• 更新日 : 2026年1月14日

アントレプレナーシップとは?意味や必要なスキル、教育施策を簡単に解説

昨今、市場の変化が激しく、正解がすぐに変わる時代になってきています。企業が生き残るためには、指示を待つだけではなく、自ら考え、行動できる人材が欠かせません。

こうした背景から注目されているのが「アントレプレナーシップ」です。一見すると難しそうな言葉ですが、実は日常の業務改善や新しい提案にも通じる、企業にとって身近な考え方です。

本記事では、アントレプレナーシップの基本や、学ぶ意義、成果につなげるスキルや育成のポイント、ツールを活用した取り組みを解説します。

アントレプレナーシップとは?

アントレプレナーシップとは、自ら課題を見つけ、価値を生むために行動する姿勢のことです。

もともとは「起業家精神」と訳されていましたが、現在では起業家だけでなく、企業の中で働く社員にも必要とされる考え方として広く知られています。

これは、主体性や創造性、改善意識など、ビジネスの変化に柔軟に対応していくための基本的な姿勢ともいえます。

現場で働く一人ひとりの社員から生まれる新しいアイデアや改善への取り組みが、企業の成長に直接つながるため、近年重要視されているのです。

アントレプレナーシップが重視される背景

アントレプレナーシップが現代において強く求められるようになったのは、企業を取り巻く環境が大きく変化しているためです。

働き方やビジネスの変化のスピードが速くなり、従来の進め方では競争に追いつけなくなってきています。

ここでは、アントレプレナーシップが重要視されるようになった具体的な背景を解説します。

働き方が多様化した

リモートワークやフレックスタイム制、副業など、働く場所や時間に縛られない多様な働き方が社会全体に広がっています。

これにより、上司が部下を管理して細かく指示する従来の「指示型マネジメント」が難しくなっています。

その結果、社員一人ひとりが、上司の指示を待つのではなく、置かれた状況に応じて自分で考えて主体的に動くことが求められるようになりました。

ビジネスのグローバル化が進んだ

IT技術の進歩に伴い、競争相手は国内企業だけでなく、世界中の企業へと広がっています。

従来のやり方に固執していると、海外の新しいサービスやアイデアに市場を奪われる可能性があります。

そのため、競争に打ち勝つために、新しい発想を生み出す力や、世界的な変化に対してスピーディに対応していく姿勢が求められるようになったのです。

変化に即した判断が必要になった

市場の変化が激しく、何が「正解」であるかが変わりやすい時代になり、数年前に通用したマニュアルやルールが、今は通用しないケースも増えています。

本社や一部の管理職だけでは対応しきれなくなり、お客様と接する現場レベルでの柔軟な判断や対応が増えています。

そのため、現場の社員一人ひとりに、変化に気づき、すぐに適切な判断を下す力が求められているのです。

自律して動く働き方が求められるようになった

変化が速い現代のビジネス環境において、上司や組織からの逐一の指示を待つ働き方では、対応のスピードが落ちます。

組織全体のスピードを上げるためには、社員が自分で考え、目的達成のために必要な行動を選んで実行できる力が重要になります。

つまり、社員が自らをマネジメントし、自律して動く働き方が求められているのです。

新しいビジネスが生まれやすい環境になった

テクノロジーの進化やITインフラの整備により、新しいサービスやビジネスモデルが次々と登場しやすくなっています。

これは、企業にとって新たな収益の柱や、革新的な事業を生み出すチャンスが増えたことを意味します。

そのため、社員一人ひとりの挑戦を促し、社内から新規事業を生み出す力として、アントレプレナーシップが重視されているのです。

アントレプレナーシップを学ぶメリット

アントレプレナーシップを社員が身につけることで、個人の働き方だけでなく、組織全体の動き方にも様々なよい変化が生まれます。

ここでは、アントレプレナーシップが企業にもたらす代表的なメリットを解説していきます。

社員が主体的に動けるようになる

アントレプレナーシップの考え方を学んで身につけると、「指示待ち」の姿勢ではなく、「どうしたらさらに良くなるか」と自分で考える行動が増えます。

その結果、社員一人ひとりが自分の業務に責任を持ち、積極的な姿勢で仕事に取り組むようになります。

これが業務スピード全体を押し上げ、組織全体の生産性向上につながるのです。

現場の課題が早く解決されるようになる

アントレプレナーシップが育つと、社員は日々の業務の中で発生する小さな不具合や無駄な作業にも気づきやすくなります。

そして、それらを誰かが改善してくれるだろうと放置するのではなく、自分で解決しようという意識が芽生えます。

このように現場レベルで改善が積み重なっていくことで、自然と業務効率の向上が期待できるのです。

組織の意思決定や動きが早くなる

現場で働く社員に判断する権限が与えられ、主体的に判断するアントレプレナーシップの姿勢が育つと、上層部への報告・承認に必要なフローが短縮されます。

それにより小さな問題解決や改善策の実行が現場レベルでできるようになるため、組織の意思決定がスピードアップします。

これは、顧客への対応を迅速にしたり、新しい事業をスピーディに展開したりすることにつながるでしょう。

新しいサービスや改善案が生まれやすくなる

アントレプレナーシップを学ぶことで、現状維持で良いという守りの姿勢から、「まずはやってみよう」という挑戦的な思考へと変化していきます。

その結果、現場の社員からも新しいサービスや商品のアイデア、さらには業務改善の提案が自然と生まれやすくなるでしょう。

こうした活発な動きは、次なるイノベーションの芽を増やすことにもつながります。一歩踏み出す姿勢が組織全体に浸透すれば、市場での競争力も高まっていくはずです。

アントレプレナーシップを成果につなげるための基本スキル

アントレプレナーシップを実際に発揮するためには、単に考え方を知っているだけでなく、日々の仕事で使える具体的なスキルが必要です。

ここでは、アントレプレナーシップを実践するために欠かせない基本スキルをわかりやすく紹介します。

課題を見つけて行動に移す力

アントレプレナーシップを成果につなげるために重要となるのは、現在の業務に存在する非効率な点に気づく観察力です。

単に問題点に気づくだけでなく、これを改善する必要があると認識し、必要な改善策を自ら提案し、実行に移す行動力が求められます。

課題を見つけて解決に向けて動く力があることで、指示を待たずに、現場から改善をスタートさせられます。

新しいアイデアを考えて形にする力

課題が見つかったら、それを解決するための新しい方法を生み出す思考力が、アントレプレナーシップには必要です。

たとえば、既存の方法にとらわれず、「よりよいやり方はないか」と柔軟に考える力のことです。

さらに、思いついたアイデアを頭の中で終わらせるのではなく、まずは小さな試行を通じて実際に形にしていく力も欠かせません。このプロセスを通じて、アイデアが具体的な価値へと変わっていきます。

試行錯誤しながら改善する姿勢

アントレプレナーシップを成果につなげるためには、試行錯誤しながら改善する姿勢が重要です。

アントレプレナーシップが求められる新しい取り組みやアイデアは、最初から完璧であることは稀です。

そのため、一度で完璧な成果を目指すのではなく、やってみては直し、やってみては直すという改善を繰り返せる柔軟な姿勢が重要になります。

また、うまくいかなかった失敗を恐れず、それを次に活かすための学びとして捉える前向きなマインドをもつことが、粘り強く成果を出すための鍵となります。

協力を得るコミュニケーション能力

アントレプレナーシップを成果につなげるためには、成果を出すために協力を得るコミュニケーション能力も求められます。

新しいことをはじめる際、自分ひとりの力だけでできることには限界があります。

自分の考えや、実現したいアイデアの価値を、社内の仲間や関係者にわかりやすく伝え、共感を得る力が必要です。

さらに、プロジェクトを円滑に進めるために、仲間を巻き込み、さまざまな意見を調整しながら協力を引き出す調整力も、成果を最大化するために不可欠なスキルです。

基本的な経営ノウハウの知識

アントレプレナーシップは単なる思いつきではなく、ビジネスとして成功させることを目指します。

そのため、新しいアイデアを実行するにあたって、それが会社の収益にどう貢献するのか、どれくらいのコストがかかるのかといった、経営ノウハウの知識が必要です。

この「経営視点」をもつことで、現場での判断の質を高められます。

社員のアントレプレナーシップを育てる施策例

アントレプレナーシップを組織全体で伸ばすには、社員個人の努力だけに頼るのではなく、企業側の積極的なサポートが欠かせません。

日常の業務に組み込みやすい取り組みから、組織全体の仕組みづくりまで、企業にはさまざまな育成方法があります。

ここでは、実際に企業で行われている施策を例にしながら、育成のポイントを見ていきましょう。

小さな改善からはじめられる環境をつくる

社員がアントレプレナーシップを発揮するためには、まず小さなことからはじめてもよいという安心感が必要です。

そのため、日常の業務改善や、ちょっとした工夫を歓迎する姿勢を組織全体で示すことが大切です。

たとえ大きな成果でなくても、その小さな提案でも評価されるような仕組みを人事評価や表彰制度の中に組み込むことで、社員の行動意欲を高められます。

アイデアを共有しやすい仕組みを整える

アントレプレナーシップを育むには、アイデアを共有しやすい仕組みを整え、すぐに実行へ移せる環境構築が重要です。

アイデアは、社員が気軽に発言し、フィードバックを受けられる環境から生まれます。

そのため、専用のアイデア投稿ツールを導入したり、部署を超えた意見交換ミーティングを定期的に設けたりすることが有効です。

重要なのは、誰でも気兼ねなく、自分のアイデアや気づきを提案できるような、心理的ハードルの低い仕組みを整えることです。

挑戦しやすい社内文化をつくる

アントレプレナーシップの育成において難しいのが、失敗を恐れない社内文化をつくることです。

たとえ新しい試みが期待通りの結果にならなかったとしても、それを個人の責任として責めるべきではありません。むしろ貴重なデータを得られた経験としてポジティブに捉え、次のアクションへ活かしていく空気感が不可欠といえるでしょう。

また、挑戦を口頭で促すだけでなく、仕組みとして支える視点も欠かせません。新しい取り組みを後押しするための専用予算や、一度の失敗で終わらせない再挑戦の仕組みなど、ルールとして挑戦のセーフティネットを整えることが効果的です。

適性を見ながら育成プランを立てる

社員一人ひとりのアントレプレナーシップの芽を育てるためには、その人の個性や強み、志向性に合わせて適切な役割や機会を与えることが重要です。

適性検査や定期的な面談を活用し、社員の何に興味があり、どのような行動が得意かを客観的に把握します。

その情報をもとに、個々の社員が成長しやすい環境やプロジェクトにアサインするなど、個別に最適化した育成プランを立てて実行します。

アントレプレナーシップを高めるツールを活用するメリット

アントレプレナーシップを組織に定着させ、成果につなげるためには、社員の感覚や経験だけに頼るのではなく、データを活用した育成や環境づくりが効果的です。

社員のもつ強みや意欲を客観的に把握し、組織の課題をタイムリーに見つけることで、人材育成の精度が大きく向上します。

ここからは、その基盤づくりに役立つツール活用のポイントを紹介します。

社員の意欲や強みを可視化できる

アントレプレナーシップをもつ社員を育成し、適切な役割に配置するためには、まずその社員がどのような資質を持っているかを客観的に知る必要があります。

そこで、適性検査を活用し、社員の強み・弱みや、物事に対する基本的な考え方や意欲を把握することが有効です。

こうしたデータは、社員をどのような役割に配置すべきか、あるいはどのような育成プログラムがその人に合っているかを決めるための具体的な材料になります。

たとえば、高い創造性をもつ社員を新規事業開発のチームに、協調性が高い社員をチームをまとめるポジションに配置するなど、適材適所の実現に役立つでしょう。

マネーフォワードのクラウド適性検査は、社員一人ひとりの能力や志向性を客観的に可視化できます。組織のポテンシャルを最大限に引き出すための、強力なサポートツールとしてぜひ検討してみてください。

社内アンケートで課題や社員の声を集められる

アントレプレナーシップを阻害する要因の多くは、職場の環境や制度に潜んでいることがあります。

社員が「挑戦しにくい」「意見が通りにくい」と感じるような、組織の課題や働きづらさを放置しないことが重要です。

社内アンケートツールなどを活用することで、組織の課題や社員の生の声をタイムリーに集められます。

これにより、「何が挑戦の障害になっているのか」といった、改善につながる具体的な意見を集めやすくなり、施策を論理的に考えやすくなります。

アンケートを通じて意見を吸い上げる姿勢を示すことは、社員の主体的な参加意欲を高めることにもつながるでしょう。

マネーフォワードのクラウドサーベイは、組織が抱える課題の抽出や社員のエンゲージメント可視化など、社内アンケートの実施・分析をトータルで支えるクラウドサービスです。

単にアンケートを取るだけでなく、現場の本音を数値で捉えることで、風通しのよい組織づくりや離職防止に向けた「次の一手」を明確に示してくれます。

組織体制に課題を感じているなら、実態把握の第一歩として有効な手段です。


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