- 更新日 : 2024年10月17日
郵送に必要な切手代はいくら?郵便料金や差額切手の貼り方を解説
2024年10月1日より郵便料金が値上げされる点に注意が必要です。たとえば、定形郵便は84円・94円から110円に上がります。
そこで、今まで請求書や領収書を取引先に郵送していた企業や個人事業主は、コストの負担を覚悟しなければなりません。本記事では新たな郵便料金・切手代の額や、値上げへの対策について解説します。
目次
郵便料金・切手代はいくらになる?【2024年10月1日より値上げ】
2024年10月1日から変わる郵便の新料金とは、日本郵便が郵便サービスの安定的な提供を維持するために発表した、郵便料金の値上げのことです。定形郵便物や通常はがき、定形外郵便物(規格内)などの料金が、値上がりします。
以下に、旧料金(〜2024年9月30日)と新料金(2024年10月1日〜)の違いをまとめました。
| 種類 | 重量 | 旧料金 | 新料金 |
|---|---|---|---|
| 定形郵便物 | 25g以内 | 84円 | 110円 |
| 50g以内 | 94円 | ||
| 通常はがき | 63円 | 85円 | |
| 定形外郵便物 規格内 (長辺34cm以内、 短辺25cm以内、 厚さ3cm以内、 重量1kg以内) | 50g以内 | 120円 | 140円 |
| 100g以内 | 140円 | 180円 | |
| 150g以内 | 210円 | 270円 | |
| 250g以内 | 250円 | 320円 | |
| 500g以内 | 390円 | 510円 | |
| 1kg以内 | 580円 | 750円 | |
| 速達 | 250g以内 | 260円 | 300円 |
| 1kg以内 | 350円 | 400円 | |
| 4kg以内 | 600円 | 690円 | |
| 特定記録郵便 | 160円 | 210円 | |
| 一般書留および現金書留 | 480円 | ||
| 簡易書留 | 350円 | ||
| レターパックプラス | 520円 | 600円 | |
| レターパックライト | 370円 | 430円 | |
| スマートレター | 180円 | 210円 | |
【参考】2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります|日本郵政グループ
封筒に貼る切手代も高くなるため、請求書を郵送する場面などで事業者が負担するコストが増加するでしょう。
新郵便料金で定形郵便は何枚まで送れる?
定形郵便とは、決められたサイズ・重さに収まる範囲の郵便のことです。郵便局は、縦14cm×横9cm以上かつ縦23.5cm×横12cm×厚さ1cm以内で、重さ50g以内の郵便物を定形郵便物と定義しています。
従来は重さが25g以内か、25g超50g以内かで定形郵便物の郵便料金が異なりました。しかし、2024年10月1日以降はいずれの場合も110円に統一されます。
ここから、定形郵便物を送るケース(50g以内)で、A4用紙・B5用紙を何枚まで送れるか、それぞれ確認していきましょう。
A4用紙の場合
定形郵便物には、長形3号の封筒(重さ目安5〜6g)を使用できます。そこで、封筒の重さを5g、A4用紙の重さを4gと仮定して考えてみましょう。
この場合、計算上は定形郵便物にA4用紙を11枚まで入れられます(合計49gで50g以内)。ただし、封筒や用紙の種類によって異なるため、実際は11枚未満に抑えた方が無難です。
また、定形郵便物には厚さにも制限があること(1cm以内)、クリアファイル(目安20〜25g)を入れる場合はさらに重くなることなどにも注意しなければなりません。
B5用紙の場合
A4用紙よりも小さく軽い分、B5用紙の方が入れられる枚数は多いです。封筒の重さを5g、B5用紙の重さを3.5gと想定すると、計算上はB5用紙12枚まで入れられます(合計47gで50g以内)。
なお、A4用紙の場合と同様、封筒や用紙の種類によって重さが異なる点、クリアファイルを使用するとさらに重くなる点などを考慮し、実際は12枚未満に抑えた方がよいでしょう。
封筒に差額の切手・郵便料金を貼るには?
定形郵便物の料金は新たに110円に値上がりするため、今まで使っていた84円切手や94円切手では、新料金に対応できません。会社にある切手を使い切るためには、84円切手や94円切手に差額分の切手を加える必要があります。
ここから、封筒に切手を貼る位置や順番、複数枚貼る際の注意点について確認していきましょう。
封筒に切手を貼る位置・順番
郵便局は、機械でスムーズかつ正確に仕分けるために、切手を「基本的に縦長にしたときに左上になる位置」に貼ることを求めています。とくに横長の封筒を使用する場合は、誤ってそのまま左上に貼らないよう注意が必要です。
また、複数枚切手を使用する場合は、一般的に金額の高いものを上に貼ります。
切手を複数枚貼る場合の注意点
切手を貼る枚数について、制限はありません。そのため、必要な金額にあわせて何枚でも切手を貼付可能です。
しかし、何枚も切手が貼られた封筒を受け取った相手は「余ったものの寄せ集めで送ったのでは?」と不快に感じる可能性があります。相手に悪い印象を与えないためにも、貼る枚数は常識の範囲内にとどめることが大切です。
【参考】切手のマナー|日本郵政グループ
封筒に貼った切手・郵便料金が不足していた場合
封筒に貼った切手・郵便料金が不足していた場合、以下いずれかの方法がとられます。
- 受取人に届く前に差出人に返送される
- 受取人が郵便を受け取り、不足額を支払う
- 受取人が不在の場合、支払いを拒否した場合は差出人に返送される
万が一受取人に不足分を支払わせると、失礼な印象を与えかねません。とくに、郵便料金値上げ前後は不足が発生しやすいため、十分に注意しましょう。
なお、郵便差出箱に投かんされた場合は差出日を特定できないため、10月1日(火)の最先便までに取集した郵便物について適用されるのは旧料金です。一方、窓口の場合は差出日を特定できるため、10月1日(火)0時以降に差し出されたものから新料金が適用されます。
封筒に貼った切手・郵便料金が多い場合
料金を支払ってから1年以内であれば、過払料金の返還請求をすることで以下いずれかの方法で返還してもらえます(過払額が100円以上の場合は、郵便切手か郵便はがき)。
- 現金
- 郵便切手
- 郵便はがき
2024年9月中に郵便物を差し出す際、誤って新料金分の郵便切手を貼ってしまった場合も同様に手続きができます。
なお、手続きの際は当該郵便物や差出人本人であることを確認できる書類(例:運転免許証)が必要です。
切手代・郵便料金の値上げに伴う年間コストは?
2024年10月の郵便料金値上げに伴い、定形郵便物は1通84円(もしくは94円)から、110円に変更となるため、およそ17〜31%(1通につき26円もしくは18円増)値上がりすることになります。ここで、取引先を100社抱えていて、年間1,200枚(100社 × 12か月)の請求書を発行していると想定し、年間の費用をシミュレーションしてみましょう。
請求書は1年間にまとめて発行せず、基本的に毎月発行するため、1,200枚を別々に郵送しなければなりません。そのため、新料金ではおよそ13万2,000円のコストがかかります。
旧料金(84円で計算)の場合はおよそ10万1,000円かかっていたことを踏まえると、この会社は郵便料金値上げにより31,000円程度コスト負担が増えるでしょう。
切手代・郵便料金の値上げに対する事業者の対策例
事業者は、電子化を進めて郵便物を減らすことにより、切手代・郵便料金の値上げに備えられる場合があります。電子化による対策の具体例は、以下のとおりです。
- PDFで請求書を発行してメール送信
- 電子請求書発行システムを導入する
それぞれ解説します。
PDFで請求書を発行してメール送信
今まで郵便で送付していた請求書などを、PDFにしてメールで送信することで、切手代を節約できます。特別なツールやサービスを導入しなくてもすぐに始められる点が、この方法のメリットです。
ただし、誤送信・誤入力に注意しなければなりません。万が一誤って別の会社に請求書を送ると、取引先からの信頼を損なったり、取引先に迷惑を与えたりする可能性があります。
電子請求書発行システムを導入する
電子請求書発行システムを導入して、郵送コスト・印刷コストを節約する方法もあります。
電子請求書発行システムとは、請求書を電子データ化して、クラウド上でやり取りするシステムのことです。電子請求書発行システムを導入すれば、郵送だけでなく電子メール送信の手間も省けます。
一方で、システムの導入に費用がかかる点に注意が必要です。また、従業員が使いこなせるようになるには、ある程度時間を要するでしょう。
郵便に役立つ送付状・請求書・領収書などテンプレート一覧-無料ダウンロード
郵便に添える送付状や実務で役立つ請求書・見積書などのテンプレートを無料でダウンロードいただけます。
内容に合わせてカスタマイズしながらお使いください
郵便料金値上げに伴い切手代のコストが上昇
2024年10月1日より、郵便料金・切手代が値上がりします。たとえば、定形郵便は従来の84円(94円)から110円まで値上がりするため、費用がかさむでしょう。
とくに、請求書の発送件数が多い事業者は、コストが重くのしかかる可能性があります。そこで、あらかじめ、電子化などの対策も検討しておくことが大切です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
インボイス制度 徹底解説(2024/10最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
電子帳簿保存法 徹底解説(2024/10最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
こんな場合どうする?インボイス制度の実務対応から見えた落とし穴
インボイス制度が始まり、実務上の課題や見落としていたポイントへの対応にお困りのご担当者様も多いのではないでしょうか?
「グループ子会社への立替請求」や「消費税申告準備」など、「こういう場合ってどうするの?」への対応策をご紹介いたします。
請求書発行・送付・入金消込サービスガイド
法改正に対応し、請求書関連業務を効率化するマネーフォワード クラウドの3つのプロダクトをご紹介をしています。
サービス導入を検討されている方にぜひご覧いただきたい資料です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
信書の郵便料金はいくら?値上げの影響や送り方を解説
信書の具体例は、切手を貼った手紙やはがきなどの書状や請求書・契約書、履歴書などです。郵便法により、一部のサービスでは信書を送付できません。 信書を送れる定形・定形外郵便物やレターパック、スマートレターは2024年10月より値上げ予定です。本…
詳しくみる請求書の電子化・ペーパーレス化のメリットとは?保存要件や注意点も解説
最近では、請求書を紙に印刷したものを取引先に郵送せず、電子化された請求書でやり取りを行う企業が増えています。 また、e-文書法や電子帳簿保存法の施行により、電子化(電子データ)による保存が認められた書類の中に請求書も含まれています。そのため…
詳しくみるAI-OCRで請求書をデータ化する方法は?メリットやおすすめのサービスも
OCR(光学文字認識機能)という技術は従来もありましたが、近年のAIの発達により「AI-OCR」という新たなOCR技術が注目されています。今回は「AI-OCR」を使って書面の請求書をデータ化するメリットやおすすめのサービスについて解説します…
詳しくみる税理士の請求書の書き方
国家資格である税理士は、税理士試験に合格するなど一定の資格を得たうえで、日本税理士会連合会に備える税理士名簿に登録を受けてなることができます。税理士は、税務代理、税務署類の作成、税務相談、e-Taxの代理送信、その他各種税務相談などといった…
詳しくみるインストラクターの請求書の書き方を解説!テンプレートも
インストラクターという職業は、近年、より専門的な知識を持った指導者を意味するようになりました。それにしたがって、事業としてその指導力を求められることも多くなり、金銭授受の場面も増えることになります。 独立してインストラクターとして活動してい…
詳しくみる委託販売の請求書の書き方・委託販売精算書のテンプレート
委託販売とは、商品の所有権を持つ事業者(委託販売者)が、別の事業者(受託販売者)に商品の販売を委託するビジネスモデルです。受託販売者は売上を委託販売者に報告し、販売を代行した手数料(販売手数料)を委託販売者から受け取ります。 メーカーや商社…
詳しくみる


