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コアタイムとフレキシブルタイムとは?フレックスタイム制の基本を解説

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子育てをしながら働く社員や、仕事をしながら親の介護をしている社員など、生活環境が多様化するなか、現在政府は「フレックスタイム制」を促進しています。

この制度は「コアタイム」と「フレキシブルタイム」を労使間で決定し、それに基づいて運用されなければなりません。ここではスムーズにこの制度を導入するためのコアタイムやフレキシブルタイムの考え方、導入に必要な要件について解説します。

フレックスタイム制におけるコアタイムの決め方

フレックスタイム制とは?

フレックスタイム制は労働基準法第32条の3に基づいた労働時間の管理方法です。一般的に企業では「午前8時から午後5時まで」「午前9時から午後6時まで」というように労働者が勤務する時間を定め、労働者はそれに従って働きます。

これに対してフレックスタイム制では1日当たりの労働時間を固定しません。一定期間の総労働時間だけを決めておき、労働者はその労働時間の範囲内でいつ働くかを自分の裁量で決めます。そのため労働時間を固定する場合よりも、各労働者の事情に応じた働き方がしやすくなります。

フレックスタイム制促進の背景

フレックスタイム制は厚生労働省によって、促進されています。グローバリゼーションの進展により経済状況はめまぐるしく変化するようになりました。

これに日本がついていくためには、これまで以上に各労働者の個性・能力を活用する必要があります。また労働者自身の生活も以前とは大きく変わり、親の介護が必要な場合や、共働き家庭で子どもの送迎が必要な場合など、様々な生活パターンが増えてきています。

このような状況に対応するためには固定的な労働時間管理ではなく、各労働者の裁量に任せるフレックスタイム制の導入が必要になるのです。

フレキシブルタイムとコアタイム

フレックスタイム制には2種類の労働時間があります。それがフレキシブルタイムとコアタイムです。

フレキシブルタイムとは労働者が自身の裁量で決められる時間帯のことです。労働者は定められたフレキシブルタイムの中から、自分が働きたい(あるいは働くべき)時間を決定します。裁量で決められる時間が短いと、フレックスタイム制とはみなされなくなるため、フレキシブルタイムをどの程度認めるかがフレックスタイム制のポイントとなります。

これに対してコアタイムとは労働者が1日のうちで必ず働かなければならない時間帯のことです。フレックスタイム制においてもこのコアタイムには必ず勤務していなければなりません。定例会議など固定的な業務がある場合はコアタイムを設定することで対応できます。

基本モデル
(出典:フレックスタイム制の適正な導入のために|東京労働局労働基準部・労働基準監督署)

こちらは東京労働局が提示するフレックスタイム制の基本モデルです。間に休憩時間を挟みながら10時から15時をコアタイムとし、6時から10時までと15時から19時までをフレキシブルタイムとしています。

フレックスタイム制採用に必要な2つの要件

フレキシブルタイムとコアタイムの設定をしただけではフレックスタイム制を導入したことにはなりません。「就業規則への明記」と「労使協定の締結」という2つの要件を満たす必要があります。

就業規則への明記

フレックスタイム制を導入するには就業規則にその旨を明記しなければなりません。具体的には次のような内容です。
就業規則の例
(出典: フレックスタイム制の適正な導入のために|東京労働局労働基準部・労働基準監督署)

ここで明記する内容はそれぞれ労使協定であらかじめ定めておく必要があります。

労使協定で定めるべき6項目

労使協定で定めておかなければならない項目は以下の6つです。

1.対象となる労働者の範囲
→各人ごと、各課ごと、各グループごとなどで定めます。「全従業員」としても構いませんし、フレックスタイム制が求められる部署が営業部だけなら「全営業部職員」としても構いません。

2.清算期間
→フレックスタイム制において労働者が勤務するべき時間を定める期間を、清算期間と呼びます。賃金の計算に合わせて1ヶ月に設定するのが一般的です。なお清算期間は最長1ヶ月となっています。

3.清算期間における起算日
→清算期間がどの期間かを明確にするために「毎月○日」というように起算日を具体的に定めておく必要があります。

4.清算期間における総労働時間
→清算期間における総労働時間とはいわゆる所定労働時間を指します。清算期間を平均した時に1週間の労働時間が40時間以内になるよう定めなければなりません(※1)。具体的な総労働時間を定めるためには以下の条件式を使います。

清算期間における総労働時間≦清算期間の暦日数/7日×1週間の法定労働時間

※1週間の法定労働時間。なお常時10人未満の労働者を使用する商業、映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の特定措置対象事業場は44時間以内。

5.標準となる1日の労働時間
→標準となる1日の労働時間とは、年次有給休暇を取得した際に1日を何時間労働として賃金計算するかを決めるためのものです。

6.フレキシブルタイムとコアタイム
→1~5を踏まえたうえで、フレキシブルタイムとコアタイムを設定します。

のちのち余計なトラブルを招かないよう、労使協定の段階でしっかりと話し合い、決定するようにしましょう。

まとめ

フレックスタイム制は各労働者の生活環境等に応じた働き方を実現するための労働時間の管理制度です。

しかし労働時間の管理は賃金計算に直結するため、適切な運用には事前にしっかりと労使間でルールを決めておく必要があります。安易に導入せず、導入前には自社の状況に本当に必要な制度かどうかを吟味するようにしましょう。

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