• 更新日 : 2026年5月11日

バーチャルオフィスで東京に法人登記するには?費用や注意点を解説

Point東京のバーチャルオフィスで法人登記するには?

都心の住所で取引先の信頼を得られやすいメリットを生かして、東京都心の住所で月額数千円から法人登記できます。

  • バーチャルオフィスを契約し住所を確定する
  • 東京法務局へ設立登記を申請する
  • 法人口座開設に必要な書類を準備する

業種によっては許認可要件を所管官庁に確認する必要があります。

バーチャルオフィスの住所で東京に法人登記することは、法律上まったく問題ありません。商業登記法には物理的なオフィスを求める規定はなく、渋谷・銀座・新宿といった東京都心の住所を月額数千円から利用できます。本記事では、東京でバーチャルオフィスを使って法人登記する手順・費用の目安・法人口座開設の注意点を整理します。

目次

バーチャルオフィスで法人登記はできる?

バーチャルオフィスの住所で法人登記することは、商業登記法上まったく問題ありません。物理的なオフィスの有無を問う規定はなく、東京都内だけでも数千社がバーチャルオフィスの住所で法人登記を行っています。

犯罪収益移転防止法の本人確認をクリアする

バーチャルオフィスの契約時には、犯罪収益移転防止法(犯収法)にもとづく本人確認が求められます。マネーロンダリングや詐欺などの犯罪利用を防ぐための仕組みで、信頼できる運営会社であれば必ず実施しています。

提出を求められる主な書類は以下のとおりです。

  • 運転免許証・パスポートなど顔写真付き身分証明書
  • 住民票の写し(発行から3か月以内)
  • 法人の場合は登記事項証明書(設立前なら定款の写し)

本人確認を省略している業者は法令違反の疑いがあります。契約前に身元確認を適切に行っているかを確認しておくと、後々のトラブルを避けられます。

参照:改正犯罪収益移転防止法|金融庁

同一住所・同一商号は登記できない

バーチャルオフィスでは複数の企業が同じ住所を共有します。すでに同じ商号(会社名)が同一住所で登記されている場合は、申請が却下されます。例えば「株式会社ABC」という名前で登記しようとしても、同じバーチャルオフィスの住所に既存の「株式会社ABC」があれば受け付けてもらえません。

法務局の「登記情報提供サービス」で商号の重複を事前に確認しておくと安心です。

参照:登記情報提供制度の概要について|法務省

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東京のバーチャルオフィスで登記するメリットは?

東京のバーチャルオフィスで法人登記する最大の利点は、渋谷・銀座・新宿・丸の内といった都心一等地の住所を月額数千円から利用できる点です。賃貸オフィスの10分の1以下のコストで一等地の住所を活用できます。

都心の住所で取引先の信頼を得やすい

名刺やWebサイトに「東京都渋谷区」「東京都中央区銀座」と記載できると、取引先や顧客に与える印象は大きく変わります。BtoB取引では、本社所在地が与信判断の一要素になることも珍しくありません。

地方在住のフリーランスが法人化する際、東京の住所で登記するだけで都内企業からの案件獲得に有利に働くケースがあります。「どこに本社があるか」がビジネスの信用シグナルとして機能している現実は、特に東京集中型の業界では顕著です。

自宅住所を公開せずプライバシーを守れる

法人の本店所在地の情報は誰でも閲覧できます。自宅住所を本店住所として登記すると、法人番号検索サイトや登記事項証明書を通じて住所が第三者に知られるリスクがあります。バーチャルオフィスを利用すれば、自宅の住所を公開せずに済みます。

ひとり起業やフリーランスの法人化では、プライバシー保護の観点からバーチャルオフィスを選ぶ方が増えています。

固定費を大幅に抑えられる

東京都心で物理的な賃貸オフィスを借りると、小規模なワンルームでも月額10万円以上かかるのが一般的です。バーチャルオフィスなら月額500円〜5,000円程度で住所を利用でき、年間の固定費削減効果は大きくなります。創業期は売上が安定しないため、固定費を抑えることが資金繰りの安定につながります。

項目 賃貸オフィス(都心) バーチャルオフィス
月額費用 10万〜30万円 500〜5,000円
初期費用(敷金・保証金) 賃料の3〜6か月分 入会金0〜1万円程度
光熱費・通信費 月1万〜3万円 なし

バーチャルオフィス登記の注意点は?

バーチャルオフィスでの法人登記にはメリットが多い一方、法人口座の開設と業種制限には事前の確認が欠かせません。知らずに進めると登記後に困るケースがあるため、あらかじめ把握しておきましょう。

法人口座の審査が厳しくなりやすい

バーチャルオフィスの住所で法人口座を開設しようとすると、メガバンクを中心に審査が厳しくなる傾向があります。銀行側は「実態のある事業かどうか」を慎重に見極めるため、バーチャルオフィス=事業実態がないと判断されやすい側面があります。

設立直後に事業計画書や事業内容の説明が不十分なまま申し込むと、審査に通らないケースが多くなります。バーチャルオフィスであることが主原因ですが、事業の実態を示す書類により開設できる可能性があります。対策については後述の「バーチャルオフィス登記後の法人口座開設を成功させるには?」で詳しく解説します。

士業や人材派遣業は利用できない場合がある

業種によっては、バーチャルオフィスの住所では許認可が取得できないケースがあります。主な例は以下のとおりです。

  • 建設業:営業所の要件あり
  • 士業(弁護士・税理士・司法書士など):各士業会の規定で事務所要件がある
  • 古物商:営業所の実態確認が必要(ほとんどの自治体ではバーチャルオフィス不可)

これらの業種で起業する場合は、レンタルオフィスやシェアオフィスなど、専有スペースを確保できるサービスを選ぶ必要があります。必要な許認可の要件は、所管官庁に確認しておきましょう。

参照:労働者派遣事業の許可申請について|厚生労働省

郵便物の転送にタイムラグが生じる

バーチャルオフィス宛に届いた郵便物は、運営会社がまとめて転送します。転送頻度はサービスによって週1回〜月1回と差があり、届くまで数日〜1週間以上かかることも少なくありません。

税務署や年金事務所からの通知は支払や返送の期限付きのものが多く、転送の遅れが対応の遅延につながるリスクがあります。契約前に即日転送オプションの有無や追加料金を確認しておくと安心でしょう。

東京のバーチャルオフィスの選び方は?

東京のバーチャルオフィスを選ぶ際は、住所エリア・月額費用・郵便転送頻度・運営会社の安定性・付帯サービスを軸に比較すると選びやすくなります。料金の安さだけで決めると後悔するケースもあるため、複数の観点で絞り込みましょう。

エリア・月額費用・郵便転送頻度を比較する

東京都内のバーチャルオフィスは、渋谷・新宿・銀座・丸の内など、エリアによって印象と費用が異なります。ブランド力が高いエリアほど月額費用が上がる傾向があるため、事業の性質に合ったエリアを選ぶことが大切です。

プラン例 月額費用 郵便転送頻度
格安プラン 500〜1,000円 月1回(追加転送は有料)
標準プラン 2,000〜3,000円 週1回
充実プラン 4,000〜5,000円 週2回〜即日対応

郵便物の受取頻度が多い法人は、週1回以上の転送が含まれるプランを選ぶとトータルコストを抑えられます。

運営歴や口コミで信頼性を確認する

バーチャルオフィスの運営会社が突然廃業すると、登記住所の変更手続きが必要になります。本店移転登記には登録免許税(同一管轄内3万円、管轄外6万円)がかかるため、運営の安定性は見逃せないポイントです。

信頼性を見極める際は、以下のチェックリストを活用してください。

  • 運営歴が5年以上あるか
  • 利用者数や導入企業数を公開しているか
  • 犯罪収益移転防止法に準拠した本人確認を行っているか
  • GoogleマップやSNSでの口コミ評価を確認したか
  • 問い合わせ時の対応スピードや質に問題はなかったか

付帯サービスの充実度で差がつく

住所利用だけでなく、電話転送・会議室利用・来客対応などの付帯サービスが充実しているかもチェックしましょう。取引先との打ち合わせが頻繁にある場合、会議室を時間単位で借りられるバーチャルオフィスを選ぶと便利です。

完全リモートワークで対面ミーティングがほぼない場合は、住所利用と郵便転送に特化したシンプルなプランでコストを抑えるのがよいでしょう。

東京でバーチャルオフィスを使った法人登記の手順は?

バーチャルオフィスを使った東京での法人登記は、契約から登記完了まで最短2〜3週間で進められます。手順は大きく5つのステップに分かれます。

ステップ1:バーチャルオフィスを選定・契約し住所を確定する

最初に行うべきは、バーチャルオフィスの契約と住所の確定です。定款には本店所在地を記載する必要があるため、住所が決まらなければ定款の作成に着手できません。

定款に記載する住所は、「東京都渋谷区〇〇一丁目」のように最小行政区画までで構いません。ただし、登記申請書には番地や建物名まで記載するため、バーチャルオフィスから提供される正式な住所表記を事前に確認しておきましょう。

ステップ2:定款を作成し公証役場で認証を受ける(株式会社の場合)

本店所在地が確定したら、定款を作成します。株式会社の定款は、公証役場での認証が必要です(合同会社は不要)。東京都内には各区に公証役場が設置されており、事前予約のうえ持参するか、電子定款の場合はオンラインでの認証も可能です。

定款認証の手数料は5万円(資本金100万円未満の小規模会社は3万円、さらに一定の場合は1万5千円)です。電子定款の場合は印紙税4万円が不要になるため、費用を抑えたい場合は電子定款を検討してみてください。

参照:定款認証の手続き|日本公証人連合会

ステップ3:資本金を代表者の個人口座に払い込む

定款認証後、資本金を代表者個人の銀行口座に払い込みます。法人口座がまだない段階では、個人口座への払い込みで問題ありません。払い込み後に通帳の表紙・口座番号のページ・払い込み明細ページをコピーし、払込証明書を作成します。

ステップ4:東京法務局へ設立登記を申請する

申請書と添付書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局に申請します。東京都内の場合、東京法務局(千代田区九段南1丁目1-15)または各地の出張所が管轄になります。

申請方法は窓口持参・郵送・オンライン(登記・供託オンライン申請システム)の3種類です。

申請から登記完了まで1〜2週間程度かかります。

参照:東京法務局の管轄区域一覧|法務省

ステップ5:登記完了後に必要な届出を行う

登記が完了しても、関連する届出が残っています。主な届出先と期限は以下のとおりです。

届出先 届出内容 期限の目安
税務署 法人設立届出書青色申告承認申請書 設立から2か月以内(青色は3か月以内)
都道府県税事務所・市区町村 法人設立届出書 自治体により異なる
年金事務所 健康保険・厚生年金保険新規適用届 設立から5日以内
労働基準監督署・ハローワーク 雇用保険・労災保険の届出 従業員雇用時

参照:法人設立届出書の提出について|国税庁

バーチャルオフィス登記後の法人口座開設を成功させるには?

バーチャルオフィスで登記した法人でも、事業の実態を示す資料を整えることで法人口座を開設できる可能性があります。審査で見られるのは「住所の種類」よりも「事業の実態」です。

事業計画書と実態資料を事前に整える

法人口座の審査では、事業の中身をどれだけ明確に説明できるかが合否を分けます。

以下の資料を揃えておくと、審査通過率が高まるでしょう。

  • 事業計画書:売上見込み・ターゲット顧客・収益モデルを具体的に記載
  • 会社のWebサイトまたはポートフォリオ:事業内容が確認できるもの
  • 取引先との契約書や発注書:すでに取引実績がある場合
  • 代表者の経歴書:これまでの職歴や実績をまとめたもの
  • バーチャルオフィスとの利用契約書:住所の正当性を証明

「設立したばかりで取引実績がない」という場合でも、事業計画書とWebサイトの2点は最低限用意しておきたいところです。事業の方向性を具体的に示せるだけで、審査担当者の印象は大きく変わります。

ネット銀行は比較的審査が通りやすい

メガバンクや地方銀行で審査が通らなかった場合でも、ネット銀行なら口座を開設できるケースが多くあります。

金融機関タイプ 審査難易度 特徴
メガバンク 高い 社会的信用は高いが審査が厳しい
地方銀行・信用金庫 高い 地域密着型で対面相談がしやすい
ネット銀行 比較的低い オンライン完結で手続きがスムーズ

まずネット銀行で口座を開設し、半年〜1年ほど取引実績を積んでからメガバンクに再チャレンジするのが効果的な戦略です。売上の入出金履歴を示せるようになると、メガバンクでの口座開設のハードルが下がります。

東京のバーチャルオフィス登記は手順と事前準備が成功のポイント

東京のバーチャルオフィスで法人登記することは、法律上制限はなく、都心一等地の住所を月額数千円から利用できます。業種ごとの許認可要件を所管官庁で確認し、法人口座開設に備えた事業計画書を整えることで、登記後のトラブルを防げます。

郵便転送の頻度や運営会社の安定性も比較したうえで、自社の事業内容に合ったサービスを選びましょう。


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