- 更新日 : 2021年7月7日
白色申告の減価償却について
白色申告を行なう際の減価償却の取り扱いに関して見ていきたいと思います。
減価償却とは
減価償却とは、時間の経過や使用の結果、経済的な価値が減少する固定資産の取得を行なった際に、取得価額をその資産の耐用年数の期間に渡り、必要経費として計上していく会計処理の方法のことを指します。
耐用年数は、基本的に減価償却資産の耐用年数等に関する省令により資産の種類別に定められており、それを法定耐用年数と呼びます。
減価償却の計算法
減価償却には、定額法、定率法などの計算法があります。ここではそれぞれの計算法の特徴を解説していきます。
定額法は、固定資産の耐用期間中、毎期均等な額を減価償却費として計上する方法のことです。
それに対し定率法は、固定資産の耐用期間中、毎期期首未償却残高に対して耐用年数に応じたへ一定の率をかけた結果の金額を減価償却費として計上する方法です。一定の割合で償却を行なうため、当初の負担額が大きく、後半の負担額は小さくなります。
また、新たに事業を開始して定率法により減価償却の計算を行う場合には、事前に「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署へ提出する必要があります。 この届け出を行わなかった場合、定率法による計上はできません。
生産高比例法は、固定資産の耐用期間中、毎期その固定資産を使って減価償却の対象となる資産での生産、用役の提供度合に比例した金額を減価償却費として計上する方法のことです。
マネーフォワード クラウド確定申告では、個人事業主やフリーランスの方が知っておきたい"経費"のキホンや勘定科目を分かりやすく1つにまとめた「個人事業主が知っておくべき経費大辞典」を無料で用意しております。
税理士監修で、経費の勘定科目や具体例だけでなくワンポイントアドバイスもついているお得な1冊となっていますので、ぜひ手元に置きたい保存版としてご活用ください。
減価償却の注意点
減価償却の取り扱いに関する注意点を2点紹介していきます。
1. 年度途中に購入した固定資産の計算方法
減価償却を行なう必要がある物品を年度の途中で購入した場合の処理方法があります。この場合、1年分の償却費の計算を行なった後、事業供用日から年末までの残り月数から算出します。
2. 固定資産を事業、家事の両方で使用している場合の計算方法
個人事業主の方の場合、固定資産を事業、家事で併用するケースがあると思います。その場合、事業用に使用している部分が減価償却の対象になります。
例えば、車を事業、家事の両方で使用しているケースを見ていきたいと思います。この場合には、まず、車の使用の中で事業に使っている部分を算出します。事業で使っている割合が30%だとすると資産全体の30%が減価償却の対象となります。
白色申告と青色申告との違い
基本的には、減価償却の取り扱いに関して、白色申告を行う場合と青色申告を行なう場合で違いはありませんが、下記の一点が異なってきます。その点を見ていきたいと思います。
青色申告を行なう場合、少額減価償却資産の特例により、30万円未満のものは、年合計300円万まで減価償却ではなく、一括で必要経費としての処理を行なうことが認められています。
なお、10万円未満のものは、無条件に必要経費として計上できるため、300万円の合計金額には含まれません。対して、白色申告を行なう際には、少額減価償却資産の特例は認められていません。

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例
データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
減価償却とは?
時間の経過や使用の結果、経済的な価値が減少する固定資産の取得を行なった際に、取得価額をその資産の耐用年数の期間に渡り、必要経費として計上していく会計処理方法のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
減価償却の計算法は?
減価償却には、定額法、定率法などの計算法があります。詳しくはこちらをご覧ください。
減価償却の注意点は?
年度途中に購入した固定資産の計算方法や、固定資産を事業・家事の両方で使用している場合の計算方法に注意する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
確定申告の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
白色申告の関連記事
新着記事
個人事業主の領収書に印鑑は必要?電子化や保管についても解説
個人事業主として発行・受領する領収書に印鑑は本当に必要なのでしょうか? 法律上の義務があるのか、印鑑のない領収書は経費として使えるのかという疑問を持つ方も多いはずです。 本記事では、領収書への押印の要否から、記載すべき項目、電子化対応、確定…
詳しくみる個人事業主の利息の仕訳は?勘定科目や注意点をわかりやすく解説
個人事業主が取り扱う利息には、借入に伴う支払利息や、預金・貸付による受取利息などさまざまな種類があります。これらは一見似ているようでいて、税法上の取扱いや仕訳方法が大きく異なるため、正確な知識が求められます。 本記事では、利息の種類別に適切…
詳しくみる個人事業主が法人化を検討する目安は?所得・売上・タイミングを解説
個人事業主として事業が成長してくると、「いつ法人化すべきか?」という判断に直面します。法人化の目安は明確に決まっているわけではありませんが、一般的には課税所得が800万円を超える頃から検討するのが妥当とされます。また、法人格を持つことで金融…
詳しくみる【個人事業主向け】簿記の活用法とは?青色申告や確定申告のポイントを解説
個人事業主にとって、簿記は避けて通れない重要なスキルです。日々の売上や経費を正確に記録することで、事業の収支を可視化でき、経営判断や確定申告にも役立ちます。さらに、青色申告での特別控除や税務調査への備えといった面でも、簿記の知識は大きな力を…
詳しくみる売上過少申告とは?個人事業主がやりがちな理由やリスクを解説
個人事業主にとって確定申告は避けて通れない業務の一つですが、売上や利益の申告内容に誤りがあると、思わぬペナルティや信用リスクを招くことがあります。「うっかりミスだから問題ない」と考えていても、税務署から過少申告とみなされ、追徴課税や延滞税な…
詳しくみる年収3,000万の個人事業主が納める税金は?確定申告・節税対策を解説
年収3,000万円という水準に到達した個人事業主は、事業が軌道に乗っている一方で、相応に重い税負担を抱えることになります。所得税や住民税をはじめ、さらに課税売上高1,000万円超で納税義務が生じる消費税や業種や所得に応じて課される個人事業税…
詳しくみる