- 作成日 : 2024年2月29日
ペーパーレス化とは?メリットや推進する時のポイント、成功事例を紹介!
ペーパーレス化とは、紙で保管していた文書や資料などを電子化し、データとして保管・活用することです。ペーパーレス化を行うことで、コスト削減やセキュリティの強化が期待できます。本記事では、ペーパーレス化の概要や日本のペーパーレス化の現状を紹介した上で、メリットや導入時のポイントなどを紹介します。
目次
ペーパーレス化とは?
ペーパーレス化とは、紙媒体を電子化しデータとして保存・活用することです。
以前は契約書や公的文書、資料などを紙で保管することが一般的でしたが、ペーパーレス化を推進することで業務効率化やコスト削減が期待できます。
ペーパーレス化を行うと出勤しなくてもファイルの編集が可能になるため、テレワークを推進している企業にも適しています。
また、税務関係の書類をデータ化して保存できるようにする電子帳簿保存法により、経理業務のデジタル化も可能となりました。
日本のペーパーレス化の現状は?
ペーパーロジック株式会社が2022年に行った調査では、日本のペーパーレス化の現状は以下のとおりです。
| 状況 | 割合 |
|---|---|
| 2022年にペーパーレス化を推進 | 52.4% |
| 2023年にペーパーレス化に予算配分を予定・検討 | 62.5% |
「電子帳簿保存法への対応を行いたい」「決済スピードを早めたい」などの理由により、ペーパーレス化を進めるケースが多いようです。
ペーパーレス化を推進している企業のうち50%程度は、電子ワークフローシステムや経費精算システムなどを導入しています。
出典:【リサーチ】「ペーパーレス化に伴う2023年度予算」に関する調査|ペーパーレス株式会社
ペーパーレス化のメリットは?
企業がペーパーレス化を行うメリットは、以下の4つです。
- コスト削減ができる
- セキュリティを強化できる
- 働き方改革に対応できる
- 業務効率化につながる
4つのメリットを詳しく紹介するので、ペーパーレス化を推進するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
コスト削減ができる
ペーパーレス化を推進することで、初期費用こそ発生するものの、長期的に見るとコストを削減できる点がメリットの一つです。
データ化せず紙で保管している場合、以下のようなコストが発生します。
- 用紙代
- 印刷代
- プリンターのリース代
- プリンターのメンテナンス代
- 郵送・搬送代
- 廃棄代
大量の文書を管理している企業では、上記に加えて倉庫を借りるコストが発生することもあるでしょう。
ペーパーレス化を推進しデータで管理すると、サーバーやクラウドに保存できるため、用紙代や印刷代、プリンターの運用にかかるコストなどを削減できます。
導入時にはコストが発生するものの、長期的な視点でコストを抑えたいと考えている場合には、ペーパーレス化の推進を行いましょう。
セキュリティを強化できる
ペーパーレス化を推進し、文書や資料をデータ化することで、セキュリティの強化が可能です。
紙媒体で保存している場合、社外への持ち出しが容易であり、紛失や情報漏えいのリスクがあります。
しかし、文書や資料をデータ化すればパスワードやアクセス権限を設定でき、社外への持ち出しや文書の紛失などのリスクを抑えられます。
紙媒体で保存している場合、紙が日々劣化する恐れがありますが、データは劣化の心配がありません。
万が一、不具合によってデータが壊れたり消えたりした場合でも、バックアップデータから復元可能です。
働き方改革に対応できる
ペーパーレス化を推進すると、アクセス権限があれば社外からでも資料を確認・編集できるようになるため、働き方改革にも対応できます。
紙で資料や文書を保管している場合、資料を確認するために出社することもあるでしょう。
しかし、ペーパーレス化を推進していれば、社外からでも資料を確認できるため、移動する労力を減らせます。
情報共有が可能なツールを用いれば、資料の確認や編集、共有がよりスムーズに行えます。
テレワークをはじめとした多様な働き方に対応するためには、ペーパーレス化の推進が重要です。
業務効率化につながる
文書や資料をデータ化すると、従業員間での共有が容易になり、業務効率化につながります。
データ化した文書や資料はシステム上で検索できるため、必要な情報をスムーズに探し出せます。
クラウドサービスを使えば、情報共有に加えて共同編集も可能となり、取引先と進める業務効率の向上も可能です。
また、ワークフローシステムを使用すると、決裁申請後の進捗をリアルタイムで確認可能な上に、手続きを自動化できます。
文書の保管だけでなく、承認作業や文書作成も効率化できるため、業務効率の向上に課題を抱えている場合は、ペーパーレス化の推進を検討しましょう。
ペーパーレス化を推進するためのポイントは?
ペーパーレス化を推進する際のポイントは、以下の4つです。
- ペーパーレス化の重要性を周知する
- 現状把握を適切に行う
- 部分的にペーパーレス化を行い始める
- ITシステム・ツールを導入する
それぞれのポイントを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ペーパーレス化の重要性を周知する
ペーパーレス化を推進する上で重要なポイントは、従業員の理解を得ることです。
紙媒体での運用期間が長いほど、慣れたやり方を変えたくないと考える方もいるでしょう。
そのため、ペーパーレス化を推進する前に、業務効率の向上をはじめとしたメリットを伝える必要があります。
従業員の理解を得ずにペーパーレス化を進めても浸透せず、業務効率が悪くなる恐れもあるため、導入前にしっかりと重要性を周知した上で理解を得ましょう。
現状把握を適切に行う
ペーパーレス化を進める前には、現在どの業務で紙媒体を使っているかを適切に把握しましょう。
紙媒体が使われていると考えられる文書には、以下のようなものがあります。
企業によっては上記以外にも紙媒体が使われていることもあるため、種類と使用量を明確にしておきましょう。
現状把握が適切に行えれば、ペーパーレス化を行った際の費用対効果を正しく算出できます。
また、どの部分からペーパーレス化を行えば業務効率が向上するかの判断もしやすくなるので、まずは現状把握から始めましょう。
部分的にペーパーレス化を行い始める
すべての業務において一度にペーパーレス化を始めると、従業員への負担が大きくなり、現場が混乱する恐れがあるため、部分的に始める方法がおすすめです。
現場が混乱すると、スムーズに進まないだけでなく、ペーパーレス化への移行が頓挫する恐れがあります。
そのため、現状把握をした上で、混乱が少なそうな部署やプロジェクトなどの単位から、部分的にペーパーレス化を始めるとスムーズに導入できます。
部分的にペーパーレス化を始め、業務の効率化や利便性を実感してもらった後、徐々に全体へ広げていくと、現場が混乱せずに浸透させられるでしょう。
ITシステム・ツールを導入する
ペーパーレス化を推進するためには、ITシステムやツールの導入がおすすめです。
ITシステムやツールはさまざまな種類があるので、ペーパーレス化していく文書の種類や、効率化したい業務に合わせて選定しましょう。
たとえば、社内の文書や決裁をペーパーレス化して業務効率を向上したい場合は、ワークフローシステムが適しています。
またテレワークの導入を考えている場合には、遠隔からでもファイルの情報を編集・閲覧できるクラウドやサーバーサービスの導入がおすすめです。
次章ではペーパーレス化の推進におすすめのシステムを紹介するので、ぜひ導入を検討してみてください。
ペーパーレス化の推進に役立つシステムは?
ペーパーレス化の推進に役立つシステムには、以下の5つがあります。
- ワークフローシステム
- 電子契約システム
- オンラインストレージ
- クラウド勤怠管理システム
- オンライン請求書管理システム
ワークフローシステム
ワークフローシステムとは、社内の申請や稟議などの組織内で行う業務手続きを効率的に行うシステムのことです。
ワークフローシステムを導入すると、システム上で行った申請が瞬時に共有されるため、決裁業務に要する時間を大幅に削減できます。
申請や稟議などをワークフローシステムで行えるので、ペーパーレス化の推進にも適しています。
また、申請されたデータを検索し、簡単に抽出できるため、業務内容や申請業務の分析や改善も可能です。
電子契約システム
電子契約システムとは、印鑑の代わりにインターネット上で電子ファイルに電子印鑑や電子署名をして契約締結ができるシステムです。
電子契約システムでは以下のような機能が利用できます。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 契約書のテンプレート機能 | 分野別にテンプレートが用意されている |
| 契約書の送信・合意機能 | システム上から個別や一括で送付できる |
| ステータス確認機能 | 取引先の開封状況を確認できる |
| リマインド機能 | 自動で取引先へリマインドを行う |
契約書の作成から送信、合意までの業務を一元管理し、業務効率を向上させたいと考えている方にぴったりのシステムです。
オンラインストレージ
オンラインストレージとは、クラウドストレージやファイルストレージとも呼ばれているオンライン上のディスクスペースのことです。
オンラインストレージを利用すれば、データを自動でバックアップしてくれるため、不具合によってデータが消滅してしまう恐れはありません。
また、オンラインストレージにファイルをアップロードし、ダウンロード用のURLを伝えることで、大容量のファイルを共有できます。
大容量のファイルを毎回ダウンロードしなくてよいため、PCのデータ容量を気にする必要がありません。
オンラインストレージにアップロードされているファイルは、ユーザー単位でアクセス権限を付与でき、共有や閲覧、共同編集が可能です。
ネット環境が整っていればどこからでも利用できるサービスなので、多様な働き方を取り入れている企業に適しています。
クラウド勤怠管理システム
クラウド勤怠管理システムとは、出退勤の打刻や残業時間管理などの勤怠情報が管理できるシステムです。
クラウド勤怠管理システムには、以下のような機能が搭載されています。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 集計機能 | 勤務時間や残業時間を自動で集計できる |
| 打刻機能 | スマホやパソコンから出退勤の打刻ができる |
| 休暇管理機能 | 従業員の休暇取得状況が確認できる |
| ワークフロー機能 | 有給休暇や残業の申請・承認ができる |
給与計算システムと連携すれば、従業員ごとの勤務時間や残業時間を自動で共有し、給与計算を行う手間を省くことも可能です。
無料プランやトライアルが用意されているクラウド勤怠管理システムもあるため、興味がある場合は試してみてはいかがでしょうか。
オンライン請求書管理サービス
オンライン請求書管理サービスとは、請求書の作成から発行までの一連の業務を効率化し、人為的ミスの削減が期待できるシステムです。
オンライン請求書管理サービスには、以下のような機能が搭載されています。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 請求書作成機能 | ExcelやPDFをアップロードするだけで自動で電子請求書に変更できる |
| 請求書発行機能 | 請求書の個別送付や日時を指定して自動送付ができる |
| 進捗管理機能 | 取引先の開封状況の確認やリマインド通知を送れる |
請求書の作成や送付に関わる業務のペーパーレス化を検討している場合には、オンライン請求書管理サービスの利用がおすすめです。
ペーパーレス化の成功事例は?
ペーパーレス化を推進した成功事例には、以下の2つがあります。
- 事例1:ペーパーレス化で会議関連業務の効率化を実現
- 事例2:ペーパーレス化で伝達ミスによるトラブル減少を実現
2つの成功事例を紹介するので、ペーパーレス化を行った後のイメージを明確化したい方はぜひ参考にしてみてください。
事例1:ペーパーレス化で会議関連業務の効率化を実現
会議時間や紙媒体での準備に時間がかかるという課題を持っていた企業が、ペーパーレス化によって業務効率化を実現した事例があります。
iPadを使用し、ペーパーレス化した会議を行うことで、会議に参加できない社員や役員でも資料に目を通せるようになりました。
会議時間が短縮されただけでなく、資料を印刷する手間が無くなったことにより、会議準備をする際の負担も軽減できています。
結果、会議準備に使っていた時間や手間を他の業務に使えるようになったことで、会社全体の業務効率化も実現しています。
事例2:ペーパーレス化で伝達ミスによるトラブル減少を実現
年配の従業員が多いことから、電話・FAX・書面を使っており、情報伝達に時間がかかる点に課題を持っていた企業が、ペーパーレス化によりトラブルが減少しました。
電話・FAX・書面によって情報伝達が遅くなったり、伝言ゲームが発生して正確な情報が伝わらなかったりしたことから、トラブルに発展することもあったようです。
しかし、チャットツールの導入によるペーパーレス化を推進したことにより、情報共有のスピードと質が向上しました。
FAXや電話を使わず、関係者がチャットグループで情報共有できるようにすることで、伝達ミスをはじめとしたトラブルの減少も実現しています。
システムを導入して効率良くペーパーレス化を推進しよう
ペーパーレス化とは、紙媒体で管理している文書や書類をデータ化し、オンライン上で管理することを指します。紙媒体で保存していると、紛失や劣化などの問題が発生しますが、データ化をすればこれらの問題を解決できます。システムを導入してペーパーレス化を推進すれば、テレワーク中や出先からでも必要なデータにアクセスでき、業務効率化も可能です。
効率化したい業務に適したシステムを導入し、スムーズにペーパーレス化を推進しましょう。
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