• 作成日 : 2026年3月25日

ダイバーシティ採用とは?多様な人材が活きる職場づくりを解説

Pointなぜ今、ダイバーシティ採用が企業に求められている?

ダイバーシティ採用は、多様な人材を公平に採用し、活躍できる環境まで含めて設計する人材戦略です。

  • 人材不足への実践的対策になる
  • イノベーション創出に直結する
  • 採用後の制度設計がポイント

ただ採用人数を増やす施策と違い、 採用後の評価制度や働き方まで含めて整備する点がダイバーシティ採用の本質です。

企業の競争力強化や人材不足への対応策として「ダイバーシティ採用」が注目されています。性別・年齢・国籍・障がいの有無・価値観など、多様な背景を持つ人材を受け入れ、公平に活躍できる職場をつくる取り組みです。

本記事では、ダイバーシティ採用の基本的な考え方から具体例、得られるメリット、導入の手順や注意すべきポイントを解説します。

目次

ダイバーシティ採用とは?

ダイバーシティ採用とは、性別や年齢、国籍、宗教、障がいの有無、性的指向、価値観など、異なる背景を持つ人材を法令に基づき不合理な差別を行わず、能力・適性を基準として受け入れ、その多様性を組織の力に変える採用方針です。「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の考え方に基づき、企業戦略の一環として注目されています。

多様な背景を持つ人材を公平に採用するのがダイバーシティ採用

ダイバーシティ採用では、能力と適性に基づいた公平な評価を行います。従来のように「新卒」「男性中心」「フルタイム勤務可能」など、画一的な人物像にとらわれるのではなく、さまざまな事情や価値観を持つ人材を受け入れ、組織の多様性を高めていくことが重視されます。多様性が確保されることで、社内に新しい視点がもたらされ、変化に柔軟に対応できる組織づくりが可能になります。

採用に加えて、多様な人材が活躍できる環境づくりまでが含まれる

ダイバーシティ採用は、多様な人材を採用することだけを指すものではありません。採用後に、その人材が不安なく働ける制度や職場環境を整備することも含まれます。例えば、障がい者向けの物理的バリアフリー、育児や介護と両立できる柔軟な勤務制度、外国籍社員向けの言語支援などが必要とされる場面もあります。多様なバックグラウンドを持つ従業員が互いに尊重し合い、それぞれの強みを発揮できる環境を提供することこそ、ダイバーシティ採用の本質です。

ダイバーシティ採用は企業の戦略的な人材確保手段になる

企業の人材戦略としてもダイバーシティ採用という方針は、極めて有効です。少子高齢化や人手不足が進む中、従来の労働市場だけでは十分な人材を確保できなくなっています。そうした状況下で、多様な人材に門戸を開くことは、採用競争力の向上にも直結します。また、SDGsやESGなどの社会的責任に取り組む姿勢を示すことで、企業ブランドの向上にもつながります。人員補充だけではなく、持続可能で柔軟な組織運営の基盤として、ダイバーシティ採用は多くの企業にとって不可欠な選択肢となりつつあります。

参考:ダイバーシティ経営の推進|経済産業省

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ダイバーシティ採用の具体例は?

ダイバーシティ採用は、これまで十分に活用されてこなかった人材を積極的に迎え入れる取り組みです。以下では、具体的な採用例を解説します。

女性を対象とした「女性活躍推進採用」

女性の管理職登用や専門職への登用を進める採用は、性別に偏らない評価を実現する例です。日本企業では長年、意思決定層における女性比率が低い傾向が続いていました。そうした状況を改善するために、育休制度や時短勤務の充実、女性向けキャリア支援研修などを通じて、採用後の活躍支援までを含めた取り組みが進んでいます。

外国籍人材を対象とした「グローバル採用」

文化や言語の違いを受け入れ、多国籍なチーム編成を目的とする採用です。英語公用化、ビザサポート、日本語教育などの制度整備とともに、外国人ならではの専門知識や海外経験を業務に活かすことが期待されています。特にグローバル展開中の企業では重要性が増しています。

高齢者を対象とした「シニア人材の積極採用」

60代以上の人材を再雇用・新規雇用し、経験や専門性を活かす取り組みです。近年は、年齢に関わらず働き続けたい人が増えており、定年制度の見直しや、健康面に配慮した職場づくりを通じて、多様な働き方を支援しています。若手社員への知見の伝承という側面でも貢献度は大きいです。

障がいのある方を対象とした「障がい者雇用」

身体・精神・知的障がいを持つ方の能力を正当に評価し、就労の場を広げる採用です。法定雇用率の遵守を超え、バリアフリーな職場設計、支援スタッフの配置、合理的配慮に基づいた業務設計など、継続的な就労を支える環境づくりが不可欠です。

LGBTQ+の方を対象とした「性的マイノリティへの配慮採用」

性的指向や性自認に関係なく、誰もが働きやすい環境を整える採用です。履歴書の性別欄の廃止、トイレの多目的化、パートナー制度の導入などが進められています。多様な性の在り方を尊重する姿勢が企業ブランドの向上にもつながります。

子育て・介護・多様なキャリアを尊重する「柔軟な働き方採用」

育児や介護との両立、ブランクからの復職、異業種からの転職を受け入れる採用です。フレックスタイム、リモートワーク、副業容認などを組み合わせることで、さまざまな事情を持つ人材が長く働き続けられる体制を整えることが目的です。

ダイバーシティ採用のメリットは?

ダイバーシティ採用を推進することは、社会的責任を果たすだけではなく、企業の持続的成長にも直結する重要な戦略です。ここでは、企業が得られるメリットについて解説します。

優秀な人材の確保と人手不足の解消につながる

年齢・性別・国籍・キャリアにとらわれず、多様な人材に門戸を開くことで、より多くの優秀な人材を採用できるようになります。日本では少子高齢化により人手不足が深刻化しており、従来の採用枠だけでは十分な人材を確保できません。そこで、子育てや介護で一時離職していた人、高齢者、外国籍人材、ブランクのある人などを積極的に受け入れることで、人的資源の幅が広がります。結果として、企業は人材不足を補うだけでなく、新たな戦力を得ることができます。

多様な視点からイノベーションが生まれやすくなる

異なる文化や価値観、専門性を持つ人材が集まることで、新しいアイデアが生まれやすい環境が整います。同質な背景を持つメンバーのみで構成された組織では、思考が偏り、発想が限定されることがあります。一方で、多様な経験を持つ人材同士が協力すれば、従来になかった視点から問題を捉え、新しい製品・サービス開発や業務改善が生まれやすくなります。これが、イノベーションを促す最大の要因となります。

働きやすい職場が整い、生産性の向上を実現できる

ダイバーシティ採用を進める過程で、柔軟な働き方を可能にする制度が整備され、生産性向上につながります。多様な人材が活躍するには、在宅勤務やフレックスタイム、短時間勤務など、働く環境を柔軟に設計する必要があります。こうした制度改革は、結果的に全社員にとって働きやすい環境を生み出し、一人ひとりが集中して成果を出せるようになります。通勤時間の削減や、働く時間の自由度向上が、組織全体の効率性を押し上げるのです。

社員のモチベーションと定着率が高まる

多様性が受容される職場では、社員が自己の価値を認められやすくなり、仕事への意欲が高まります。自分の背景や考え方を尊重されると、組織への愛着や信頼感が生まれます。これにより、従業員のエンゲージメントが向上し、離職率の低下にもつながります。また、刺激し合える多様な仲間と働くことで成長意欲も増し、組織全体の活力が向上します。若年層にとっては「個を尊重する企業文化」は就職・転職時の重要な判断材料になっています。

社会的評価が高まり、採用競争力や企業イメージが向上する

ダイバーシティを推進する企業は、「開かれた組織」として社会から高い評価を得られます。多様な人材が活躍している企業は、ジェンダー平等やワークライフバランス、サステナビリティなどへの配慮を行っていると見なされ、求職者や取引先、投資家からの信頼も高まります。特に若年層の多くが企業の多様性・受容性を重視しており、これを明示的に打ち出している企業には優秀な人材が集まりやすい傾向があります。ブランド価値の向上と人材獲得力の強化という両面のメリットを得ることができます。

ダイバーシティ採用を成功させるポイントは?

ダイバーシティ採用では、採用後にその人材が能力を発揮し、組織の一員として活躍できる体制づくりが不可欠です。ここでは、ダイバーシティ採用を企業内で機能させ、成果につなげるためのポイントを解説します。

経営層が旗を振り、全社で目的を共有する

ダイバーシティ推進は、経営トップの明確な方針と継続的な発信が不可欠です。人数合わせではなく、多様な人材を活かして組織に価値をもたらすことが目的であると、社内にしっかり共有する必要があります。経営層がそのビジョンを明文化し、社員説明会や社内報などで繰り返し伝えることが、全社員の理解と協力を促す土台になります。

現場の上司や人事担当者もこの方針を理解し、日常的に多様性を尊重する風土を醸成することが求められます。

採用選考では無意識の偏見を排除し、公平性を保つ

公平な採用を行うには、無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)に注意が必要です。「高齢者は新しい技術に弱いのでは」「子育て中の女性は責任のある仕事が難しいのでは」など、思わず浮かぶ先入観が選考結果に影響すると、多様な人材の力を活かすことはできません。そのため、採用担当者への研修を行い、評価基準や質問内容を事前に精査することが重要です。面接だけでなく、求人票や広報文言にも偏った表現が含まれないよう注意しましょう。

公平で柔軟な人事制度を構築する

異なる働き方や雇用形態に対応した評価制度が、ダイバーシティの本質的な活用を支えます。例えば、短時間勤務者がフルタイムと同じ成果を上げても、評価が不利になってはモチベーションが保てません。「同一労働同一賃金」の考え方を採用し、成果や貢献度を軸にした評価へ移行することが重要です。

また、育児・介護など個別事情に配慮した柔軟な昇進ルートや、雇用区分を問わずに受けられる研修や福利厚生も、平等な成長機会の確保につながります。

多様な人材が働きやすい環境整備と支援体制を整える

制度と文化の両面で、インクルーシブな職場環境を整えることが欠かせません。物理的には、バリアフリー対応のオフィス、礼拝スペース、多目的トイレなど、誰もが安心して働ける空間が必要です。制度面では、在宅勤務やフレックス制度、時差出勤など、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を支援します。加えて、日本語が不自由な外国籍社員への言語支援、文化の違いを学ぶ研修、メンター制度や相談窓口の設置など、ソフト面でのフォローも重要です。

こうした多角的な対応により、採用された多様な人材が長く活躍できる職場が実現します。

ダイバーシティ採用の注意点は?

ダイバーシティ採用は、組織に多様な価値をもたらす一方で、運用を誤ると期待した効果が得られない場合もあります。公正な評価の難しさ、社内摩擦、形だけの取り組みといった課題を理解し、事前に対策を講じることが重要です。

多様な応募者を同じ基準で評価できない難しさがある

背景や価値観が異なる人材を公平に見極めることは容易ではありません。言語や文化の違いによって面接時の印象が左右され、実力を正しく判断できないケースもあります。そのため、従来の選考基準を見直し、スキルだけでなく企業理念への共感度や働き方の適合性も含めた評価軸を設定することが大切です。面接官への評価トレーニングも欠かせません。

既存社員との摩擦や不公平感が生まれる可能性がある

新しい人材の受け入れによって、既存社員に不安や不満が生じることがあります。「業務負担が増えるのでは」「組織の雰囲気が変わるのでは」といった声が放置されると、モチベーション低下や対立につながります。事前にダイバーシティ採用の目的やメリットを共有し、全員が納得できる制度設計を行うことが不可欠です。ハラスメント防止の相談窓口も整備しておく必要があります。

採用しただけで満足すると形骸化する

多様な人材を採用すること自体が目的になると、期待した成果は得られません。意見を言いにくい職場や支援のない環境では、早期離職のリスクが高まります。採用後も対話の場やメンター制度を設け、インクルージョンを継続的に推進する姿勢が求められます。多様性を活かすには、制度と文化の両面からの取り組みが欠かせません。

ダイバーシティ採用の導入に向け企業がすべきことは?

ダイバーシティ採用を機能させるには、採用前後での体制整備が不可欠です。事前の方針策定と制度見直し、採用後の支援体制の充実によって、多様な人材が安心して力を発揮できる環境が整います。

【導入前】方針と制度の明確化

まず、企業としてダイバーシティ推進の目的を明文化し、数値目標(例:女性管理職比率、外国籍採用枠など)を設定します。その上で、管理職や面接担当者向けにアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)研修を実施し、候補者への公平な対応を促します。

また、就業規則や評価制度も見直しが必要です。「学歴要件」「新卒一括採用」など固定的な条件は、多様性を阻害する可能性があります。評価制度についても、画一的な基準から、成果・貢献に基づく柔軟な設計へと転換することが求められます。

【採用後】支援制度と環境整備

採用後には、多様な働き方を支える制度の整備が必要です。在宅勤務・時短勤務・育児介護休暇などの制度を充実させ、個々の事情に応じた柔軟な勤務を可能にします。

加えて、入社後の孤立を防ぐためにメンター制度や相談窓口の設置、外国籍社員向けの日本語支援、女性社員のキャリア支援なども効果的です。また、ハラスメント防止の観点から通報制度を設け、トラブル時の対応体制を整えることも大切です。

こうした準備を通じて、多様な人材が長期的に安心して活躍できる職場を構築でき、ダイバーシティ採用の成果を最大限に引き出せます。

ダイバーシティ採用で組織の未来を拓こう

ダイバーシティ採用は、多様な人材の力で組織を活性化し、持続的な成長を実現する鍵となる採用戦略です。性別も国籍も経歴も異なる人材を受け入れて活躍できる環境を整えれば、新しいアイデアが次々と生まれ、生産性向上や人材不足の解消にもつながります。

重要なのは、人を採用して終わりではなく、その後のインクルージョンまで一貫して取り組む姿勢です。社内制度の整備や社員教育を怠らず、多様な人材が安心して能力を発揮できる場をつくることで、ダイバーシティ採用は企業の未来を切り拓く強力な原動力となるでしょう。


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