- 更新日 : 2024年7月3日
Microsoft Loopとは?コラボレーションアプリの使い方、導入するメリット
Microsoft社が提供するMicrosoft Loopは、Office・Teams・Outlookなどのアプリ間のつながりを高め、チーム内での情報共有や共同編集をスムーズにしてくれるアプリです。この記事では、Microsoft Loopの基本機能や導入するメリット、ビジネスでの活用方法、利用料金などを紹介します。
目次
Microsoft Loop(マイクロソフト ループ)とは?
Microsoft Loopとは、チームやコンテンツ、タスクなどを統合して共同作業を可能とするキャンバスツールです。Microsoft社の各種Office製品とも連携でき、アプリ間の同期を維持した状態で情報共有や記録を行えます。
2023年3月22日にパブリックレビューが開始された新サービスで、以下のようなメリットが期待できます。
離れたメンバーとの共同作業がスムーズ
近年はリモートワークの普及もあり、オフィス内外のメンバーとオンラインでつながりつつプロジェクトを進めることがあります。同期を維持しつつさまざまなアプリを利用できるMicrosoft Loopは、離れた場所にいるメンバーとの共同作業をスムーズ化してくれます。
メンバーが海外に滞在・在住している場合、作業時間を合わせられるとは限りません。Microsoft Loopは非同期状態でもアプリを使用でき、任意のタイミングで共有や共同作業ができます。
業務の情報を一元管理
Microsoft Loopには複数の機能があり、共同作業や情報管理をサポートしてくれます。たとえばメンバーに情報やファイルをアップロードするための共有場所を作成・提供すれば、業務の情報を一か所に集約できます。
Microsoft Loopの共有場所の特徴は、いつでも新しく追加できることです。プロジェクトやチームごとに作成すると、古い情報と混同する心配がありません。また、業務の情報をMicrosoft Loopで一元管理できれば、急な出張や欠勤時も必要なデータを共有した状態でほかのメンバーに仕事の代行や引継ぎを頼めます。
Microsoftアプリと自由に連携
Microsoft Loop は、数あるMicrosoftアプリと連携できます。たとえばOutlookやWord、Whiteboardなど情報を記録・共有するアプリのほか、Web会議機能のMicrosoft Teamsなどが挙げられます。
個々のメンバーが使用しているアプリも、リアルタイムで共有できる対象です。共有状態に設定すれば、同期を維持したままアプリを使用でき、共同作業の業務効率化につながります。
Microsoft Loopの3つの基本機能
Microsoft Loopには、3つの基本機能があります。メンバーがリアルタイムで情報を共有するためには、大前提として各機能の特徴を理解することが大切です。
ここでは3つの基本機能「Loop ワークスペース」「Loop コンポーネント」「Loop ページ」について解説します。
Loop ワークスペース
1つ目の「Loop ワークスペース」は、招待するメンバーを指定して、共有場所を作成する機能です。作成した共有場所はワークスペースと呼び、プロジェクトやチームで共有すべき進捗状況、作業中のタスク、リンクなどをグループ化して表示できます。
共有した情報は同期が維持され、編集された内容がリアルタイムで反映されます。メンバーは、新しい情報を見るために何度もアクセスし直す必要がありません。
ワークスペースはあらかじめ複数種類のテンプレートが用意されており、初めて利用する方でも目的に合った内容で作成できます。
Loop コンポーネント
2つ目の「Loop コンポーネント」は、Microsoftアプリとの連携や同期によってメンバーとの共同作業を可能とする機能です。ほかのメンバーがもつアイデアや情報もリアルタイムで反映でき、作業のコラボレーションを助けます。
Loop コンポーネントの特徴は、投票テーブルなど共同作業をスムーズ化するための項目が複数用意されていることです。コンポーネントと呼ばれており、アンケートへの入力で会議の採決をとったり、メンバーのタスクや期限を一覧で表示したりできます。
Loop ページ
3つ目の「Loop ページ」は、作成したコンポーネントや共有したいファイル、データ、リンクなどを整理するためのキャンバス機能です。Loop ワークスペースがメンバーなど情報の共有範囲を定義するものであるのに対して、Loop ページは情報を記載するための機能と言えます。
Loop ページの内容は、メンバーが自由に編集・拡張できます。コメントやリアクションを残したりリンクやファイルを追加したりでき、共同作業におすすめの機能です。
Microsoft Loopを導入するメリット
会社にMicrosoft Loopを導入すると、以下のメリットが期待できます。
- 情報の取捨選択がしやすい
Microsoft Loopには、共有範囲を設定したり通知を関心のある内容のみに絞り込んだりできる機能があります。ワークスペースを作成するとき、招待するメンバーを設定すれば情報の共有範囲を制限できます。関心のある通知のみ表示する設定にすれば、集中的に取り組みたい作業を阻害される心配もありません。
- 時間や場所にとらわれず共同作業できる
オンライン上に情報の共有場所を作成できるため、遠隔地にいるメンバーもリアルタイムでコメントやリアクションを残せます。勤務時間が異なる場合は非同期でアイデアを残しておけば、ほかのメンバーがアクセスしたときに確認してもらえます。
- プロジェクトやチーム単位で情報を整理できる
同じ部門・部署のメンバーでも、同じプロジェクトに参加するとは限りません。プロジェクトメンバーのみに共有すべき情報を整理したいとき、Microsoft LoopのLoop ページやLoop ワークスペースが便利です。
閲覧できるメンバーを制限できるのみならず、必要な情報を最新の状態で一元管理できるため、短時間で目的のファイルやメモを見つけられます
ほかにも「いいね」や絵文字で手軽にリアクションできることや、連携・同期によってメールで送った内容をほかのアプリで閲覧できることなどがメリットに挙げられます。
Microsoft Loopのビジネスでの使い方
Microsoft Loopは、プロジェクト単位に限らず、個人や少人数での活用もおすすめです。ビジネスのあらゆる場面で役立つため、重大なプロジェクトに関わっていないときもMicrosoft Loopの導入を検討してはいかがでしょうか。
ここではビジネスでMicrosoft Loopを活用できる主な例として、6通りの使い方を紹介します。
プロジェクト全体の進行管理
1つ目は、プロジェクト全体の進行管理にMicrosoft Loopを活用する方法です。プロジェクトの内容によっては、社外や他部門の人材をチームメンバーに加えることがあります。
プロジェクトに関わる人が多ければ多いほど、全体の進行管理は難易度が上がります。メールや電話で逐一確認する方法は情報収集の間に状況が変わったり、連絡自体が作業を阻害したりするおそれもあり、効率的とは言えません。
あらかじめ招待したメンバーと情報をリアルタイムで共有できるMicrosoft Loopなら、個別に連絡せずとも全体の進行をひと目で確認できます。
個人の進捗管理
2つ目の活用方法は、個人の進捗管理を行うことです。Microsoft Loopはさまざまな用途でワークスペースを作成したり、アプリを連携したりできます。複数名はもちろん、個人利用にもおすすめです。
Microsoft Loopを利用すれば、個人の進捗管理もスムーズに行えます。必要な情報やファイル、リストを一か所に整理しつつ効率的に作業を進められます。
プロジェクト・個人のタスク管理
3つ目の使い方は、プロジェクトや個人単位でのタスク管理に活用することです。たとえばプロジェクトで使用する場合、各メンバーに割り振られたタスクの内容や期限、進捗をMicrosoft Loopで一元管理できます。進捗が思わしくないときや、アイデアが浮かばないときは、個人のメモにアイデアや感想をコメントで残してもらえます。
個人によるタスク管理にも、Microsoft Loopの機能が便利です。Loop コンポーネントを利用すれば作業内容ごとに期限や進捗を把握しやすく、必要な資料を整理できます。
リモートワーク環境での共同作業
4つ目の方法は、リモートワーク環境下における共同作業での活用です。場所や時間にとらわれないリモートワークは、一方で進捗管理や雑談をきっかけとするアイデアの取得など、コミュニケーション関連の悩みが生じやすくなります。
Microsoft Loopの魅力は、進捗管理やファイルの共有のみならず、画面上で同じメモやアプリを開いて共同作業もできることです。コメントや絵文字にてチャット感覚で気軽に反応できるため、心理的にもコミュニケーションを取りやすくなります。
社内情報やナレッジの共有
5つ目は、社内情報やナレッジの共有場所として活用する方法です。Microsoft Loopの機能の1つ、Loop ページには拡張性があります。メモをとる感覚で情報やファイル、リンクを整理できる上、後からも自由に拡張できます。
プロジェクトの進行管理など一時的な用途はもちろん、社内情報やナレッジを共有する場としてもおすすめです。ファイルのアップロードやリンクを活用すれば、テキストでは分かりにくい部分を画像や動画で解説する方法も選択肢に加わります。
新人研修・育成への利用
6つ目の使い方は、新人研修や人材育成に利用することです。前述の通り、Microsoft Loopは社内情報やナレッジの共有にも活用できます。マニュアルを共有したり、Web会議機能と連携してオンライン研修を行ったりして、場所を問わず研修を開けます。
会社の中には、地方の支社や支店から新人を本社に集めて合同で研修するところもあるでしょう。Microsoft Loopの機能を活用すれば、本社に呼び寄せる必要なく各支社や支店の新人にも同じペースで研修を実施できます。
Microsoft Loopの正式リリース・料金
Microsoft Loopを導入するときは、法人利用と個人利用でリリース時期や料金が異なる点に注意しましょう。たとえば法人利用の場合、複数の料金プランから自社の用途に合ったものを選ぶ必要があります。
ここでは法人利用と個人利用、それぞれのリリース時期や料金について解説します。
法人利用の場合
Microsoft Loopの法人利用向けサービスは、2023年11月に正式版がリリースされています。有料版を契約すれば、ブラウザに加えてスマートフォンアプリでも利用できます。
法人利用の場合、選べる有料プランは下記の通りです。
| プラン名 | 月額料金 |
|---|---|
| Microsoft 365-Business Standard | 1,560円/ユーザー |
| Microsoft 365 Business Premium | 2,750円/ユーザー |
| Microsoft 365 E3 | 4,500円/ユーザー |
| Microsoft 365 E5 | 7,130円/ユーザー |
Microsoft 365-Business StandardとMicrosoft 365 Business Premiumは、一般企業向けのプランです。Microsoft 365 E3とMicrosoft 365 E5は大企業向けのプランとなっており、ユーザーごとの単価が大きく異なります。
個人利用の場合
個人利用向けのMicrosoft Loopは、2024年1月現在、正式リリースされていません。ただし、パブリックプレビューにて無料版のお試し利用はできます。Microsoft Loopの機能を体感したい方は、個人のMicrosoftアカウントでプレビュー利用してみましょう。
パブリックプレビューで利用する場合の注意点は、容量などいくつかの条件があることです。無料で利用できるワークスペースのデータ容量は5GBまで、個数は5つまで、メンバー数は50人までと制限されています。
今後は制限内容が変更される可能性もあるとアナウンスされているため、利用前は条件を再度確認することをおすすめします。
Microsoft Loopの始め方
Microsoft Loopを利用するときは、複雑な手続きは必要ありません。PCでブラウザ版を使用する場合はMicrosoft Loopの公式サイトにアクセスして、使用したいMicrosoftアカウントでサインインするのみです。
また、Microsoft Loopはスマートフォン用のアプリもリリースされています。スマートフォン用アプリを利用するときの手順は、下記の通りです。
| iOS版の場合 | App Storeでアプリをインストールする |
|---|---|
| Android版の場合 | Google Playストアでアプリをインストールする |
App StoreまたはGoogle PlayストアでMicrosoft Loopを検索して、画面のガイドに従ってダウンロード、インストールします。アプリのインストールは管理者のみならず、サービスを利用するメンバーも行う必要があります。
アプリでMicrosoft Loopを使用する場合も、Microsoftアカウントによるサインインや管理者設定が必要です。管理者は初回のサインインで組織のLoopを有効にする作業を行います。ワークスペースを作成するときも、メンバーの招待や設定を忘れないようにしましょう。
Microsoft LoopとNotionとの違い
プロジェクトやメンバーの進捗管理や情報を一元管理できるツールとして、Microsoft LoopのほかにNotionも挙げられます。Notionもボードやテーブル、カレンダーなどさまざまな機能によって、リアルタイムにチームの連携をサポートしてくれるツールです。
Microsoft LoopとNotionの違いは、Microsoftアプリとの親和性です。同じ企業がリリースしているMicrosoft LoopはWordなど各種アプリと連携しやすく、Outlookのメール画面に作成したコンポーネントを埋め込むこともできます。
ただし、NotionはAIによる自動生成を採用しており、Microsoft Loopはテンプレートが用意されているなど、初心者でも使いやすい点は共通しています。
Microsoft Loopをビジネスに活用して共同作業をスムーズにしよう
Microsoft Loopは、Microsoft社の各種Office製品と連携して情報共有や共同編集が行えるキャンバスツールです。業務の情報を一元管理できるため、急な出勤や欠勤時にも必要なデータを共有した上でメンバーに仕事の引継ぎ・代行を依頼できます。Microsoft Loopをビジネスに活用すれば、プロジェクト全体の進行管理やチーム内での共同作業がスムーズに行えるでしょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
経理担当者向け
①Excel関数集 32選まとめブック
経理担当者の方をはじめ、ビジネスパーソンが知っておきたい便利なExcel関数集を初級~上級までギュッと網羅。新人社員の研修用などにもお使いいただけます。Google スプレッドシートならではの関数もご紹介しています。
②勘定科目・仕訳辞典(税理士監修)
勘定科目・仕訳に関する基本知識、および各勘定科目の仕訳例を具体的かつ網羅的にまとめた、50ページを超えるガイドを無料で提供しております。お手元における保存版としてでだけでなく、従業員への印刷・配布用としてもぜひご活用ください。
人事労務担当者向け
①入社・退職・異動の手続きガイドブック
書類の回収・作成・提出など手間のかかる入社・退職・異動(昇給・昇格、転勤)の手続き。
最新の制度をもとに、よくある質問やチェックポイントを交えながら、各手続きに必要な情報をまとめた人気のガイドですす。
②社会保険・労働保険の手続きガイド
企業において社会保険および労働保険の加入・喪失手続きは必ず発生し、手続きを誤れば保険事故が発生した際に従業員が不利益を被る可能性があります。
各保険の基本的な手続き方法を入社・退職・異動のシーン別にギュッとまとめた分かりやすいガイドです。
総務・法務担当者向け
契約書ひな形まとめ30選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い30個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
パスワード管理アプリおすすめ7選!ビジネスでの選び方を解説
パスワード管理アプリとは、IDやパスワードを安全に管理できるアプリです。安全性の高いパスワードが自動的に生成され、安全に保管できます。情報漏洩や業務効率の悪化を防げるのがメリットです。 本記事ではパスワード管理アプリの機能や選び方、活用方法…
詳しくみるシフト提出用の無料テンプレート7選!ツールやアプリも紹介
シフト表の作成を効率化したい方向けにおすすめのテンプレート・ツール・アプリを紹介します。シフト表の作成方法をおさらいし、自社に最適な手段で業務に利用できるシフト表の作成に役立つ情報を網羅しています。ぜひ参考にしてみてください。 シフト表を作…
詳しくみる手書きノートアプリNebo(ネボ)とは?機能や使い方を解説
Neboは、タブレットのペンを使って書いた手書き文字をAI機能を用いリアルタイムでデジタルテキストに変換し、図形・数式・PDF注釈まで一括で扱えるノートアプリです。会議メモや議事録作成の効率化に、学生には、講義やノートの整理、復習に活用でき…
詳しくみる紙ノートをアプリで共有するには?方法や手書き機能付きアプリも紹介
紙ノートに手書きで残したアイデアやメモを、あとから見返したり、誰かと共有したりしたいと思ったことはありませんか?こうした手書きの情報をスマートフォンで撮影して整理・共有できるアプリを使えば、紙ノートをデジタル化して活用しやすくなります。会議…
詳しくみるTocaro(トカロ)とは?機能や使い方、他のビジネスチャットの違いを解説
法人向けコミュニケーションツールの Tocaro(トカロ)は、グループチャットをメインに多彩な機能を搭載しています。この記事では、Tocaroの特徴や機能、使い方を解説します。使い方や他ツールと比較しつつ、自社に導入するツールを検討する際の…
詳しくみるOneDrive for Businessとは?OneDriveとの違い、料金プラン、使い方などを解説
「最新版のファイルは誰が持っている?」「メールで大容量ファイルを送れない」「外出先からあの資料にアクセスしたいのに…」 このようなファイル管理や共有に関する悩みは、多くの組織が抱える共通の課題です。非効率なデータ管理は、生産性の低下やセキュ…
詳しくみる



