• 更新日 : 2026年5月8日

役員変更登記の必要書類は?法務局への申請手順と注意点を解説

Point役員変更登記に必要な書類と法務局への申請手順は?

変更登記申請書や議事録など変更の種類に応じた書類を揃えて、変更から2週間以内に法務局に提出します。

  • 変更の種類ごとに必要書類が異なる
  • 変更日から2週間以内に法務局へ申請する
  • 登記が必要になるケースは就任、退任、重任、退任、解任など

申請後は税務署・年金事務所・取引銀行への届出も速やかに進めることが重要です。

役員変更登記は、変更があった日から2週間以内に法務局へ申請しなければならず、期限を過ぎると100万円以下の過料が科される場合があります。重任でも登記が必要な点や、必要書類が変更の種類によって異なる点は見落とされがちです。本記事では、必要書類の一覧から申請手順、費用、申請後に必要な届出まで整理して解説します。

役員変更登記が必要なケースは?

役員変更登記は、取締役や監査役などの役員に異動があったとき、変更が生じた日から2週間以内に法務局へ届け出る手続きです。「役員が変わったときだけ届け出ればよい」と思われがちですが、同じ人が再び就任する「重任」でも登記は必要です。

登記が必要になる主なケース

  • 就任:新たに取締役や監査役が選任されたとき
  • 重任:任期満了後、同じ役員が再び選任されたとき
  • 退任:任期満了により役員が退くとき
  • 辞任:役員が自らの意思で辞めるとき
  • 解任:株主総会の決議で役員を解任するとき
  • 死亡:役員が亡くなったとき
  • 住所・氏名の変更:代表取締役の住所変更や役員の氏名変更があったとき

特に見落としやすいのが「重任」のケースです。取締役の任期は通常2年、監査役は4年で、非公開会社なら定款で最長10年まで延長できます。任期満了で同じ人が続投する場合でも、株主総会決議と変更登記が求められます。

参照:商業登記法(役員変更登記)|e-Gov法令検索

期限を過ぎると過料のリスクがある

変更登記の申請期限は、変更があった日から2週間以内と法律で定められています。この期限を過ぎると、裁判所から100万円以下の過料を科される場合があります。

また、最後の登記から12年以上経過した株式会社は「みなし解散」の対象になります。役員の任期が10年の会社では、重任登記を忘れたまま放置すると会社が解散扱いになりかねません。

登記すべきタイミングを社内カレンダーに登録しておくと安心でしょう。

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役員変更登記の必要書類一覧は?

役員変更登記の必要書類は、変更の種類によって異なります。共通して必要な書類と、ケース別に追加で求められる書類を確認しておきましょう。

すべてのケースで必要になる共通書類

書類名 概要
株式会社変更登記申請書 法務局の様式に沿って会社情報や変更内容を記入
株主総会議事録 役員選任・解任の決議内容を記録した書面
株主リスト 議決権数上位10名または議決権割合2/3に達するまでの株主一覧
委任状 司法書士など代理人に申請を依頼する場合に必要

株主総会議事録には、出席した株主の議決権数や決議の結果を正確に記載する必要があります。取締役会設置会社で代表取締役を選定する場合は、取締役会議事録も追加で用意してください。

ケース別の追加書類を確認する

変更の種類 追加書類
就任(新任) 就任承諾書、印鑑証明書(代表取締役の場合)、本人確認書類(住民票の写し等)
重任 就任承諾書(株主総会議事録の記載で援用可)
辞任 辞任届(届出日・辞任日を明記)
解任 株主総会議事録(解任決議の記録)
死亡 死亡診断書または除籍謄本、または遺族からの申出書
住所・氏名変更 住民票の写し(変更事実の確認用)

就任時の印鑑証明書は、取締役会非設置会社では新任取締役全員のものが必要で、取締役会設置会社では代表取締役の印鑑証明書のみで足ります。定款で機関設計を確認しておきましょう。

外国籍の役員が就任する場合は日本の印鑑証明書を取得できないことがあります。その場合はサイン証明書(署名証明書)で代替できるため、在日大使館・領事館に問い合わせてみてください。

参照:商業・法人登記の申請書様式|法務省

法務局への役員変更登記の申請手順は?

役員変更登記の申請は、①社内決議 ②書類作成 ③法務局への申請 ④登記確認 ⑤完了後の届出 の流れで進めます。

ステップ1:株主総会で決議する

役員の選任・解任は、株主総会の普通決議で行います。定時株主総会に合わせて決議するのが一般的ですが、臨時株主総会を開いても問題ありません。

決議後は議事録を作成し、議長および出席取締役が署名または記名押印します。議事録の不備は申請却下の原因になるため、記載すべき法定事項を事前にチェックしておくと安心です。

ステップ2:申請書類を作成・準備する

法務局のウェブサイトから「株式会社変更登記申請書」の様式をダウンロードし、変更内容を記入します。あわせて、就任承諾書や株主リストなど必要書類を一式そろえましょう。

申請書と添付書類をまとめてホチキス留めし、各ページのつづり目に契印を押す必要があります。登録免許税分の収入印紙は、申請書の所定欄に貼付してください。

参照:商業・法人登記の申請書様式|法務省

ステップ3:法務局へ申請する

申請方法 メリット 注意点
窓口持参 不明点をその場で確認できる 平日8:30〜17:15の受付時間内に限られる
郵送 法務局に出向く手間がない 書留等で送付し、到着日が申請日になる
オンライン(申請用総合ソフト) 24時間申請でき電子納付も可能 電子証明書の取得と専用ソフトの事前準備が必要

初めて申請する場合は、窓口持参がおすすめです。申請先は会社の本店所在地を管轄する法務局で、管轄を間違えると受理されないため、法務局のウェブサイトで事前に確認しておきましょう。申請から完了までの処理期間は通常1〜2週間程度です。

参照:管轄法務局の検索|法務省

ステップ4:登記完了を確認し証明書を取得する

登記完了後は、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して変更内容を確認します。証明書は1通600円(オンライン請求・郵送受取は520円)で取得でき、届出先の数に合わせて複数通まとめて取得しておくと効率的です。

ステップ5:登記完了後に必要な届出を行う

登記が完了したら、社外・社内の両面で関連する届出や情報更新を速やかに進めましょう。届出漏れがあると、取引先や行政との間でトラブルにつながりかねません。

社外への主な届出先は以下のとおりです。

届出先 内容 備考
税務署・都道府県税事務所 異動届出書を提出 代表者変更の場合
年金事務所 健康保険・厚生年金保険の届出 代表者変更の場合
取引銀行 届出印・代表者名義の変更手続き 遅延すると振込等に支障が出る場合がある
許認可の届出先 役員変更の届出 建設業・宅建業など業種による

社内では役員名簿の更新、契約書ひな型の代表者名修正、会社ウェブサイトや名刺の役員情報変更も忘れずに行いましょう。特に「次回役員任期満了日の社内カレンダーへの登録」は、重任登記の届出漏れを防ぐうえで効果的です。

参照:異動届出書の記載方法|国税庁

役員変更登記の費用はいくらかかる?

役員変更登記にかかる費用は、自分で手続きすれば登録免許税の1万円(または3万円)です。司法書士に依頼する場合は、報酬として1万〜3万円程度が追加されます。

登録免許税の金額を確認する

資本金 登録免許税
1億円以下 1万円(1件あたり)
1億円超 3万円(1件あたり)

変更がまとまったタイミングで一括申請すると、登録免許税は1件分で済みます。別々に申請すると件数分かかるため、申請のタイミングを合わせることがコスト面で有利です。

司法書士に依頼する場合の費用感を把握する

項目 自分で申請 司法書士に依頼
登録免許税 1万〜3万円 1万〜3万円
専門家報酬 0円 1万〜3万円(相場)
合計費用の目安 1万〜3万円 2万〜6万円
書類作成の手間 自分で作成 ほぼお任せ
ミスのリスク 書類不備の可能性あり 低い

役員変更登記は比較的シンプルな手続きのため、コストを抑えたい中小企業では自分で申請するケースも多くあります。役員構成が複雑だったり、複数の変更が同時に発生したりする場合は、司法書士に任せたほうがスムーズでしょう。

オンライン登記支援サービスを活用する方法もあります。

役員変更登記の必要書類でよくある不備と法務局への対処法

役員変更登記の申請で多い不備は、印鑑の相違と記載漏れです。法務局から補正指示を受けると手続きが遅れるため、提出前のセルフチェックが欠かせません。

印鑑相違による補正を防ぐ

申請書に押す印鑑は、法務局に届け出ている会社実印でなければなりません。代表取締役が交代した場合、旧代表の届出印と新代表の届出印を混同して押印し、補正になるケースがよくあります。

申請前に「どの書類にどの印鑑を押すか」を一覧表にしておくとミスを減らせます。就任承諾書には個人の実印、申請書には会社の届出印といった使い分けを整理しておきましょう。

記載漏れ・添付漏れをチェックする

よくあるミスは以下のとおりです。

  • 株主リストの添付忘れ(2016年10月以降、添付が義務化)
  • 就任承諾書の日付が株主総会決議日より前になっている
  • 登録免許税の金額誤り(資本金の区分を間違える)
  • 議事録への出席取締役の署名・押印漏れ

法務局から補正指示が来た場合は、指定された期限内に対応すれば登記は有効になります。補正通知は電話で届くことが多いため、申請書に記載する連絡先は日中つながりやすい番号にしておくとよいでしょう。

補正では済まないほど不備が大きい場合は一度取り下げてから再申請する流れになります。

役員変更登記は2週間以内に必要書類をそろえて法務局へ申請する

役員変更登記は変更が生じた日から2週間以内に法務局へ申請する義務があり、重任も対象になる点を忘れないようにしましょう。必要書類は変更の種類によって異なるため、定款で機関設計を確認した上で一式そろえると補正を防げます。

申請完了後は税務署・年金事務所・取引銀行への届出も速やかに進めることで、取引上のトラブルを防げます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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