• 更新日 : 2026年2月17日

【無料テンプレート付き】カフェ・喫茶店開業に役立つ事業計画書の書き方を解説!

Pointカフェの事業計画書の書き方は?

カフェの事業計画書は、融資獲得の成否を分ける重要な書類であり、客観的データに基づき収益性と店舗独自の強みを証明するものです。

  • 5W2Hを用いて事業構想を論理的に整理
  • 市場分析に基づき全数値の根拠を提示
  • MFクラウド提供のカフェ専用雛形を活用

融資審査では、経営者の経験実績や、返済能力を裏付ける具体的で妥当な売上予測が重視されます。

カフェは厨房設備が比較的シンプルであり、初期投資も他の飲食店に比べると高額ではないため、飲食店の創業を目指す人の中では人気の高い業種といえます。また、コーヒーや紅茶などの飲み物と一緒に提供する食事も軽食が多いため、本格的な調理技術がなくても開業しやすいという利点があります。

この記事では、カフェ開業にあたって事業計画書を書くために注意すべき点について解説します。

カフェ開業に必要な事業計画書とは?

事業計画書 飲食店(カフェ)|作成例+テンプレート

出典:カフェ・喫茶店向けの事業計画書テンプレート(こちらからダウンロード可能)

事業計画書は、事業の概要や将来の見通しを記した書類であり、融資や補助金の審査において客観的な判断基準となります。

金融機関は、事業計画書から事業の収益性や返済可能性を評価して融資の可否を決定するため、自己資金不足を借入で補う場合には金融機関への提出が必要です。また、借入が不要な場合でも、補助金申請や自身の経営指針として活用できるため、個人事業主にとって作成のメリットは大きいといえます。

カフェ開業を成功に導くための事業計画書のポイントは?

金融機関の審査を通過し融資実行を成功させるためには、事業計画の論理的な整理と、客観的なデータに基づいた説得力が不可欠です。経営者の主観だけでなく、第三者が納得できる材料を揃えることが重要です。

5W2Hで情報を整理する

5W2Hとは、情報を論理的に整理するときの頭文字をとったものです。事業計画書では、以下の箇所で5W2Hを意識することによって情報を整理できます。

5W2H意味事業計画書における記載箇所等
Whenいつ開業予定日
Whereどこで店舗の場所、ロケーション
Who誰が経営者を含め、従業員等の予定
What何を事業内容、具体的なサービスメニュー
Whyなぜ創業動機や目的
Howどのようにセールスポイントやターゲット、市場や分析結果
How muchいくら必要な資金と調達方法、事業の見通しなど

すべての数値に根拠を持たせる

事業計画書に記載する数字は、単なる予測ではなく、市場分析や競合比較に基づいた根拠が必要です。算出プロセスが明確であれば説得力が増します。

計画と実行時に差が出ることはありますが、経営環境との整合性を重視して組み立てられた数字は、金融機関から高く評価される傾向にあります。

お店の強み・コンセプトを明確にする

他店にはない独自の強みを定義し、顧客がその価値に「支払う価値がある」と感じる理由を明確にします。どんなお客様にどのような価値を提供したいのかを深く掘り下げることで、経営の軸が安定します。

他店との差別化要素が一貫していれば、事業の成功率は高まります。このコンセプトの明確さは、メニュー構成から内装、接客サービスまですべてに影響を与える重要な土台となります。

カフェ開業の事業計画書を作成すべきタイミングは?

事業計画書を本格的に作成するのは、カフェ開業に必要な資金や調達方法が決まり、どこで借入をするかが具体的に決まってからです。しかし、それ以前にわかるところから少しずつ書きはじめてもよいでしょう。

まずは、ターゲットとする客層、具体的な場所、カフェのコンセプト、設備、賃料などについて資料を集めましょう。そして、資料を検討して構想が固まり、開業に必要な資金が見えてくれば、金利や保証人も含めて「どこで借りるか」をよく検討しましょう。金融機関にしても、日本政策金融公庫のような公的な機関もありますので借入条件をよく比較してみてください。

カフェの事業計画書テンプレート【無料DL可】

事業計画書の記載事項の漏れを防ぐためには、業界特有のポイントを押さえたテンプレートの利用をおすすめします。独自の書式がない場合は、業界の特徴を活かした構成が必要です。

マネーフォワード クラウド会社設立では、カフェ・喫茶店向けの事業計画書テンプレートをご用意しています。無料登録後のページにある「会社設立ナビ」にてダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。

また、日本政策金融公庫の創業融資を受ける場合は、公式サイトから創業計画書をダウンロードして活用しましょう。

参考:各種書式ダウンロード 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】|日本政策金融公庫

カフェの事業計画書の書き方・記入例は?

事業計画書の各項目は、専門用語を避けて誰にでもわかりやすく具体的に記載するのが基本です。ここでは借入を想定した記入例を見ていきましょう。

創業の動機・目的

事業を始めるきっかけを明確にし、地域のニーズや市場の隙間をどのように埋めるかを簡潔に記載します。

記入例

10年間の飲食業界での経験を活かし、子育て世帯が多い〇〇駅周辺に、ベビーカーでも入店しやすいファミリー向けカフェを出店したい。現状、周辺には昔ながらの喫茶店はあるが、乳幼児連れがくつろげる空間が不足しており、地域に憩いの場を提供することが目的である。

経営者の職歴・事業実績

これまでの職歴や資格を記載し、事業を成功させる資質があることを証明します。

記入例

〇〇大学卒業後、〇〇カフェで6年勤務(うち4年は店長)。メニュー開発や人材管理、経理業務に従事。直近の4年間で店舗売上を15%アップさせた実績がある。

取扱商品・サービス・戦略・現状分析

具体的なメニュー価格を提示し、顧客が感じる「価値」の裏付けと、ターゲット層への集客戦略を記載します。

価格は「客からの評価の期待値」であり、販売価格(=原価+利益)の利益分こそが、客が認めた価値です。戦略面ではターゲット層、集客方法、営業時間、サービス内容を簡潔に示し、現状分析として地域性や競合に対する優位性をアピールしましょう。

記入例

ドリンク400円〜、ランチセット1,200円。〇〇駅周辺のファミリー層をターゲットに、キッズスペース設置やSNS発信を行い、近隣の喫茶店にはない「親子で楽しめる空間」を強みとする。

取引先・取引関係

顧客への販売方法と決済手段、および安定した食材の仕入ルートを具体的に明記します。販売先は想定顧客を記載し、キャッシュレス決済を導入する場合は入金サイクルの異なる掛取引として扱います。仕入先は主要業者のほか、緊急時の近隣スーパーも確認しておきましょう。また、派遣要員を利用する場合は外注先として記載し、取引条件を整理します。

記入例

販売先は一般個人(現金即時回収、クレジット末日締め翌月末入金)。仕入先は(株)〇〇よりコーヒー豆を調達し、食材は△△青果店及び㈱□□から調達。一部食材は近隣スーパーで都度調達する。なお、㈱〇〇は前職でも取引があり、良質なコーヒー豆を安定的に仕入可能である。△△青果店及び㈱□□ともに仕入れ条件については交渉済みである。

従業員

家族従業員と一般従業員を区分して記載し、福利厚生費を含めた人件費の支払計画を立てます。従業員数が多い場合、給与に加えて社会保険料などの福利厚生費が発生し、資金繰りに影響するため支払日の予定も明記することが重要です。これにより、安定した雇用と経営体制の信頼性を示せます。

記入例

店主1名、家族専従者1名、アルバイト2名。給与は毎月末日締め、翌月15日銀行振込。社会保険料を含む福利厚生費を毎月予算化する。

借入の状況

個人的な借入金があればそれらもすべて正確に記載し、事業の利益から返済可能であることを開示します。開業後は個人の返済も事業の儲けから支払うことになるため、審査対象となります。新規開業では事業実績がない分、個人の信用評価が重視されます。隠さず申告し、誠実な姿勢を見せることが金融機関との信頼構築につながります。

記入例

住宅ローン残高1,200万円(月々7万円返済)、個人的な自動車ローンやカードローンの残高・返済額をすべて記載。

必要な資金と調達方法

必要な資金は「設備資金」と「運転資金」に分けて算出します。店舗の施工費用や什器などは、必ず業者からの見積書をベースに記載し、根拠を明確にしましょう。特に運転資金は、売上が安定するまでの赤字を補填したり、急な出費に対応したりできるよう、最低でも固定費の3〜6カ月分程度は余裕を持って見積もるのが安全です。

調達方法については、自己資金、親族等からの借入、金融機関からの融資を組み合わせ、「必要な資金の合計」と「調達方法の合計」が必ず一致するように調整します。

記入例

区分項目金額(万円)備考
必要な資金店舗内装工事費500A工務店見積り
厨房機器・什器200B社見積り
店舗保証金・礼金150物件契約予定額
運転資金(予備費含)350当面3カ月分の経費
合計1,200
調達方法自己資金400普通預金より
親族からの借入200父より(返済期間5年)
金融機関からの融資600日本政策金融公庫(予定)
合計1,200

事業の見通し

事業開始直後の「創業当初」と、経営が安定した「1年後(軌道に乗った後)」の2つのフェーズで収支を予測します。売上高の算出には「単価 × 客数 × 営業日数」などの具体的な根拠を持たせ、季節変動(例:夏に売上が上がる、2月は下がる等)も考慮した月平均値を記載しましょう。

また、売上から原価と経費(人件費、家賃、光熱費など)を差し引いた「営業利益」が、借入金の返済や生活費を十分に賄える額になっているかを確認することが重要です。

記入例

項目創業当初(月平均)1年後(月平均)算出根拠・備考
売上高120万円180万円客単価1,200円、1日平均50名
売上原価36万円54万円原価率30%で算出
売上総利益84万円126万円
販売費一般管理費70万円85万円人件費、家賃、水道光熱費
(うち人件費)(25万円)(35万円)当初1名、1年後より2名体制
(うち家賃)(20万円)(20万円)共益費込み
営業利益14万円41万円借入金返済原資となる金額

参考:事業計画書の作成例|起業マニュアル|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

カフェの事業計画書の利益の考え方は?

利益の計算については、損益計算書に準じて次の式にあてはまるように記載します。

売上高-(売上原価 + 必要経費)= 利益
  1. 固定的な必要経費:人件費、家賃、利息に減価償却費を加え、売上に左右されない費用を計算します。
  2. 売上高の予測:単価 × 販売数量 × 営業日数に分解して今後の見通しを立てます。
  3. 変動費原価率は20〜40%を目安に設定し、飲み物メインの場合は低めに調整します。
  4. 最終調整:売上と原価の組み合わせを調整し、税金や個人返済を考慮しても黒字が残る幅を確保します。

参考:カフェ|業種別開業ガイド|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

カフェの事業計画書で融資担当者が評価する点は?

融資担当者は、経営者の信頼性、事業の独自性、そして計画通りの返済が可能かどうかを多角的に評価します。

経営者の資質

経営者のこれまでの経歴や過去の借入状況から、事業を継続・完遂できる人物かどうかを判断されます。具体的には、経営者の年齢、過去の職歴、経営しようとする店舗の規模とこれまでの経験との整合性などが確認されます。また、個人的な借入額を含めた基本情報から経営体制における問題点がないかを精査し、経営者としての資質が総合的に評価されます。

売上の妥当性

仕入れから提供までの流れがその店独自の強みを反映しており、かつ算出された売上が妥当であるかを確認されます。平均単価、販売数量、客数、稼働率といった売上の構成要素が、市場環境や店舗のコンセプトと矛盾していないかが見られます。自社の強みだけでなく弱みも把握した上で、競合他社にはない独自性がどのように収益に結びつくのか、説得力のある説明が求められます。

収支計画の根拠と返済能力

創業時から1年後の収支変動を予測し、借入金の返済が本格化する時期に安定した利益を確保できるかをチェックされます。1年後に収支がどのように推移し、その変動原因が何であるかを明確に示す必要があります。特に、具体的な計算根拠に基づいた1年後の損益予測は、金融機関が「確実に返済してもらえるか」を判断する際の重要な基準となります。

資金使途と顧客への価値提供

融資を希望する資金の使い道が、最終的に「顧客にとっての価値」につながり、売上を生むものかどうかが判断されます。設備投資や運転資金が、単なる経営者のこだわりではなく、顧客の満足度向上や集客にどのように貢献するのかという説明が必要です。資金を投入することで得られる価値が明確であれば、事業の成功可能性が高いと評価されやすくなります。

カフェの事業計画書作成で最も苦労するのは「財務計画」

マネーフォワード クラウドが2026年1月に経営者や個人事業主など809名を対象に実施した調査によると、作成時に最も困難だと感じたセクションは「財務・資金調達計画」で35.5%に達しました。次いで「販売戦略・マーケティング計画」が30.3%となり、具体的な数値計画や集客戦略の言語化が大きな壁となっていることがわかります。

また、実際に銀行や投資家へ提出した際、指摘や再提出なく通過したのは31.7%にとどまり、44.9%が何らかの「指摘」や「再提出」を求められたという結果が出ています。融資審査をスムーズに進め、理想のカフェを開業するためにも、本記事で解説したポイントやテンプレートを活用し、第三者が納得できる客観的な数値根拠をしっかりと積み上げることが重要です。

出典:マネーフォワード クラウド、作成が最も困難だと感じたセクション、提出時の不備・再提出の指示【事業計画書に関する調査データ】(回答者:809名、集計期間:2026年1月実施)

事業計画書を作成し、理想のカフェを開業しよう

カフェ開業を成功させるためには、想いを具体的な「数字」と「論理」に落とし込んだ事業計画書を作成し、周囲の信頼を得ることが不可欠です。

地域の憩いの場となるカフェを長く堅実に運営するために、まずは無料のテンプレートなどを活用し、事業計画を立てることから始めましょう。しっかりとした根拠に基づいた計画があれば、あなたの理想とするカフェの実現は大きく近づきます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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