- 更新日 : 2026年1月28日
パートの年末調整の書き方は?必要書類や提出期限を過ぎた場合の対処法もう解説
年末調整の時期になると配布される書類で「パートやアルバイトでも書く必要があるの?」「どこに何を書けばいい?」と悩む方は多いものです。
この記事では、パート・アルバイトの方が特に迷いやすい年末調整書類の書き方について、実際の記入ステップから順に解説します。記入例や計算方法はもちろん、還付金が戻る時期や提出期限を過ぎてしまった場合の対処法まで、初心者が迷わず完結できる情報を網羅しました。
また年末調整については、以下の記事でも詳しく必要書類や書き方を解説しているので、あわせて参考にしてください。
目次
パートの年末調整の書き方は?
パート・アルバイトの方が書くべき主な書類は「扶養控除等申告書」「基礎・配偶者・特定親族特別控除申告書」「保険料控除申告書」の3枚です。
自身の状況(独身、主婦・主夫、掛け持ちなど)によって記入量は異なりますが、基本となるこれら3つの書類について、実際の記入フローを解説します。手元に書類とボールペンを用意して進めてください。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方
この書類は、翌年分の扶養状況を会社に伝えるためのものです。基本的に年収や雇用形態を問わず提出が必要な書類で、独身の方も氏名・住所などの記入が必要です。通常は入社時に提出しますが、年末調整までにこの書類の提出がない場合には、年末調整が実施できません。
- ステップ1:基本情報の記入(全員必須)
用紙上部に、自身の「氏名」「住所」「生年月日」「マイナンバー(個人番号)」「世帯主の氏名」「続柄」を記入します。 - ステップ2:源泉控除対象配偶者の記入(A欄)
自身が世帯主で、配偶者(妻や夫)を扶養している場合のみ記入します。- 記入条件:自身の年収が1,095万円以下かつ、配偶者の年収が123万円以下(所得58万円以下)。
- 注意:自身が夫の扶養に入っているパート主婦の場合、ここは空欄です。
- ステップ3:源泉控除対象親族の記入(B欄)
16歳以上の扶養親族(高校生以上の子供や親など)がいる場合に記入します。- 特定扶養親族:19歳以上23歳未満の子供がいる場合、控除額が増えるためチェックを忘れずに。
- 特定親族:令和7年税制改正によって新設された項目です。19歳以上23歳未満で控除対象扶養親族に該当せず、合計所得金額が58万円超かつ123万円以下である親族がいる場合にチェックします。
- ステップ4:16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項)
用紙の一番下にある欄です。中学生以下の子供がいる場合はここに記入します(所得税の計算には影響しませんが、住民税の計算に必要です)。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方は、以下の記事でも解説しています。
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書の書き方
自分自身の所得(年収から経費を引いた額)を申告し、税金の免除額を決める書類です。計算が必要なため、パートの方が最も迷いやすい書類です。
- ステップ1:自身の所得を計算する(基礎控除申告書)
給与所得と給与所得以外の合計額から該当する区分と控除額を割り出します。1,000万円以下であれば、AからCの区分に応じて、58万円から95万円の基礎控除が受けられます。1,000万円超から2,500万円以下は、16万円から58万円が控除額となり、2,500万円を超えると基礎控除額がゼロとなります。 - ステップ2:配偶者の情報を記入する(配偶者控除等申告書)
自身が配偶者を扶養する場合のみ記入します。基礎控除申告書で計算した区分がAからCに該当しない場合(合計所得1,000万円超)は、配偶者(特別)控除を受けることができません。- 注意:自身が夫(または妻)の扶養に入っている側であれば、この「配偶者控除等申告書」の欄には何も書きません。あくまで「申請者本人が控除を受けるため」の欄だからです。
- ステップ3:特定親族の情報を記入する(特定親族特別控除申告書)
令和7年税制改正によって新たに特定親族特別控除が創設されました。年齢が19歳以上23歳未満で、合計所得金額が58万円超123万円以下の特定親族がいれば、最大63万円の控除が受けられます。条件を満たす親族がいる場合には、忘れずに記入しましょう。
保険料控除申告書の書き方
生命保険や地震保険に加入しており、自分で保険料を支払っている場合に提出します。
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パートの年末調整で必要な書類とは?
会社から配布される申告書に加え、該当者は「控除証明書」や「前職の源泉徴収票」の原本提出が必要です。
年末調整の書類は、「会社が用意してくれるもの」と「自分で用意して添付するもの」の2種類があります。スムーズに手続きを終えるために、以下のリストに沿って準備を進めてください。
該当者のみ提出が必要な書類(添付書類)
これらは申告書の裏面などに貼り付けて提出する重要書類です。紛失している場合は、早急に再発行の手配をしてください。
- 生命保険料・地震保険料控除証明書
- 10月〜11月頃に自宅へハガキや封書で届きます。
- 国民年金保険料控除証明書
- 給与天引きではなく、自分で納付した場合に必要です。
- 前職の源泉徴収票
- 今年の途中で入社し、前の会社で給与を受け取っていた場合に必要です。これがないと現在の会社で年末調整ができません。
書類記入に必要なもの(道具・情報)
書類を書くために手元に用意すべきアイテムです。
- 会社から配布された申告書用紙
- 扶養控除等申告書など、氏名が印字されている場合もあります。
- マイナンバー(個人番号)カードまたは通知カード
- 本人だけでなく、扶養親族の分も必要になる場合があります。
- 筆記用具
- 消せるボールペン(フリクション等)は不可です。必ず黒のボールペンを使用してください。
パートの年末調整の書き方で注意するべき点は?
最も注意すべきは「収入(額面)」と「所得」の混同です。また、掛け持ちをしている場合の提出先選びや、書き損じの訂正ルールにも気をつけましょう。
書類不備があると、還付金の受け取りが遅れたり、再提出の手間が発生したりします。パート・アルバイトの方が間違いやすい4つのポイントを解説します。
「収入」と「所得」の違いと年収の壁について理解する
書類に記入する「所得」とは、手取り額や総支給額そのものではありません。
多くの欄で求められるのは「所得金額」です。これを間違えると配偶者控除の判定などが正しく行われません。以下の計算式と早見表を使って、正しい数字を記入してください。
【収入と所得の換算早見表(パート・アルバイト版)】
| 年収(額面) | 書類に書く「所得金額」 | 備考 |
|---|---|---|
| 123万円 | 58万円 | 税法上の扶養親族となるボーダーライン |
| 110万円 | 45万円 | 住民税がかかる・かからないの目安付近 |
| 130万円 | 75万円 | 社会保険の扶養が外れるライン |
書き間違えた時に適切な対応をする
記入ミスをした場合、修正液や修正テープの使用は厳禁です。
公的な申告書であるため、痕跡が残らない修正方法は認められていません。以下の手順で訂正してください。
- 間違えた箇所に二重線を引く。
- その余白や上部に正しい内容を書く。
- 訂正印について:近年の押印廃止の流れにより不要なケースが増えていますが、会社の運用ルールによります。迷ったら自己判断せず人事担当者に確認してください。
掛け持ち(ダブルワーク)の場合は「メインの1社」のみ提出する
年末調整ができるのは、1人につき1社(メインの勤務先)だけです。2社以上に提出してはいけません。
パートを掛け持ちしている場合、「扶養控除等(異動)申告書」を提出しているメインの勤務先でのみ年末調整を行います。
- メインの勤務先:年末調整を行う。
- サブの勤務先:年末調整はできない。源泉徴収票をもらい、自分で確定申告を行って税金を精算する。
誤って両方の会社で年末調整をしてしまうと、税金の控除が重複し、後から追徴課税(税金の追加払い)が発生する原因となります。
住所は「翌年1月1日時点」の住所を書く
年末調整の書類に書く住所は、原則として「住民票がある住所」かつ「翌年の1月1日に住んでいる予定の住所」です。
これは、来年度の住民税をどの自治体に納めるかを判断するためです。
もし、年明け早々に引越しの予定がある場合は、現住所を書くべきか新住所を書くべきか、会社の担当者に相談してください(一般的には1月1日に居住している場所を優先します)。
そもそもパートでも年末調整は必要?
勤務先に「扶養控除等申告書」を提出しており、12月時点で在籍しているパート・アルバイトは、原則として年末調整の対象となります。
「パートだから関係ない」というのは誤解です。月々の給料から引かれた所得税の過不足を精算し、払いすぎた税金を取り戻す(還付される)重要な手続きです。
対象になる人・ならない人
自分が対象かどうかは、以下の表で確認してください。
| 区分 | 具体的な条件 | 対応 |
|---|---|---|
| 対象になる人 |
| 書類の提出が必要 |
| 対象にならない人 |
| 確定申告が必要 |
2か所以上で働いている場合、年末調整を受けられるのは「メインの1社」のみです。収入が多い方で行います。もう片方の収入は、自分で確定申告をして合算します。
年末調整で還付金が戻る時期や金額の目安は?
多くのパート・アルバイトの方は、毎月の給与から天引きされすぎていた所得税が戻ってきます(還付金)。その具体的な時期や金額の相場について解説します。
1. 12月または1月の給与と一緒に振り込まれるのが一般的
還付金は、12月または1月の給与と一緒に振り込まれます。年末調整の結果は、給与明細に反映される形で確認できます。
- 年内処理の場合:12月の給与明細に「年末調整還付金」などの項目でプラスされます。
- 年明け処理の場合:1月の給与に含まれる場合もあります。
いつ振り込まれるかは会社の給与計算のスケジュールによるため、気になる場合は人事担当者に確認してみましょう。
2. 目安は数千円から1万円程度だが戻らないケースもある
年収や保険料の支払い額によりますが、数千円〜1万円程度が戻ってくるケースが多いです。 年末調整では、生命保険料控除や基礎控除などを適用して正確な税額を計算し直します。毎月の給与から概算で引かれていた税額との差額が返金されます。
- 戻る人:毎月の給与から所得税が引かれており、かつ生命保険料などの控除がある人。
- 戻らない(0円)人:年収が160万円以下で、源泉徴収されていない人。
年末調整の提出期限を過ぎてしまった場合の対処法は?
会社の提出期限に間に合わなかった場合でも、あきらめる必要はありません。会社での処理が難しくても、自分で手続きをすれば税金は戻ってきます。 「出し忘れていた」「書類が見つからなかった」等の理由で期限を過ぎてしまった場合の対応手順を解説します。
1月中旬頃までならまずは会社へ可否を相談する
まだ1月中旬以前であれば、会社の事務処理が完了していない可能性があります。 会社の担当者に「今からでも提出して間に合いますか?」とすぐに確認してください。会社によっては、1月末の法定調書提出期限に向けて処理を進めているため、受け付けてくれる場合があります。
会社で処理できない場合は自分で還付申告を行う
会社での年末調整が終わってしまった場合は、自分で税務署へ申告することで解決できます。
- 会社から「源泉徴収票」をもらう
- 1月下旬頃に会社から発行されます。「年末調整未済(していない)」という記載があっても問題ありません。
- 自分で税務署に行き「還付申告(確定申告)」を行う
- スマホやパソコン(e-Tax)でも手続き可能です。
- 還付申告は5年間さかのぼって行えます。「期限を過ぎたからもうダメだ」と放置せず、自分で手続きを行えば払いすぎた税金は確実に戻ってきます。
パートの年末調整を正しく完了させて還付金を受け取ろう
パート・アルバイトの方の年末調整は、複雑に見えますが、ポイントさえ押さえれば決して難しいものではありません。
まずは最も重要な「扶養控除等申告書」の基本情報を確実に埋め、基礎控除申告書では合計所得に応じた控除額を確認しましょう。
特に注意したいのは、掛け持ちをしている場合はメインの勤務先1社のみに提出することです。また、万が一会社の提出期限に間に合わなかった場合でも、あきらめずに自分で還付申告を行えば税金が戻ってくることを覚えておいてください。
年末調整は、正しく申告することで払いすぎた税金が還付される大切な手続きです。記入漏れや添付忘れがないよう、提出前にもう一度チェックを行いましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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