- 更新日 : 2025年11月25日
会社設立にかかる時間は?株式会社・合同会社の最短期間や手続きの流れも解説
会社設立にかかる時間は、会社形態や準備の進め方によって大きく変わります。
本記事では、株式会社と合同会社の設立期間の違い、登記申請から完了までに何日かかるのか、そして法人設立の期間を最短にするための最新のポイント、具体的なスケジュールと流れまで詳細に解説します。
目次
会社設立にかかる時間は?株式会社より合同会社が短い!
会社設立にかかる時間は、株式会社で約2〜3週間、合同会社で約1〜2週間が一般的な目安です。株式会社は定款認証という公証役場での手続きが必須であり、合同会社はそれが不要なため、設立期間に差が生まれます。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立期間(目安) | 約2〜3週間 | 約1〜2週間 |
| 定款の認証 | 必要(公証役場) | 不要 |
| 設立費用(法定費用) | 約20万円〜 | 約6万円〜 |
| 手続きの複雑さ | 複雑(認証あり) | シンプル(認証なし) |
| メリット | 社会的信用度が高い | 設立スピードが早い、費用が安い |
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会社設立の具体的な流れと各ステップの所要時間
会社設立は、事前準備から登記完了まで、大きく5つのステップに分かれます。それぞれのステップで必要な手続きと目安となる所要日数を把握しておくことが、スケジュール管理のポイントとなります。
1. 会社概要の決定
所要時間(目安):1日〜数週間
会社の基本事項の決め方次第で、所要時間が最も変動するステップです。最短1日で決まることもあれば、数週間かかる場合もあります。商号(会社名)、事業目的、本店所在地、資本金額、役員構成などを決定する重要なフェーズであり、慎重な検討が求められます。
この段階で、以下の準備も並行して進めておくと効率的です。
- 発起人・役員全員の印鑑証明書の取得(発行後3ヶ月以内)
- 会社の実印(代表印)の作成・発注(最短即日〜通常数日)
2. 定款の作成・認証
所要時間(目安):1日〜1週間
定款作成自体は1〜2日で完了しますが、株式会社の場合はその後に公証役場での定款認証が必要となり、日程調整や認証作業を含めて数日〜1週間程度かかるのが一般的です。合同会社は定款認証が不要なため、このステップの期間を大幅に短縮できます。
3. 資本金の払込み
所要時間(目安):1日
資本金の払込み手続き自体は1日で完了します。発起人個人の銀行口座に資本金を振り込み、その通帳コピー等で「払込証明書」を作成する作業です。
注意点として、必ず「定款を作成した日(株式会社は認証日)以降の日付」で振り込む必要があります。この時点ではまだ会社名義の銀行口座は存在しないため、発起人個人の口座を利用します。
4. 登記申請(法務局)
所要時間(目安):申請自体は1日、完了までは約1週間
登記申請の手続き自体(書類提出)は最短1日(オンラインや窓口持参)で完了しますが、申請後には法務局での審査期間があり、登記が完了するまでには申請日から約1週間〜10日程度を要するのが一般的です。法務局が申請書類の内容を確認し、登記簿に登録するまでに一定の事務処理期間が必要となるためです。登記申請日=会社設立日となりますが、その日に全ての手続きが終わるわけではありません。
- 登記申請日:この日が法的な会社設立日となります。
- 審査期間:法務局の混雑状況や申請内容により、完了までの日数が前後します。
5. 登記完了後の手続き
所要時間(目安):登記完了後、約1〜2週間
登記が完了しても即座に事業を始められるわけではありません。各種届出や銀行口座の開設などが必要となります。
登記が完了して初めて「印鑑証明書」や「登記事項証明書(登記簿謄本)」が取得可能になります。これらの書類がないと、以下の手続きが進められません。
登記完了後に法務局で上記書類を取得し、次の手続きを行います。
- 会社名義の銀行口座開設(金融機関の審査に時間が必要)
- 税務署・都道府県税事務所・市町村役場への法人設立届出
- 年金事務所への社会保険加入手続き
- (従業員を雇う場合)労働基準監督署・ハローワークへの届出
特に銀行口座の開設は、登記完了後すぐにできるとは限りません。金融機関によっては審査に時間がかかる場合があり、必要書類の確認や実態調査に数日〜数週間を要することもあります。そのため、実際に事業を開始できるまでの期間には、余裕をもってスケジュールを立てておくことが大切です。
会社設立の期間を最短にするポイントは?
設立期間を最短にするには、以下のポイントを押さえることが重要となります。
事前準備を徹底する
会社の基本事項を早期に決定し、必要な書類(印鑑証明書)や会社実印を前もって準備しておくことが、最も基本的かつ効果的な期間短縮策です。
手続きの途中で商号や事業目的を変更すると、定款の再作成・再認証が必要となり、大幅な手戻りが発生して所要時間が延びてしまいます。
合同会社を選ぶ
株式会社ではなく合同会社を選択することも、設立期間を短縮する有効な方法です。
合同会社は、株式会社で必須となる公証役場での定款認証の手続きが不要です。認証のための日程調整や公証人とのやり取りが発生しないため、その分時間が短縮されます。
また、株式会社では、発起人の同意書、設立時取締役・監査役の就任承諾書(および印鑑証明書)、調査報告書などの書類が必要ですが、合同会社は提出書類が比較的シンプルです。そのため、書類を準備する手間も削減でき、設立期間の短縮につながります。
規制緩和制度を利用する
政府のスタートアップ支援策の一環として、会社設立手続きを大幅に簡素化・迅速化できる仕組みがあります。マイナポータル経由の「法人設立ワンストップサービス」を利用すれば、従来時間がかかっていた公証役場での定款認証や、法務局での登記申請から完了までの期間を短縮することが可能です。前段階の準備が整っていれば、設立スケジュールを従来よりスムーズに進められます。
オンライン申請(電子申請)を活用する
規制緩和制度の利用と関連しますが、法務局の「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」や、民間の会社設立支援サービスを活用することで、手続きが効率化されます。オンライン申請を利用すれば、法務局へ出向く必要がなく、インターネット上で完結できます。
参考:登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと
専門家を活用する
司法書士や税理士などの専門家に依頼すると、書類作成や申請を正確かつ迅速に進めてくれるため、結果的に設立期間が短縮されます。
専門家は登記実務に精通しており、最も時間ロスとなる補正(書類不備)のリスクを最小限に抑えられるからです。
会社設立の期間に関してよくある質問
会社設立の手続き期間に関して、よく疑問に挙がる点にお答えします。
会社設立で最も時間がかかる手続きは何ですか?
会社概要の決定に最も時間がかかる可能性があります。登記審査は法務局の混雑状況によって多少前後しますが、会社概要の決定は発起人や関係者間の調整に時間を要する場合が多く、内容によっては無期限に延びることもあります。スムーズに手続きを進めるためには、この最初の準備段階をいかに効率的に進められるかが重要なポイントです。
土日祝日も日数に含まれますか?
いいえ、含まれません。会社設立の手続き期間は、法務局や公証役場の営業日(平日)ベースで計算されます。例えば、登記申請の審査期間が約1週間というのは、通常5〜7営業日を指します。土日祝日や年末年始、ゴールデンウィークなどの大型連休を挟むと、その分だけ登記完了までの日数が延びるため注意が必要です。
会社設立のスケジュールをしっかり立てましょう
会社設立にかかる時間は、株式会社で約2〜3週間、合同会社で約1〜2週間が目安です。この期間は、事前準備の進め方や書類作成の正確さ、法務局での登記審査にかかる日数によって前後します。
設立期間を最短にしたい場合は、会社の基本事項を早めに決定し、司法書士などの専門家やオンライン申請サービスを活用して、書類不備による「補正」のリスクをなくすことが最も確実です。最新の規制緩和制度の動向にも注目し、効率的なスケジュールでスムーズに事業をスタートさせましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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