- 更新日 : 2025年12月18日
営業職の適性検査でミスマッチ防止!適性検査の活用方法や営業タイプ別に求められる能力を解説
企業の採用担当者にとって、営業職の採用は企業の業績に直結するため、特に慎重な判断が求められます。適性検査は、応募者の能力や性格が営業職の複雑な業務に適合しているかを客観的に見極める有効なツールです。
この記事では、適性検査の結果を営業職の採用で重視すべき理由、営業の種類別に求められる能力、そして適性検査を最大限に活用するためのポイントを解説します。また、営業職への転職を考える求職者に向けて、向いているか診断する際のヒントもお伝えします。(最新の情報は2025年7月時点を前提としています。)
目次
営業職とは?
営業職は、顧客に対して自社の商品やサービスを提案し、購入・契約につなげる仕事です。その役割は単に商品を売るだけでなく、顧客の課題をヒアリングし、解決策を提示するコンサルティング的な側面も持っています。
営業職は、会社の顔として顧客と直接コミュニケーションをとり、売上を生み出す重要な役割を担います。そのため、適性の見極めを誤ると、早期離職や業績の悪化といった大きなリスクにつながります。
営業職の適性検査の結果を採用で重視すべき理由とは?
適性検査を採用で重視すべき最も大きな理由は、採用のミスマッチを客観的なデータに基づいて防ぐことができる点です。
面接だけでは、応募者が意図的に「営業向きの人物像」を演じてしまう場合がありますが、適性検査は応募者の潜在的な性格傾向や基礎能力を測ります。これにより、「意欲は高いが、論理的思考力が足りない」「協調性はあるが、ストレス耐性が極端に低い」といった、面接では見えにくい特性を把握し、配属後の活躍や定着率を予測する精度を高められます。
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営業職に向いているか診断10項目
営業職の多様な業務に対応し、高いパフォーマンスを発揮するためには、基礎能力だけでなく、特定の性格特性と行動傾向が重要になります。
以下の10項目について、あなたが(または応募者が)「当てはまる」度合いをチェックしてみましょう。
- 初対面の人と話すことや、積極的に交流を持つことに抵抗がない。
- 目標やノルマが設定されると、達成に向けて粘り強く行動できる。
- 顧客に断られたり、厳しいクレームを受けたりしても、すぐに気持ちを切り替えられる。
- 複雑な情報や課題を、論理的に整理し、相手にわかりやすく説明できる。
- 自分の都合ではなく、顧客の抱える課題やニーズを深く理解しようとする。
- 常に新しい知識(製品、業界動向など)を学ぶ意欲を持っている。
- スケジュールや行動計画を細かく立て、その計画通りに自律的に進めることができる。
- 失敗やミスがあった場合、感情的にならず、原因を分析して改善策を考えられる。
- チームや組織の目標を達成するため、周囲のメンバーと協力して動ける。
- 自分の意見や提案に自信を持ち、相手が納得するまで根気強く交渉できる。
営業タイプの分類別求められる能力と適性
「営業職」と一口に言っても、その業務内容や顧客層によって求められる能力は大きく異なります。適性検査の結果を活用する際は、自社の営業の種類に合わせて、特に重視すべき適性を明確にすることが大切です。
法人営業と個人営業で求められる能力
- 法人営業(BtoB)
顧客が組織であるため、意思決定に関わる複数の人物(担当者、決裁者など)との関係構築が必要です。契約単価が高く、検討期間が長い傾向があります。論理的思考力、課題解決能力、忍耐強さ、複雑な組織構造を理解する構造把握力が必要です。 - 個人営業(BtoC)
顧客は個人のため、感情や即断即決での購入が多く、一対一でのコミュニケーションが中心です。共感性、親しみやすさ、行動力、顧客の感情を瞬時に読み取る察知力が必要です。
有形商材と無形商材で必要な適性
- 有形商材(自動車、機械など)
製品のスペックや品質が明確であり、顧客も具体的なイメージを持ちやすいため、専門知識が重要になります。論理的説明能力、製品知識を吸収する意欲、正確な情報提供のための几帳面さが必要です。 - 無形商材(ITサービス、金融商品など)
商品そのものが見えないため、営業マンの信頼感や提案力が最も重要になります。抽象的な概念を説明する力、高いコミュニケーション能力、顧客の未来を想像させるビジョン提示力が必要です。
新規開拓営業と既存顧客営業で必要な適性
- 新規開拓営業(アポ獲得、テレアポなど)
断られることが多く、精神的なタフさが求められます。結果が出るまでに時間がかかることもあります。ストレス耐性、強い達成意欲、ポジティブ思考、初対面の相手ともすぐに打ち解ける外向性が必要です。 - 既存顧客営業(ルートセールス、カスタマーサクセス)
長期的な信頼関係の維持が最も重要であり、顧客の細かなニーズを拾い上げる必要があります。協調性、責任感、継続的な関係維持への意欲、細部に気を配るきめ細かさが必要です。
営業職で苦労しやすい人の特徴
営業職の一般的な環境(目標、対人折衝、変化など)で苦労しやすい特性を持つ人材には注意が必要です。
内向性が極端に高い
人と積極的に関わることを避け、単独での作業や深い思考を好む傾向が強すぎる場合、新規開拓などの業務で苦戦する可能性があります。
極端に高い協調性(優柔不断)
顧客の意見に流されやすく、自社の利益や提案内容を強く主張できない場合があります。
計画性が低すぎる
場当たり的な行動が多く、長期的な目標や日々の行動計画を立てて自律的に行動することが苦手な場合があります。
プレッシャーへの弱さ
ノルマや目標に対する重圧を過度に感じやすく、心身の不調をきたしやすい場合があります。
営業職の採用で使われる適性検査の種類と内容
営業職の採用で使われる適性検査は、応募者の「能力」と「性格・意欲」を総合的に測るものが主流です。
営業職の採用で利用される主な適性検査
| 検査名 | 主な測定内容 | 営業職での活用目的 |
|---|---|---|
| SPI (Synthetic Personality Inventory) | 基礎的な知的能力(言語・非言語)と、性格・意欲 | 達成意欲や協調性など、営業に必要な基本的な資質や傾向をバランス良く把握。 |
| 玉手箱 | 計数(四則演算など)、言語(論理的な文章理解)、性格 | 事務処理能力や論理的な文章読解力が必要な法人営業などで活用。 |
| CUBIC | 主に性格・意欲 | 積極性、責任感、外交性など、営業に必要な性格特性を細かく分析。 |
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適性検査で測る「能力」と「性格・意欲」
適性検査の測定項目が、営業職のどの部分に役立つかを確認しましょう。
- 能力検査
- 論理的思考力:顧客の課題解決のための提案を組み立てる力。
- 計算・数値処理能力:目標達成のための計画策定や、売上データ分析を行う力。
- 性格・意欲検査
- 外向性・社交性:新規開拓や初対面でのコミュニケーションの円滑さ。
- ストレス耐性:ノルマやクレーム対応時の精神的なタフさ。
- 意欲・責任感:自律的に行動し、目標達成に向けて粘り強く取り組む姿勢。
適性検査を営業職採用に活用するポイント
適性検査の結果を最大限に活かし、優秀な営業職を採用するためには、以下の点に注意しましょう。
ペルソナと照合する
採用したい営業職の具体的なペルソナ(例:自律性が高く、専門知識を深めるタイプ)を作成し、適性検査の結果をそのペルソナと合致しているかという視点で評価します。
関連記事|採用ペルソナとは?設定方法や項目を解説!
面接で深掘りする
適性検査の結果で「協調性が低い」など、懸念点が出た場合は、面接で「チームで意見が対立した時、どのように行動しますか?」といった具体的な行動事例を問うことで、その特性が業務でどのように現れるかを確認しましょう。
関連記事|採用面接で人材を見抜く質問まとめ!新卒・中途、目的別に解説
配属先を考慮する
適性検査の結果は、不採用の判断材料だけでなく、適切な配属先を見つけるための材料としても活用しましょう。たとえば、外向性は低いが論理的思考力が高い人材は、インサイドセールスや技術営業など、専門知識が活かせる営業タイプに配属することを検討できます。
適性検査を活用して自社に合った営業マンを見つけよう
営業職の適性検査は、採用担当者にとって、応募者の能力、性格、そしてストレス耐性といった目に見えない重要な要素を客観的に把握するための強力なツールです。
営業職の業務は多岐にわたるため、単に「外向的であること」だけでなく、「論理的思考力」「忍耐強さ」「切り替えの早さ」など、自社の営業タイプに合った特性を細かく定義することが成功の鍵となります。適性検査の結果を多角的に分析し、自社の業績をけん引する最適な営業マンを見つけ出しましょう。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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