• 作成日 : 2026年10月28日

バスの領収書をもらうには?発行方法・経費精算・インボイス対応を解説

Pointバスの領収書はどうもらう?

バスの領収書の取得方法は、路線バス・高速バスの別と支払い方法によって異なります。

  • 路線バスは車内発行しない会社も多い
  • 高速バスはWebで領収書発行が可能
  • ICカードは利用履歴で代用できる場合も

Q. 領収書がなければバス代は経費にできない?
A. 領収書がなくても、乗車日・区間・金額・目的を記録しておけば経費処理できる場合があります。

バスを仕事や出張で利用した場合、経費精算のために領収書が必要になることがあります。、路線バスでは車内で領収書を発行していないケースもあり、現金、交通系ICカード、高速バスのWeb予約など、支払い方法によって受け取り方が異なります。

本記事では、バスの領収書のもらい方から、領収書をもらい忘れた場合の対処法、交通費として経費処理するときの考え方などを解説します。

バスの領収書はもらえる?

バスの領収書を発行してもらえるかどうかは、利用したバス会社や路線、支払い方法によって異なります。 高速バスではWeb上や窓口で領収書を取得できるケースが多い一方、一般の路線バスでは車内で領収書を発行していない事業者もあります。

【路線バス】車内で領収書が発行されない場合がある

路線バスでは、運賃を支払った際に必ず領収書を受け取れるとは限りません。 バス会社によって発行方法が異なるためです。

たとえば、東京都交通局では都営バスの運賃について車内で領収書を発行していません。ICカードで支払った場合には、駅や営業所、定期券発売所などで利用履歴を印字できます。

西武バスでも車内で領収書を発行せず、交通系ICカードの場合は駅の自動券売機や営業所などで利用履歴を印字できると案内しています。小田急バスでは車内発行は行っていないものの、営業所や案内所の窓口でバス運賃の領収書を発行しています。

「路線バスなら領収書をもらえる」「路線バスでは領収書が出ない」と一律に考えるのではなく、利用した事業者ごとに確認するのが適切です。

参考:都営バス よくあるご質問|東京都交通局

【高速バス】Webや窓口で領収書を取得できる場合がある

高速バスは事前予約・決済を行うサービスが多いため、Web上から領収書を発行できるケースがあります。たとえば「ハイウェイバスドットコム」では、クレジットカードまたはキャリア決済を利用した場合、予約確認画面から領収書を印刷できます。過去の利用分についても、乗車日の翌日以降1年間はWeb上で領収書を発行できます。

コンビニや運行会社の窓口、バス車内などで支払う場合は、購入時に受け取る払込受領書などを領収書として利用できるケースもあります。

高速バス予約サービスごとに発行期間や発行方法は異なります。予約完了メールや乗車券だけを保存するのではなく、領収書の取得方法も確認しておくと経費精算がしやすくなります。

参考:よくあるご質問|ハイウェイバスドットコム

バスの領収書のもらい方は支払い方法によって変わる?

バスの領収書の取得方法は、現金、交通系ICカード、クレジットカードなどの決済方法によって変わります。 同じバス会社でも、現金払いとWeb決済では対応が異なることがあります。会社の経費精算で証憑を提出する場合は、「何で支払ったか」も確認しておきましょう。

【現金でバス運賃を支払った場合】バス会社の対応を確認する

現金払いの場合、車内で領収書を受け取れるかどうかはバス会社ごとに異なります。路線バスは短時間で多数の乗客が乗り降りするため、車内で領収書を発行していない事業者があります。一方、事業者によっては車内領収書を用意していたり、後から営業所や案内所で発行したりする場合があります。

そのため、現金で支払ったバス代について領収書が必要な場合は、乗務員への確認だけでなく、バス会社の公式サイトにある「領収書」「よくある質問」「お問い合わせ」などのページも確認しましょう。

領収書が車内で発行されないからといって、バス代を経費にできないとは限りません。税務上の取り扱いと、勤務先の社内精算ルールは分けて考える必要があります。

【SuicaやPASMOなどの交通系ICカード】利用履歴を確認できる

SuicaやPASMOなどの交通系ICカードでバス運賃を支払った場合、利用履歴が支払いの確認資料になることがあります。たとえば都営バスでは、ICカードで支払った場合、駅・営業所・定期券発売所などで利用履歴を印字できます。西武バスも、駅の自動券売機や営業所、案内所で利用履歴を印字できるとしています。

ただし、「ICカードへのチャージ」と「バスへの乗車」は別の取引です。チャージ時の領収書だけでは、いつ、どのバスに乗車したのかまでは確認できません。

会社が交通費精算で利用履歴の提出を認めている場合には、乗車日、利用区間、訪問先なども記録しておくと、業務との関連性を説明しやすくなります。

【クレジットカードやWeb決済】オンライン領収書を確認する

高速バスをクレジットカードなどで予約した場合は、予約サイトのマイページや予約確認画面から領収書を発行できることがあります。Web領収書は自分でPDF保存や印刷を行う形式が多いため、乗車後に紙の領収書が郵送されてくるとは限りません。

会社へ提出する予定がある場合は、発行可能期間も確認し、期限内にデータを保存しておくとよいでしょう。

バス代は領収書がなくても経費にできる?

事業のために利用したバス代は、領収書がないだけで直ちに経費として認められなくなるわけではありません。 ただし、事業との関連性や支払内容を帳簿などで説明できる状態にしておく必要があります。

業務のために支払ったバス代は交通費として処理できる

営業先への訪問や出張など、事業・業務のために利用したバス代は、一般に旅費交通費などとして処理できます。自社から取引先へ移動するための路線バス代や、出張先まで移動するための高速バス代などが該当します。

個人事業主の場合も、事業のための移動であれば必要経費として処理できます。個人的な買い物や旅行など、事業と関係のないバス代は事業上の経費にはできません。交通系ICカードを仕事と私用の両方に利用している場合には、利用履歴などを基に事業利用分を分けて記録すると整理しやすくなります。

領収書がない場合は乗車日・区間・金額などを記録する

バスの領収書を取得できない場合は、利用内容が分かるよう帳簿や経費精算書に記録します。記録する内容としては、利用日、支払先となるバス会社、利用区間、金額、訪問先や出張などの利用目的を整理しておくと、支出の内容を確認しやすくなります。

交通系ICカードで支払った場合は、利用履歴を併せて保存する方法もあります。高速バスなら予約確認メールやWeb乗車券なども取引内容を確認する資料になります。

なお、税務上認められる処理と、勤務先が定める経費精算ルールは必ずしも同じではありません。会社員が立て替えたバス代を精算する場合は、自社の旅費規程や経費精算ルールに従ってください。

バスの領収書をもらい忘れた場合はどうする?

バスの領収書をもらい忘れた場合は、まず利用したバス会社や予約サービスで後日発行できるかを確認します。 後日発行に対応していない場合でも、利用履歴や運賃証明書、予約記録などによって支払いを確認できる可能性があります。

バス会社の営業所や予約サイトで後日発行できるか確認する

領収書をもらい忘れた場合でも、利用先によっては後日取得できます。たとえば小田急バスでは、路線バスの車内では運賃の領収書を発行していませんが、営業所や案内所の窓口で発行しています。

また、ハイウェイバスドットコムでオンライン決済した場合は、乗車日の翌日以降1年間、Webから領収書を発行できます。利用後の領収書再発行に対応していないバス会社もあります。乗車日、乗車区間、支払金額、利用した便など、利用状況が分かる情報を整理したうえで問い合わせると確認しやすくなります。

領収書が取得できない場合は利用履歴や運賃証明書を確認する

領収書を後から取得できない場合は、交通系ICカードの利用履歴やバス会社が発行する運賃証明書を確認する方法があります。東京都交通局では、都営バスの距離・運賃証明書を、都バス営業所・支所や定期券発売所などで発行しています。

ただし、運賃証明書は「その区間の運賃」を証明する書類であり、自分が実際に支払ったことを証明する領収書とは役割が異なります。経費精算に利用できる書類は勤務先のルールによっても異なるため、領収書がない場合に利用履歴や運賃証明書を代替資料として提出できるか、経理担当者にも確認しておきましょう。

バスの領収書はインボイス制度で必要?

税込3万円未満の一定の公共交通機関による旅客運送には「公共交通機関特例」があり、インボイスの交付義務が免除されています。 バス運賃について仕入税額控除を受ける場合に、必ずインボイスを取得しなければならないわけではありません。

税込3万円未満のバス運賃には公共交通機関特例がある

税込3万円未満のバスによる旅客運送は、一定の要件を満たせば公共交通機関特例の対象となります。インボイス制度では、原則として仕入税額控除を受けるために帳簿と適格請求書などを保存します。ただし、運賃が税込3万円に満たない公共交通機関での旅客運送に関しては、インボイスの発行義務が除外されています。

買い手側についても、一定の事項を記載した帳簿を保存することで仕入税額控除を受けられます。

そのため、数百円程度の路線バス代について「インボイス形式の領収書を必ず取得しなければ仕入税額控除ができない」と考える必要はありません。

3万円未満かどうかは1回の取引金額で判定する

公共交通機関特例の3万円未満という基準は、1人分の運賃ではなく「1回の取引」の税込価額で判定します。たとえば、1人当たりの運賃が8,000円であっても、4人分をまとめて購入して1回の取引額が32,000円となった場合には、単純に「1人分が3万円未満だから公共交通機関特例の対象」と判断することはできません。

複数人分の高速バス乗車券などを会社がまとめて購入するケースでは、合計額に注意しましょう。

通常の路線バスのように1人が数百円程度の運賃を支払うケースであれば、金額面では3万円未満の範囲に収まることが一般的です。

参考:公共交通機関特例の3万円未満の判定単位|国税庁

領収書が発行されてもインボイスとは限らない

バス会社から領収書を受け取れたとしても、その領収書が必ず適格請求書に該当するとは限りません。たとえば東急バスでは、3万円未満のバスによる旅客運送について公共交通機関特例が適用されることから、一部の領収書はインボイス形式には対応していないと案内しています。

つまり、「領収書があるか」と「インボイスとして利用できるか」は別の問題です。

3万円未満の公共交通機関特例に該当する取引であれば、一定事項を記載した帳簿のみの保存によって仕入税額控除を受けられるため、インボイスではない領収書しか発行されなくても、それだけで控除ができなくなるわけではありません。

バス代を会社で経費精算するときはどうすればよい?

会社員が業務で立て替えたバス代を精算するときは、社内の旅費規程や経費精算ルールに沿って申請します。 税務上は領収書が不要となるケースでも、企業が内部管理のために利用履歴や経費精算書の提出を定めていることがあります。

乗車日・区間・運賃・利用目的を記録する

バス代を精算する際は、支払い内容と業務との関係が分かる情報を残しておくと処理しやすくなります。たとえば、「9月10日、A駅前からB営業所前まで、460円、取引先訪問」といった形で記録すると、経理担当者も支出内容を確認できます。

ICカードを利用している場合は、履歴を定期的に確認すると申請漏れを防ぎやすくなります。経費精算システムと交通系ICカードを連携できる会社であれば、利用履歴から該当する交通費を選択して申請する方法もあります。

出張旅費については、通常必要と認められる範囲の支給額であれば、一定の事項を記載した帳簿のみの保存によって仕入税額控除が認められる取り扱いもあります。

ICカードのチャージ額と実際のバス代を区別して管理する

交通系ICカードを利用する場合は、カードへのチャージ額と実際に利用したバス運賃を混同しないようにします。5,000円をSuicaやPASMOにチャージしても、その時点ですべての5,000円をバス運賃として利用したわけではありません。電車や買い物に利用したり、残高としてカード内に残ったりする可能性があります。

交通費を実費精算する場合は、ICカードに入金した金額ではなく、実際の乗車履歴を基にバス代を把握する方法が分かりやすいでしょう。

バス車内で行ったICカードへのチャージについては、領収書を発行していない事業者もあります。都営バスでは車内チャージの領収書を発行しておらず、領収書が必要な場合は駅の対応券売機などでのチャージを案内しています。

バスの領収書に関するよくある疑問は?

バスの領収書については、「宛名なしでも使えるのか」「ICカードの履歴で代用できるのか」といった疑問が生じやすいでしょう。 

バスの領収書に宛名がなくても経費精算できる?

宛名がない領収書でも、直ちに税務上無効になるとは限りませんが、社内精算で利用できるかは勤務先のルールによります。インボイス制度では、不特定多数の者に対して販売などを行う一定の事業者について、通常の適格請求書より記載事項を簡略化した「適格簡易請求書」が認められており、適格簡易請求書では書類の交付を受ける事業者の氏名・名称を省略できます。

また、3万円未満の一定の公共交通機関による旅客運送については、そもそも公共交通機関特例があります。

会社側が不正精算防止などのため「宛名入りの領収書を提出する」と定めている場合は、そのルールに従って申請します。

ICカードの利用履歴は領収書の代わりになる?

ICカードの利用履歴はバス利用を確認する有力な資料になりますが、一般的な意味での領収書そのものではありません。利用履歴には利用日や利用した交通機関などが記録されるため、経費精算の証憑として認めている会社もあります。

ただし、どの資料を経費精算の証憑として受け付けるかは企業ごとに違います。「税務上、公共交通機関特例が利用できること」と「会社で証憑なしの精算が認められること」は同じではありません。

ICカードを利用する機会が多い場合は、自社の経費精算規程で、ICカード履歴の提出方法や領収書がない場合の申請方法を確認しておくとよいでしょう。

バスの領収書は支払い方法とバス会社に応じて確認しよう

バスの領収書の発行方法は、路線バスか高速バスか、現金・ICカード・Web決済のどれを利用したかによって異なります。路線バスでは車内で領収書を発行しない事業者もありますが、ICカードの利用履歴や営業所での発行、運賃証明書などで利用内容を確認できる場合があります。

バスの領収書が必要になったときは、利用した事業者の発行方法を確認するとともに、経費精算では乗車日、区間、金額、利用目的などを整理して記録しておきましょう。


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