- 更新日 : 2026年1月5日
【テンプレ付】就業規則とは?作成手順や記載項目を解説!
就業規則の作成は法律で決められた義務なのでしょうか。義務である場合、その作成手順や記載が必要な項目はどうなっているのでしょうか。
本記事では、就業規則とは何か、作成する場合の絶対的必要記載事項、相対的必要記載事項とは何かについて説明します。
目次
就業規則とは?
就業規則とは、従業員がその事業所で働く際に守ることや守られることなどの「取り決め」を規則として定めたものです。例えばその内容には、給与や労働時間といった労働条件、従業員が職場で守るべき規律などがあります。
就業規則の作成は、適用の条件はありますが、法律で定められた義務です。労働基準法によれば、10人以上の従業員を常時雇用している事業所は就業規則を作成し、労働者の過半数が加入する組合または労働者の過半数の代表者の同意を得なければなりません。そして、その意見書を添付して労働基準監督署に届け出る必要があります(第八十九条、第九十条)。
事業所内の秩序は従業員と事業所の信頼関係により保たれていますが、それは、就業規則によってお互いの権利や義務がきちんと示されているからです。また、就業規則があることによりトラブルが起きた際の対応や、トラブル防止にも役立ちます。就業規則の作成は事業所がしっかりと従業員に対する責任を持ち、ひいては社会的責任を果たすということでもあるのです。
参考:就業規則を作成しましょう|厚生労働省
参考:労働基準法|e-GOV
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
就業規則の作成・変更マニュアル
就業規則には、労働者の賃金や労働時間などのルールを明文化して労使トラブルを防ぐ役割があります。
本資料では、就業規則の基本ルールをはじめ、具体的な作成・変更の手順やよくあるトラブル事例について解説します。
労働基準法の基本と実務 企業がやりがちな15のNG事項
労働基準法は「労働者が人たるに値する生活を営むための労働条件の最低基準」を定めた法律です。
本資料では、企業がやりがちな違法行為を軸に、最低限把握しておきたい労働基準法の基本ルールをまとめました。
就業規則(ワード)
こちらは「就業規則」のひな形(テンプレート)です。ファイルはWord形式ですので、貴社の実情に合わせて編集いただけます。
規程の新規作成や見直しの際のたたき台として、ぜひご活用ください。
就業規則変更届 記入例
こちらは「就業規則変更届 記入例」の資料です。就業規則変更届の記入例が示された資料となります。
実際に届出書類を作成する際の参考資料として、ぜひご活用ください。
就業規則と労働契約の違い
従業員を雇用する際に、労働条件を明示して、労働契約を結びます。ここにも労働条件が出てきますが、就業規則とはどう違うのでしょうか。
まず、労働契約は従業員一人ひとりについての労働条件や待遇について提示し、双方の納得のうえで契約するものです。就業規則は、個人の契約である労働契約よりも上位にあり、事業所全体の労働条件や職場の規則、ルールなどを定めています。
ですから、労働契約の内容は、就業規則を下回るものであってはなりません。あくまで就業規則の範囲内で、労働契約における労働条件や給与などの待遇が決定されなければならないのです。もちろん、雇用される側にも、就業規則を守る義務が発生します。
※万が一、個別の労働契約が就業規則を下回るものである場合、下回る箇所に関しては無効となり、就業規則で定める内容となります。
就業規則は必ず作成?作らなくてよい会社はある?
就業規則の作成は労働基準法に定められた義務だと前述しました。ただし、そこには「10人以上の労働者を常時雇用している事業所」という条件があります。ここでいう事業所とは、企業全体を指すのではなく、支社や支店があるならばそれぞれの事業所のことをいいます。
例えばAが本社である企業がb、cという支社(事業所)を持っているとします。Aの人数は3人、bの人数は8人、cの人数は5人である場合、Aの従業員数は16人になりますが、それぞれの事業所は10人未満であるため、就業規則を作成する必要はないのです。また、自営業などで人を雇っている場合なども、条件に該当しないケースは多いでしょう。
このように、法律による義務が発生しない事業所は存在します。しかし、10人以上であっても、未満であっても、何人かの人が集まれば何かしら意見の違いなどはあるもので、トラブルに発展する可能性がないとは限りません。また、しっかりとした労働契約を結んで働いている従業員でも、就業規則のように職場のルールを明示するものがなければ、故意ではなくても事業所に損害を与えるようなルール違反をしてしまうこともあるかもしれません。
そのため、事業所と従業員が安心して業務を行えるよう、義務ではない事業所でも就業規則を作成することをおすすめします。
なお、2022年は、人事労務関係で多くの法改正が行われます。現在問題なく就業規則を運用している事業所でも、新しい法令には違反してしまう場合もあるのです。もちろん今年だけではなく、法令はこまめにチェックし、必要であれば就業規則の改定を行いましょう。
【2022年の主な法改正】
- 雇用保険マルチジョブホルダー制度(1月)
- 傷病手当金の支給期間の通算化(1月)
- パワハラ防止法(中小企業)(4月)
- 育児介護休業法(4月)
- 女性活躍推進法(4月)
- 個人情報保護法(4月)
- 育児介護休業法(10月)
- 社会保険適用拡大(10月)
就業規則の作成手順 – 記載項目など
就業規則を作成しようとするときには、注意しなければならない決まりがあります。まず、就業規則の上位にある「労働協約」や法令に違反した内容の規定がある場合には、就業規則として認められません。また、前述しましたが「就業規則の最低基準効」という労働条件の基準があり、労働契約の際に就業規則よりも低い基準での契約は無効となります。(労働契約法第12条)就業規則を作成する際には、内容をよく検討する必要があるでしょう。
就業規則は、一般的には一編の書類だけでできているものではなく、賃金規程や旅費規程、育児休暇規定などさまざまな規定により構成されています。作成の手順として、まずは全体の構成を考えましょう。特に決まりはありませんが、自社に必要な規定を網羅し、かつ従業員が理解しやすい構成にします。
なお、記載する内容には、必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項」と、事業所ごとに内部でルールを定める場合に記載しなければならない「相対的必要記載事項」があります。この2つについて、説明していきましょう。
絶対的必要記載事項
絶対的必要事項には、以下の項目があります。
- 労働時間関係
始業、終業時刻、休憩時間、休日、休暇
交替勤務に関する事項(交替期日、交替順序) - 賃金関係
賃金の決定、計算及び支払方法、賃金の締切り及び支払時期、昇給について - 退職関係
退職について(解雇の事由を含む)
相対的必要記載事項
相対的必要記載事項には、以下の項目があります。
- 退職手当関係
適用される労働者の範囲、退職手当の計算・支払の方法、支払時期について - 臨時の賃金(賞与)・最低賃金額関係
臨時の賃金等(退職手当を除く)、最低賃金額について - 費用負担関係
食費、作業用品その他の労働者の負担に関する事項 - 安全衛生関係
安全及び衛生に関する事項 - 職業訓練関係
職業訓練に関する事項 - 災害補償・業務外の傷病扶助関係
災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項 - 表彰・制裁関係
表彰、制裁(懲戒)の種類と程度に関する事項 - その他
事業場のすべての労働者に適用されるルールについて
参考:就業規則を作成しましょう|厚生労働省
参考:労働契約法|e-GOV
就業規則のテンプレート – 無料でダウンロード
就業規則を作成するには、法律や人事労務関連の専門家である弁護士や社会保険労務士に依頼する方法もありますが、事業所内で作成することも可能です。
まず、厚生労働省で公開している「モデル就業規則」をテンプレートとして使用する方法があります。
マネーフォワードで就業規則のテンプレートを公開しています。以下のページから必要情報を記入することでダウンロード可能です。
就業規則への意見書のテンプレート – 無料でダウンロード
就業規則への意見書は、就業規則を作成または変更する際に、労働者の代表からの意見をまとめた書類です。労働者が就業規則の内容に対する意見を会社に伝えるための手段となります。
以下より、テンプレート(エクセル・ワード)を無料でダウンロードいただけます。ベースを保ちつつ、自社の様式に応じてカスタマイズすれば使い勝手の良い書類を作成できるでしょう。この機会にぜひご活用ください。
就業規則は労働者を守る規則
就業規則は、事業所内の労働条件やルールを定めた規則で、常時10人以上雇用している事業所には作成と届出の義務があります。作成の目的は、組織の秩序を保つためのルールを周知すること、そして最も重要なのは従業員の労働条件を守ることです。就業規則作成の際の絶対的必要記載事項が労働時間、賃金、退職関連であることがそれを示しています。
事業所が就業規則を作成するということは、その事業所は法令を守り、労働協約を守り、就業規則に定められた労働条件以上を保障するということです。事業所と従業員の信頼関係のためにも、義務であろうとなかろうと、作成することをおすすめします。
よくある質問
就業規則とは何ですか?
従業員の労働条件や、事業所内のルールを定めた規則です。詳しくはこちらをご覧ください。
就業規則の作成は義務ですか?
10人以上の従業員を常時雇用している事業所は、作成する義務があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
出張中の残業に残業代は出ない?移動時間や休日の扱いについて解説!
出張中に所定時間外の労働を行った場合、残業代が支給されるにはいくつかの条件があり、出張に伴う移動時間も労働時間にはカウントされません。労働者としては、出張中でも残業をしたら残業代を請求したいと考えるでしょう。 そこで本記事では、出張中におけ…
詳しくみる【運用マニュアル付】振替休日は半日や時間単位にできる?給与計算を解説
休日は、従業員が心身を休めるために重要です。休日の付与は企業の義務であり、確実に取得させなければなりません。しかし、休日の出勤が必要となる場合もあるでしょう。そのようなときに利用される制度が振替休日です。当記事では振替休日の意味や代休との違…
詳しくみる36協定違反による企業名公表制度とは?公表の基準やリスク、対策を解説
長時間労働や過重労働の防止は、現代の企業経営において重要な課題です。日本の労働法制では、36協定(さぶろくきょうてい)と呼ばれる労使協定を締結することで法定労働時間を超えた労働を課すことが可能ですが、この協定に違反した場合には企業に厳しい罰…
詳しくみるフレックスタイム制とは?メリット・デメリットや導入の注意点をわかりやすく解説!
フレックスタイム制は、従業員が自由に始業と就業の時刻を決められます。柔軟な働き方をサポートする労働時間制度ですが、「完全自由」「残業代がつかない」など様々な誤解があるのも事実です。 ここでは制度の基本を説明すると共に、メリット・デメリットを…
詳しくみる労働基準法が定める休憩時間とは?取得ルールを正しく理解しよう!
労働基準法の休憩時間に関する決まりとは? 休憩時間に関する規定を定めた労働基準法第34条には「労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分」「8時間を超える場合においては少くとも1時間」の休憩時間を与えなければならないと定められてい…
詳しくみる産休前に有給休暇をくっつけることは可能!社会保険料や出産手当金への影響も解説
「産休前に有給休暇を使って早めに休みたい」「有給と産休を組み合わせることで、どのような影響があるのか知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。 産前休業(産休)は、労働基準法にもとづいて取得できる休暇で、有給休暇と併用することでさ…
詳しくみる


-e1762754602937.png)
