• 更新日 : 2026年10月7日

業務改善フレームワーク9選!状況の整理・分析から効果的な使い方まで【テンプレ付】

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Point 業務改善のフレームワークはどう選ぶ?

課題の段階に合わせて選ぶと、次の打ち手が定まります。

  • 現状はBPMNで流れを描き出す
  • 原因はロジックツリーで掘り下げる
  • 施策はECRSの順に検討する

どれか一つに絞らず、目的ごとに使い分けると効果が続きます。

業務の効率化や改善を進めるときには、やみくもに課題に取り組むのではなく、フレームワークを活用して課題を洗い出すのが大切です。特に変化のスピードが急速な現代社会では、業務をこまめに見直して、フレームワークにより素早く改善することが欠かせません。

この記事では業務改善・効率化に役立つフレームワーク9つを、実務での使い方とあわせて解説します。

業務改善とは?

業務改善とは、現状の業務の流れを大きく変えずに、非効率な部分を見直す取り組みです。業務プロセス改善や業務整理とも呼ばれ、働く環境を今の状況に合わせて整えることを目的とします。

出発点は、業務の中に隠れている「ムリ・ムダ・ムラ」を見つけ出すことです。達成が難しい目標設定、余分な動作、成果のばらつきを洗い出すには、まず業務内容の可視化から始めます。

中小企業庁の白書では、業務プロセスの見直しを業務改善や業務プロセス改革(BPR)と同義に扱っています。実際の取組としては、業務の標準化・マニュアル化、不要業務や重複業務の見直し、業務の見える化が上位に挙がっています。

参照:平成30年版中小企業白書 第2部第2章|中小企業庁

業務改善にフレームワークを用いるのがおすすめの理由

フレームワークとは、物事を考えるための「枠組み」「骨子」「構造」を指します。業務改善に当てはめると、思いつきで手をつけるのではなく、決まった順序で業務分析を進められる点に利点があります。

主なメリットを挙げます。

問題を解決するためのとっかかりが見つけやすくなる

フレームワークで業務内容を可視化すると、解決の糸口が見つけやすくなります。

問題を解くには、物事を掘り下げて細分化したり、角度を変えて向き合ったりして根本の原因を探ることが求められます。1つの問題に複数の原因が絡み合っているケースもあり、手当たり次第に取り組んでもなかなか解決できません。

「なぜ解決しなければならないのか」「クリアすべき課題は何か」が定まれば、次の行動を起こしやすくなるでしょう。

問題や解決策を共有できる

問題や解決策の共有をスムーズに行える点も、フレームワークの利点です。

問題点や原因、改善策についての見方を、メンバー間でそろえられます。見方がそろっていない状態で取り組んでも、期待どおりの効果は得られにくいでしょう。

「誰が対応するのか」「いつまでにやるのか」など、進め方をメンバー間で共有しましょう。共有は組織の一体感を高めることにもつながります。

より短時間で効率よく問題解決ができる

フレームワークを使うと、改善の効果が出るまでの時間を短くしやすくなります。

フレームワークは、問題や解決策、手順がまとめられた道しるべです。従業員一人ひとりがやるべきことを一目でつかめるため、論点がずれたり誤った取り組みをしたりするリスクが小さくなります。

迷いなく進められるため、従業員のストレスや不安も軽くなるでしょう。

参照:業務プロセス見直しの効果|中小企業庁

業務改善・効率化におすすめのフレームワーク9選

業務改善や効率化に役立つフレームワークはさまざまあります。活用を検討している方は、どのような種類があるのかチェックしておきましょう。

業務改善・効率化に効果的なフレームワークのうち、代表的なフレームワークを9つ紹介します。

ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)は、排除から簡素化までを順番に検討する業務改善の基本手法です。次の4つの視点を、この順番で当てはめます。

  • Eliminate(排除):そもそもなくせないか
  • Combine(結合):ほかの業務とまとめられないか
  • Rearrange(再配置):順序や担当を入れ替えられないか
  • Simplify(簡素化):もっと単純にできないか

排除から始めるのは、なくせる業務にほかの手を打っても効果が薄いためです。業務マニュアルの整備や自動化で内容がシンプルになれば、効率化や属人化の解消も期待できるでしょう。

適した場面 手をつける順番が決まらないとき。日々の定型業務を減らしたいとき
具体例 請求書の発行業務であれば、押印のための出社を排除し、発行と送付を電子化でまとめます。次に承認の順序を入れ替えて差し戻しを減らし、最後に定型文をテンプレート化します。

BPMN

BPMNは、業務の流れを世界共通の記号で図にして、関係者が同じ理解を持てるようにする表記法です。Business Process Model and Notation の略で、業務プロセスモデリング表記法とも呼ばれます。主な記号は次の4つです。

  • イベント:丸い形。業務の開始や終了、途中で起きる出来事を表す
  • アクティビティ:四角い形。人やシステムが行う作業を表す
  • ゲートウェイ:ひし形。条件によって流れが分かれる分岐や合流を表す
  • プールとレーン:大きな枠と線。部署や担当者ごとの役割を分けて整理する

記号の意味が決まっているため、書き手が変わっても読み方がぶれません。取り組むときは、まず目的とゴールを定め、業務情報を洗い出してからフロー図に落とします。

デジタル庁の資料でも、業務フローをモデル化して視覚的に表記する仕様として位置づけられ、業務担当者でも理解しやすく、目的に応じて表記の粒度を分けられる点が特徴に挙げられています。

適した場面 部署をまたぐ業務の流れを整理したいとき。システム化や標準化の前段
具体例 経費精算であれば、申請、上長承認、経理チェック、支払という流れを1本の図にします。差し戻しの分岐や、一定金額を超えたときに承認者が2人必要になる条件まで書き込みます。

参照:地方公共団体の基幹業務システムの標準仕様における業務フローについて|デジタル庁

ロジックツリー

ロジックツリーは、樹形図で課題や原因を分解し、業務分析を階層的に進める手法です。目的に応じて、次の3つを使い分けます。

  • Whyツリー(原因追求):なぜ起きたのかを掘り下げる
  • Whatツリー(要素分解):何で構成されているかを分ける
  • Howツリー(課題解決):どう解決するかを広げる

Whyツリーでは、1つの問題に対して考えられる原因を書き出し、その原因の理由をさらに掘り下げます。「なぜ」を繰り返すうちに、原因が輪郭を持ってきます。

適した場面 原因が複数絡んでいて、どこから直すか判断できないとき
具体例 「月次決算が締まらない」をWhyツリーにかけると、証憑の到着が遅い、勘定科目の判断に迷う、同じ数字を二度入力している、といった枝に分かれます。枝ごとに担当部署が違うことも見えてきます。

KPT

KPTは、終わった業務を3つの視点で振り返り、次の一手を決める手法です。書き出す項目は次の3つです。

  • Keep(維持):今後も続けたいこと
  • Problem(問題):改善が必要なこと
  • Try(試み):次に試すこと

業務が終わった直後に行うと記憶が新しく、書き出す内容が細かくなります。項目は抽象的な書き方をせず、実際の作業名まで落として書き出しましょう。チーム単位でも個人単位でも取り組めます。

適した場面 プロジェクトや繁忙期が終わった直後の振り返り
具体例 経理チームであれば、Keepに「前月のうちに証憑を集めた」、Problemに「月末に問い合わせが集中した」、Tryに「営業への依頼を1週間前倒しする」を置きます。

5W2H

5W2Hは、業務を7つの要素に分けて、抜けやムダを洗い出す手法です。分解する要素は次のとおりです。

  • When(いつ)/Where(どこで)/Who(誰が)
  • What(何を)/Why(なぜ)
  • How(どのように)/How much(いくら)

すべての要素を埋めなければならないわけではありません。不要な情報まで深掘りすると混乱しやすくなるため、必要に応じて取捨選択をしましょう。

適した場面 業務の全体像を人に説明するとき。新しい手順を設計するとき
具体例 勤怠の締め作業を7要素に分けると、「なぜ紙で回覧するのか」に答えられない工程が残っていることがあります。理由を説明できない工程は、そのまま見直しの候補になります。

バリューチェーン

バリューチェーンは、事業活動を分類して、価値が生まれる場所を見極める手法です。事業活動を次の2つに分けて整理します。

  • 主活動:製造、流通、販売、アフターサービスなど
  • 支援活動:原材料の調達、技術開発、人事・労務管理など

主活動は生産から消費までに関わる活動で、支援活動はそれを支える活動です。活動ごとにかかるコストを可視化すると、業務改善につながる課題が見えてきます。

適した場面 どの工程に人手やコストが偏っているかを見極めたいとき
具体例 受注、納品、請求、入金消込を主活動、採用や社内システムの運用を支援活動として並べます。売上に対してどの工程に人手がかかっているかを比べると、手をつける順番を決めやすくなります。

MECE(ミーシー)

MECE(ミーシー)は、漏れと重複をなくして業務を整理する考え方です。次の2つの言葉がベースとなります。

  • Mutually Exclusive:互いに重複しない
  • Collectively Exhaustive:全体として漏れがない

業務内容を細分化した上で、重複しているムダな作業がないか、抜け漏れて非効率になっている箇所がないかを検討します。分類がそろうと、対応の優先順位も決めやすくなります。

適した場面 分類がばらばらで、対応の優先順位が決まらないとき
具体例 問い合わせ対応であれば、内容を「金額に関するもの」「期日に関するもの」「手続きに関するもの」と重複なく分けます。どの層が最も多いかが見えると、マニュアルを整備する順番が決まります。

フィッシュボーンチャート

フィッシュボーンチャートは、課題が起きた要因を魚の骨の形に整理する手法です。特性要因図とも呼ばれます。

解決したい課題を魚の頭、業務の時間軸を背骨に見立て、結果から逆算して要因を特定します。要因は大骨として背骨につなげ、細分化して見えたサブ要因は小骨のイメージで配置しましょう。

要因が多いときは、影響力が大きいものから順番に着手することがポイントです。

適した場面 ミスやトラブルの原因を、人の問題で終わらせたくないとき
具体例 入力ミスが続く場合、大骨を「人」「方法」「ツール」「情報」に分け、小骨に「転記の回数が多い」「確認する人が固定されている」などを並べます。仕組みの側に原因を探せます。

マンダラチャート(マンダラート)

マンダラチャートは、9マスに書き出して目標と取り組みを結びつける手法です。曼荼羅模様に似ていることから、マンダラートとも呼ばれています。

3×3の9マスを作成し、中心のマス目にメインテーマとなる目標や課題を書き込みます。周囲の8マスには関連する業務や取り組みを置き、さらに各マスを中心とした9マスへ広げましょう。

すべてのマス目を埋めると、取り組むべき内容が定まります。着手しやすい内容から進めるのがコツです。

適した場面 目標はあるものの、やるべきことが思い浮かばないとき
具体例 中心に「経理の残業を減らす」と置き、周囲に月次締め、支払処理、問い合わせ対応、証憑整理などを配置します。空白のまま残る領域から、手つかずだった業務に気づけます。

フレームワークの効果的な使い方と業務改善のコツ

優れたフレームワークを使っても、使いこなせなければ十分な効果は得られません。利点を引き出すには、当てはめるだけで終わらせず、ポイントをおさえて取り組むことが求められます。

効果的な使い方と、スムーズに業務改善を実現するためのコツを紹介します。

目標や課題を明確化した上で当てはめる

フレームワークを使う前に、何を目指すのかを言葉にしておきましょう。

目標や課題がはっきりしない状態では、目的を見失いやすく、十分な効果が得られない可能性があります。目的や課題によって相性がいいフレームワークは異なるため、現状を整理した上で選びましょう。

スムーズな業務改善を目指すには、従業員全員と目的や課題を共有することも欠かせません。部分的な最適化ではなく、全体にとってメリットとなる取り組みであることを理解してもらう必要があります。

QCDバランスを意識する

全体的な業務改善を実現するには、QCDのバランスを崩さないことが欠かせません。

QCDは、生産活動に欠かせない3つの要素です。Quality(品質)・Cost(費用)・Delivery(納期)を意味し、バランスが崩れると生産性が下がりやすくなります。

業務改善を行うと、1つの要素が向上してもほかの要素が下がることがあります。経費削減に力を入れすぎた結果、品質が下がるケースはめずらしくありません。

品質は顧客満足度を左右するため、最優先で考えましょう。費用と納期のバランスは、現場の対応や顧客の要求を考えて決めることがポイントです。

現場の意見を拾って計画を立てる

フレームワークを活かすには、現場との連携が前提になります。

現場の声が反映されていない改善計画は、顧客満足度の低下や従業員の不満を招きやすい状態を生みます。効率が悪くなった、モチベーションが下がったという声が出る前に、計画の段階でヒアリングの機会を設けておきましょう。

上層部や担当者は現場の意見に耳を傾ける姿勢を示し、従業員が意見やアイデアを出しやすい雰囲気をつくることが求められます。集めた意見を可視化して、計画に反映したことを形にするのも効果的です。

参照:業務プロセスの見直しと他の取組との関係|中小企業庁

業務改善提案書のテンプレート(無料)

以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。

課題に合うフレームワークで業務改善を進めよう

業務改善を効果的に進めるには、課題の段階に合ったフレームワークを選ぶことが重要です。現状を描き出すならBPMN、原因を掘り下げるならロジックツリー、施策を決めるならECRSというように、目的ごとに使い分けると改善の道筋が定まります。

フレームワークを使うと業務の可視化や問題点の整理が進み、解決策をメンバー間で共有しやすくなるでしょう。取り組む際は、QCDのバランスを崩さないこと、そして現場の声を拾って計画に反映することを忘れないようにしましょう。業務効率化は一度で終わらせず、振り返りを重ねながら続けていくものです。

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