- 更新日 : 2026年6月25日
架電業務とは?業務内容・進め方と効率化のコツを徹底解説
架電業務は、リスト整備・スクリプト準備・記録運用の3点で成果が大きく変わります。
- 営業とフォローで架電の目的が異なります
- スクリプトと時間帯選定が成果を左右します
- CTIや自動化ツールで効率を伸ばせます
相手の都合や法的配慮を欠いた発信は、トラブルや評判悪化につながりやすいため避けます。
架電業務とは、自分から電話をかけて顧客や取引先と商談・案内・フォローを行う一連の活動を指します。営業のアポ獲得から契約後のフォロー、督促まで担当範囲は広く、進め方の差がそのまま件数や成約率につながります。
本記事では、架電業務の全体像と用語、種類別の特徴、実務に使えるトークスクリプト例、避けたいNG行動、効率化のコツまで解説します。
架電業務とは?
架電業務は、自分から電話をかけて行う一連のコミュニケーション業務全般を指し、新規開拓のテレアポから既存顧客へのフォロー、督促まで幅広い場面で行われます。現場では「架電の件」「架電済」「再架電」といった派生表現が日常的に使われるため、実務では用語の使い分けまで含めて把握しておくことが大切です。
架電業務の役割は「能動的な顧客接点づくり」
架電業務の本質は、自社から能動的に顧客と接点を持ち、商談機会・関係構築・情報伝達を生み出す点にあります。
メールやチャットの普及で文字コミュニケーションが主流になった現在も、架電が選ばれる理由は「即時性」と「双方向性」にあります。文面では伝わりにくい温度感や緊急度を、声のトーンとリアルタイムのやり取りで補える点が強みです。
特にBtoB営業では、メールと並行して架電を活用するケースも少なくありません。受電を「待ちのコミュニケーション」、架電を「攻めのコミュニケーション」と整理しておくと、組織内の役割分担も見通しやすくなります。
受電業務(インバウンド)との役割の違い
架電(アウトバウンド)と受電(インバウンド)はコミュニケーションの起点が逆向きで、求められるスキルや評価指標も異なります。
受電業務では、相手がすでに用件を持って電話してくるため、要件の聞き取りと素早い課題解決が中心になります。一方、架電業務は相手が電話を予期していない前提で、相手に時間を割いてもらう価値を短時間で伝える設計が鍵となります。
両方を担う組織では、KPIの設計も別物として考えるのが一般的です。受電は「平均応答時間」「一次解決率」、架電は「架電件数」「アポイント獲得率」「成約率」と、追う指標が異なります。担当者を兼務させる場合でも、シフトや時間帯で役割を分けて運用するケースが多くみられます。
「架電の件」「架電済」「再架電」など現場で使う表現
架電という言葉は単独で使うほか、「架電の件」「架電済」「再架電」のように、組み合わせて使う表現が現場に定着しています。
それぞれの意味は次のとおりです。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 架電の件 | 過去にかけた電話に関する内容を指すときに使う |
| 架電済 | リストの該当先に対し、すでに発信を終えた状態 |
| 再架電 | 繋がらなかった、または継続フォローが必要な相手にもう一度かけ直すこと |
| 架電リスト | 電話をかける相手先をまとめた一覧 |
| 架電件数 | 一定期間内にかけた電話の本数 |
メールやチャットで「架電の件です」と書くだけで、「先日お電話でお話しした件」と同じ内容を短く伝えられます。SFAやCRMの履歴欄でも頻繁に登場するため、業務に関わる人は早めに使いこなせるようにしておくと便利です。
架電業務にはどんな種類がある?
架電業務は大きく分けて、新規開拓・契約を狙う「架電営業」と、既存顧客対応や案内を行う「架電対応」の2タイプがあります。さらに、債権回収や督促のように高度な配慮を求められる特殊な架電業務もあります。担当する種類によって求められるスキルや指標が変わるため、最初に区別を押さえておく必要があります。
新規開拓やアポ獲得を担う「架電営業」
架電営業は、見込み客や既存顧客に発信して商談機会を生み出すアウトバウンド型の業務です。
テレアポ(テレフォンアポイントメント)やセールスコール、テレマーケティングと呼ばれる業務が架電営業に含まれます。架電件数を増やしながら、商談獲得率や成約率を高めることが目標です。
電話を受ける側は発信を予測していないケースが多いため、最初の数十秒で関心を引き、相手の負担にならない伝え方を選ぶ必要があります。スクリプトを土台にしつつ、相手の反応に応じて柔軟に切り替える対応力が求められます。
既存顧客対応やフォローを行う「架電対応」
架電対応は、すでにつながりのある顧客や問い合わせ後のフォローとして電話をかけ直す業務を指します。
受電後のコールバックや、契約更新・利用状況の確認、満足度調査などが代表例です。受電とセットで運用される場合が多く、コールセンターやカスタマーサポートで日常的に発生します。
架電対応では、相手は事前に用件を把握しているため、提供したい情報を整理し、簡潔に伝える進め方が向いています。やりとりの内容は履歴として残し、次回の連絡につなげることが定着率向上のポイントです。
督促・回収などの特殊な架電業務
督促や債権回収を伴う架電業務は、法的・倫理的な配慮が欠かせない領域です。
支払いの遅れや契約条件の未履行に対する確認・調整が中心となるため、感情的にならず冷静に話を進める姿勢が必要です。個人情報保護法や貸金業法など、関連する法規を遵守したうえで、相手の状況に寄り添った提案ができるかどうかが成果を左右します。
威圧的な言動や深夜の発信は、トラブルにつながるおそれがあるため避けます。ガイドラインや対応事例を社内で共有し、誰が担当しても一定の品質を保てる仕組みを整えておくと安心です。
架電業務が多い職種・業界はどこ?
架電業務はコールセンターのオペレーターを筆頭に、営業職、カスタマーサポート、マーケティング担当など幅広い職種で発生します。業界では通信・金融・人材・不動産など、顧客接点の多い分野で量が増えやすい傾向があります。
コールセンター・営業職・カスタマーサポートが中心
架電業務の中心となるのは、コールセンターのオペレーター、営業職、カスタマーサポート担当の3つの職種です。
コールセンターのオペレーターは、架電リストに沿った発信や、商品・サービスの案内、アポイント獲得などを日常的に行います。1日に100件以上の発信を担う場合もあり、効率的な進め方が求められます。
営業職にとって、架電は商談の入口を作る重要な手段です。新規開拓だけでなく、既存顧客との関係維持や追加提案にも活用されます。カスタマーサポート担当は、受電を中心としつつ、フォローアップ目的の架電も並行して担う場合が一般的です。
これらに加えて、市場調査を行うマーケター、債権回収を担当する督促オペレーターなども、架電業務を主軸とする職種に含まれます。
通信・金融・人材・不動産など業界別の特徴
架電業務が多い業界は、商品・サービスの性質によってアウトバウンド寄りとインバウンド寄りに分かれます。
以下は代表的な業界の傾向をまとめたものです。
| 業界 | 主な架電業務の傾向 |
|---|---|
| 通信・インターネット | 新規契約獲得や乗り換え提案など、アウトバウンドが中心 |
| 金融・保険 | 商品案内、契約更新、解約防止などのフォロー型架電が多い |
| 人材紹介 | 求職者と企業の双方に対し、マッチングや条件確認の架電が発生 |
| 不動産 | 内見調整、契約手続き、入居後の問い合わせ対応など多岐にわたる |
| BtoB SaaS | 商談獲得、導入後フォロー、契約更新の確認が中心 |
業界ごとに架電件数や1件あたりの所要時間が変わるため、KPIや評価軸も業界の特性に合わせて設計されます。
架電業務はどう進めれば成果が出る?
成果につながる架電業務は、事前準備・通話中の進め方・事後フォローの3段階に加えて、避けるべきNG行動の知識を組み合わせて運用します。スクリプトとリストの整備、発信タイミングの選定、記録の蓄積、法令遵守を回せば、件数だけでなく質も安定します。
事前準備:リストとトークスクリプトを整える
架電前に整えるべきは、誰にかけるかを定めた「リスト」と、何を話すかをまとめた「トークスクリプト」の2つです。
架電リストには、相手の会社名・担当者名・連絡先・過去のやりとりの履歴・ステータスを記載します。担当者名や役職、抱えているとされる課題まで把握しておくと、最初の一言で関心を引き出しやすくなります。エクセルで管理する場合は、ステータス欄をプルダウン化し、未架電・架電済・再架電・架電不可などを切り替える運用が便利です。
トークスクリプトは、自己紹介・用件の提示・質問・想定される反応への返し方・クロージングまでを一通り書き出します。完全な台本ではなく、流れと押さえるべき要点を確認するためのガイドとして使うのがコツです。
営業架電で使えるトークスクリプトの例
営業架電のトークスクリプトは、自己紹介・用件・質問・クロージングの4ブロックで構成すると、相手に伝わりやすい流れになります。
以下は、新規開拓のアウトバウンドコールで使える基本パターンです。実際の運用では、相手の業界や反応に応じて文言を調整します。
お忙しいところ恐れ入ります。〇〇株式会社の△△と申します。1分ほどお時間をいただけますでしょうか。
【用件】
本日は、××業務の効率化に関するご提案でお電話を差し上げました。
【質問・関心の確認】
御社では現在、××業務にどの程度お時間を割かれていますでしょうか。同様の課題でご相談をいただく機会が増えております。
【クロージング】
よろしければ、詳しい資料をお持ちして15分ほどご説明させていただく機会をいただけませんでしょうか。来週のご都合はいかがでしょうか。
スクリプトはベースとして使い、相手の反応によって質問の順番を入れ替えたり、不要な部分を省いたりするのが現場のコツです。冒頭の数十秒で相手が話を聞く姿勢になるかが決まるため、自己紹介と用件の伝え方は特に練り込んでおくと成果につながります。
架電中の話し方と時間帯選びのコツ
架電中の成果を左右するのは、発信する時間帯と、声のトーン・話し方の選び方です。
BtoB向けの発信であれば、平日の午前10時前後と午後2〜4時が一般的につながりやすい時間帯とされています。始業直後や昼休み、終業間際はつながりにくく、相手にも負担をかけやすいため、可能な限り避けます。
話し方の面では、明るく落ち着いた声のトーンを保ち、結論から先に伝える話法が効果的です。PREP法(結論→理由→例→結論)を意識すると、限られた時間でも要点が伝わります。相手の反応に合わせて話すペースを調整するミラーリングも、親近感を生む有効な工夫です。
事後フォローと、避けるべきNG行動
架電業務では、事後の記録更新と再架電のタイミング管理に加えて、相手の信頼を損なうNG行動を避ける意識が欠かせません。
成果につながる事後対応として、通話直後の記録更新、ステータスの更新、必要に応じたメール送付の3つを習慣化します。SFAやCRMに反応・課題・次回アクションを残しておくと、引き継ぎや分析もスムーズに進みます。再架電は相手から指定された日時を最優先し、指定がない場合でも数日〜1週間以内を目安にします。
一方、避けたいNG行動は次のとおりです。
- 早朝(9時前)や夜間(18時以降)、土日祝への発信は、相手の負担となるため避けます
- 断られたあと何度も再発信を繰り返す行為は、特定商取引法の再勧誘禁止規定に抵触するおそれがあります
- 録音を行う場合は、相手に事前告知し、用途まで明確に伝えます
- 個人情報を許可なく第三者に共有する行為は、個人情報保護法違反になります
- 威圧的・誘導的な話し方は、クレームや解約に直結します
法令面の配慮と相手への敬意の両方を満たすことが、長期的な顧客関係につながる土台となります。
架電業務を効率化するには?
架電業務の効率化は、ツールの導入・KPIによる進捗管理・自動化の組み合わせで進めます。手作業を減らしながら、件数と成約率を同時に伸ばす考え方が基本です。
CTI・SFAを使い手作業を減らす
架電効率を上げる第一歩は、CTIやSFAを連携させ、リストから架電・記録までを一気通貫で行える環境を整えることです。
CTI(Computer Telephony Integration)は、PCの画面から直接電話発信を行ったり、着信時に顧客情報を画面上に表示できる仕組みです。番号を手入力する手間がなくなり、リストの並び順どおりに連続して架電できます。
SFA(営業支援システム)と連携すれば、架電履歴を顧客カードに自動的に紐づけられるため、メモを別ファイルにまとめる手間が省けます。1件あたりの所要時間が短くなる分、同じ稼働時間で扱える件数が増え、商談獲得の母数も拡大します。
KPIを設定してPDCAを回す
架電業務の効率化には、件数だけでなく接続率や成約率まで含めた複数のKPIを設定し、定期的に見直すことが必要です。
代表的な指標には、架電件数、有効通話率、アポイント獲得率、成約率、1件あたり通話時間などがあります。担当者ごとの数値を可視化すると、量で勝負する人と質で勝負する人の傾向が分かれ、それぞれに合った改善案を出しやすくなります。
PDCAを回すうえでは、週次でレビューを行い、トークスクリプトやリストの優先順位を更新するサイクルが現実的です。指標が多すぎると現場が疲れるため、3〜5個に絞って集中的に追う運用が効果を出しやすい方法です。
単調作業はAI・オートコールで自動化する
単純な発信や定型的な案内は、AI音声やオートコールで自動化することで、担当者を高難度の対応に集中させられます。
オートコールは、登録された対象先に対して、自動音声ガイダンスで一斉発信できる仕組みです。督促連絡や、簡単な確認・案内などに向いており、人手が介在しない分、件数を大幅に増やせます。最近では音声認識AIと組み合わせ、相手の応答を自動で記録・分類するサービスも登場しています。
すべての架電を自動化する必要はなく、定型業務はAI・複雑な案件は人間という役割分担にすると、担当者の心理的負担も軽くなり、品質の安定にもつながります。
架電業務を正しく理解して業務効率化を進めよう
架電業務は、自分から電話をかけて顧客や取引先と商談・案内・フォローを行う業務全般を指す、ビジネスの基本となる活動です。営業からカスタマーサポート、督促まで幅広い場面で発生し、進め方によって成果が大きく変わります。
リストとスクリプトの整備、適切な時間帯の選定、CTI・SFA・オートコールといったツールの活用、そして法令遵守を組み合わせれば、件数と質を両立しながら効率化を進められます。本記事の内容を参考に、自社の架電業務を一段引き上げる仕組みづくりに取り組んでみてください。
システム乱立を解消するためのステップとは?
多くの企業がバックオフィス業務効率化のため多様なクラウドシステムを導入するも、「便利なはずが非効率」という現実に直面しています。
その原因は、勤怠や経費など「部分最適」なシステム導入による乱立です。システム同士がつながらず、データの手入力やExcelでの突き合わせ作業が常態化。
これは「見えないコスト」を増やし、業務フローを複雑化させ、現場の負担を増大させます。システム乱立のリスクを整理し、業務アセスメントによる根本解決策をご紹介するホワイトペーパーを用意していますので、ぜひお気軽にご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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