• 更新日 : 2023年8月28日

ルーティンとは?意味や使い方、続けるコツ、ビジネスに重要な理由を解説

ルーティンとは、決められた動作を繰り返すことを意味する言葉です。ビジネスにルーティンを取り入れると、業務効率化やミスの削減などさまざまな効果が期待できます。本記事では、ルーティンの意味や使い方、続けるコツ、ビジネスに重要な理由について解説します。これからルーティンを取り入れたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ルーティンとは?

「ルーティン」という言葉はよく聞かれますが、具体的にはどのような言葉なのかを詳しく知らないまま、何となく使っているという方も多いのではないでしょうか。そこで、まずはルーティンの意味や具体例、使い方について詳しく解説します。

日常で使われる例文などもご紹介しますので、ビジネスにルーティンを活用したいとお考えの方は、こちらを参考にルーティンの基本的な意味を押さえておきましょう。

ルーティンの意味

ルーティンとは、「決められた動作を繰り返すこと」を意味します。かみ砕いて表現すると「日課」であり、毎日特定の時間に必ず取る行動のことを指しています。「朝起きたら最初にコップ1杯の水を飲む」というような行動もルーティンの一つです。

ルーティンには「毎日同じ動作を繰り返すもの」と「特定のシチュエーションで決まった動作を行うもの」の主に2種類があります。毎日同じ動作を繰り返すルーティンには、前述のように朝起きたときにコップ1杯の水を飲むことなどが含まれます。

一方の特定のシチュエーションで決まった動作を行うルーティンには、重要なプレゼンを行う日は必ず決まったスーツを着るなどの行動が挙げられるでしょう。

ルーティンは表記ゆれで「ルーティーン」や「ルーチン」と表現されることもありますが、どの表記であっても意味は同じです。

ルーティンの具体例や使い方

ルーティンの具体例としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 朝7時にテレビをつけて、毎日同じチャンネルのニュース番組を視聴する
  • 仕事が始まる前に1杯のブラックコーヒーを飲む
  • 寝る前に5分間ストレッチをする
  • 毎日の通勤経路は必ず同じ道を選ぶ
  • 試験のときは決まった鉛筆と消しゴムを使う

前述のように、基本的には「毎日・または特定のシチュエーションで決まった動作を行う」ことをルーティンと呼びます。ルーティンは人によって異なるため、同じシチュエーションであっても違った動作を行うことは珍しくありません。

ルーティンにはどんな効果がある?

ルーティンには、集中力を高めたり、気分の切り替えをしやすくしたりする効果が期待できます。また、ルーティンをこなす中で体調の変化やトラブルに気づけたり、作業効率を高めたりする効果もあります。

ここでは、ルーティンがもたらす4つの効果について詳しく解説します。

集中力が高まる

人それぞれが持つルーティンをこなすと、集中力を高める効果があります。例えば、重要な商談の前に大きく深呼吸することも、気持ちを落ち着けて目の前のタスクに集中するためのルーティンの一つです。

スポーツ選手が競技を行う際に決まったルーティンを持っていることはよくありますが、このルーティンも競技に集中して高いパフォーマンスを発揮するための工夫の一つといえるでしょう。

気分の切り替えがしやすい

ルーティンには、気分の切り替えを図る効果もあります。オフの状態からスムーズに仕事に入るための工夫の一つとしてルーティンを取り入れることで、オンの状態に切り替えやすくなり、生活にメリハリをつけることが可能になります。

今日やらなければならないことを紙に書き出して「ToDoリスト」を作成することも、ルーティンの一つです。仕事を始める前に今日のタスクを一覧に書き出して整理することで、仕事に向かう前に気持ちを整理できます。

体調の変化やトラブルに気づける

ルーティンの実施によって、体調の変化やトラブルに気がつけることもあります。例えば、毎朝散歩をするのがルーティンになっている人は、「決まった散歩ルートを歩いているだけでいつもよりも疲れを感じる」などの違和感によって体調が変化していることを敏感に察知できます。

異変を感じたときに速やかに休息を取ったり、医療機関を受診したりすることができるので、ルーティンを持たない人よりも早期回復につながる可能性が高いでしょう。

ビジネスにおいても、ルーティンをこなしている中で、いつもとは異なる結果が現れることがあります。例としては、毎日退勤前に工場内の見回りをするルーティンを持つ人が、機械のスイッチが入ったままになっていることに気がつき、未然に事故を防止できるなどのケースが挙げられます。

作業効率が上がる

ルーティンを繰り返すことによって、作業効率を向上させる効果も期待できます。例えば、「毎朝、仕事を始める前にToDoリストを作成する」という行動を取ることで、その日にこなさなければならないタスクを一覧で確認できるため、優先順位をつけて作業を効率よく処理できます。

また、「毎日30分、自社の業界に関する知識を学ぶ」というルーティンを繰り返せば、自身の知識やスキルが向上して、業務に取り組む際の作業効率がアップします。

作業効率が上がることによってルーティンの効果を実感し、さらにモチベーションがアップする好循環にもつながります。

仕事や業務にルーティンが重要な理由

仕事や業務にルーティンを取り入れると、タスク管理がしやすくなり、ミスを減らして再発防止につなげることができます。また、作業や成果を見える化できるため、より効率的な業務フローへの改善が容易になり、生産性を高めやすくなる効果も期待できます。

ここでは、仕事や業務にルーティンが重要な3つの理由を解説します。

タスク管理しやすい

ルーティンを取り入れると、業務上のタスク管理しやすくなるというメリットがあります。

前述のToDoリストもルーティンとして活用できる一例ですが、「どのようなタスクが残っているのか」を正確に把握することで、自分が処理できるキャパシティーを見極めたり、残りのタスクを処理する時間を試算したりすることが容易になります。

残りのタスクが自分一人では処理しきれない量であれば、手が空いている他の従業員にタスクの一部を割り振るなどの対応を取ることが可能です。

タスクを把握できなければ、就業時間内に全てのタスクを処理しきれず残業しなければならなくなったり、納期が遅れて顧客・取引先に迷惑をかけたりすることにもなりかねません。ルーティンによるタスク管理を取り入れると、このようなトラブルも未然に防止できます。

ミスを減らし再発防止につながる

業務上、同じ作業が繰り返し発生する場合は、その業務をルーティン化することによってスキルを高めてミスを減らし、再発防止につなげられます。

特定の業務を何度も繰り返すことで、より効率的な処理の方法を見つけ出し、素早く正確に処理できるようになります。ミスを減らすことで企業としての信頼度を高め、損失によるコストを削減することも可能です。

また、あるトラブルが起こったときに、そのトラブルを防止するためのルーティンを取り入れる方法も有効です。例えば、工場で頻繁に起こる出荷ミスを防止する目的で、出荷前のチェック作業をルーティン化するなどのアイデアが考えられます。

作業や成果が見える化できる

ルーティンによって、作業や成果を見える化することも可能です。

例えば、システム開発を行うあるプロジェクトにおいて、毎朝の進捗会議をルーティンにすることで、メンバーが1日に行う作業や現在の進捗を共有できます。これによって、おのおのの作業や成果が明らかになり、管理者はプロジェクトをより円滑に進行させることが可能になります。

他にも、営業部門で毎週の営業レポートの作成をルーティン化し、売上の達成状況を小まめに確認することで、目標との差異を確認しながら計画的に営業活動を行うなども例の一つです。

ルーティン化するコツは?

作業をルーティン化するコツは、タイミングと場所をあらかじめ決めておくことや、小さいルーティンから始めること、手順や段取りを減らすことにあります。また、モチベーションに左右されにくい内容にすることも、ルーティンを継続するポイントの一つです。

ここでは、ルーティン化のコツを4つの観点からご紹介します。

タイミングと場所を決める

ルーティン化を成功させるコツの一つに「タイミングと場所を決めておくこと」が挙げられます。ルーティン化する作業を「いつ、どこで行うのか」を決めておくことで、他の作業の忙しさや、担当者の疲労などを理由に後回しにしたり、途中で継続できなくなったりするリスクを軽減できます。

あらかじめ設定した時間が来たら、事前に定義した手順通りに決められた場所でルーティンを行うことで、時間や疲労に左右されずに作業をこなすことが可能になります。

事前にタイミングと場所を決めて、わかりやすい場所にメモを貼っておいたり、アプリに通知が来るようにしたりしておくと、ルーティンを忘れてしまうトラブルも防止できます。

小さいルーティンから始める

ルーティンを定着させるためには、小さなことから始めるのがおすすめです。最初から大きなルーティンをこなそうとすると、負担が大きく感じられてしまい、長く続けられずに諦めてしまう可能性が高まるためです。

例えば、毎朝のランニングをルーティン化しようとしている場合に、最初から「毎朝1時間走る」というルーティンは負担が大きいと感じる人が多いでしょう。しかし、「毎朝10分走る」というルーティンから始めれば、比較的取り組みやすく感じられます。

ルーティン化するためには継続しやすい目標を設定して、毎日のルーティンを着実にこなしていくことが重要です。

手順や段取りを減らす

手順や段取りを減らすことも、ルーティン化のポイントの一つです。作業を始めるまでに長い準備が複雑なルーティンは、途中で面倒に感じられてしまい、長続きしない可能性が高まります。

例えば、毎朝オフィスの掃除をルーティン化するとき、掃除用具が同じ場所に収納されていないと、掃除に必要な掃除用具を探し出して集めるところから作業を行わなければなりません。

しかし、あらかじめ一箇所に掃除用具をまとめておけば、必要な道具を取り出すだけですぐに掃除を始められるため、ルーティンを継続できる可能性が大きく高まります。

モチベーションに左右されにくい内容にする

ルーティンは継続して行わなければなりませんが、疲れている、何となくやる気が出ない、他の業務が忙しいなどの理由で続かなくなってしまうことも多いものです。そのため、「モチベーションに左右されにくい内容にする」ことを意識したルーティン化が重要になります。

複雑で難しいルーティンを設定するのではなく、「5分だけ作業に取り組む」など、モチベーションが下がっていても気軽に行える作業をルーティン化することをおすすめします。

ルーティンの種類・例

ルーティンの種類には、主に「モーニングルーティン」「ナイトルーティン」の2種類があります。また、特定の作業を一定の頻度で繰り返し行うことを「ルーティーンワーク」と呼んで区別します。

ここでは、モーニングルーティンとナイトルーティンの違いや、ルーティンワークの考え方と具体例について解説します。

モーニングルーティン

モーニングルーティンとは、朝に実施するルーティンのことです。モーニングルーティンの具体例は、下記の通りです。

  • 散歩やランニングをする
  • 水やコーヒーなどの決まった飲料を飲む
  • シャワーを浴びる
  • 新聞を読む
  • ニュース番組を視聴する

モーニングルーティンを行うことで、1日の生活をリズムよくスタートできます。

モーニングルーティンに取り組む際は、起床時間を一定にすることが大切です。毎日の起床時間にばらつきがあると、ルーティン化が難しくなり、なかなか定着しない可能性があります。

また、同じリズムを継続できず、途中でルーティンが途切れてしまう可能性もあります。

ナイトルーティン

ナイトルーティンは、夜に取り組むルーティンのことを指しています。ナイトルーティンの具体例には、次のようなものがあります。

  • 音楽を聴く
  • 日記を書く
  • 就寝前にストレッチをする
  • 翌日の持ち物を準備する
  • 温かい飲み物を飲む

ナイトルーティンを取り入れることで、1日の出来事をゆっくりと振り返って翌日に備えたり、リラックスしたまま入眠したりすることにつながります。

翌日の持ち物を準備するなどのナイトルーティンは、翌朝の忙しい時間帯に慌ただしく準備する必要がなくなるため、忘れ物を減らしたり、朝の時間帯に気持ちに余裕を持てるようになったりする効果も期待できます。

モーニングルーティンと同様に、ナイトルーティンも時間帯を固定することが大切です。就寝時間を一定にすることで、良いリズムのまま1日を終えられます。

ルーティンワーク

ルーティンワークとは、特定の作業を一定の頻度で繰り返し行うことを指す言葉です。手順が決まった作業を繰り返すため、想定外のトラブルが発生しにくく、変化が起こりにくいという特徴があります。

業務にルーティンワークを取り入れることで、業務効率や生産性を高める効果が期待できます。ルーティンワークの例として、次のようなものが挙げられます。

  • 始業時に1日のToDoリストを作成する
  • 終業前にその日の日報を作成・提出させる
  • 1週間に1度の定例ミーティングを設ける
  • 定期的に管理者と従業員で1対1のヒアリングを行う

始業時のToDoリストの作成や終業時の日報作成・提出は、個人のタスクを整理したり、1日の成果を振り返って成長につなげたりする効果があります。また、定例ミーティングを設けることによって組織内のコミュニケーションが活性化し、風通しの良い職場づくりがかなうでしょう。

定期的に管理者と従業員で1対1のヒアリングを行い、従業員の課題や悩みなどを把握できれば、早期のフォローが可能になり従業員のさらなる成長や離職防止につながります。

ルーティンを取り入れて業務効率化を実現しよう

決められた動作を繰り返すルーティンを取り入れることで、個人としての日常生活にメリハリがついたり、ビジネスにおいて組織の業務効率や生産性が向上したりする効果が期待できます。

特にビジネスシーンでは、ルーティンの導入によって効率的なタスク管理やミスの再発防止、作業や成果の見える化などさまざまなメリットがあるため、積極的に取り入れることをおすすめします。

作業をルーティン化する際は、タイミングと場所を決めておき、手順や段取りを減らした上で小さなルーティンから始めましょう。取り組みやすいルーティンを設定することで、モチベーション維持につながります。

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