• 更新日 : 2026年8月20日

合同会社の定款の作り方を記載例を使って解説!

Point合同会社定款、何を書けばいい?

合同会社の定款は、目的・商号・本店所在地・社員情報を記載した会社の基本ルール書類で、公証人認証は不要です。

  • 絶対的・相対的・任意的の3種類の記載事項がある
  • 株式会社と異なり公証人認証が不要で費用を抑えられる
  • 電子定款なら印紙税4万円を削減できる

Q. 合同会社の定款に必ず書かなければならない内容は?

A. 目的・商号・本店所在地・社員の氏名と住所・全社員が有限責任社員である旨・出資の目的と価額の6項目が絶対的記載事項です。

合同会社設立の際は、商号、事業目的、本店所在地、社員(出資者)、出資額などの基本事項を決め、その内容をもとに定款を作成するのが一般的です。定款作成後は、設立登記までに出資を履行し、必要書類をそろえて設立登記を申請します。合同会社の定款作成方法は、テンプレート・ひな形を使用、専門家に依頼、会社設立サービスで作成の主に3種類があります。

当記事では、合同会社の定款の作り方や、ひな形・サンプル例についても紹介します。

定款とは?

定款とは、会社の基本的なルールをまとめた書類です。商号、事業目的、本店所在地、出資や社員に関する事項などを定めるもので、会社設立時に必ず作成します。

定款は会社の基本ルールを定める書類

定款には、会社を運営する上で必要となる基本事項を記載します。合同会社を設立する場合は、社員になろうとする者が定款を作成し、全員が署名または記名押印しなければなりません。電子定款として作成する場合は、電子署名が必要です。

なお、合同会社の定款は、株式会社と異なり、公証人による認証を受ける必要はありません。

合同会社の定款には、主に次のような内容を記載します。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 社員の氏名または名称および住所
  • 社員の全部を有限責任社員とする旨
  • 社員の出資の目的およびその価額または評価の標準
  • 事業年度
  • 業務執行社員や代表社員に関する事項

このうち、目的、商号、本店の所在地などの6項目は、合同会社の定款に必ず記載しなければならない絶対的記載事項です。

また、定款に記載する事項のうち、商号、目的、本店所在地などは登記事項にもなります。許認可申請や金融機関での法人口座開設などの際に、定款の提出や内容の確認を求められる場合もあるため注意が必要です。

定款には会社の事業範囲を明確にする役割がある

定款は、会社がどのような事業を行うのかを示す役割もあります。特に事業目的は、会社の事業範囲を示す項目であり、第三者が会社の内容を判断する材料になります。

たとえば、Web制作を行う会社であれば「Webサイトの企画、制作、運営及び保守」などと記載します。許認可が必要な事業では、定款の目的に対象事業が含まれているか確認される場合もあります。

合同会社の定款は設立後も変更できます。原則として総社員の同意が必要ですが、定款に別段の定めがある場合は、その定めに従います。また、目的、商号、本店所在地などの登記事項を変更した場合は、変更登記も必要です。そのため、設立時点で現在の事業と将来行う可能性のある事業を整理し、実態に合った内容で作成することが大切です。

参考:定款の記載例(Examples of Articles of Incorporation)|日本公証人連合会

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合同会社の定款と株式会社の定款の違いは?

合同会社と株式会社はいずれも会社設立時に定款を作成しますが、定款に記載する内容や認証手続き、会社運営で重視する項目が異なります。

【合同会社の定款】社員間のルールを重視

合同会社の定款では、社員の氏名または名称・住所、社員全員が有限責任社員であること、社員の出資の目的や価額などを記載します。ここでいう「社員」は従業員ではなく、出資者を意味します。合同会社は出資者が会社運営に直接関わることが多いため、業務執行社員、代表社員、利益配分、持分譲渡、退社時の扱いなどを定款で明確にしておくことが重要です。

【株式会社の定款①】株式と機関設計を重視

株式会社の定款では、目的、商号、本店所在地、設立時に出資される財産の価額または最低額、発起人の氏名または名称および住所、発行可能株式総数などを定めます。株式会社は株式を発行して出資を受ける仕組みであるため、株式の譲渡制限、取締役会の有無、監査役の設置、公告方法など、会社の機関設計に関する項目が重要になります。合同会社よりも、外部出資や将来的な株主構成の変化を想定した定款設計が求められます。

【株式会社の定款②】原則として公証人の認証が必要

設立時の手続きにも違いがあります。株式会社を設立する場合、定款は原則として公証人の認証を受ける必要があります合同会社の定款には公証人の認証は不要です。そのため、合同会社は株式会社よりも設立手続きが比較的簡略で、費用も抑えやすい傾向があります。ただし、どちらの会社形態でも、定款の内容が登記内容や設立後の運営に影響するため、事業目的や出資、権限関係は慎重に定める必要があります。

紙の定款と電子定款の違いは?

紙の定款と電子定款の主な違いは、作成形式と印紙税の有無です。紙の定款は書面として作成・保管するため印刷や製本が必要ですが、電子定款はPDFなどの電子データで作成し、電子署名を付けて利用します。電磁的記録は印紙税の課税対象となる「文書」に含まれないため、電子定款では印紙税を抑えられる点が大きな特徴です。

紙の定款は書面で作成し印紙税がかかる

紙の定款は、定款の内容を印刷し、株式会社では発起人全員が、合同会社では社員になろうとする者全員が、署名または記名押印して作成する方法です。株式会社では、公証役場で認証を受ける定款、法務局への登記申請で使う定款、会社で保管する定款などを用意するのが一般的です。紙で作成した原始定款には、原則として4万円の収入印紙を貼付する必要があります。印刷、製本、押印、保管の手間がかかる点も、紙の定款の特徴です。

電子定款は電子データで作成し印紙税を抑えられる

電子定款は、定款をPDFなどの電子データとして作成し、電子署名を付与する方法です。合同会社では、社員になろうとする者全員が電子署名を行います。国税庁は、印紙税の課税対象は課税物件表に掲げられている「文書」であり、電磁的記録は文書に含まれないため、電磁的記録には印紙税が課税されないと説明しています。そのため、電子データとして作成する電子定款は、紙の定款と異なり収入印紙の貼付が不要です。

参考:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁

電子定款は準備環境を整える必要があ

電子定款は印紙税を抑えられる一方、作成には電子署名、電子証明書、対応ソフト、マイナンバーカードなどの準備が必要です。そのため、設立手続きを一度だけ行う場合は、自分で環境を整えるより専門家や設立支援サービスを利用したほうが効率的なケースもあります。ただし、今後も電子契約やオンライン申請を活用する予定がある場合は、早めに電子手続きに対応しておくメリットがあります。

そのため、これから会社の立ち上げを検討しているという段階であれば、最初に少しの手間をかけてでも、電子定款を作成できる環境を整備しておくことが推奨されます。

なお、マネーフォワード クラウド会社設立では、合同会社の定款をサービス利用料0円でカンタンに作成できます。電子定款にも対応しているので、自分で会社設立するよりも費用を抑えられるので、多くの方にご利用いただいております。

合同会社の定款の記載内容は?

それでは、合同会社の定款に記載する内容について説明していきます。「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分けて紹介します。

合同会社の定款

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款への記載が必須とされる事項です。この事項が記載されていないと定款自体が無効になってしまいます。

目的

絶対的記載事項の1つは、「目的」です。その会社で何をしようとしているのか、具体的な事業内容について定めます。例えば、「第〇条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。」などとして、各号で複数の目的を記載しても良いでしょう。挙げた複数の事業が互いに関連している必要はありませんが、客観的に見て何を目的とする会社なのかが判断できるように記載することが大切です。

商号

設立する合同会社の名称を定めます。「第〇条 当会社は、合同会社○○と称する。」などと記載します。名称は自由に定めることができますが、商号には“合同会社”の文字が入っていなければなりません。また、既存の会社と同じ本店所在地、かつ同じ商号の会社は設立登記ができないなどの規制があります。

本店の所在地

設立する合同会社の本店をどこに置くのか、所在地も定款に記載します。あまり詳細に記載する必要はなく、定款上は最小行政区画までの記載で良いとされています。つまり、何丁目何番地何号といった情報はなくてもかまいません。「○○県○○市に置く」などと記載すれば良いのです。こうした記載の仕方をすることにより、本店を移転したときでも同じ市内などであれば定款を変更する必要はなくなります。

社員に関する事項

社員に関する以下の事項も絶対的記載事項です。

  • 社員の氏名または名称および住所
  • 全社員を有限責任社員とする旨
  • 社員の出資の目的および価額または評価の標準

社員の氏名や住所については、印鑑登録証明書の内容と一致するように留意しましょう。また、金銭を出資の目的とするのであれば「金○○円」といった書き方になります。なお、上記の各情報についてすべて分けて条項を設ける必要はなく、社員別にまとめて記載してもかまいません。

相対的記載事項

絶対的記載事項は、会社のごく基本的な情報に過ぎません。そこで、絶対的記載事項に加えて、会社運営に係る重要なルールをさらに定めていくことになるでしょう。そのルールのうち、定款への記載が効力発生の要件とされている事項が「相対的記載事項」です。

単なる社内規則として設けるのではなく、変更等により厳格な手続きを要する定款への記載が求められています。

例えば、持分譲渡の要件、業務執行社員の指名または選任方法、社員や業務執行社員が複数いる場合の業務の決定方法、代表社員の指名または互選、会社の存続期間や解散事由などが相対的記載事項にあたります。どのようなルールを設け、どのように記載すべきか、弁護士などの専門家に相談しつつ検討していくと良いでしょう。

任意的記載事項

絶対的記載事項、相対的記載事項以外の事項で、会社法の規定に違反しないものが「任意的記載事項」です。定款に記載することが効力発生要件になっているわけではなく、定款以外に定めても有効です。

例えば、事業年度をいつからいつまでに設定するのか、公告はどのような方法で実施するのか、業務執行社員の報酬に関する規定なども広く任意的記載事項にあたります。

任意的記載事項だからといって重要度が低いわけではありません。一度定款に定めてしまうと容易に変更することができなくなるうえ、事業年度など税制との兼ね合いを考慮すべき事項もあるため、やはり各分野における専門家に相談しつつ作成を進めていくことが大切です。

合同会社の定款を作成する際の注意点は?

合同会社の定款を作成するにあたっては、以下の点に注意が必要です。

解釈に違いが出ないよう表現に配慮する

定款を作成するときは、使用する文言や表現方法にも配慮しましょう。意図した意味と異なる解釈ができてしまうと、大きな問題に発展してしまうおそれがあります。

「または」や「および」などの使い方も要注意です。とても基本的なことですが、言葉の使い方を一つ間違えるだけで意味が大きく変わり、期待する効果が得られない、あるいは予想外の効果が生じてしまう、といった事態が起こりかねません。

ルール変更は簡単にできないと認識しておく

合同会社が定款を変更する場合、定款に別段の定めがない限り、原則として総社員の同意が必要です。原始定款(設立時に作成する定款)に定款変更に関する定めを置き、要件を緩めることもできますが、基本的には変更が難しいものと捉えて一つひとつのルールを検討することが大切です。「とりあえずひな型にあるルールをそのまま使って作成を進めていこう」などと考え、定款作成作業に手を抜いてしまうと、後々困ることになります。

また、コストにも着目しましょう。定款に記載した内容が登記事項である場合には、変更登記をするのに数万円のコストがかかります。例えば、会社の商号や目的、本店や支店の所在地を変更するには、登録免許税として3万円を要します。その他、代表社員や業務執行社員の変更などにもコストがかかりますし、司法書士などに依頼する場合にはさらにコストがかかってきます。

不備がないかチェックする

株式会社の設立時に作成する定款は、公証人の認証を受ける必要があります。定款認証とは、公証人が、定款が正当な手続きによって作成されたことを証明する手続きです。合同会社では公証人による認証が不要です。手続きが楽である反面、慎重に作成しないと設立登記の段階になってから不備に気が付くことがあります。そのまま設立登記をすることはできず、定款の修正に係る作業が発生してしまいます。

会社設立をスムーズに進めるためにも、作成を終えた定款は、可能であれば第三者にも確認してもらいましょう。自分だけで判断するのが難しい場合は、司法書士や行政書士などの専門家に相談する方法もあります。形式的な不備だけでなく、内容に問題がないかどうかの再確認も大切です。

合同会社の利益配分は定款で自由に決められる?

合同会社の利益配分は、定款で定めれば出資割合と異なる比率にすることができます。株式会社では株式数に応じた配当が基本ですが、合同会社では社員同士の合意により柔軟に設計しやすい点が特徴です。

定款に定めれば出資割合と異なる利益配分にできる

合同会社では、社員の出資額に応じて利益を分けることもできますが、定款で別の割合を定めることも可能です。たとえば、Aさんが70%、Bさんが30%を出資していても、業務への貢献度を考慮して利益配分を50%ずつにする設計が考えられます。資金を多く出す社員と、営業・開発・運営などで大きく貢献する社員が異なる場合に使いやすい仕組みです。

定款に定めない場合は出資価額に応じて配分される

定款に利益配分の定めがない場合、利益は原則として各社員の出資価額に応じて配分されます。「話し合いで決めればよい」と考えて定款に何も書かないと、後から認識の違いが生じる可能性があります。複数人で合同会社を設立する場合は、出資額、役割、業務量、責任の重さを踏まえ、利益配分の基準を事前に決めておくことが重要です。

利益配分のルールは具体的に書く

利益配分を出資割合と異なる形にする場合は、「社員Aに60%、社員Bに40%を配分する」など、割合を明確に定款へ記載します。あわせて、赤字が出た場合の損失負担、途中加入・退社した社員の扱い、配当を行う時期や決定方法も整理しておくと安全です。自由に決められるからこそ、曖昧な表現を避け、社員間で合意した内容を定款に反映することが大切です。

合同会社の社員が加入・退社すると定款変更は必要?

合同会社の社員が加入・退社する場合は、定款変更が必要になるのが原則です。ここでいう社員とは従業員ではなく、会社に出資する構成員を指します。合同会社の定款には社員の氏名または名称・住所、出資内容などを記載するため、社員構成が変わると定款の内容も見直す必要があります。

新しい社員が加入する場合は定款変更する

合同会社に新しい社員が加入する場合は、定款にその社員の氏名または名称および住所、出資の目的およびその価額または評価の標準などを追加します。合同会社では、社員に関する事項が定款の重要な記載事項になるため、出資者が増える場合は社内手続きだけでは済みません。原則として、定款変更には総社員の同意が必要です。将来、共同経営者や出資者を追加する可能性がある場合は、加入手続きや意思決定方法をあらかじめ定款で整理しておくとよいでしょう。

社員が退社する場合も定款変更する

既存の社員が退社する場合も、定款に記載された社員情報を削除・修正する必要があります。退社には、任意退社、死亡、法人社員が合併によって消滅した場合、破産手続開始の決定、除名などのケースがあります。退社した社員の持分をどう払い戻すか、会社に残る社員の出資割合や利益配分をどう扱うかも確認が必要です。複数人で設立した合同会社では、退社後の経営権や利益配分をめぐるトラブルを防ぐため、退社時の清算方法を定款で定めておくことが重要です。

登記事項が変わる場合は変更登記も必要

社員の加入・退社により、代表社員や業務執行社員、本店、商号、目的などの登記事項が変わる場合は、定款変更だけでなく変更登記も必要です。ただし、加入・退社した社員が業務執行社員や代表社員ではなく、資本金の額などの登記事項にも変更がない場合は、社員構成が変わったことだけを理由とする変更登記は必要ありません。

たとえば、代表社員が退社する場合は、新しい代表社員の選定と登記手続きが必要になります。一方、定款内部の記載を直すだけで登記事項に影響しない場合もあります。社員構成の変更時は、定款変更と登記変更の両方を確認することが大切です。

合同会社こそ電子定款で設立コストを最小化しよう

合同会社設立において電子定款の活用は、コスト削減の観点から特に重要です。株式会社と異なり公証人による認証が不要な合同会社は、もともと設立費用が安いメリットがありますが、電子定款を選択することで印紙税4万円をさらに削減でき、設立費用を最小限に抑えることができます。スタートアップや個人事業主法人化において、この節約分は貴重な運転資金となります。

また、合同会社は社員の加入・退社や出資額の変更など、定款変更の機会が株式会社より多い傾向にあります。電子定款なら、社員全員の同意が必要な定款変更手続きにおいても、最新版の共有や変更履歴の管理が容易です。業務執行社員や代表社員の変更時も、電子データでの管理により手続きが効率化されます。

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電子定款の利用率の調査データ

マネーフォワード クラウド会社設立の利用者へのアンケートによると、電子定款の利用者は98.07%(紙定款の利用者は1.93%)というデータがあります。

出典:マネーフォワード クラウド会社設立、利用後のユーザー様へのアンケート(回答者:1449名、集計期間:2022年7月~2025年9月)

合同会社設立時は定款の作成が必要!

会社設立を考えているのであれば、定款の作成作業は避けられません。合同会社の場合には、社員の責任について記載し、必要に応じて業務執行社員に関する規定なども設けましょう。合同会社であれば、株式会社を設立するときのように株式の取り扱いについて検討する必要はなく、定款の認証なども不要です。

参考:合同会社の設立手続について

よくある質問

合同会社と株式会社で定款の作成方法にどのような違いがありますか?

合同会社では、株式会社のように定款の認証手続きを行う必要がありません。詳しくはこちらをご覧ください。

合同会社の定款には何を記載しますか?

他の会社形態と同様、会社の目的や商号などを記載するとともに、社員の全員が有限責任社員である旨の記載が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

定款の作成にあたって注意すべきことはありますか?

曖昧な表現を避けること、また定款の変更は簡単ではないことに注意する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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