- 更新日 : 2026年3月27日
金銭債権とは? 特徴や具体例、種類もわかりやすく解説!
債権・債務は日々の企業活動で発生します。一口に「債権」といっても、発生原因や契約内容によってその性質は異なります。ここでは特に「金銭債権」ついて解説し、ほかの一般的な債権と異なる特徴や、金銭債権の種類についても紹介します。
金銭債権とは?
まずは「金銭債権」の定義を紹介するとともに、どのようなものが金銭債権であるのかイメージできるように具体例を挙げます。
金銭債権の定義
金銭債権とは、「金銭の給付」を目的とする債権のことです。
債権は一定の給付を要求できる権利を意味しますが、その中で「お金を交付するよう求めることができる権利」が金銭債権です。
これに対して、給付を求められる側(債務者)が負う義務を債務と呼びます。金銭債権に対応する債務は「金銭債務」といいます。
金銭債権の具体例
よく利用される金銭債権としては、「預金債権」「売掛債権」「賃料債権」などが挙げられます。
預金債権は預金者が銀行など金融機関に対して有する金銭債権であり、この債権を行使することで普通預金や定期預金といった預金の給付(出金)を求めることができます。
売掛債権は、取引先等に対し、製品やサービスの提供をした企業がその代金を受け取る権利です。売掛債権によって得られる金銭は、売掛金と呼ばれます。売掛金は将来受け取るものなので、信用に基づいた取引で発生します。
賃料債権は不動産などを賃貸した時などに取得するもので、物件を貸したことの対価として賃料を請求する権利です。ほかにもさまざまな権利が金銭債権として日常的に発生しています。
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金銭債権の特徴
金銭債権は貨幣価値が下がったとしても、原則として補填する必要はありません。この考え方は名目主義と呼ばれ、債権額が「1万円」と設定されたのであれば、その後、円の価値が下がったとしても1万円札を交付すればよいと考えます。
ただし、例外的に貨幣価値の変動によって修正がなされ、填補が認められるケースもあります。
また、民法第419条には「金銭債権の特則」と題された条文があります。
第四百十九条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
引用:民法|e-Gov法令検索
同条第1項では、金銭債権に関する損害賠償である遅延損害金は、法定利率によって定めると規定されています(法定利率については、民法第404条第2項にて3%とする旨、同条第3項にて3年を1期として変動する旨を規定)。つまり、「給付の履行が遅れたことによって実際に生じた損害額」とは関係なく、「遅滞の責任を相手方が負った時点での法定利率(または約定の利率)」により損害額を計算するということです。この規定があることにより、債権者は約定または法定利率を超える損害が生じたと主張しても、その賠償請求をできないのが原則です。
ただし、このルールにも例外があります。例えば、当事者間で賠償額につき予定をしている場合です。
419条第2項では、その損害賠償につき損害の証明を要しないことも定められています。本来、債務不履行による損害賠償を請求するためには、損害の発生と賠償額を証明しなければならないのですが、この原則に対する特則として第2項が設けられています。
さらに同条第3項では、履行不能が認められない旨が規定されています。金銭債権に関してはお金を用意すればその履行を果たせるため、不可抗力を理由に抗弁することはできません。
金銭債権の種類
金銭債権は、「金額債権」「相対的金種債権」「絶対的金種債権」「特定金銭債権」の4つに分類できます。それぞれ履行の内容が異なるので、契約内容に応じてどの金銭債権にあたるのかを判断する必要があります。
金額債権とは
最も一般的な金銭債権が「金額債権」です。「金額債権」は一定額の支払いを目的とします。重要なのは金額であり、金銭の種類にはこだわりません。どのような金銭により支払うのかは債務者が選択できるという、金銭債権の原則とされる形態です。
相対的金種債権とは
「相対的金種債権」は、一定額の支払いを目的とする点は金額債権と同じですが、ある種類の金銭で支払うことを内容とする点が異なります。
例えば、「1万円を1,000円札で支払う」といった契約から発生する債権などで、両替などは相対的金種債権となります。
絶対的金種債権とは
「絶対的金種債権」は一定量で、特定の種類の金銭を渡すことを目的とする金銭債権です。例えば、「ある年に発行された100円玉を100枚集めたい」といった場合の金銭債権などです。この場合、100円玉100枚に相当する1万円札を渡しても弁済したことにはなりません。指定された特定の種類の金銭でなくてはならないのです。
特定金銭債権とは
「特定金銭債権」とは、当事者間である金銭を目的物として特定し、特定物としての引き渡しを内容とする債権です。例えば、「この棚にある100円玉」といった指定がなされた場合などです。そのため、「特定物債権」という区分に属する債権の一種ともいえます。
金銭債権の特則や種類に注意して契約をしよう
金銭債権は金銭のやり取りを目的としていることから、いくつかの特則が設けられています。また、金銭の額のみならず、種類などを特定している場合は、履行内容も変わってきます。これらのことに注意して、契約を締結するようにしましょう。
よくある質問
金銭債権とは何ですか?
金銭債権とは、金銭の給付を目的とする債権のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
金銭債権にはどのようなものがありますか?
金銭債権は基本となる「金額債権」のほか、「相対的金種債権」「絶対的金種債権」「特定金銭債権」に分けられます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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