- 作成日 : 2026年7月7日
グローバル人材とは?育成方法や採用するポイント・課題などを解説
グローバル人材とは、多様な文化を理解しながら国際的なビジネスで成果を出せる人材です。
- 語学力・異文化理解・主体性の3要素が必要
- 人材像の定義から配属まで7ステップで育成
- 育成の課題はコスト・リーダー確保・海外志望不足
Q. グローバル人材を育成するにはどこから始めればよい?
A. まず自社が求める人材像を定義し、候補者を選定したうえで必要なスキルを整理し、研修と実務経験を組み合わせた育成プログラムを設計することから始めます。
グローバル化の進展により、海外市場への展開や外国人材の活用を進める企業が増えています。こうした環境の中で、異なる文化や価値観を理解し、国際的なビジネス環境で成果を出せるグローバル人材の重要性が高まっています。
一方で、グローバル人材の育成には語学力や異文化理解など、長期的な取り組みが必要です。
採用や適切な人材配置までを含めた、計画的な人材戦略も求められます。
本記事ではグローバル人材の定義や必要とされる背景、育成方法、採用時のポイント、育成における課題について解説します。
グローバル人材とは?
グローバル人材とは、国境を越えたビジネス環境において、多様な価値観を理解しながら成果を生み出し、組織の成長に貢献できる人材を指します。
文部科学省では、グローバル人材に必要な要素として、下記の3点を挙げています。
要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
外国語を話せるだけでなく、相手の文化や考え方を理解し、円滑に意思疎通を図る力が必要です。
また、異なる背景を持つ人と協働するための柔軟性や、自ら課題を発見して解決へ導く主体性も重要です。
自国の文化や価値観を理解し、適切に発信できることも、国際的な環境で活躍するために欠かせない要素といえます。
グローバル人材が求められる背景
グローバル人材が求められる背景には、国内市場の成熟や、人口減少による企業成長の限界があります。
新たな市場を開拓し、国際競争力を高めるために、海外展開やグローバルな事業運営に対応できる人材の重要性が高まっています。
また、労働人口の減少に伴い、外国人材の採用も広がっているのが現状です。
そのため、異なる文化や価値観を持つ人材と協力できる力が求められています。
企業のグローバル化やダイバーシティ推進が進む中で、多様な顧客ニーズや変化するビジネス環境に柔軟に対応できる人材が必要とされています。
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グローバル人材の育成方法
グローバル人材を育成するには、語学力の向上だけでなく、異文化理解や主体性、柔軟な対応力などを総合的に伸ばす取り組みが必要です。
企業の目的や課題に応じて、研修や実践経験を組み合わせながら、計画的に育成を進めることが重要です。
人材育成の考え方や方法について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
1.人材像の定義および候補者を選定する
まずは、企業の事業戦略や海外展開の目的に応じて、どのような場面で活躍する人材が必要なのかを明確にします。
たとえば、海外拠点のマネジメントを担う人材や、アジア市場での販路開拓を推進する人材などです。
求める役割によって、必要なスキルや経験は異なります。
そのうえで、育成対象となる候補者を決めます。
人事評価やキャリア面談の内容をもとに、将来的に国際的な環境で活躍できる可能性を持つ人材を選定しましょう。
日頃から従業員のスキルや実績、評価結果などの人事情報を一元管理し、適切に把握できる体制を整えることが大切です。
選定時には上司や同僚へのヒアリングも行い、業務能力だけでなく、主体性や協調性、勤務態度なども含めて総合的に判断します。
2.必要なスキルを整理する
次に、候補者ごとに必要な能力を整理し、計画的にスキルを伸ばします。
役職や将来的なキャリアを踏まえて、習得すべきスキルを明確にすることで、育成すべき領域や優先順位を把握しやすくなります。
語学力やコミュニケーション能力をはじめ、協調性や責任感、リーダーシップなど、グローバルな環境で求められる能力を一覧化しましょう。
必要なスキルを定期的に見直すことで、継続的な育成につなげられます。
3.人材育成プログラムを作成する
候補者の課題や育成目標をもとに、必要なスキルを効果的に身につけられる育成プログラムを設計することが重要です。
研修やOJTなど複数の手法を組み合わせ、スキルの重要度や習得期間、費用対効果を考慮しながら実施内容を決定します。
短期間で習得できる知識と、実務経験を通じて継続的に伸ばす能力を分けて計画することも大切です。
たとえば、異文化理解を深めるために、海外拠点や外国人従業員との協働に必要な文化・商習慣を学ぶ研修などが挙げられます。
4.育成プログラムを実施する
育成プログラムを実施する際は、数か月から数年単位の中長期的な計画を立て、通常業務と両立できる無理のないスケジュールで進めることが重要です。
候補者に対して、育成の目的や将来的に期待する役割を共有することで、学習への意欲を高め、主体的な成長を促せます。
さらに、事業戦略や組織体制の変化に応じて、育成内容や優先順位を定期的に見直し、柔軟に調整しながら取り組むことが求められます。
5.資格取得や研修などを通じて学習を支援する
業務経験だけでなく、資格取得や研修を通じた継続的な学習支援も重要です。
語学力の向上に向けて、TOEIC® L&R TESTやTOEFL®テストなどを活用し、現在のレベルを把握したうえで具体的な学習目標を設定しましょう。
語学研修に加えて、海外留学やマネジメント研修などを取り入れることも有効です。
これにより、異文化の理解やリーダーシップ、国際的なビジネス環境で必要となる総合的な能力を伸ばすことにつながります。
6.フィードバックを実施する
プログラムの進捗や成果を定期的に確認し、目標に対する達成状況や今後の課題を本人へフィードバックすることが大切です。
育成を進める中で、計画通りにスキル習得が進まない場合もあるでしょう。
状況に応じて、研修内容や育成目標を柔軟に見直す必要があります。
将来的な人材需要の変化に対応するには、特定の候補者だけに依存せず、継続的に育成対象者を確保し、組織全体で人材を育てる仕組みを整えることが重要です。
7.配属を決定する
グローバル人材の育成プログラムを修了した後は、習得したスキルや本人の適性を踏まえ、活躍できる部署や拠点への配属を検討します。
配属を決定する際は、候補者の能力や強みと、配属先で求められる役割・スキルを照らし合わせましょう。
候補者が、力を発揮しやすい環境を整えることが重要です。
海外事業の方針変更や人材需要の変化に柔軟に対応できるよう、複数の候補者を継続的に育成して人材プールを確保しておくことも求められます。
グローバル人材育成における研修内容の具体例
グローバル人材を育成するには、語学力だけでなく、異文化理解やコミュニケーション能力、リーダーシップなど幅広いスキルを伸ばす研修が必要です。
企業の目的や対象者の課題に応じて、適切な研修内容を組み合わせることで、国際的な環境で活躍できる人材の育成につながります。
教育研修について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
異文化への理解を深める研修
異文化への理解を深める研修では、海外の文化や歴史、価値観の違いを学び、多様な考え方を受け入れる力を養います。
国や地域による習慣やコミュニケーション方法の違いを理解することで、海外の取引先や現地従業員との円滑な関係構築が可能です。
特定の文化に関する知識を身につけるだけでなく、異なる環境でも柔軟に対応できる思考力や、コミュニケーション能力を高めることを目的としています。
語学研修
語学研修では、専門講師による指導を通じて、業務で活用できる実践的な語学力の向上を目指します。
語彙や文法を学ぶだけでなく、ビジネス場面で必要となる会話力や表現力を身につけることが重要です。
外国人講師との交流を取り入れることで、語学スキルの向上に加えて、海外の人とコミュニケーションを取る経験を積めます。
近年では、オンライン形式の研修も普及しており、場所や時間の制約を受けずに、効率的に学習できる環境を整えやすくなりました。
実際の業務をもとにしたシミュレーション研修
実際の業務をもとにしたシミュレーション研修では、語学研修や異文化理解で身につけた知識を、実務に近い環境で活用する力を養います。
主に、商談や会議、交渉などの場面を想定した訓練を行うことで、グローバルなビジネス環境で求められる対応力や判断力を身につけることが可能です。
実際の業務で成果につなげるための応用力や、異なる状況に柔軟に対応する課題解決力の向上を目指します。
海外研修
海外研修では、海外の環境で一定期間学習や業務体験を行い、語学力や国際的な視野を高めることが目的です。
現地での生活や実際のコミュニケーションを通じて、教室で学ぶだけでは得られない実践的な対応力を身につけられます。
また、異なる文化や価値観に直接触れることで、多様な考え方を理解する力が養われるのも特徴です。
結果として、グローバルな環境でも柔軟に行動できる、適応力の向上につながります。
グローバル人材育成の課題
グローバル人材の育成は、企業の国際競争力を高めるうえで重要な取り組みです。しかし、計画的に進めるにはさまざまな課題があります。
ここでは、グローバル人材の育成における課題を紹介します。
時間とコストがかかる
グローバル人材の育成には、一定の時間とコストが必要です。
語学力や異文化理解などの知識習得だけでなく、実際の業務経験を通じて能力を高めていく必要があるため、短期間で成果を出すことは難しい場合があります。
また、研修費用や学習機会の提供、人材育成に関わる担当者の負担など、人的・金銭的なコストも発生します。
とくに、主体性やチャレンジ精神といった能力は実践の中で育まれるため、若手の段階から中長期的な視点で、育成を進めることが重要です。
リーダーの素質を持つ人材の確保が難しい
組織を牽引できるリーダー候補を確保することも、課題のひとつです。
国際的な環境で成果を出すには、語学力や知識だけでなく、周囲を巻き込みながら行動するリーダーシップや主体性が求められます。
しかし、これらの資質や高い成長意欲を持つ人材は限られています。
育成の機会が不足すると、挑戦する意欲が低下する可能性もあるでしょう。
将来的なリーダーを育てるには、若手の段階から責任ある業務や意思決定の機会を提供し、実践を通じて経験を積める環境を整えることが大切です。
海外勤務の希望者が不足している
海外勤務を希望する従業員の確保も、課題となる場合があります。
海外赴任に対する不安や語学力への懸念から、海外で働くことを希望する人材が十分に集まらないことも考えられるでしょう。
これにより、育成対象者の選定や人材配置に影響を与える可能性があります。
海外勤務の具体的なキャリアパスや、配属先で担う役割を明確に示し、従業員が将来の成長イメージを持てるようにすることが重要です。
また、採用段階からグローバルな活躍の機会を提示し、海外志向を持つ人材を確保する取り組みも有効です。
グローバル人材を採用するポイント
グローバル人材を採用するには、語学力や海外経験だけでなく、異なる文化や価値観の中で成果を出せる適性を見極めることが重要です。
採用後の活躍につなげるためにも、自社が求める人材像を明確にし、必要な能力や考え方を持つ人材を選定することが求められます。
SNSで情報発信する
SNSやブログなどを活用し、自社の魅力を継続的に発信することで、グローバル人材の採用につなげやすくなります。
企業のビジョンや文化、働き方を伝えることで、海外で活躍したい人材への認知拡大や興味喚起が可能です。
情報発信の際は、単に制度や仕事内容を紹介するだけでなく、自社ならではの強みや従業員が感じる価値を明確に示しましょう。
これにより、求職者との共感を生み出すことが大切です。
海外プロジェクトの実績や、多様性を尊重する職場環境などを発信することで、企業ブランドの向上や採用力も強化されます。
リファラル採用を実施する
リファラル採用は、従業員からの紹介を通じて候補者を集める採用手法であり、グローバル人材の確保にも有効です。
従業員が、自社の文化や業務内容を理解したうえで紹介します。
そのため、企業との相性がよい人材を見つけやすく、採用後のミスマッチ防止にもつながります。
求人広告などにかかる、採用コストの削減もメリットです。
制度を効果的に活用するには、紹介報酬の設定や従業員への情報共有に加え、気軽に候補者を紹介できる仕組みやツールを整備することが重要です。
ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングは、企業が候補者へ直接アプローチする採用手法のことです。
グローバル人材や高度な専門性を持つ人材の確保にも、効果的です。
採用要件として必要なスキルや経験を明確にしておくことで、自社に適した人材へ効率的にアプローチできます。
候補者へのメッセージでは、自社の魅力や具体的なキャリア機会を伝えられるため、応募や面談につなげやすくなります。
タレントプールを活用する
タレントプールを活用することで、将来的な採用候補者をあらかじめ管理でき、人材ニーズが発生した際に迅速な採用活動を進められます。
過去の応募者や接点のあったグローバル人材の情報を蓄積し、継続的なコミュニケーションを通じて関係性を維持することが重要です。
定期的な情報発信や交流の機会を設けることで、候補者との接点を保ち、採用が必要なタイミングでスムーズなアプローチや採用につなげられます。
人材管理システムについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
エージェントに相談する
採用エージェントを活用することで、自社だけでは接触が難しい優秀なグローバル人材や専門人材へアプローチできる可能性が広がります。
とくに、専門性の高い人材を採用する場合は、対象分野に強みや実績を持つエージェントを選定することが重要です。
求めるスキルや経験、採用要件を明確に共有し、紹介された人材への対応やフィードバックを迅速に行うことで、採用活動を効率的に進められます。
カジュアル面談を実施する
正式な選考前にカジュアル面談を実施することで、候補者は企業や仕事内容への理解を深められ、応募に対する心理的なハードルを下げられます。
また、企業側も候補者の価値観やキャリア志向を早い段階で把握できるため、入社後のミスマッチ防止につながるのがメリットです。
面談では、採用担当者や現場社員が業務内容や職場環境について率直に伝え、双方向のコミュニケーションを重視してください。
さらに、グローバル人材の定着には、働く環境だけでなく生活環境のサポートも欠かせません。
とくに住まいに関する福利厚生は、海外赴任者や転勤者にとって大きな安心材料となります。
マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸なら、社宅制度の導入から契約・運用までをサポートできるため、海外赴任者や転勤者の住環境を整備する際に役立ちます。
福利厚生の充実は、採用競争力の向上と企業側の運用負担を減らすことにつながるでしょう。
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