- 更新日 : 2024年3月5日
譲渡損益とは?投資信託・株式の取扱いをわかりやすく解説!
譲渡損益とは資産を売却して生じる損失や利益のことです。例えば、投資信託や株式などを所有している場合であれば、取得したときに支払った金額よりも売却して得られた金額が多ければ譲渡益、反対に売却して得られた金額から取得したときに支払った金額を差し引くとマイナスになったときは譲渡損が生じたと考えられます。
譲渡損失は具体的にどのように計算できるのか、また、特定口座で投資をするとどのようなメリットがあるのかわかりやすく解説します。
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譲渡損益とは
譲渡損益とは、資産を売却(譲渡)したときに得られる損失や利益のことです。損失は「譲渡損」、利益は「譲渡益」と呼び分けることもあります。また、譲渡損を「キャピタルロス」、譲渡益を「キャピタルゲイン」と表現することもあります。
なお、譲渡益に関しては課税対象となるため、適切に申告し、納税しなくてはいけません。一方、譲渡損については課税されないので確定申告は不要です。しかし、譲渡損を確定申告することで、課税対象額全体を減額できることもあり、節税につなげられることもあります。
投資信託の譲渡損益は特定口座で簡単に計算できる
投資信託の売却により、譲渡損益が生じます。譲渡損益は売却によって受け取った価格から購入時の価格、手数料などが差し引かれて算出され、それを基に税金が計算されます。
譲渡損益を計算する計算の手間を省きたい方は、特定口座の利用を検討してみましょう。特定口座であれば年間の譲渡損益を計算して報告書で知らせてくれるので、譲渡損益を計算する手間がかかりません。
また、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つの種類があります。「源泉徴収あり」の特定口座を選べば、証券会社が投資信託にかかる税の申告から納税までをすべて代行してもらえるので、さらに便利です。
投資信託の取引で確定申告が必要になる状況についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
特定口座についてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
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上場株式の譲渡損益がマイナスなら確定申告で節税できる
確定申告すれば、投資信託や株式による損失と、利子や配当所得、株式による利益を「損益通算」できます。損益通算の手続きをしない場合は、譲渡損益がトータルでマイナスであっても、プラスの取引(譲渡益が生じた取引や利子、配当)に対しては課税対象となるため、所得税や住民税の納税義務が発生する点に注意しましょう。
また、損益通算は複数の口座間でも行えます。例えば、口座Aで運用した株式において譲渡益が30万円発生し、口座Bで運用した投資信託において譲渡損が40万円発生したとしましょう。通常であれば、口座Aで生じた譲渡益に対する税金のみを支払います。株式の譲渡益に対しては20.315%の税金が発生するので、約6万円を納税します。
しかし、口座Aと口座Bを損益通算すれば、トータルでは譲渡損が10万円生じたことになり、株式投資により生じた譲渡益に対する税金は納付する必要がありません。
また、確定申告することで、譲渡損失を3年間繰り越すこともできるようになります。損益通算後になお譲渡損が10万円残っている場合であれば、その損失を来年以降の利益から差し引くことが可能です。来年の譲渡益が8万円のときは、全額非課税になるだけでなく、さらに2万円の譲渡損を翌年に繰り越すこともできます。
正しく確定申告することで大幅な節税ができるので、譲渡益が生じたときだけでなく、譲渡損が生じたときも申告するようにしましょう。
なお、特定口座で投資を行うときは、1年間にわたって口座内で生じた損益が通算されます。源泉徴収ありの口座であれば譲渡益が生じる取引に関してはその都度源泉徴収されますが、年間で計算した後に納付した税額が多すぎたときは、確定申告をしなくても還付金が振り込まれます。確定申告せずに損益通算をしたい方も、源泉徴収ありの特定口座が利用しやすいでしょう。
ただし、複数の特定口座で取引をしている場合は、口座間の損益通算は自動的には行われません。トータルで譲渡損が生じているときは、確定申告をして過払い分の還付を受けるようにしましょう。
譲渡損益がマイナスのときに確定申告するメリットについてより詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
節税の観点で譲渡損益の確定申告を検討しましょう!
確定申告をきちんと行うことで、節税を実現することができます。特に譲渡損が生じたときは確定申告が大切です。源泉徴収ありの特定口座は本来であれば確定申告の手続きを省略できる口座ですが、複数口座を開設している場合は、それぞれの口座間の損益通算は自動的にはできません。正しく確定申告をし、節税につなげるようにしましょう。
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ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様
よくある質問
譲渡損益とは?
譲渡損益とは資産を売却して生じる損失や利益のことで、譲渡損と譲渡益を合わせた言葉です。譲渡損を「キャピタルロス」、譲渡益を「キャピタルゲイン」と呼ぶこともあります。詳しくはこちらをご覧ください。
特定口座のメリットは?
譲渡損益を計算し、年間の取引報告書を作成してくれます。源泉徴収ありの特定口座を選ぶと、納税も自動的に行ってくれるので、確定申告が不要になります。詳しくはこちらをご覧ください。
譲渡損益がマイナスのときに確定申告するメリットは?
確定申告することで損益通算できます。複数の口座があるときにも通算可能です。また、譲渡損失を3年間繰り越して、翌年以降の課税所得額を減らし、節税につなげることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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