• 更新日 : 2025年12月29日

業務委託契約書に印紙は必要?金額やどちらが負担するか、節税方法を解説

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業務委託契約書には、その内容によって収入印紙の貼付が必要です。ただし、印紙の必要性や印紙の金額は契約書の内容によって異なります。

本記事では、業務委託契約書の印紙税額を判断するポイントを第2号文書や第7号文書といった区分に基づいて詳しく紹介します 。印紙税額をどちらが負担するか、印紙を貼る場所、印紙なしの場合の罰則、そして電子契約を活用した節税方法なども押さえておきましょう。

業務委託契約書に印紙は必要?不要?

業務委託契約書に印紙が必要か不要かは、その契約が印紙税法上の「課税文書」に該当するかどうかで決まります。

業務委託契約の分類による印紙の要否

そもそも業務委託とは、「請負」と「委任(準委任)」を含む言葉です 。これらが継続的かどうかによって、印紙の扱いは下表のように分類されます。

契約の種類該当する文書印紙の要否・金額
請負契約
(仕事の完成が目的)
第2号文書
(請負に関する契約書)
必要
(契約金額に応じた税額)
委任・準委任契約
(業務の遂行が目的)
不課税文書原則不要
(ただし、継続的取引の基本契約に該当する場合は③へ)
継続的取引基本契約
(①または②が継続的なもの)
第7号文書
(継続的取引基本契約書)
必要
(一律 4,000円)

業務委託契約書は、印紙税法における課税文書の「2号文書」と「7号文書」のいずれかに該当することが一般的です。どちらに該当するかを判断し、適切な金額の印紙を貼付することが大切です。

第2号文書と第7号文書の違いは?

業務委託契約書が印紙税の対象となる場合、ほとんどは「第2号文書」か「第7号文書」のどちらかに該当します。

  • 第2号文書
    仕事の完成を約束する契約です。成果物の納品(システム開発、デザイン制作、記事執筆など)が伴うものが該当し、契約金額に応じて印紙税額が変わります。
  • 第7号文書
    取引の基本的なルール(単価、支払条件など)を定める契約書で、契約期間が3ヶ月を超える、かつ更新の定めがあるものが該当します。請負契約だけでなく、準委任契約(コンサルティング、運用保守など)も、継続的であれば7号文書に該当します。税額は一律4,000円です。

契約書が第2号文書と第7号文書の両方の性質を持つ場合、契約金額が明確に記載されていれば「第2号文書」が優先されます。ただし、金額の記載があっても、その契約期間が3ヶ月を超え、かつ更新の定めがある場合は、第2号と第7号の両方に該当します。この場合、金額の記載があれば第2号文書として扱い、金額の記載がなければ「第7号文書」として扱います。金額の記載がなく、継続的取引に該当する場合は「第7号文書」となります。

参考:No.7102 請負に関する契約書|国税庁No.7104 継続的取引の基本となる契約書|国税庁

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業務委託契約書に貼る印紙の金額は200円?4000円?

業務委託契約書に貼る印紙の金額は、2号文書と7号文書のどちらに該当するかで変わります。以下では、それぞれの内容といくらの印紙が必要なのかを紹介します。

第2号文書の印紙税額

業務委託契約書が第2号文書に該当する場合、印紙税額は契約金額によって変動します。契約金額別の印紙税額は、以下の通りです。

契約金額印紙税額
100万円以下200円
100万円を超え200万円以下400円
200万円を超え300万円以下1,000円
300万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円
5,000万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円
5億円を超え10億円以下20万円
10億円を超え50億円以下40万円
50億円を超えるもの60万円
契約金額記載なし200円

例えば、契約金額が100万円以下であれば、印紙税は200円です。また、契約金額が1万円以下(または1万円未満)であれば非課税となり、印紙は不要です。

なお、建設工事の請負に関する契約書については、税額が別に定められている場合があります。

参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

第7号文書の印紙税額

業務委託契約書が第7号文書「継続的取引の基本となる契約書」に該当する場合、印紙税額は一律4,000円です。第7号文書に該当するのは、契約期間が3ヶ月以内で更新の定めがないものを除く、継続的な取引の基本契約です。

第7号文書かどうかを見分けるポイントは、契約金額を明確に計算できるかどうかです。例えば、契約書に「1ヶ月あたり1万円」「1回あたり5,000円」と単価のみが記載されていても、「何ヶ月」「何回」という記載がなければ契約金額を計算できません。このように、契約金額を明確に計算できなければ第7号文書と判断でき、4,000円の印紙を貼付する必要があります。

しかし、「1ヶ月あたり1万円」に加えて「2024年1月より1年間とする」という記載があれば、1万円×12ヶ月で契約金額は12万円と明確に計算できるため、第7号文書に該当しないと判断できます。

印紙税が4,000円となるのは、継続して生じる取引のあくまでも基本的な契約を結ぶ場合であり、具体的な取引までは指定しないものと考えるとよいでしょう。

参考:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁

業務委託契約書の印紙税はどちらが負担する?

業務委託契約書の印紙税はどちらが負担するかについて、法律(印紙税法)には明確な定めがありませんが、契約の当事者で折半して負担することが一般的です。

印紙税法には、書類の作成者に印紙税の課税義務があると記載されているものの、複数の者が共同で作成した場合には印紙税の負担も連帯して納める旨の記載もあります。

契約書は2部作成して署名捺印し、それぞれが1部ずつ保管することが一般的です。そのため、それぞれが保管する契約書に貼る印紙税を負担することは、自然な流れといえるでしょう。

参考:印紙税法|e-Gov 法令検索

業務委託契約書の印紙の貼り方は?

業務委託契約書・工事請負契約書の印紙の貼り方

収入印紙を貼る場所

業務委託契約書の収入印紙を貼る場所は、法律で厳格に定められているわけではありませんが、契約書の左上のスペースに貼るのが一般的です。また、署名欄の横に貼付する場合もあります。

印紙の裏には糊が付いているため、水分を付けてしっかりと貼り付けましょう。印紙を2枚貼り付ける場合は、上下または左右に並べて貼るのが一般的です。

消印の方法

貼付した収入印紙には、契約書と印紙にまたがるように「消印」を押す必要があります。消印とは、印紙の再利用を防ぐために使用済みであることを示すものです。

  • 有効な消印:契約書に押印した印鑑のほか、日付印、認印、インク浸透印(シャチハタなど)が使えます。ボールペンによる署名(サイン)も有効です。
  • 無効な消印:印と記入するだけでは無効です。また、単なる斜線・二重線や、鉛筆など消えやすい筆記用具による署名も認められません。

業務委託契約書に印紙がないとどうなる?

本来は収入印紙が必要にもかかわらず貼付がない場合について、契約書の効力やペナルティはどのようになるのか気になる方もいるでしょう。以下では、業務委託契約書に印紙がない場合について、どのように扱われるのかを紹介します。

契約内容は無効にならない

業務委託契約書に印紙がない場合でも、契約の内容は有効です。印紙税法上の問題と、契約の民事的な効力は別個のものです。

過怠税が徴収される

一方、ペナルティとして過怠税が課せられます。契約する時点で、貼り忘れのないように注意が必要です。

  • 税務調査で指摘された場合
    本来貼付すべき印紙税額に加え、その2倍に相当する過怠税が徴収されます。つまり、合計で本来の印紙税額の3倍の金額を納付しなければなりません。
  • 自主的に申告した場合
    税務調査で指摘される前に貼り忘れに気づき、自主的に所轄の税務署長に印紙税の不納付事実を申し出た場合は、軽減措置が適用されます。この場合、過怠税は本来の印紙税額の10%に減額され、合計で本来の印紙税額の1.1倍を納付すれば済みます。

参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁

契約書に印紙がない場合について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

業務委託契約書の割印の押し方は?

契約書の割印の押し方

業務委託契約書を複数枚作成して、契約当事者のそれぞれが保管する場合には、「割印」を押すことがあります。割印は法的に必須ではなく商習慣の一つですが、契約書が同一のものであることの証明や、改ざん・不正コピーを防止する目的で一般的に行われます。

割印を押す場合は、作成した契約書を少しずらして重ね、契約者全員の印鑑を押印します。ただし、必ずしも契約の際に使った印鑑の押印が必要なわけではなく、認印でも構いません。契約者の中に法人がいる場合は、法人名の印鑑を使うことが一般的です。

業務委託契約書の印紙代を節税するポイントは?

該当する課税文書の種類や契約金額によっては、高額な印紙代が必要なケースもあります。「契約書に貼るだけなら、印紙税額が少なければいいのに」と考える方もいるでしょう。以下では、印紙代を節約するためのポイントを2つ紹介します。

契約金額を税抜きで表示する

業務委託契約書が第2号文書に該当する場合、印紙税額の基準となる契約金額に消費税額は含まれません。契約金額を税抜きで明確に記載することで、印紙代が安くなるケースがあります。

税込110万円(税抜100万円)の請負契約の記載例
  • 請負金額 110万円
    → 契約金額110万円(100万円超)とみなされ、印紙税額は400円です。
  • 請負金額 110万円(税抜金額100万円)
    → 契約金額100万円とみなされ、印紙税額は200円です。
  • 請負金額 110万円(消費税等10万円を含む)
    → 契約金額100万円とみなされ、印紙税額は200円です。

ただし、請負金額に「税込」「消費税10%を含む」と加えるだけでは、以上の処理は認められません。消費税や税込・税抜の金額を明確に記載することが大切です。

契約書の原本の枚数を減らす

印紙税は原本に対して課税されます。契約書のコピー(写し)には印紙の貼付は不要です。

一般的には、同じ内容の契約書を2部印刷してそれぞれが署名捺印します。この2部はどちらも原本とみなされるため印紙の貼付が必要です。しかし、原本を1部だけ作成して、いずれか一方がコピーを保管するようにすれば、印紙の貼付は1部で済みます。

ただし、この方法では原本が1部しか存在しないため紛失リスクが高まるほか、訴訟などで原本の提出が求められた際の証拠能力に影響が出る可能性がある点には注意が必要です。

電子契約なら業務委託契約書の印紙は不要になる

最も確実な節税方法は、電子契約で契約を締結することです。電子契約で業務委託契約を締結すれば、収入印紙の貼付は一切不要になります。

印紙税法第3条は、課税対象となる文書の作成時に納税義務が発生すると定めています。作成とは、紙の文書に出力・交付することを指します。PDFなどの電子データで契約を締結する電子契約は、紙の文書の作成には該当しないため、印紙税の課税対象外です。

近年は電子契約サービスが普及しつつあり、紙の契約書から電子契約へより簡単に移行できるようになりました。ペーパーレス化によって管理コストを削減でき、契約の作成から締結、管理までシステム上でスムーズにできるため、検討してみてはいかがでしょうか。

参考:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁

業務委託契約書の無料ひな形・テンプレート

契約の内容を明確に残すためには、業務委託契約書を作成しておくことが大切です。しかし、何もない状態から作成することは難しく、法的なリスクも伴うでしょう。そこで、無料のテンプレートを使うと簡単に業務委託契約書を作成できます。ぜひ以下からダウンロードして活用してください。

なお業務委託契約書については、以下の記事をご参照ください。

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