• 作成日 : 2026年10月21日

法務専任がいない組織の契約管理を10問でチェック|自社の弱点と改善の優先順位

「契約書はきちんと管理できているはず」と思っていても、いざ確認しようとすると「どこに保管されているか分からない」「更新期限を担当者に確認しないと把握できない」といったことはないでしょうか。

日々の業務が問題なく回っていると、自社の契約管理にどの程度のリスクがあるのかを客観的に把握するのは難しいものです。特に、契約書の保管や更新、検索、引き継ぎなどを担当者の経験や記憶に頼っている場合、担当者の異動・退職をきっかけに課題が表面化することもあります。

そこで本記事では、10問のセルフチェックを通じて、自社の契約管理にどのような弱点があるのかを確認する方法を紹介します。さらに、チェック結果をもとに改善すべき課題を整理し、「重要度×発生頻度」の2軸で改善の優先順位を決める手順まで解説します。まずは自社の契約管理を客観的に見直すところから始めてみましょう。

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まずは10問。自社の契約管理リスクをセルフチェック

「契約書はきちんと管理できている」と思っていても、担当者が変わったときや過去の契約書を急きょ確認する必要が生じた際に、「どこにあるか分からない」「確認に時間がかかる」といった事態に直面することはないでしょうか。

契約管理のリスクは、承認・締結だけでなく、保管・更新・検索・引き継ぎなど、契約業務のあらゆるプロセスに潜んでいます。日常業務では表面化していなくても、担当者の経験や記憶に依存している部分があれば、予期せぬタイミングで大きなトラブルに発展しかねません。

そこで、まずは以下の10項目をチェックし、自社の契約管理にどのような弱点やリスクがあるのかを確認してみましょう。

No チェック項目 確認すること 判定
1 承認 契約締結前の承認ルートが明確になっているか YES / NO
2 締結 誰がどの契約を締結できるのか決まっているか YES / NO
3 保管 締結済みの契約書を一元的に保管できているか YES / NO
4 更新 契約の更新・終了に必要な手続きを把握できているか YES / NO
5 権限 契約書を閲覧・操作できる人を適切に管理できているか YES / NO
6 検索 必要な契約書をすぐに検索・確認できるか YES / NO
7 バージョン 最新版と過去の契約書を区別して管理できているか YES / NO
8 交渉履歴 契約条件の変更経緯ややり取りを確認できるか YES / NO
9 期限 契約期限や更新期限を担当者以外も把握できるか YES / NO
10 退職対応 担当者の異動・退職後も契約業務を継続できるか YES / NO
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診断結果は「全体の見直し度合い」と「弱点」の2つで見る

10項目のチェックが終わったら、診断結果を「契約管理全体でどの程度見直しが必要か」と「自社のどこに弱点があるか」の2つの視点から確認しましょう。

NOの数だけで判断せず、どの項目に課題があるのかまで把握することが、実効性のある業務改善につながります。

NOの総数から、見直しが必要な範囲を把握する

まずは、10項目のうちいくつNOがあるかを確認します。NOの数が多いほど、契約業務の複数の場面で見直しが必要な状態といえます。

ただし、NOの数だけでリスクの大きさは判断できません。たとえNOが1〜2個と少なくても、事業への影響が大きい項目に課題があれば、優先的に対応する必要があります。

NOになった項目から、自社の弱い領域を確認する

次に、NOになった設問を「①承認・権限」「②期限・更新」「③保管・検索・履歴」「④属人化・引き継ぎ」の4領域に整理し、自社の課題がどこに偏っているかを特定します。

たとえば「期限・更新」にNOがあれば、契約期限や更新手続きの管理方法に改善の余地があります。「何項目NOだったか」だけでなく「何ができていないのか」まで把握することで、次に打つべき具体策が見えてきます。

改善するなら「重要度×発生頻度」で優先順位を決める

セルフチェックで複数の課題が見つかった場合、すべてを同時に改善しようとすると現場の負担が大きくなります。そこで、それぞれの課題を「重要度」と「発生頻度」の2軸で整理し、着手すべきかを判断することが重要です。

すべての課題を一度に解決しようとしない

契約管理には、承認・締結、期限・更新、保管・検索、引き継ぎなど、さまざまな業務が関係します。そのため、NOが複数あったからといって、すべてを一度に見直そうとすると担当者の負担が大きくなり、かえって改善が進みにくくなるおそれがあります。

まずは「その課題を放置した場合、事業にどの程度の影響があるか」「その課題がどの程度の頻度で発生するか」という2つの視点で整理し、優先順位をつけて取り組みましょう。

事業への影響と発生頻度を、自社の状況に合わせて判断する

たとえば、契約期限の管理が不十分で、更新漏れが取引や事業に大きな支障をきたすのであれば、改善の優先順位は高くなります。一方、契約書の検索に多少時間がかかっていても、事業への影響が限定的であれば、後回しにするという判断も可能です。

承認権限や契約期限・更新、契約書の所在・最新版なども、契約件数や取引内容、現在の運用によって重要度や発生頻度は異なります。「自社では、どの課題を放置すると影響が大きいか」という視点から、改善の順番を決めることが大切です。

セルフチェックの結果を「社内への改善提案」に変える

契約管理の改善を進めるには、担当者自身が課題意識を持つだけでなく、経営層や上司に対しても「なぜ今、見直す必要があるのか」を納得してもらうことが欠かせません。そこで、セルフチェックの結果を、社内で現状とリスクを共有するための材料として活用してみましょう。

「契約管理が大変」ではなく、チェック結果をもとに具体的に伝える

「契約管理が大変」「担当者の負担が大きい」と伝えるだけでは、社内で改善の優先度や必要性を理解してもらうのは難しいでしょう。

たとえば「10項目中4項目がNOで、期限・更新に課題がある。更新漏れが発生した場合の事業への影響も大きいため、まずは契約期限の管理方法を見直したい」と具体的に整理します。このように「現状→リスク→優先課題→改善策」という流れで伝えることで、説得力のある提案につながります。

「何を改善するか」まで決めてからツールを検討する

改善策を検討する際も、いきなり「ツールを導入したい」と提案するのではなく、まずは「どの業務を仕組み化すればリスクを減らせるのか」を社内で合意形成することが大切です。

セルフチェックは、NOの数を確認して終わりではありません。自社の契約管理について共通認識をつくり、優先して改善すべき課題を社内で共有するための材料として活用しましょう。

「人が覚えている状態」から「仕組みで回る状態」へ

契約管理で目指したいのは、担当者の経験や記憶に頼るのではなく、誰が担当しても安定して業務を進められる状態です。

担当者が変わっても、契約管理が止まらない

たとえば、次のような状態をつくることで、特定の担当者への依存を減らせます。

【要差し替え:図】ここに「担当者が変わっても、契約管理が止まらない状態を示す図」をWordPressでアップロードした画像に差し替えてください。

こうした状態は、担当者一人ひとりの注意や努力だけでは維持しにくいものです。セルフチェックで見つかった弱点をもとに、「どの業務を仕組み化すれば担当者が変わっても同じ品質で管理できるのか」を考えることが、継続的なリスク低減につながります。

契約管理を仕組み化するなら「マネーフォワード クラウド契約」

ここまで見てきたように、契約管理の改善は、単に契約書を保管するだけでは不十分です。自社で見つかった弱点に合わせて、契約業務を継続的に回せる仕組みへと変えていく必要があります。

その有効な選択肢の一つとして活用できるのが、マネーフォワード クラウド契約です。たとえば、セルフチェックで保管・検索に課題があれば契約情報の一元管理を、期限・更新に課題があれば契約期限を仕組みで管理するなど、自社の課題に合わせて管理体制を段階的に整えられます。

重要なのは、ツールの導入自体を目的にしないことです。セルフチェックで明らかになったリスクを起点に「どの業務を、どのように仕組み化すれば、担当者が変わっても安定して管理できるか」という視点で検討することが、契約管理の継続的な改善につながります。

まとめ

契約管理の改善は、まず自社の現状を把握することから始まります。10問のセルフチェックで見直しが必要な項目や自社の弱点を確認し、「重要度×発生頻度」で改善の優先順位を決めましょう。

担当者の経験や記憶に頼る運用から脱却し、誰が担当しても安定して契約情報を管理できる仕組みを整えることが、属人化を防ぎ、継続的なリスク低減につながります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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