• 更新日 : 2026年3月12日

【事業計画書付】ハウスクリーニングで独立・開業する方法は?FCと個人事業主で解説

Pointハウスクリーニングの独立・開業のメリットは?

店舗不要で一人でも始められるため低リスクであり、正しい集客と技術習得により未経験からでも売り上げ増を目指せるビジネスです。

  • 開業資金の目安は、個人なら200万〜400万円、FCなら300万〜500万円程度。
  • 集客は待ちの姿勢は厳禁。Web広告やSNS、チラシを併用した戦略が必要。
  • 開業費は「任意償却」を活用し、黒字化した年に経費化して節税するのが鉄則。

必須の資格はありませんが、「ハウスクリーニング技能士」などの国家資格を取得することで、顧客からの信頼獲得と他社との差別化につながります。

ハウスクリーニングの独立・開業は、一人でもできて、事務所や店舗を構える必要がないので、比較的はじめやすいビジネスといえます。

今回はハウスクリーニングの開業に必要な資金の目安や資格、開業までの流れ、メリット・デメリットや成功するためのポイントについてご紹介します。

目次

ハウスクリーニングの独立・開業に必要な資金は?

ハウスクリーニングを開業する方法としては大きく分けて「個人で独立開業する」と「フランチャイズで開業する」という2つのパターンがあり、必要な開業資金も異なります。まずはそれぞれの開業資金の目安を見ていきましょう。

個人で独立開業する場合

フランチャイズには加盟せず、個人で一から開業する方法です。フランチャイズの加盟料やロイヤリティーを支払う必要がないため、初期費用・ランニングコストともに抑えることができます。

開業資金の目安はおおむね200万~400万円で、内訳は車両や清掃機材、器具・備品類の調達費用、技術習得費、広告宣伝費などです。

フランチャイズで開業する場合

フランチャイズ本部に加盟して開業する方法では、加盟金や研修費用、システム導入費用などがかかるため、個人で開業する場合よりも開業資金が高額になる可能性があり、目安は300万~500万円程度です。

また、売上額に応じて一定の割合の金額をロイヤリティーとして支払わなければならないため、ランニングコストもかかります。ただ、大手のブランドを使える、技術や知識、開業ノウハウを教えてもらえる、きめ細かいサポートを受けられるなどのメリットもあります。

ハウスクリーニングの年収の目安は?

厚生労働省の統計によると、ハウスクリーニング職の平均年収は399.8万円となっています。 これはあくまで雇用されている場合の平均値も含まれますが、独立開業し、効率的に案件を獲得できれば、これ以上の収益を上げられる余地は十分にあります。

出典:ハウスクリーニング|job tag 厚生労働省 職業情報提供サイト

ハウスクリーニングの独立・開業に必要な資格は?

ハウスクリーニングは資格がなくても開業することは可能です。ただし、お客様の大切な住まいを掃除するわけですから、専門知識が必要です。機材や清掃器具の使い方、住宅に関する知識、設備や家電の分解方法や清掃方法、薬剤の特性など、幅広い知識が求められます。

また、「ハウスクリーニング技能士」や「ハウスクリーニングアドバイザー」などの資格を取得することで技術の証明や他社との差別化に役立ちます。

ハウスクリーニング技能士(国家資格)

厚生労働省より指定試験機関の指定を受けた公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が実施する技能検定です。レンジフードの洗浄や床材の判定など実技試験もあり、取得すれば国が認めた「技能士」として高い信頼を得られます。

参照:技能検定|公益社団法人全国ハウスクリーニング協会

ビルクリーニング技能士(国家資格)

ビルメンテナンス業向けの国家資格ですが、洗剤の知識や床清掃の機材操作など、清掃業の基礎を網羅しています。1級から3級まであり、大規模な案件や法人取引を目指す場合に有利に働きます。

参照:ビルクリーニング技能士|公益社団法人全国ビルメンテナンス協会

ハウスクリーニングアドバイザー(民間資格)

日本生活環境支援協会(JLESA)が認定する民間資格です。掃除のプロとして、適切な道具の選び方や汚れごとの対処法など、実務的な基礎知識を持っていることを証明できます。比較的取得しやすいため、未経験からの第一歩として適しています。

参照:ハウスクリーニングアドバイザー資格|日本生活環境支援協会(JLESA)

受験勉強を通じてハウスクリーニングに関する知識や技術を学ぶことができ、資格を取得すればお客様からの信頼感が高まって仕事が獲得しやすくなるかもしれません。

ハウスクリーニングで独立・開業する方法・流れは?

ハウスクリーニングの開業までの手順は、市場調査による計画作成から始まり、資金や機材の調達、集客準備を経て、最後に税務署へ届出を行うという流れです。FCで開業する場合は、複数の本部を比較検討します。

1.事業計画(創業計画書)の作成

まずはお住まいの地域や想定している営業エリア内の市場調査を行い、収支シミュレーションや事業の方向性を決定します。

事業計画明確にすべき項目
  • 主なターゲット層
  • 競合他社の価格帯
  • 提供するサービスの範囲

その上で、経営の指針となる以下の数値を試算します。

  • 開業に必要な資金総額と調達方法
  • 毎月の経費
  • 損益分岐点となる売上目標

この段階で収支計画を詳細に立てておくことが、資金調達を円滑に進めるポイントです。

2.フランチャイズへの加盟(フランチャイズで開業する場合)

フランチャイズに加盟する場合は複数の本部を比較し、サポート体制が自分に合う企業と契約します。

FC本部は数多くあるため、説明会に参加し、以下の条件を確認しましょう。

  • 加盟金やロイヤリティーの金額
  • 研修制度の充実度
  • 開業後の集客サポート体制

自分に合った本部を選ぶことが、事業開始後のリスク軽減につながります。

3.資金調達

自己資金で開業できない場合は資金調達を行う必要があります。創業時の融資としては、日本政策金融公庫などがよく利用されます。

融資を受ける際は、説得力のある事業計画書(創業計画書)の作成や、一定割合の自己資金の準備が求められます。審査には時間を要するため、開業予定日から逆算して早めに相談に行きましょう。

4.車両・機材・備品の調達

移動用の車両や専門的な清掃機材、洗剤などをリストアップして揃えます。 車両は小回りが利き、維持費の安い軽バンなどが主流です。

非常に多岐にわたるため、チェックリストを作成して調達を進めていきましょう。

  • 高圧洗浄機
  • ポリッシャー
  • 脚立、養生シート
  • エアコン洗浄用のカバーや専用洗剤

初期費用を抑えるために中古品を活用するか、リースを利用するかも検討事項の一つです。必要なものを一覧にし、漏れのないように手配を進めましょう。

5.採用・教育(スタッフを雇用する場合)

スタッフを雇う場合は、求人媒体への掲載や技術指導のマニュアルを用意します。 少なくとも数カ月前から求人活動を行い、採用や教育を行わなければなりません。

清掃技術にばらつきが出ないよう、作業手順書の作成やOJT(実地研修)の計画も立てておく必要があります。

6.集客・マーケティング

ハウスクリーニングは店舗のようにお客様が来るのを待つビジネスではありません。お客様から依頼を受けなければならないので、集客を行わないことには売上が上がりません。

チラシや新聞の折込広告、雑誌広告、ホームページ、インターネット広告、SNSなどで積極的に集客を行い、まずはハウスクリーニングサービスを行っていることを知ってもらう必要があります。

  • 自社ホームページの開設
  • Googleビジネスプロフィールへの登録(MEO対策)
  • SNSでの施工事例の発信
  • マッチングサイトへの登録

オンラインとオフラインを組み合わせた集客戦略を実行しましょう。

7.開業届・青色申告承認申請書の提出

個人事業主として事業を開始したら、管轄の税務署へ「開業届」を提出します。あわせて「青色申告承認申請書」も提出すると最大65万円の特別控除が受けられるほか、赤字の繰り越しが可能になるなど、大きな節税効果が得られます。

提出には期限があるため、開業後速やかに手続きを済ませましょう。

損害保険加入も忘れずに

ハウスクリーニング業務では、細心の注意を払っていても事故が起きる可能性があります。

  • 清掃中に高価な家具を傷つけてしまった
  • エアコン洗浄の水が漏れて床材を変色させた
  • 洗剤が飛び散って顧客の衣服を汚してしまった

こうしたトラブルに備えて「賠償責任保険」への加入は必須です。万が一の際に数万円から数十万円の弁償が発生すれば、個人事業主にとっては死活問題になりかねません。顧客にとっても、保険に加入している業者の方が安心して依頼できます。

ハウスクリーニング独立・開業のメリットは?

ハウスクリーニングのメリットといえば少ない資金で開業できることです。一般的に飲食店や小売店などのビジネスは店舗を構えなければなりません。内装工事や設備などに多くの資金が必要です。また、賃料も毎月支払わなければなりません。

ハウスクリーニングでは機材や備品は車に積み込み、自宅を事務所にすることもできるため、物件を借りる必要がなく、開業資金とランニングコストを大幅に抑えることが可能です。

未経験でも開業できるのもメリットです。知識や技術は必要ですが、特殊な資格や免許は不要です。特にフランチャイズで開業する場合は研修があるため、全くの素人でも開業までに安心して依頼を受けられるまでになります。

スタッフを雇わなくてはいけないビジネスモデルが多い中で、一人でできるのもハウスクリーニングの魅力です。人件費が不要で教育や管理の手間もかかりません。一人でマイペースに仕事がしたい方にもおすすめです。

ハウスクリーニング独立・開業のデメリットは?

ハウスクリーニングのデメリットは集客をしないと売上が立たないという点です。店舗ビジネスは通りかかったお客様が来てくれる可能性もありますが、依頼があってからお客様の住まいにお伺いするハウスクリーニングではそうはいきません。

また、他社との差別化が難しいのもデメリットといえます。ハウスクリーニングの内容はどこもだいたい同じです。ただ単に住まいや設備、家電をきれいにするだけでは、お客様にとって依頼する決め手にはなりません。

スピード対応可能、値段が安い、他では請け負えないことをしている(特殊清掃など)といった差別化要因を設ける必要があります。

ハウスクリーニング独立・開業の成功・失敗ポイントは?

事業を軌道に乗せるためには、ターゲットに合った集客と、利益を圧迫しないコスト管理が求められます。失敗の多くは「依頼が来ない」か「忙しいのに儲からない」のどちらかの傾向があります。

ターゲットに合わせて集客手法を選定する

顧客層の属性に応じて宣伝媒体を使い分けます。 失敗するパターンの多くは、集客ができずに依頼が途絶えてしまうことです。これを防ぐためには、自社が狙うターゲットが普段目にしている媒体かを選ぶ必要があります。

  • 高齢者層がターゲットの場合:新聞折込チラシ、ポスティング、地域情報誌
  • 若年層・ファミリー層がターゲットの場合:SNS、Web広告、ホームページ

単に広告を出すのではなく、誰に届けたいかを明確にすることで、限られた広告費を有効に活用できます。

検索需要を捉えてWeb広告を活用する

緊急性の高い依頼を獲得するため、検索連動型広告などを利用します。 ハウスクリーニングは「エアコンが臭い」「キッチンが汚れた」など、困ったタイミングで検索されることが多いサービスです。

また、ユーザーは料金やサービス内容を比較するために複数の業者を検討します。 そのため、Googleなどの検索結果に表示される「リスティング広告」を活用し、探しているユーザーの目に留まる場所に情報を露出させることが、確度の高い顧客獲得につながります。

経費を削減し適正価格を設定する

初期投資を抑えつつ、利益が出る価格ラインを慎重に設定します。 「依頼はあるのに手元にお金が残らない」というケースは、価格設定が低すぎるか、経費がかかりすぎていることが原因です。利益が出るよう原価計算を行うと同時に、特に大きな割合を占める開業資金を抑える工夫が必要です。

  • 車両費:新車(200万~300万円)ではなく、中古車(100万円以下)を選ぶ
  • 機材・備品費:特定の業者で即決せず、必ず複数社から相見積もりを取る

このように固定費を抑えることで、損益分岐点が下がり、経営の安全性を高めることができます。

リピーター獲得で経営を安定させる

新規顧客の獲得にはコストと労力がかかりますが、リピーターからの依頼はコストゼロで発生します。経営を安定させるには、一度利用してくれた顧客をファンにすることが近道です。

「作業が丁寧」なのはもちろんですが、以下のような接客や配慮がリピートにつながります。

  • 清潔感のある身だしなみと笑顔での挨拶
  • スリッパを持参する、道具を直置きしないなどの配慮
  • 作業後のメンテナンス方法のアドバイス
  • 定期的なDMやLINEでのキャンペーン案内

ハウスクリーニングは、お客様のプライベートな空間に入る仕事です。「この人なら安心して家に入れられる」という信頼関係を築くことが、長く愛される事業を作る秘訣といえるでしょう。

ハウスクリーニングでおすすめのフランチャイズは?

特に開業するのがはじめての方、清掃業が未経験の方は、フランチャイズに加盟するのもいいかもしれません。加盟金やロイヤリティーは必要ですが、ハウスクリーニングの知識やスキル、経営ノウハウを学ぶことができて、大手企業のブランドを使えるので、ハードルが大幅に下がります。

「ハウスクリーニング フランチャイズ」と検索すると、さまざまな本部がヒットします。加盟金やロイヤリティーの金額、フォロー体制、研修の内容、知名度などを考慮しながら選びましょう。

ハウスクリーニング独立後の経理・仕訳のポイントは?

独立開業後は、確定申告をスムーズに進めるために日々の経理処理が欠かせません。ここでは、開業準備にかかったお金の処理方法と、ハウスクリーニング業で頻繁に使用する勘定科目を紹介します。

開業準備にかかったお金は「開業費」に

開業届に記載した「開業日」より前に支払った準備費用は、原則として「開業費」という資産の勘定科目でまとめて計上できます。

Point開業費に含まれるもの
  • チラシや名刺の作成費用
  • 技術習得のためのセミナー代や書籍代
  • 打ち合わせにかかった飲食代
  • 1つ10万円未満の機材や備品(洗剤、ブラシ、安価な掃除機など)

※注意点(10万円以上のもの)

1つ10万円以上の高圧洗浄機や車両などは、開業費ではなく「工具器具備品」や「車両運搬具」として資産計上し、耐用年数に応じて減価償却する必要があります。

開業費は「任意償却」が認められています。つまり、利益がたくさん出た年にまとめて経費にして税金を抑えるなど、経営者の判断で経費化するタイミングと金額を決められるため、大きな節税効果があります。領収書は必ず保管しておきましょう。

よく使う勘定科目一覧

ハウスクリーニングは飲食店のように食材の仕入れがない業種ですが、洗剤や移動コストなどの経費が日々発生します。これらを正しく分類することで、経営状態を正確に把握できます。

支出の内容勘定科目備考
洗剤、ワックス、ブラシ、ウエス消耗品費仕入勘定を使わず、購入時に経費とするのが一般的
ガソリン代、車検代、車両修理費車両費プライベートと兼用の場合は家事按分が必要
コインパーキング代、高速道路代旅費交通費現場への移動に伴う費用
チラシ印刷代、Web広告費広告宣伝費集客のための費用
賠償責任保険料損害保険料業務上のトラブルに備える保険
同業者への応援依頼費用外注工賃繁忙期などに外部へ委託した場合

仕訳の具体例

開業前の準備費用を計上する場合

借方金額貸方金額
開業費300,000元入金300,000

洗剤を購入した場合

借方金額貸方金額
消耗品費3,000現金3,000

※クレジットカードの場合は貸方が「未払金」になります。

現場近くの駐車場を利用した場合

借方金額貸方金額
旅費交通費1,000現金1,000

作業代金を現金で受け取った場合

借方金額貸方金額
現金15,000売上高15,000

ハウスクリーニングは未経験から開業できやりがいのあるビジネスモデル

ハウスクリーニングは未経験でも開業して利益が得られる可能性が十分にあるビジネスモデルです。高齢化や共働き世帯の増加によって、ハウスクリーニングの需要も高まりつつあります。エアコンや水回りの設備など普段掃除できない箇所をきれいにすれば感謝の言葉がいただけるので、やりがいのある仕事といえます。

開業を考えられているなら、ハウスクリーニングも候補に入れてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

ハウスクリーニングの開業に必要な資金は?

個人で開業する場合は200万~400万円、フランチャイズで開業する場合は300万~500万円ほどが相場です。詳しくはこちらをご覧ください。

ハウスクリーニングで開業する方法・流れは?

事業計画の作成、フランチャイズへの加盟(フランチャイズで開業する場合)、資金調達、車両・機材・備品の調達、採用・教育(スタッフを雇用する場合)、集客といった流れがあります。 詳しくはこちらをご覧ください。


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