- 更新日 : 2026年7月31日
取引基本契約書は電子化できる!電子署名のやり方や電子契約の注意点を解説
取引基本契約書は電子化が可能です。メリットの多い電子化ですが、やり方がわからず悩んでいる方も多いでしょう。
契約書を電子化する際には、セキュリティ面などに注意する必要があります。本記事では基本取引契約書の電子化のやり方や注意点について、詳しく紹介します。
<関連記事>
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
<サービス資料>
▶マネーフォワード クラウド契約の詳細はこちら
▶マネーフォワード クラウドAI契約書レビューの詳細はこちら
取引基本契約書は電子化できる
取引基本契約書は、電子化が可能です。取引基本契約書は一定期間の間に取引が継続するような場合に、都度契約書を作成しなくてもよいように作成しておく書面です。
契約書の電子化とは電子データで契約書を作成すること
契約書の電子化とは、従来書面に双方が署名捺印して作成することが主流だった契約書を、電子署名を用いて電子データで作成することです。書面の契約書で行っていた「署名・捺印」をデータ上で行うことで、紙契約書と同等の効力を持たせられます。
契約書の中には電子化できるものと電子化できないものがありますが、取引基本契約書は電子化が可能です。契約書を電子化することで、印紙代が不要になるなどのメリットが多く利用されるケースが増えています。
【無料】お役立ち資料
▶電子契約サービス比較マニュアル(合計12ページ)
▶電子契約はじめ方ガイド(合計18ページ)
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶電子契約まるわかり4点セット(合計32ページ)
取引基本契約書に電子署名するやり方
取引基本契約書に電子署名するやり方は、契約書媒体の種類によって異なります。実際の取引で利用されることの多い、電子契約システムを使ったやり方のほか、PDFやWord・Excelの場合のやり方を紹介します。
電子契約システムを使ったやり方
電子署名をするやり方として多いのが、企業が運営している電子契約システムを使って契約の当事者同士が署名をするケースです。電子署名に必要な環境が整っているため、契約者にとっても負担が少なく効率的に署名が行えます。
契約書を作成する側はシステムに契約書をアップロードして、署名してほしい箇所を指定します。契約の相手方には、メールで署名依頼を行うことが可能です。メールを受け取った相手方がシステムを使って電子署名をすることで、契約が成立します。
PDFの電子署名のやり方
PDFで電子署名を行う場合は、デジタルIDの作成が必要です。デジタルIDの作成手順は、次の通りです。
- メニューから環境設定→署名→詳細を選ぶ
- 画面上部にある「IDを追加」をクリック
- 「今すぐデジタルIDを新規作成」を選択
- 「新しいPKCS#12 デジタル ID ファイル」を選択、電子証明書の生成を行う際に使用する情報を入力する
- 作成するデジタルIDの保存場所とパスワードを入力し、完了
作成した電子署名を文書に付与する際には、ツールから「証明書」を開き、「電子署名」を選択して行います。作成したデジタルIDの有効期限は5年のため、期限に注意しましょう。
Word・Excelの電子署名のやり方
Word・Excelで電子署名を行う場合は、ファイルから「情報」を選択し、「文書の保護」をクリックします。次に「デジタル署名の追加」を選択して、「Microsoft Office署名ライン」を選択しましょう。
「署名」のダイアログボックスで、氏名やメールアドレスなどの情報を入力、署名ボタンをクリックすると署名が完了します。
取引基本契約書を電子化するメリット
ここからは、取引基本契約書を電子化するメリットを見ていきましょう。
収入印紙が不要になる
契約書を電化すると、印紙税が不要になります。印紙税とは課税文書に対して課税される税金のため、契約書の種類によっては印紙代を負担しなければなりません。しかし、あくまで「文書」に課税される税金のため、電子化された契約書には課税されません。
印紙税や郵送費などのコストを削減できる
契約書を電子化すると印紙代が不要になることに加え、契約書の印刷や封入、郵送などさまざまなコストを削減できるのがメリットです。紙の契約書の場合、保管にかかるコストや書類を探す手間もかかります。契約書を電子化することで、郵送にかかる費用などさまざまなコストを削減できるでしょう。
契約締結までの時間を短縮できる
電子契約書では締結までの時間も短縮できます。紙の契約書の場合は契約書を郵送でやりとりする必要があります。契約書を作成し相手へ郵送、返送されるまで数週間かかることもあるでしょう。電子契約書であればメールでやり取りが可能になるため、締結までの時間を大幅に短縮できます。
取引基本契約書を電子化するときの注意点
メリットの多い契約書の電子化ですが、注意点もあります。ここからは取引基本契約書を電子化する際の注意点を紹介します。
セキュリティに注意する必要がある
契約書を電子化する際には、セキュリティ面に注意する必要があります。紙の文書であれば鍵のかかる金庫などに保管しておけば、誰かに見られる心配はありません。しかし電子化を行う場合、不適切な箇所に保管すると、すべての社員が見られるような状況に陥るケースもあります。
また、文書の改ざんや知らないうちに削除されてしまうリスク、社外への情報漏洩のリスクもあります。電子契約を導入する際には、社内のセキュリティ対策なども同時に行うようにしましょう。
電子署名法の要件を満たす必要がある
電子契約を締結する場合は、電子署名法で定められた要件を満たす電子署名を行っておくべき点に注意が必要です。電子署名法の要件を満たす電子署名がなされた契約書は「真正に成立したものと推定する」と定められています。電子化した契約書の法的効力を高めるためには、電子署名法が定める「作成者本人による電子署名」と「認定タイムスタンプ」が必要です。
認定タイムスタンプとは、書面が編集された日時を記録するシステムです。タイムスタンプがあることで、改ざんの有無を確認できます。電子化を進める場合、これら2点の付与が漏れないように注意しましょう。
取引基本契約書の電子化を求められたらどうする?
電子契約に対応していない企業においても、今後は取引先から電子化を求められることが増えると予想されます。ここでは、取引基本契約書の電子化を求められた場合の対処法について解説します。
電子契約に応じる
相手の要望に応じて電子契約に合意できる場合は、電子契約サービスの導入などで電子契約に対応しましょう。しかし、先ほど注意点でも紹介したように、電子契約の導入にはセキュリティ面などで注意が必要です。
自社のセキュリティや契約書の閲覧制限などの対策を行ったうえで、電子契約を導入する必要があります。安易に応じるのではなく、社内体制の整備も含めて検討するようにしましょう。
片方のみ電子契約にする場合には注意が必要
電子契約を求められても、法的に応じる必要はありません。社内で検討の結果、対応が難しいと判断した場合は、片方のみ電子契約とする方法もありえます(実際に電子契約システムを提供している会社によっては、片方のみを電子契約とする方法を紹介しているものもある)。
しかし、この場合は片方のみ書面に捺印することになるため、双方が署名捺印したことを明確に証明できないリスクが生じる点で法的効力があいまいになってしまう可能性があります。また、結局は片方が書面に捺印することになるため、課税文書である場合には印紙の貼付が必要になり印紙代がかかることや、紙媒体の契約書の保管の必要性が生じるなど、電子契約のメリットが得られなくなります。
したがってメリットがあまりないのであれば、片方のみを電子契約にするという対応にはせず、双方が紙媒体の契約書に署名捺印するという従来の方法を選択した方がよい場合もあるでしょう。
取引基本契約書以外で電子化できない書類はある?
便利な契約書の電子化ですが、すべての契約書が電子化できるわけではありません。下記の契約書は書面での作成が定められているため、電子化は不可能です。
- 事業用定期借地契約
- 企業担保権の設定、もしくは変更の契約
- 任意後見契約書
上記の書類では、法律によって公正証書で作成することが義務付けられています。公正証書とは、公証役場で公証人立ち会いのもとに作成する書面のことです。しかし契約書の電子化については、規制改革推進会議において検討が進められています。そのため、今後は制度が見直される可能性はあるでしょう。
電子契約システム導入による取引基本契約の効率化・コスト削減効果と関連データ
マネーフォワード クラウドが2025年5月に実施した調査(電子契約業務経験者1,563名対象)によると、電子契約システム導入により便益を感じる機能として「費用削減」が35.6%、「工数削減」が34.4%を占めました。さらに費用削減に便益を感じる556名に対し、最も重要な項目を尋ねたところ、「印紙税の不要化」が30.6%、「郵送費の削減」が20.0%、「印刷費の削減」が19.8%となり、本記事で解説した取引基本契約書の電子化によるコスト削減が実務上も重視されています。
取引基本契約書の電子化で印紙税・郵送費・契約期間を大幅削減
企業規模別に見ると、2-50名の企業では「印紙税の不要化」が34.9%と特に高く、次いで「郵送費の削減」が23.2%となっており、中小企業ほど直接的なコスト削減を重視しています。また工数削減537名では「契約リードタイムの短縮」が19.9%を占め、本記事で解説した契約締結までの時間短縮が評価されています。電子契約システムは、取引基本契約書の電子化により、印刷・郵送・保管にかかる手間とコストを削減し、契約締結の迅速化を実現します。
取引基本契約書を電子化して業務を効率化しよう
取引基本契約書は、電子化できます。契約書を電子化することで印紙が不要になるだけでなく、郵送代などのコストも削減できます。さらに、メールのやり取りのみで完結するため、締結までのスピードも速くなるでしょう。
しかし契約書を電子化すると、漏洩などのリスクも高まります。また社員であれば誰でも見られるといった事態の回避など、管理体制の整備も必要です。契約書の電子化を導入する際には、メリットだけでなく注意点も含めて検討しましょう。
契約書の電子化なら「マネーフォワード クラウド契約」
電子契約が認められている契約書であれば、マネーフォワード クラウド契約でそのまま作成・締結・保管まで対応できます。
よく使う契約書はテンプレートとして登録でき、社内の申請・承認を経てから電子署名・タイムスタンプ付きで締結。
締結後は契約管理台帳に自動で保管され、取引先名や契約金額、契約期間で検索できます。
契約期間の満了前にはアラートが通知されるため、更新漏れも防げます。送信料・保管料は0円で契約件数が増えても料金は変わらないので、書類の種類を問わず全社で電子化を進められます。
詳しくは、マネーフォワード クラウド契約のサービス資料をご覧ください。
電子契約関連のおすすめコンテンツ
電子契約関連記事
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
▶電子契約の導入の流れは?サービスの導入から契約締結までの進め方を解説
▶電子契約のメリット・デメリットは?導入が進まない理由や関連する法律もわかりやすく解説
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
契約・契約書関連記事
▶契約とは?民法における成立要件や契約書の種類などを簡単にわかりやすく解説
▶契約書とは?注意すべきポイントを簡単に解説
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
▶契約書はどちらが作成すべき?決め方や契約への影響、押印の順番を解説
おすすめお役立ち資料
▶電子契約サービス比較マニュアル(合計12ページ)
▶電子契約はじめ方ガイド(合計18ページ)
▶電子契約まるわかり4点セット(合計32ページ)
▶マネーフォワード クラウド契約サービス資料
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
電子取引の関連記事
新着記事
-
# 企業法務
IPO準備・M&A検討で見直したい「契約の整理状態」。企業の信頼を支える3つの条件
IPO準備やM&Aの検討が進むと、財務情報だけでなく、主要な契約の内容や管理状況についても説明を求められる場面があります。しかし、紙の契約書、複数の電子契約サービス、部門ご…
詳しくみる -
# 企業法務
「あの契約書どこ?」からの脱却。ファイル名ルールに依存しない、これからの契約書管理術
「ファイル名のルールを決めたのに、人によってバラバラで守られない」 「過去の契約書を探すのに、毎回時間がかかる」 このような悩みを抱えてはいないでしょうか。 契約書の管理において最…
詳しくみる -
# 企業法務
契約管理ツールの費用対効果はどう示す?経営層に伝わる4つの評価軸と試算方法
「契約管理ツールの必要性は感じているものの、経営層へ費用対効果をうまく説明できない」 「今のExcelや共有フォルダによる管理で何が問題なのかと問われ、明確に答えられない」 バック…
詳しくみる -
# 企業法務
不透明な時代の経営判断を支える「契約情報の資産化」という考え方
「契約条件をすぐ確認したい」 「更新や解約の可否を判断したい」 「トラブル発生時に契約内容を精査したい」 こうした局面で、契約書を探す作業そのものに時間を取られてはいないでしょうか…
詳しくみる -
# 電子契約
契約書は「増え続ける資産」。5年後、10年後のコストを左右するプラットフォーム選び
「初期費用も月額基本料も安いから、まずはこのツールで始めよう」 そう決めて導入した契約管理システムが、数年後に想定外のコスト増につながる可能性があるとしたらどうでしょうか。事業が成…
詳しくみる -
# 電子契約
取引先が「紙」でも慌てない。電子と紙の混在を解決する、契約管理の『ハイブリッド運用』
電子化が進まない原因は「締結方法」と「管理方法」の混同にある 電子契約を導入しても紙の契約書が残るのは、取引先の対応が遅れているからだけではありません。多くの場合、契約の「締結方法…
詳しくみる
