- 作成日 : 2026年10月28日
請求書受領サービスのおすすめの選び方や比較ポイント、主要サービスを解説
請求書受領サービスは、データ化の精度・受領形式・会計連携・料金の4軸で比較し、必ず自社の請求書でトライアルを行って選ぶのが最善です。
- AI-OCRの精度はトライアルで実際に確認する
- 紙・PDF・Peppolの受領形式に対応しているか確認
- 承認・支払・会計連携まで一気通貫かを見る
金融機関による融資の可否は、自己資金の比率・利益予測の根拠・事業の継続性に説得力があるかが判断材料になります。
請求書受領サービスとは、紙での郵送・PDFメール添付・Webサイト上へのPDFアップロードなど受領形式の異なる請求書をまとめて受け取り、データ化から承認、保管、支払データの作成までを効率化するサービスです。
請求書受取サービスや請求書処理システム、債務管理システムとも呼ばれ、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応をきっかけに導入する企業が増えています。
本記事では、請求書受領サービスの仕組みとタイプ、おすすめのサービスを比較するときのチェックポイント、自社に合ったサービスを選ぶ手順を解説します。
請求書受領サービスとは
請求書受領サービスとは、取引先から届く請求書の受け取りとその後の処理を電子化・自動化するクラウドサービスです。紙で郵送される請求書もPDFで届く請求書も一つの画面に集約し、経理担当者が入力や確認に費やしていた時間を削減します。
請求書受領サービスでできること
請求書受領サービスは、請求書に関わる一連の業務をカバーします。主な機能は次のとおりです。
- 受領の集約:郵送・メール・Webサイト上へのアップロードなど、複数の経路で届く請求書を一元管理する(郵送分の受け取りやスキャンを代行するサービスもある)
- データ化:AI-OCR(「AI技術を活用した光学文字認識)で取引先名・金額・支払期日などを読み取り、オペレーターが補正して精度を高める
- 承認ワークフロー:金額や部門に応じた承認ルートをオンラインで回し、承認状況を可視化する
- 支払処理:承認済みの請求書から振込データを作成し、インターネットバンキングと連携する
- 会計連携:仕訳データを会計ソフトに自動連携し、二重入力をなくす
- 法対応と保管:電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存し、インボイス制度の登録番号を照合する
導入が進んでいる背景
請求書受領サービスの導入が進む背景には、法制度の変化と働き方の変化があります。電子帳簿保存法では、電子データで受け取った請求書を電子データのまま保存することが求められています。
また、インボイス制度では、受け取った請求書が適格請求書の要件を満たすか、登録番号が有効かを確認する作業が経理業務に加わりました。こうした確認・保存の負担を手作業で担うのは難しく、システムで対応する企業が増えています。加えて、テレワークや拠点分散が進み、紙の請求書を受け取るために出社する非効率を解消したいというニーズも導入を後押ししています。
請求書受領サービスの3つのタイプ
請求書受領サービスは、提供範囲によって大きく3つのタイプに分けられます。自社の請求書の受け取り方と、どこまでを効率化したいかによって向くタイプが変わります。
| タイプ | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 受領代行型 | 紙の請求書の受領・開封・スキャン・原本保管まで代行し、データ化して提供する | 紙の請求書が多い、受領枚数が多い、原本保管の負担をなくしたい |
| システム提供型 | 受領した請求書をアップロードまたはメール転送で取り込み、データ化・承認・支払・会計連携を行う | PDFやメールでの受領が中心で、承認から支払までを電子化したい |
| 会計ソフト一体型 | 会計ソフトの機能の一部として請求書の取り込みと証憑保存、仕訳登録を行う | 受領枚数が少なく、既に利用中の会計ソフトで完結させたい |
実際には、受領代行とシステム提供の両方に対応するサービスや、会計ソフトと同じ提供会社が専用サービスを用意しているケースもあります。タイプは目安として捉え、自社の業務範囲に合うかどうかで判断しましょう。
請求書受領サービスを導入するメリット
請求書受領サービスを導入すると、入力・確認工数の削減、承認遅れと支払ミスの防止、法制度への対応、場所を問わない働き方の実現という4つのメリットが得られます。
紙・PDFの手入力と目視確認をなくせる
受け取った請求書の内容を会計ソフトや支払システムに転記する作業は、件数が増えるほど負担が大きくなります。請求書受領サービスでは、AI-OCRとオペレーター補正によって請求書がデータ化されるため、経理担当者は読み取り結果を確認するだけで済みます。月末・月初に集中していた入力作業が平準化され、月次決算の早期化にもつながります。
承認の遅れや支払ミスを防げる
紙の請求書を回覧して承認印をもらう運用では、承認者の不在や書類の紛失によって支払が遅れるリスクがあります。オンラインの承認ワークフローなら、承認状況が一覧で見え、期日が近い請求書を把握しやすくなります。承認済みのデータから振込データを自動生成できるサービスであれば、振込先や金額の手入力ミスも防げます。
電子帳簿保存法・インボイス制度など法改正に対応しやすい
請求書受領サービスの多くは、電子帳簿保存法が求める保存要件(タイムスタンプや訂正削除の履歴、検索機能など)を備えています。インボイス制度に関しても、請求書に記載された登録番号を国税庁の公表サイトのデータと照合し、有効かどうかを自動判定する機能を持つサービスがあります。法対応の作業を担当者の知識や注意力に頼らずに済む点は、経理部門の負担を軽くします。
テレワークや拠点分散でも経理業務を止めない
請求書の受領から承認、支払までがクラウド上で完結すれば、紙の請求書を確認するために出社する必要がなくなります。複数の拠点や店舗に届く請求書を本社の経理がまとめて処理する、といった運用も可能になり、経理業務の属人化や場所への依存を減らせます。
請求書受領サービスを比較するときのポイント
請求書受領サービスを比較する際は、「データ化の精度と方式」「受領できる形式」「承認・支払機能」「会計・既存システムとの連携」「料金体系」「セキュリティとサポート」の6点を確認すると、自社に合うサービスを見極めやすくなります。
データ化の精度と方式
請求書受領サービスの中核はデータ化の機能です。AI-OCRだけで処理するサービスと、AI-OCRの結果をオペレーターが確認・補正するサービスがあり、後者は精度が高い反面、データ化までに時間がかかる場合があります。多くのサービスが公表している精度の数値は測定条件が異なるため、トライアルで自社の請求書(紙で受領したもの・複数ページのもの・明細が多いものなど複数パターン)を実際に読み取らせて確認するのが確実です。
受領できる請求書の形式
自社に届く請求書の内訳を把握し、それぞれの経路に対応しているかを確認します。紙の請求書が多い場合は、郵送先をサービス提供会社の受領センターに変更して開封・スキャンを代行してもらえるかが重要です。メールで届くPDFが中心なら、専用メールアドレスへの転送で自動取り込みできるかを見ます。今後のことを考えると、活用する企業が増えていくであろうPeppolを利用したデジタルインボイスの受信に対応しているかも確認しておきたいポイントです。
デジタルインボイスについての詳細は、こちらの記事で解説しています。
デジタルインボイスとは?経理に革命を起こす新しい請求書のカタチ
承認ワークフローと支払処理
受領後の業務をどこまでサービス上で完結できるかも比較の軸になります。金額や費用負担部門によって承認ルートを分けられるか、代理承認や差し戻しができるか、承認済みの請求書から振込データを作成し、インターネットバンキングと連携できるか等、自社での必要要件を確認しましょう。支払までを一つのサービスで行えれば、支払漏れや二重払いの防止にもつながります。
発注や契約の前に行う事前稟議(支出前に金額や目的を申請し、承認を得る手続き)まで扱えるかも確認しましょう。事前稟議と支払依頼の申請をシステム上で紐づけられれば、請求書が届いた際に稟議の内容や金額と照らし合わせやすくなり、承認を得ていない支出や稟議金額を超える支払の見落とし防止につながります。
会計ソフト・既存システムとの連携方法
データ化した請求書の情報を会計ソフトに仕訳として連携できるかは、導入効果を左右します。同じ提供会社の会計ソフトであれば標準で連携できることが多く、他社の会計ソフトの場合はAPI連携またはCSV出力で接続するのが一般的です。自社の会計ソフトが連携先に含まれているか、連携できる項目の範囲はどこまでかを事前に確認しましょう。会計ソフト側のAPI連携については、「会計ソフトのAPI連携で何ができる?」の記事も参考にしてください。
料金体系と最低利用期間
料金体系は、月額の基本料金に加えて、処理枚数に応じた従量課金やユーザー数に応じた課金を組み合わせる形が多く見られます。受領枚数が月によって変動する企業では、上限枚数を超えた場合の単価まで含めて総額を試算する必要があります。初期費用の有無、最低利用期間、解約条件もあわせて確認しましょう。
セキュリティ・サポート体制
請求書には取引先の名称や振込口座などの重要な情報が含まれます。2段階認証やSSOログイン(※2)への対応、データの暗号化、不正アクセス予防・検知対策、ユーザーごとの権限管理、操作ログの記録といった対策がなされているか確認しましょう。あわせて、導入時の設定支援や取引先への案内サポート、運用開始後の問い合わせ窓口の有無も比較しておくと、導入後の定着がスムーズになります。
※2:SSO(シングルサインオン)とは、1回のログイン認証だけで、連携している複数のサービスやシステムを個別にログインし直すことなく利用できる仕組みです。
自社に合う請求書受領サービスを選ぶ手順
請求書受領サービスの選定は、現状の課題を洗い出し、要件を整理したうえで候補を絞り、トライアルで確認してから決定する5つのステップで進めると失敗しにくくなります。
1. 現状の課題と目標を整理する
月間の受領枚数、紙とPDFの比率、処理にかかっている時間、ミスの発生状況などを書き出します。「請求書処理の時間を半分にする」「月次決算を3営業日早める」といった目標を数値で決めておくと、後の評価がしやすくなります。
2. 必須要件と希望要件を分ける
電子帳簿保存法への対応や利用中の会計ソフトとの連携など、譲れない条件を必須要件として明確にします。原本保管の代行やデジタルインボイス対応など、あれば望ましい条件は希望要件として分けておきます。
3. 候補を3〜5サービスに絞る
必須要件を満たすサービスを公式サイトや資料で確認し、候補を絞り込みます。タイプ(受領代行型・システム提供型・会計ソフト一体型)と自社の受領形式が合っているかを軸にすると整理しやすくなります。
4. 無料トライアルやデモで実際の請求書を試す
候補に残ったサービスについては、自社で実際に受け取っている請求書を使ってデータ化の精度や操作性を確認します。経理担当者だけでなく承認者にも触ってもらい、承認画面の使いやすさを評価してもらうと、導入後の定着につながります。
5. 総合評価のうえ決定し、取引先への案内を準備する
要件の充足度、トライアルの結果、料金の総額、サポート体制を総合的に見て決定します。郵送先の変更や、郵送からメール送付への切替案内など、取引先に協力を依頼する事項がある場合は、導入スケジュールに案内期間を組み込みましょう。
おすすめの請求書受領サービス
ここでは、請求書受領サービスとして広く利用されている主要なサービスを紹介します。機能や対応範囲はサービスごとに異なり、更新も頻繁なため、詳細は各社の公式サイトで確認してください。
- マネーフォワード クラウド債務支払
- TOKIUMインボイス
- Bill One請求書受領
- バクラク請求書受取
- invox受取請求書
- BtoBプラットフォーム 請求書
- 奉行Edge 受領請求書DXクラウド
- 楽楽請求
- Concur Invoice
- 奉行Edge 受領請求書DXクラウド
マネーフォワードの請求書受領サービスでできることは?
マネーフォワードは、事前稟議から請求書の受領・承認・振込データの作成・会計ソフトへの仕訳連携までを一気通貫で行う「マネーフォワード クラウド債務支払」を提供しています。
メールで届いた請求書は専用アドレスに転送することでAI-OCRによる読み取りの対象となり、紙の請求書もアップロードして取り込めます。
インボイス制度への対応として、請求書に記載された適格請求書発行事業者の登録番号を国税庁の公表サイトのデータと照合し、有効かどうかを自動で判定する機能を備えています。承認フローは金額や費用負担部門、役職などのルールに合わせて設定でき、承認済みの請求書からは振込データを作成して支払処理につなげられます。仕訳は「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド会計Plus」に連携できるほか、他社の会計システムとの連携にも対応しています。
請求書の受領からデータ化・明細入力までを代行するBPOサービスも用意されており、経理人員が限られる企業でも運用しやすい設計です。
請求書受領サービスの比較で失敗しないために押さえたいこと
請求書受領サービスは、紙・PDFなど形式の異なる請求書を一括で受け取り、データ化から承認・支払・保管・仕訳連携までを効率化するサービスです。おすすめのサービスを比較する際は、データ化の精度と方式、受領できる形式、承認・支払機能、会計ソフトとの連携、料金体系、セキュリティの6点を確認し、自社の請求書で必ずトライアルを行いましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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