性がある一方で、労働時間管理の難しさも大きい領域です。

職住一体のメリットは?

職住一体のメリットは、通勤時間を減らしやすいことだけではありません。移動や待機にかかる負担を抑えながら、業務への対応速度を上げやすく、働き方によっては固定費の見直しにもつながります。

通勤時間と移動負担を減らしやすい

職住一体の分かりやすい利点は、通勤や移動にかかる時間と負担を減らしやすいことです。自宅を就業場所にする在宅勤務型や、店舗兼住宅、施設内居住のような形では、毎日の移動がほぼ不要になります。その結果、出退勤に使っていた時間を業務準備や休息、家事、育児などに振り分けやすくなります。天候や交通機関の乱れに左右されにくい点も利点です。慢性的に移動負担が大きい職場ほど、このメリットは体感しやすくなります。

現場対応や顧客対応のスピードを上げやすい

職住一体は、業務への即応性を高めやすい働き方でもあります。店舗併設型であれば開店準備や閉店後対応がしやすく、住み込み型であれば夜間の見回りや緊急時対応に入りやすくなります。在宅勤務型でも、通勤を前提にしないぶん、始業前後の時間を柔軟に使いやすくなります。つまり、移動の削減がそのまま対応速度の向上につながる場面では、職住一体の価値が出やすくなります。地域密着型の事業や常駐性が求められる仕事では、この点が導入理由になりやすいです。

働き方の柔軟性を高めやすい

職住一体は、働く場所と暮らす場所を一体で考えられるため、働き方の自由度を高めやすい面もあります。在宅勤務型では育児や介護と両立しやすく、併設型では営業時間や来客状況に合わせた柔軟な運営がしやすくなります。住み込み型でも、業務特性に合えば移動負担を減らしながら働き続けやすくなります。職住一体のメリットは単なる時短ではなく、仕事と生活の組み合わせを調整しやすくなる点にもあります。

職住一体のデメリットは?

職住一体は通勤負担を減らしやすい一方で、仕事と生活の境界が曖昧になりやすく、労務管理や費用処理の難しさが表面化しやすい働き方です。便利そうに見えても、運用ルールを決めないまま始めると、長時間労働、経費処理の混乱、私生活への業務侵入が起こりやすくなります。

仕事と私生活の境界が曖昧になりやすい

職住一体では、職場と住まいが同じ場所にあるため、始業前後や休日にも仕事が入り込みやすくなります。在宅勤務型では、業務連絡への対応が私生活に食い込みやすく、併設型では営業時間外でも来客や電話に対応しやすい状態になりがちです。住み込み型では、呼び出しや見回りが生活時間と重なりやすく、勤務の終わりを意識しにくくなります。通勤がないぶん楽になる面はありますが、その分だけ切り替えの仕組みを作らないと、常に働いている感覚が生まれやすくなります。

労働時間の把握が難しくなりやすい

職住一体では、どこからどこまでが労働時間なのかが曖昧になりやすい点に注意が必要です。とくに住み込み型や施設内待機型では、待機中に自由な外出ができない、呼び出しがあればすぐ対応する前提がある、といった場合に、生活時間ではなく労働時間に近い扱いになる可能性があります。在宅勤務型でも、始業終業や休憩、中抜けの記録方法が曖昧だと、長時間労働や未払い残業の問題につながります。職住一体では、実態に合った勤怠記録と待機時間の整理が欠かせません。

家賃や光熱費などの経費按分が曖昧になりやすい

職住一体では、住居費と事業費が混ざりやすくなります。たとえば、自宅兼事務所や店舗兼住宅では、家賃、水道光熱費、通信費、修繕費などをどこまで業務上の費用として扱うかが問題になります。区分の基準がないまま処理すると、社内説明や税務上の説明が難しくなります。そのため、使用面積、使用時間、業務利用の実態など、按分の根拠を最初から決めておく必要があります。便利さだけで始めると、後から費用処理で迷いやすい点は見落とせません。

職住一体の経費の扱いは?

職住一体では、住居費と事業費が混ざりやすいため、何でも経費にできるわけではありません。判断の軸は、業務に必要な部分を区分できるかどうかです。

家賃や光熱費は事業で使った部分だけを経費にできる

職住一体では、家賃、地代、水道光熱費、通信費、減価償却費などが論点になりやすい経費です。ただし、家事上の経費そのものは必要経費にならず、事業と家事に共通する支出でも、業務の遂行上必要な部分を明らかに区分できる場合だけ、その部分を必要経費にできます。店舗併用住宅や自宅兼事務所では、この考え方が基本になります。

経費按分は面積や使用時間などの根拠で説明できるようにする

職住一体の経費按分は、まず「家事上の費用は必要経費にならない」という前提で考えます。そのうえで、家賃、水道光熱費、通信費のように事業と私生活の両方にまたがる家事関連費は、業務に必要な部分を明確に区分できる場合に限って、その部分だけを必要経費に算入できます。判定は、業務内容、経費の性質、家族構成、店舗併用住宅などの利用状況を総合して行います。

家賃なら事業使用部分の面積割合、水道光熱費なら事業で使う部屋や設備の利用実態、通信費なら業務利用の回線や使用状況など、費目ごとに按分根拠を分けて考える必要があります。なお、「業務上必要な部分」が支出全体の50%を超えるかどうかは一つの判定基準ですが、50%以下でも、業務に必要な部分を帳簿や記録で明確に区分できれば、その区分額を必要経費にできます。

逆に、合理的な区分根拠が示せない場合は、経費計上が認められにくくなります。

参考:家事関連費(第1号関係)|国税庁

領収書だけでなく按分の根拠資料も残しておくことが大切

職住一体の経費処理では、金額の証憑だけでなく、どの基準で按分したかを示す資料も残しておく方が安全です。国税庁は、確定申告書や決算書に記載がなくても、保存している帳簿書類その他の資料で売上原価や費用を明らかにできる場合があるとしています。按分表、間取り図、使用時間の記録などを残しておけば、後から説明しやすくなります。

職住一体の労務管理のポイントは?

職住一体では、通勤がないこと自体よりも、仕事と生活の境界が曖昧になりやすい点が労務管理の中心論点になります。自宅や住み込み先で働く場合でも、労働時間、休憩、休日、割増賃金のルールは変わりません。

始業・終業と休憩のルールを明確にする

職住一体では、いつ仕事が始まり、いつ終わったのかが曖昧になりやすいため、始業時刻と終業時刻を確認し記録する運用が欠かせません。使用者には労働時間を適正に把握する責務があり、これは在宅勤務でも同じです。通常の労働時間制度では、原則として1日8時間、週40時間を超えて働かせてはならず、6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上の休憩も必要です。職住一体では、通勤がないぶん長く働きやすいため、休憩の取り方まで含めて決めておく方が安全です。

待機時間や呼び出し対応の扱いを曖昧にしない

住み込み型や施設内居住型では、待機時間が労働時間に当たるかが大きな争点になります。厚生労働省は、労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と示しており、自由に離脱できず、オンコールのように呼び出しがあれば直ちに対応する前提の待機は、労働時間と判断される余地があります。医療機関などでは宿日直許可が関係する場面もありますが、許可の範囲を超える業務密度なら通常の労働時間管理に戻るため、住み込みだから一律に労働時間外と扱えるわけではありません。

在宅勤務型では記録方法と連絡ルールを決めておく

在宅勤務型の職住一体では、勤務実態を見えにくくしない工夫が必要です。厚生労働省は、始業時と終業時のメールや電話連絡、作業日報の提出、情報通信技術を使った記録などを労働時間管理の方法として示しています。また、テレワーク導入で始業終業時刻など労働条件が変わる場合は、書面で確認しておくことが望ましいとされています。職住一体では、連絡可能時間、時間外対応の承認方法、中抜けや休憩の扱いまで決めておくと、未払い残業や私生活への業務侵入を防ぎやすくなります。

職住一体を導入する前に管理のポイントを整理しよう

職住一体は、職場と住まいを一体化することで通勤負担を減らし、業務への即応性を高めやすい働き方です。事務職やエンジニアなどの在宅勤務型、小売業や飲食業などの併設型、医療・介護・警備などの住み込み型で向き不向きが分かれます。

一方で、仕事と生活の境界が曖昧になりやすく、労働時間管理、待機時間の扱い、家賃や光熱費の経費按分などで運用上の論点が生じます。職住一体を検討する際は、業種との相性だけでなく、勤務実態と費用処理を無理なく管理できるかまで含めて判断することが大切です。


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