- 更新日 : 2026年7月30日
基本契約書の印紙税200円と4000円の違いは?契約書や領収書の金額一覧、貼らなくていい場合も解説
ビジネスで使う契約書や領収書には、4000円または200円の収入印紙が必要になるケースがあります。特に基本契約書では、金額に20倍もの違いがあるため、この違いを正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、どのような場合に4000円または200円の印紙税が必要になるのか、その違いと理由について詳しく解説します。
基本契約書で4000円の収入印紙が必要なケースは?
基本契約書にかかる印紙税が4000円になるのは、その契約書が「第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)」に該当する場合です。
第7号文書とは?
第7号文書とは、特定の相手との間で、同じような契約内容の取引を継続的に行う際に使われる契約書を指します。
第7号文書の要件
第7号文書に該当するには、継続的であることのほかに、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。
- 営業者同士の間での取引であること
- 売買、もしくは売買の委託、運送、運送取扱、もしくは請負のいずれかの取引に関する契約であること
- 契約書内において、「目的物の種類」「取扱数量」「単価」「対価の支払方法」「再販売価格」のいずれか1つ以上が、明記されていること
- 電気もしくはガスの供給に関する契約でないこと
第7号文書となる契約書の例
第7号文書となる契約書には、以下のようなものがあります。
売買取引基本契約書
同一当事者間で繰り返される売買取引に対し、共通する条件をあらかじめ定めておく契約です。契約条件交渉の省力化や、個別の取引における契約書の簡略化など、手間を減らせるメリットがあります。
継続的製造物供給契約書
売買取引基本契約書のうち、特に製造物の供給に関する契約書です。発注者の要望に基づき、受注者が継続的に製品を製作・供給することに合意する際に締結されます。
業務委託基本契約書
自社の業務を外部に発注する際、委託する業務内容やその条件を記載した契約書です。特にシステム管理・保守・運用などの業務委託では、認識のずれによるトラブルを防ぐため、業務内容や条件を細かく記載して締結するのが一般的です。
貨物輸送基本契約書
貨物輸送に関する基本契約書で、荷主が運送会社に輸送を依頼する際に締結します。荷物の内容、料金体系、保険、納期遅延や貨物の損傷に関するトラブルを回避することが大きな目的です。
工事下請基本契約書
元請人が下請人に対し、工事を依頼する際のルールや合意内容を書面化したものです。立場の強い元請人から下請人を守り、後日のトラブルを回避する意義があります。契約は着工前に書面で行い、建設業法で定める一定の事項を記載する必要があります。
基本契約書で200円の収入印紙が必要なケースは?
基本契約書であっても、4000円ではなく200円の収入印紙が必要となる場合があります。
第7号文書に該当しない基本契約書
基本契約書であっても、契約期間が3ヶ月以内であり、かつ更新に関する規定がない場合、継続的とは見なされず、第7号文書(4000円)の対象からは外れます。
この場合、契約内容によって印紙税額は異なりますが、例えば、契約金額の記載がない「請負に関する契約書(第2号文書)」に該当する場合は、印紙税は200円となります。
第2号文書
基本契約書が請負に関する内容(第2号文書)を含み、契約金額が5万円以上100万円以下と明記されている場合、印紙税は200円です。
例えば、契約期間が3ヶ月以上(第7号文書の要件を満たす)であっても、取引金額が50万円と明記されている請負契約書は、第7号文書(4000円)ではなく第2号文書(200円)の扱いとなります。
収入印紙の主な金額一覧
印紙税の課税対象となる文書には、全部で20の種類が定められています。ここでは特に利用頻度の高い文書の金額表(一覧)を紹介します。
4000円や200円の収入印紙は、契約書だけでなく領収書(第17号文書)でも使用されます。領収書の場合、受取金額が1,000万円を超え2,000万円以下の場合は4,000円、5万円以上100万円以下の場合は200円の収入印紙が必要です。
領収書(第17号文書)の金額一覧
| 記載された受取金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上 100万円以下 | 200円 |
| 100万円超 200万円以下 | 400円 |
| 200万円超 300万円以下 | 600円 |
| 300万円超 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 2,000円 |
| 1,000万円超 2,000万円以下 | 4,000円 |
| 2,000万円超 3,000万円以下 | 6,000円 |
| 3,000万円超 5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 20,000円 |
| 1億円超 2億円以下 | 40,000円 |
| 2億円超 3億円以下 | 60,000円 |
| 3億円超 5億円以下 | 100,000円 |
| 5億円超 10億円以下 | 150,000円 |
| 10億円超 | 200,000円 |
| 受取金額の記載がないもの | 200円 |
参考:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁
契約書(第2号文書)の金額一覧
| 記載された契約金額 | 本則税率(標準) | 軽減税率※ |
|---|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
| 1万円以上 100万円以下 | 200円 | 200円 |
| 100万円超 200万円以下 | 400円 | 200円 |
| 200万円超 300万円以下 | 1,000円 | 500円 |
| 300万円超 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
| 1億円超 5億円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
| 5億円超 10億円以下 | 200,000円 | 160,000円 |
| 10億円超 50億円以下 | 400,000円 | 320,000円 |
| 50億円超 | 600,000円 | 480,000円 |
| 契約金額の記載がないもの | 200円 | 200円 |
参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
軽減措置の対象は「建設工事の請負に関する契約書」であり、それ以外の請負契約書(運送、広告、物品加工など)には適用されません。 この軽減措置は、現在のところ令和9年(2027年)3月31日までに作成された契約書に適用されます。
収入印紙を貼らなくていい場合は?
以下のようなケースでは、収入印紙を貼らなくていい(非課税)とされています。
- 領収書の金額が5万円未満の場合
受取金額が5万円未満の領収書(第17号文書)は非課税です。 - 請負契約の金額が5万円未満の場合
工事請負契約書や業務委託契約書(第2号文書)で、契約金額が5万円未満の場合は非課税となります。 - 特定の第7号文書
継続的取引の基本契約書(第7号文書)であっても、契約期間が3ヶ月以内で、かつ更新の定めがないものは非課税(印紙不要)となります。また、契約金額が明記されているものも除かれます。 - 電子契約書
印紙税は「用紙に記載されたもの」が対象です。そのため、PDFなどの電子データでやり取りする電子契約は、課税対象とならず、印紙税(4000円または200円)が0円になります。
収入印紙の購入場所は?
収入印紙は、主に以下の場所でどこで買うかを選択できます。
- 郵便局(ゆうゆう窓口含む)
全種類の収入印紙を取り扱っています。4000円のような高額な印紙や、大量に必要な場合に最も確実な購入場所です。支払いは基本的に現金のみです。 - コンビニエンスストア
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなどで購入可能です。200円の印紙はほとんどの店舗で取り扱っていますが、4000円の印紙は在庫がない場合が多いため、事前の確認が必要です。支払い方法は基本的に現金ですが、一部のコンビニでは例外もあります。 - 法務局・役所
登記申請などで印紙が必要になるため、法務局内の販売所でも購入できます。役所(市役所など)でも取り扱っている場合があります。 - 金券ショップ
額面よりわずかに安く販売されている場合があります。
収入印紙の貼り方と消印の方法は?
購入した収入印紙は、契約書の所定の貼付欄、または欄がなければ左上の余白などに貼り付けます。
貼付した収入印紙には、必ず消印が必要です。消印は、印紙の再利用を防ぐために行うもので、契約書の作成者または代理人、使用人などが、印紙と文書の紙面の両方にかかるように、印鑑または署名(サイン)で行います。
印紙税の金額間違いや貼り忘れのペナルティは?
印紙税の金額を間違えたり、貼付を怠ったりすると、税務調査などで発覚した場合にペナルティ(過怠税)を課される可能性があります。
収入印紙の貼り忘れのペナルティ
課税文書に印紙の貼付を怠った場合、印紙税法20条に基づき、本来の印紙税に加えて「過怠税」が課されます。
- 税務調査などで発覚した場合: 本来の印紙税額の2倍(つまり、本来の税額と合わせて合計3倍)の金額が課されます。
- 自ら間違いを申告した場合: 本来の印紙税額の10%が過怠税として課されます。
消印(割印)忘れのペナルティ
収入印紙に消印を行わなかった場合は、印紙税額と同額が過怠税として課されます。
さらに、意図的に印紙税を逃れようとするなどの不正行為は悪質と見なされ、刑事罰の対象となる可能性もあります。印紙税については正しく理解し、適切に対応する必要があります。
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